宙組トップスター 真風涼帆さん 退団記者会見
樽井美帆です
9月29日(木)、ホテル阪急インターナショナルにて、
宝塚歌劇団宙組トップスター真風涼帆さんの退団記者会見が行われました。
2017年に宙組トップスターに就任され、宙組誕生20周年の年である2018年に
宝塚大劇場お披露目公演をされた真風涼帆さん。
トップスターに就任されてからも男役として進化し続けられ、公演ごとにカッコよさに磨きがかかっていく真風さん。
退団が発表される2日前まで、宝塚大劇場公演『HiGH&LOW-THE PREQUEL-』のコブラ役を演じられていて、
どこまでカッコよくなっていくのだろうと思ってしまうほど、またまた真風さんの新しい男役姿に魅了されていましたので、
いつかは必ずその日が来ると分かっていても、退団の発表はやはり寂しさでいっぱいになりました。
壇上に真風さんが登場された瞬間、私は思わず目を見開いてしまいました👀
会場の報道関係のみなさんも、座っている椅子の背もたれに押し付けられ少しのけぞって、
思わず声に出して『おおっ!』と言ってしまいそうになるのを必死で抑えている空気が漂いました。
記者会見のために真風さんが選ばれた衣装は、シルバーの総ラメのスリーピース・スーツだったんです!
白いシャツを合わせたジャケット・ベスト・パンツ三つ揃えのスーツ姿でした。
総ラメなんですが、とても繊細で細かいラメが織り込まれているので、ギラギラではなく✨キラキラキラ✨という感じです。
とってもキレイでした。
退団記者会見といいますと、白い衣装で登場される方が多いので、まさかのシルバー総ラメという驚きと美しさに、
私は思わず動きが止まってしまっていたので我に返って急いで写真を撮影しました💦
靴は白で、ヒール部分がシルバーで輝いていました。
『金屏風に負けないお洋服でいけたらなと思い、このような衣装にしてみました』と、
ちょっとご自身で笑いながらおっしゃっていました。
トップスターの退団会見の時は金屏風が背後に飾られています。
白のテーブルクロスの上には、百合・胡蝶蘭・カラー・カーネーションという白いお花の間から
紫色の小ぶりな花がのぞくという、退団の白と宙組カラーの紫色がアレンジされていました。
会見に出席されたのは、宝塚歌劇団理事長 木場健之さん、そして真風涼帆さんです。
木場理事長は、
『どのような状況にありましてもぶれずにストイックに芸事に取り組み、真風ならではの男役像を確立してきました。
近年の厳しく難しい事態におきましては、最年長のトップとして支えてくれております。
これまで様々な役柄を演じてきましたが、最後の作品ではついにあのジェームズ・ボンドを演じることになりました。
みなさまにおきましては、退団するその日まであたたかくご指導ご支援いただきますよう何卒よろしくお願い申し上げます』
と真風さんについてお話しされました。
9月28日(水)に退団を発表された真風涼帆さんは、記者会見の冒頭で次のようにごあいさつされました。
『昨日発表させていただきましたとおり、2023年6月の東京宝塚劇場公演の千秋楽をもちまして
宝塚歌劇団を卒業させていただくことになりました。
このようなご時世の中で、舞台に立たせていただいている喜びをかみしめながら、
1日1日を大切に積み重ねてまいりたいと思いますので、卒業の日までどうぞよろしくお願いいたします。』
とてもあたたかく優しい眼差し、そして微笑みで会場を見渡しながらご挨拶されました。
ブラウンのアイメイクに淡いピンク色の口紅が美しい真風さん。
清々しい表情で、ご自分の心と向き合いながら丁寧に質問に答えていかれました。
★退団を意識した時期と経緯について
トップに就任してから、トップというものはいつか終わりがあるものという意識を常に持っており、
退団の時期については常に意識をしながら劇団とも相談させていただいておりました。
2022年を目標にイメージしながら歩んでいたところ、新型コロナウィルス感染拡大により
公演スケジュールが大幅に変更となりましたので、
その際にまたあらためてご相談させていただきこの時期に決心いたしました。
あんなにカッコよく登場し私たちを驚かせた真風さんですが、マイクがまさかの両手持ちでした!
★宙組のみなさんにはいつ退団について伝えられましたか?またその時のみなさんの反応は?
宙組のみなさまには、『HiGH&LOW-THE PREQUEL-』『Capricciosa!!』の公演中に伝えました。
組のみなさまが、真剣な表情で私たちの話す言葉を受け止めてくださって、
みんなの姿や表情に私自身も本当に胸がグッと熱くなるような思いでいっぱいでしたし、
涙する姿に愛おしさを感じました。
みんなと一つの舞台を作るために常にみんなで切磋琢磨し過ごしてこられたそうですが、
コロナの状況になってからはそれ以前のようコミュニケーションをとることに制限がかかってしまったそうです。
そんな中、真風さんは日頃からなるべくみんなとコミュニケーションをとることを心がけていましたとおっしゃっていました。
お稽古場などで作品を作る上での色々話をする中で、ご自身もたくさんのことを学ばれたそうです。
ご自身が宙組生の一員であるということを本当に大切にされていることが伝わってきますね。
★今回同時退団を発表された相手役の潤花さんに退団を伝えた時のことについて
『FLY WITH ME』が始まる前に伝えました。
私が退団時期を伝えたところ、「ぜひ自分もご一緒したいです。」というお返事を即答でいただいたので、
最後まで一緒に頑張りましょうという運びになりました。
「お返事を即答で」の部分で、真風さんは笑っていらっしゃいました。
どれほど潤さんが即答されたかが想像できますね。
真風さんと潤さんの退団記者会見、どちらも取材させていただきましたが、
お話しされる内容や考え方が似ているなと思う瞬間がたくさんありました。
★どんな男役像を目指してこられましたか?
諸先輩方に教えていただき学んできました。
芸事も男役も終わりなき道なんだなと、今この立場に立たせていただいても、あらためて強く感じております。
自分自身が常に納得のいく姿で、お客様に男役として楽しんでいただけるように最後の日まで追求していきたいと感じております。
今こうして記者会見をさせていただいていることも、何とも不思議な感覚です。
宝塚に入ってからすべてが宝塚一色の人生でしたので、今終わりを振り返る感覚というのはまだ少し分からないところもあります。
まだまだ最後の日まで突き進んでいきたいなという思いの方が勝っているかのような状況です
とおっしゃっていましたので、まだまだ真風さんの新しい男役を見せていただけそうですね💗
★思い出に残っている作品や役は?
一つに選ぶのが大変難しいです。
長い時間色んな様々な作品と出会って、様々なお役と出会って、そのたびにたくさんの学びがあり、
そのたびに色んなことを考えさせられ、成長させてもらえたなと感じております。
一つに選ぶのはすごく難しのですが、今演じているお役を一番にと常々考えていますので、
今しいて一つあげるなら『HiGH&LOW-THE PREQUEL-』のコブラの役を今は全身全霊で一番大切に演じております。
たくさんの作品や役と出会えたことは、宝塚人生の宝物だと感じていらっしゃるそうです。
また、2015年に星組から宙組に組替えされましたが、組替えについては、
なかなか経験できることではないのですごく自分自身の力となる瞬間だったと思いますとおっしゃっていました。
★宙組誕生20周年の年にトップスターに就任された真風さん、宙組への思いは?
20周年という記念すべき年に立ち会わせていただき、諸先輩方がつないできたバトンの重みをすごく感じました。
自分自身も最後の日までそのバトンをきちんと渡せるようにつとめていきたいという思いがすごく強いです。
唯一の宙組発足メンバーでいらっしゃる寿つかさ組長については、
宙組が誕生した時からずっと宙組を愛し守り続けてきてくださった方なので、
そういった方が組長さんで常に先頭にいてくださるというのは、自分自身もすごく心強いですし、
たくさん支えていただいておりますと感謝の気持ちをお話しされていました。
真風さんはある方から送られた「今を生きる」という言葉を大切にしてこられたそうです。
胸に手を当てて「私の宝物なんです」と微笑んでいらっしゃいました。
記者からの質問に、手を叩いて「はっはっはっ!!」と笑って、
「きました!お願いします!スゴイ!はっはっはっ!スゴイ!スゴイ!最高ですね!写真も撮っていただいて。ありがとうございます!」
と、真風さんが爆笑される場面もありました。
包容力があってクールなイメージの舞台姿の真風涼帆さんが爆笑されると、こちらも一緒に笑ってしましますね。
真風さんの「ありがとうございましたっ!」で質疑応答は終了し、写真撮影にうつりました。
これまでの退団記者会見では、ワンポーズでカメラに向かって角度を変えていかれるというスタイルが多かったのですが、
真風さんは次々にポーズを変えてくださったんです!
足の角度を変えたり、手の位置を変えたり。
そのどれもが神がかっているカッコよさでしたし、足が長すぎてカメラのフレームに入り切るが心配になるほどでした✨
特にジャケットの襟元に手を置かれたポーズがステキでした~💘
さすが『Capricciosa!!』でイタリアの伊達男を演じていらっしゃる最中だなと思ってしまいました。
★ファンのみなさんへのメッセージ
長い宝塚人生の中、途中で立ち止まりたくなったり逃げ出したくなったりする瞬間もありましたが、
そんな時に前に進もうと立ち向かおうと思えたのは、常に私の舞台を待ってくださり応援してくださる
ファンのみなさまがいらっしゃったからです。
その思いに私は本当に何度も救われ支えられ導いていただいたきましたので、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
その感謝の気持ちをもっともっと大きな愛でお返しできるよう最後の日まで頑張りたいと思っております。
真風涼帆さんの今後の予定です。
10月15日(土)~11月20日(日)<東京宝塚劇場>
TAKARAZUKA MUSICAL ROMANCE『HiGH&LOW-THE PREQUEL-』
ファッシーノ・モストラーレ『Capricciosa!!』-心のままに-
来年2023年1月9日(月)~1月19日(木)<東京国際フォーラム ホールC>
真風涼帆リサイタル『MAKAZE IZM』
3月11日(土)~4月17日(月)<宝塚大劇場>
退団公演となる
アクション・ロマネスク『カジノ・ロワイヤル ~我が名はボンド~』
引き続き、5月から東京宝塚劇場で上演され、6月宝塚歌劇団を卒業されます。