宝塚大劇場宙組公演『NEVER SAY GOODBYE』-ある愛の軌跡-

樽井美帆です

 

宙組公演 ミュージカル『NEVER SAY GOODBYE』-ある愛の軌跡-

が、宝塚大劇場にて2月28日(月)から3月14日(月)まで上演されました。

 

当初、2月5日(土)に初日を迎える予定でしたが、

公演関係者の新型コロナウイルス感染確認を受け、公演を安全に実施するにあたり

必要な準備期間を確保するため2月5日(土)から27日(日)の公演は中止となり、

2週間の公演期間となりました。

 

また、公演準備が整わないことから新人公演も中止となりました。

 

東京宝塚劇場では、予定通り4月2日(土)から5月1日(日)まで上演されています。

 

『NEVER SAY GOODBYE』-ある愛の軌跡-は、

「ジキルとハイド」・「THE SCARLET PIMPERNEL」などの

世界的大ヒットミュージカルの作曲家フランク・ワイルドホーン氏と、

演出家・小池修一郎さんとのコラボレーションにより、2006年、

当時の宙組トップコンビ和央ようかさん・花總まりさんの退団公演として上演されました。

現在、和央ようかさんは、フランク・ワイルドホーンさんの奥様となられています。

今回16年ぶりに、初演と同じ宙組での再演。

2006年の初演で初舞台を踏んだ真風涼帆さんが、今回トップスターとして主演をつとめました。

 

 

ミュージカル『NEVER SAY GOODBYE』-ある愛の軌跡-
作・演出/小池 修一郎
作曲/フランク・ワイルドホーン

 

人気写真家ジョルジュが、内線下のスペインを訪れ、自由と正義を求めて戦う人々との

出会いの中で、人生に真実を見出していく姿を、劇作家キャサリンとの愛とともに描いた作品。

 

歌劇2月号座談会には、初演時である16年前の思い出が書かれています。

初舞台生である92期生48名が自己紹介をした際、フランクさんが、

真風凉帆さんを見て「あの子は絶対スターになる」とおっしゃったそうです。

小池修一郎さんの真風凉帆さんに対する印象は「たしかにひと際背は高かったけれども、

非常に緊張していて青ざめているようだった。」だったそうです。

 

ギターの音色とともに聞こえてくる真風涼帆さんによる開演アナウンス。

言葉のあとに聞こえる息の音がすでにかっこいいです💗

 

舞台は、スペインのカタルーニャ地方の荒野。

1本のオリーヴの木が立っています。

 

アメリカからやってきたペギー・マクレガー(潤花さん)とエンリケ・ロメロ(奈央麗斗さん)が登場します。

潤花さんは、ペギーとキャサリンの二役。

孫と祖母の関係です。

エンリケは、ヴィセント(芹香斗亜さん)の孫。

ヴィセントが残した手紙を頼りにジョルジュの遺品を捜すペギーが、

祖父と祖母が歩んだ日々に想いを馳せるところから物語ははじまります。

 

エンリケ・ロメロを演じた奈央麗斗さんは、昨年初舞台を踏んだ107期生。

兵庫県宝塚市ご出身、そして兵庫県立宝塚北高等学校のご出身です。

いきいきと輝く目が印象的でした。

 

潤花さん演じるペギーは、キャサリンの気の強さと自分をしっかり持っているところを

間違いなく受け継いでいるなという雰囲気を感じました。

 

真風涼帆さんが演じたのは、パリを拠点に活躍する世界的フォトグラファー

ジョルジュ・マルロー。

 

カメラを持って濃紺の光沢あるタキシード姿で登場する真風涼帆さん、かっこいいです💖

足が長い!長すぎます!

 

宙組『NEVER SAY GOODBYE』1

 

サスペンダー姿の真風涼帆さん。

サスペンダーってちょっと可愛らしい感じがしてキュンとしますよね!

カッコよさと可愛らしさが絶妙でキュンキュンしてしまいました💕

そこに腕まくりが加わるのでニヤけてしまうほどのカッコよさ💜

写真を撮る時に「よしっ」と気合を入れてジャケットの腕まくりをする姿は、

本当に最高でした✨

 

銀橋に立ち、客席に背中を向けて写真を撮る場面もありましたが、

後ろ姿がますますカッコよくなっている真風凉帆さんでした。

 

キャサリンとの別れの場面では、一緒に付いていくというキャサリンを納得させ、

意を決してジョルジュに背中を向けたキャサリンを、優しい笑顔と声で後押し。

その優しい瞳から目が離せませんでした。

 

これまで数々の大作ミュージカルに出演してこられた真風凉帆さん。

すべての歌詞がクリアに聞き取ることができ、

大曲を自在に歌い上げる歌声に感動もいただきました。

特に、ジョルジュが自分の歩んできた道をキャサリンに伝えるために歌う「僕はデラシネ」。

『アナスタシア』のディミトリが歌うナンバーも1曲が長かったように感じましたが、

この作品の曲もどれも長いですよね。

真風凉帆さんのささやき歌い、語り歌いがさらに進化したように感じました。

 

ひたすらかっこいい真風凉帆さんのジョルジュでした。

 

宙組『NEVER SAY GOODBYE』4

 

潤花さんは、新進気鋭のアメリカ人劇作家キャサリン・マクレガー。

 

感情表現がとても豊か。

特に激怒している表情が、まさしく魂から込み上げる感情であると伝わってきました。

素直でストレートな潤花さんの演じるキャサリンは、とても清々しく美しかったです。

地声でよく響く歌声が心地良く、キャサリンの心の叫びとして胸に届きました。

 

真風凉帆さん・潤花さん、お二人のお芝居はとても心地良いですよね。

一目会った瞬間から愛し合うというのではなく、お互いの生き方や考え方を知り尊重し合う中で、

自分たちの愛に納得していく過程がとても丁寧に演じられていて、

自然に二人の愛の世界に入っていくことができました。

 

キャサリンがフィルムを取り返しにジョルジュのもとへ。

そこでお互いを知る中で惹かれていく二人。

朝焼けの中、「NEVER SAY GOODBYE」を歌う場面はとても美しかったですね。

フィルムを返し、ジョルジュから手を差し出し二人は握手。

尊敬し合う二人のとても素敵な愛情表現だと思いました。

 

自分が誰を愛し、何を求めどんな人生を歩みたいかを整理したあとの

ジョルジュ・真風涼帆さんのスッキリ清々しい表情。

キャサリン・潤花さんが「今生まれ変わったみたい」と、

二人が歩いていく道を確かめ合った瞬間もとても素敵でした。

 

宙組『NEVER SAY GOODBYE』2

 

映画「スペインの嵐」でエスカミリオ役を演じる、バルセロナ出身の現役マタドールで、

ジョルジュの親友ヴィセント・ロメロを演じたのは芹香斗亜さん。

 

黒髪でワイルドな雰囲気。

マントさばきが最高に美しく、マントが生きているのではと思ってしまうほど

翻り方にも品がありましたね。

芹香斗亜さんの動きや表情のすべてにも品があり、体中から美しさがにじみだしているように感じました。

 

内戦が始まり、それぞれの考えのもとそれぞれの道に進む仲間に、

「内戦が終わればまた闘牛場で会おう」という言葉を仲間にかける苦悩の表情。

今の世界の状況から、あらためて平和や戦争について、この公演から考えられた方も

多いのではないでしょうか。

 

恋人テレサ(水音志保さん)への愛情表現もステキでしたね💛

情熱の国スペインを感じさせる愛情表現。

常にテレサの肩を抱いているイメージで、その抱き方が『ガッ』っという感じで力強く情熱的でした。

 

桜木みなとさんが演じたのは、人民オリンピックの宣伝部長、統一社会党幹部

フランシスコ・アギラール。

最初から悪い人だったわけではなく、だんだんとこじらせていったことが

納得できた桜木みなとさんのアギラール。

目つきがどんどん変わり、権力に陶酔してしまったアギラールの目。

歌で相手を追い詰めていく場面は迫力満点でした。

 

2006年の初演にも出演されていた組長の寿つかささん。

初演は、オランダのレスリング選手で人民軍に参加したマックス・ヴァン・ディック役。

今回は、映画プロデューサーのマーク・スタイン役を演じられました。

白のジャケットにお髭、とてもステキなおじさまでした。

 

ハリウッド女優でジョルジュの恋人だったエレン・パーカーは、

天峰彩里さん。

宝塚市ご出身、宝塚市立御殿山中学校のご出身です。

ピンク色のドレス姿がステキで美しい歌声。

ブロンドの髪がとてもお似合いで、出てきただけで女優オーラ満載✨

「世界中の男は私に憧れているのよ!」に納得です。

私は女優よという華やかな雰囲気をまとい、自己中心でわがままなところもありますが、

ジョルジュを一途に愛する健気さは、応援したくなりました。

銀橋でジョルジュから別れ話をされる時、大きな綺麗な目に涙をためて、

口元には悔しさをにじませる姿。

一人の女性として、女優として自分のプライドと戦う姿は、とても美しかったです。

決して弱い姿を見せないところに、健気さと本気でジョルジュを愛していたことを感じました。

 

バルセロナ市民軍の女性ラ・パッショナリアを演じた留依蒔世さん。

男役の留依蒔世さんが、ひと際迫力あるかっこいい女性を演じられました。

あえて女役を演じていないところに、留依蒔世さんが持つカッコよさが重なりとてもステキでした。

歌のソロも大迫力で、戦いの緊迫した雰囲気を感じました。

 

宙組『NEVER SAY GOODBYE』3

 

人民オリンピックの開会式での群舞のフォーメーション、

マントやフラッグを使った演技はとても華やかで、

あらためてタカラジェンヌのみなさんの身体能力に驚きました。

 

マタドール、センチュリア・オリンピアーダのみなさんも個性的でカッコよかったですね!

 

宙組『NEVER SAY GOODBYE』5

 

迫力ある群舞と、イスの背もたれに押し付けられるかのような力強い壮大なコーラス、

大がかりなセットや見せながらの場面転換も見どころでした。

 

フィナーレは、芹香斗亜さんがパープルのキラキラマタドール衣装で、

銀橋を渡りながら『NEVER SAY GOODBYE』を歌いスタート。

伸びやかで声量たっぷりの歌声は心を揺さぶります。

 

真風凉帆さんの初舞台ラインダンスの時の掛け声は「カマラーダ!」でしたが、

今回はキュートに『NEVER SAY GOODBYE』。

 

初舞台から16年経つとこんなことになるのかと、カッコよさにときめきが止まらない

真風凉帆さんと男役さんの群舞。

真風さんのかっこいい掛け声とともに大階段も赤く染まります。

 

赤い衣装の芹香斗亜さんが、黒いレースのドレスの娘役さんを引き連れ大階段から登場し加わります。

大階段と舞台を使った美しいフォーメーション。

男役さんはマントを翻して踊ります。

客席に風が届きそうなほど、ものすごい勢いでマントを翻します!

胸が苦しくなるくらいカッコよさに感動しました💘

真風凉帆さんが天彩峰里さんをマントで優しく包み込む姿は幸せな気持ちに💕

芹香斗亜さんの相手役は留依蒔世さん。

男役さん同士のリフトは迫力がありましたね!

 

デュエットダンスは、真風凉帆さんが白、潤花さんがシルバーの衣装。

大階段から登場された真風凉帆さんは、写真のフレームのようなポーズをされていましたね。

とてもスタイリッシュでダイナミックで大人っぽいデュエットダンスでした。

 

エトワール・天彩峰里さんの美しく響く歌声からスタートしたパレードでは、

赤い薔薇がデザインされたシャンシャンが輝いていました🌹

 

16年の時を経て再演された『NEVER SAY GOODBYE』-ある愛の軌跡-。

初めてこの作品に触れた方、初演をご覧になった方、

同じ作品でも出演者や時代、自分が置かれている状況によって感じ方が変わる、

それも舞台の魅力ですよね。

あなたはどんな風に感じられましたか?