宝塚歌劇団 作曲家 吉﨑憲治さん ✨2度目のご出演✨

樽井美帆です

 

8月24日(土)は、宝塚歌劇団 作曲家 吉﨑憲治さん をお迎えしました。

 

吉﨑憲治先生6

 

2020年10月にご出演くださった吉﨑先生、

光栄なことに約4年ぶりに再びご出演くださいました!

 

前回は、宝塚歌劇団での作曲活動が60周年を迎え3000曲以上作曲されてこられたお話。

宝塚市市民文化賞を受賞されたお話、

そして『コロナ退治の歌 BEAT CORONA SONG』を

制作されたお話などをお伺いしました。

 

✨宝塚歌劇団 作曲家 吉﨑憲治さん(前回ご出演時の記事)✨

 

スタジオに入りヘッドホンを付けた吉﨑先生は、

「これを付けるとアナウンサーになった気分になるね😀」と

笑顔でおっしゃっていました。

とってもお茶目でいらっしゃいます🤩

 

この日のオープニングナンバーは、吉﨑先生が作曲された

2021年の星組公演ロマンチック・レビュー『モアー・ダンディズム!』より

「ザ・ダンディー」をお届けしたのですが、

吉﨑先生は、指でリズムをとりながら曲を聴いていらっしゃいました。

「我ながらリズムをとりたくなる曲ですね😊

思わずリズムをとってしまうという、私が目的とするものを自分自身でやってしまっていましたね。」

と少し照れたようにお話しされていました。

 

作曲家活動65年目になられた吉﨑先生。

「いつの間にかという感覚ですね。」とおっしゃっていました。

 

吉﨑先生は昨年、卒寿(90歳)を迎えられました。

「いつの間にかというと不自然ですけれども、よく人生矢のごとしと言いますが、

宝塚に入ってから夢のような感じでずっときてしまったという思いがあります。

色々ありましたが、本当にそのようなイメージです。」と

これまでの年月を振り返っていらっしゃいました。

 

卒寿という節目を迎えられた昨年、生誕110年を迎えた元タカラジェンヌ園井恵子さんを思う歌

~原爆に散ったタカラジェンヌ~女優 園井恵子 生誕110年記念『ふるさと永遠(とわ)に』

を作曲されました。

 

ふるさと永遠にCD

 

吉﨑先生に作曲を依頼されたのは、園井恵子さんと同じ岩手県岩手郡ご出身で、

「園井恵子を語り継ぐ会」の柴田和子会長。

2013年に園井さんのふるさと岩手県岩手郡にて行われた

園井恵子さん生誕100年式典に参加された吉﨑先生と柴田さんにご縁が生まれ、

今回の作曲へと繋がっていきました。

 

一面田んぼでこんなに緑豊かでのどかな田舎町に、宝塚に行きたいという人がいたということに

吉﨑先生はとても驚かれたそうです😲

 

『ふるさと永遠に』には、吉﨑先生の経験された戦争への思いも込められています。

12歳(6年生)の時、疎開先である山の中の知人宅で終戦を迎えられた吉﨑先生。

ラジオで玉音放送を聞いた大人たちから「戦争が終わったぞ」と聞かされ、

一人ポツンと田舎の畦道で焼け野原を見つめながら、

戦争が終わったんだとかみしめた思い出がおありだそうです。

 

『ふるさと永遠に』は5番構成。

4番だけは全く雰囲気が違う曲調になっています。

「原爆を音楽で表すことはとんでもないことなんですけれども、

曲の流れとして変化やアクセントを付けたり、歌い方を変えてほしいとお願いしました。」

吉﨑先生が経験された戦災時の水不足も曲の中で表現されています。

 

吉﨑先生は、補作詞も手掛けていらっしゃいます。

5番は「ありがとう」という歌詞がとても印象的。

感謝の気持ちや、これからは幸せが永遠に続いてほしいという思いを込めていらっしゃいます。

園井さんはじめ、戦争でもう一度愛するふるさとに帰ることができなかった方々の思い、

そして希望も感じることができる終わりとなっています。

 

歌は、作詞を手掛けられた柴田和子さんの息子さん柴田泰孝さんです。

岩手県岩手郡ご出身で、岩手町ふるさと大使の歌手。

日本国内やイタリアで、ジャンルを越えた歌手としてご活躍されています。

 

園井恵子さんは、宝塚歌劇105周年の年となった2019年、

宝塚歌劇の殿堂105人目の顕彰者として選出されています。

 

~原爆に散ったタカラジェンヌ~女優 園井恵子 生誕110年記念『ふるさと 永遠に』。

CDは500枚製作され、1枚2000円となっています。

CDのお問合せ・ご購入のお申込みは、販売委託先「ひょうえもん」へお願いします。

ファックス:0195-62-4618

メール:hyoemon515@if-n.ne.jp

 

 

現在、宝塚大劇場で上演中の星組公演

政界コメディ『記憶にございません!』-トップ・シークレット-

カルナバル・ファンタジア『Tiara Azul -Destino-』の

プログラム内にある公演アンケート『宝塚の名曲総選挙』を見ながら

お話しをさせていただきました。

 

吉﨑憲治先生3

 

演出家・石田昌也さんが投票された曲は、

吉﨑先生作曲の「この愛よ永遠に(TAKARAZUKA FOREVER) 」です!

碧海さりおさんも投票されています。

 

この曲はいつしか「フォーエバータカラヅカ」と呼ばれるようになりましたね。

 

「フォーエバー」永遠にという言葉が先にくるように作ったのは、

それが宝塚でありますようにという願いが入っています。

そんな風に心の中で自分でも歌っている感じがしますと吉﨑先生。

トップスターの退団公演千秋楽で、一番最後にお別れの曲としてよく歌われますが、

退団していくトップスターが、宝塚よ永遠にというイメージを持って

歌ってくださっていると思いますとおっしゃっていました。

 

「フォーエバー、永遠に!」

「何が?」

「宝塚ですよ!」

という語順になった方が強調性があるように感じて作ったので、

「フォーエバータカラヅカ」という言い方もいいなといつも思っていらっしゃる

吉﨑先生ご公認の通称「フォーエバータカラヅカ」ですね✨

吉﨑先生のイメージがまさに「フォーエバータカラヅカ」だったそうです。

宝塚歌劇のお別れの定番ソングになっていること、うれしいですとおっしゃっていました。

 

1984年、『ザ・レビューII -TAKARAZUKA FOREVER-』で

大地真央さん・黒木瞳さんが歌われた「この愛よ永遠に(TAKARAZUKA FOREVER) 」は、

できた時はゆったりとしたテンポだったのですが、

ショーにもフィナーレにも使いたいからちょっと賑やかにしようという

演出家・小原弘稔さんの発想があり、早いテンポでも歌うことになったそうです。

同じ曲でもリズムの違いによって全く違う曲に聞こえるのは、

音楽のマジックですねと吉﨑先生はおっしゃっていました。

 

吉﨑憲治先生1

 

宝塚大劇場デビューとなる竹田悠一郎さんが選ばれたのは、

『ル・ポアゾン 愛の媚薬』の主題歌。

竹田さんも吉﨑先生作曲の曲を選ばれています!

トップ娘役・舞空瞳さん、鳳真斗愛さん、星咲希さんも投票されています。

 

この曲を聴いたら、必ず歌い踊りだしてしまう大好きな曲です。

曲が流れた瞬間から、動かずにはいられない、ドキドキ、ワクワクがとまりません。

そんな理由が書かれていました。

 

作曲家のもくろみがうまくいっていてうれしいですと吉﨑先生😍

どんな曲になるかな、みなさんがどういう風に歌ってくれるかな、

生徒たちはどう思ってくれるかなと思いながら作られるそうですが、

込めた思いを自然に感じながら歌ってくれていることが分かると

とてもうれしいんですよとおっしゃっていました。

 

愛の媚薬で音楽に酔っているというイメージで作られたそうです。

「自分で自分に酔っちゃダメなんですけどね😆」と楽しい吉﨑先生!

岡田敬二さんから愛の媚薬という歌詞が届いた時は、

「そうきたかっ!」と😁

 

多くの作品を共に作ってこられた吉﨑先生と岡田先生ですが、

毎回新鮮な気持ちで曲を作っていらっしゃるそうです✨

 

「ル・ポアゾン」を聞き終えたあと、ちょっとクラクラしてきたような気がしますという私に、

「それは媚薬が回ってきたんですね~!」と楽しい吉﨑先生😆

 

吉﨑憲治先生2

 

『グレート・ギャツビー』の「朝日の昇る前に」については・・・

対岸に見える光を見ながら彼女を思うという気持ちをイメージすることが、

現実にはあまりない状況なのでなかなか難しかったそうですが、

一生懸命イメージして思考力を燃やして作曲されたそうです。

 

自分のことに置き換えて、明日への希望や自分へのエールとして、

「朝日の昇る前に」という曲を大切にされている方がいらっしゃること、

とてもうれしいですとおっしゃっていました。

そして、空想の世界ですけれども、自分もそういうイメージを抱きながら

作ったんじゃないかなともおっしゃっていました。

 

 

音楽を作るパワーを、生徒のみんなからももらいながら

頑張っていきたいと思っていますと吉﨑先生。

 

吉﨑先生が作られた曲から、生徒のみなさんや客席の私たちはパワーをいただきますが、

吉﨑先生も生徒のみなさんや客席の私たちからパワーを受け取っていらっしゃるそうです。

 

このステキなパワーの循環を続けていきたいです。

これからもみなさんにたくさんの夢をお届けしたいと念願していますと、

夢と思いをお聞かせくださいました✨

 

約4年前にご出演いただいた際、吉﨑先生は「Keny March」という

もう一つのお名前をお持ちということを教えていただきました。

でもこのことは、現役の生徒さんでも知る人ぞ知ることなのだそうです!

曲のタイトルが横文字で、日本の名前が横に並ぶよりも、

英語の名前が並んだ方がしっくりくるなという場合などに

Keny Marchという名前を使われることがあるそうです。

また、普段は演出家の方が作詞されたものに曲をつけられるのですが、

いつか使えたらいいなという思いで吉﨑先生が作詞・作曲し貯金している作品の時にも

Keny Marchというお名前を使われるということも教えていただきました。

たとえば『YOUME AMOR(夢・アモール)』は、作詞・作曲がKeny Marchさんです!

 

最近では、2023年の花組公演ネオ・ロマンチック・レビュー『GRAND MIRAGE!』の中の

「果てしなきミラージュ」という曲が、作詞・作曲Keny Marchさんでした!

 

Keny Marchというお名前を使われる時、

そこには吉﨑先生の楽しいいたずら心が込めれているそうですよ😊

ぜひ、みなさんもKeny Marchさんというお名前を探してみてくださいね🎵

 

番組の最後には、吉﨑憲治先生ことKeny Marchさんから

「センキュー ベリー マーチ😀」というごあいさつもいただきました。

番組終了後、「久しぶりにダジャレが出ましたね~!」とキュートな吉﨑先生でした😍

 

1時間の放送中、ずっとニコニコ優しい笑顔でお話ししてくださった吉﨑先生。

 

吉﨑憲治先生4

 

初めて触れた音楽は、お母さまの子守唄。

ピアノを習い、中学・高校時代は友人とコーラス部を作って合唱に打ち込まれたそうです。

吉﨑先生が作られる音楽が、優しく耳と心に響き、あたたかく包み込んでくれて、

いつまでも美しく記憶に残る理由は、吉﨑先生の幼少期からの音楽との関わりに

あるのかもしれませんね✨

 

吉﨑憲治先生5

 

吉﨑憲治先生、ご出演くださり本当にありがとうございます。

これからも吉﨑先生の作られた美しい音楽で、たくさんの夢を見させてください。

 

※吉﨑の「吉」は上部が「土」が正しい表記です。