宝塚大劇場星組公演『ディミトリ~曙光に散る、紫の花~』・『JAGUAR BEAT-ジャガービート-』
樽井美帆です
星組公演
浪漫楽劇『ディミトリ~曙光に散る、紫の花~』
メガファンタジー『JAGUAR BEAT-ジャガービート-』
が、宝塚大劇場にて11月12日(土)から12月13日(火)まで、
東京宝塚劇場では1月2日(土)から2月12日(日)まで上演されました。
(1月4日~13日の公演は中止となりました。)
2022年の最後を飾る宝塚大劇場公演として、
2023年の幕開けを飾る東京宝塚劇場公演として上演されました。
浪漫楽劇『ディミトリ~曙光に散る、紫の花~』
─並木陽作「斜陽の国のルスダン」より─
脚本・演出/生田 大和
2017年にNHKのオーディオドラマで放送された並木陽さんの小説「斜陽の国のルスダン」を
原作とした作品。
13世紀のジョージアを舞台に、運命に翻弄されながらも、ただ一人の女性への愛を貫き、
激動の時代を颯爽と駆け抜けた青年の生き様を描いたドラマティックな歴史ロマンです。
開演前、薄暗い舞台に石造りのお城の一角が浮かび上がります。
風の音とともに客席が真っ暗となり、礼真琴さんによる開演アナウンス。
紗幕の奥に、紫色の優しく柔らかい衣装で踊るリラの精たち。
今回の公演では、紗幕と廻り舞台がとても効果的に使われていたことが印象的でした。
礼真琴さんが演じたのは、イスラム教国ルーム・セルジュークの第4王子ディミトリ。
和平の証として、ジョージア王国に預けられています。
円柱状の建物が開くと、リラの花が満開の木のもとにディミトリ・礼真琴さん登場。
どこか寂し気で儚くも美しい青年の笑顔が印象的でした。
リラの精に囲まれて歌うディミトリ。
とても優しく頼もしい歌声が響き渡ります。
ジョージア王国の王でルスダンの兄ギオルギ・綺城ひか理さんとディミトリ・礼真琴さんの
愛についてのデュエット。
お二人の歌声が重なると深く重厚なハーモニーとなり、人の声の力を感じました。
ギオルギとディミトリを中心とした戦いの場面では、曲とダンスが印象的。
迫力ある群舞で戦いが表現されます。
一人でも多くの兵士を逃がすために力を尽くすギオルギ。
綺城ひか理さんの心が見えるお芝居がカッコよかったです。
そんなギオルギを命をかけて守るディミトリの必死な姿にも心打たれました。
次々に訪れる困難に誠実に懸命に立ち向かうディミトリ。
苦悩する美しいディミトリ・礼真琴さん。
勇気を大切な人のために使うディミトリの勇敢な姿に胸が震えました。
舞空瞳さんはルスダン。
ジョージア王国の王女。のちに女王となります。
リラの木の下で寝ているディミトリを探して見つけるルスダンの可愛いこと!
ルスダンはディミトリ大好きがあふれています💗
ルスダンの兄であるギオルギが見抜いたのも当然かもしれませんね。
元気で可愛い、一生懸命話す舞空瞳さんのルスダン。
お城を抜け出し、二人で市へ出かけるディミトリとルスダン。
大好きなディミトリとのおでかけにはしゃぐルスダン。
それを優しく見守るディミトリの眼差しがステキでした💕
美しい婚礼の場面では、ディミトリとルスダンが伝統舞踊ジョージアダンスを披露。
ステップや足さばきが珍しく、鍛え上げられた体幹で見事に踊る
礼真琴さんと舞空瞳さんにくぎ付けでした。
ルスダンは、兄が亡くなりジョージア王国の女王として生きていくことになります。
キラキラした少女が、一人の人間として女王として母として、強くかっこよくなっていく姿を
丁寧に表現された舞空瞳さん。
美しい衣装をまとい、小さなお顔にかぶった大きな王冠。
可愛らしさと美しさ、強さと凛々しさにあふれていました。
瀬央ゆりあさんが演じたのはジャラルッディーン。
亡国ホラズムの現帝王。
たくましく強いお髭姿。
登場された瞬間から、野心を抱き包容力があり、
そしてダイナミックな人物であることが伝わってきます。
瞳から、動きから、話し方から、ジャラルッディーンのすべてが伝わってくる
瀬央ゆりあさんのお芝居。
ありあまるパワーと野心に心が震えました。
ジャラルッディーンからは、人を見極める勇気と信じる心を学びました。
美しい若者に目がないと言いながらディミトリを助ける場面もカッコよかったですね💘
暁千星さんは、アヴァク・ザカリアン。
ジョージア王国の副宰相です。
昨年5月27日付で、月組から星組へ組替えとなり、星組生として初めての大劇場公演出演です。
黒い衣装と役がカッコよく、骨太で濃い印象の新しい魅力を感じさせていただきました。
葛藤を歌いあげる歌声は、ますます深味が増したステキな歌声でした✨
極美慎さん演じる王宮に仕える白人奴隷ミヘイル。
出てきただけで美しいと分かるんです✨
タマラ王女が美しいと感激したことも納得!
奴隷なのでかしこまって頭を下げていることが多いのですが、
思わず上を向いてお顔を見せてほしいと思ってしまいました。
新人公演で初ヒロインを演じた藍羽ひよりさんのタマラ王女もとても可愛かったですね。
ジョージア国王ギオルギ・綺城ひか理さん。
美しく立派な王。
この王に仕えたいと思わせる魅力があります。
説得力のある低音ボイスも魅力的。
周りのために生きる、自分だけが自由であっていいはずがないと愛する人バテシバとの
別れを決意する姿は、とても切なく胸が苦しくなりました。
有沙瞳さんのバテシバは、とにかく美しい✨
正義と強い愛を伝える、説得力のある深い歌声。
愛する人のために去る姿は、潔さと愛にあふれ神々しかったです。
ラストシーンでは、ディミトリがまるでルスダンの背中を押すような、
あたたかく見守るような歌声でルスダンを送り出します。
様々なことを乗り越え、二人がふたたび結ばれた美しい瞬間でした。
終演は、緞帳ではなく幕開きと同じく紗幕が使われます。
より幻想的でファンタジー感があるように感じました。
自分のことより相手を思っている生きる人々。
熱意と誠意、愛が人を動かす世界。
ポスターに書かれたキャッチフレーズ『勇気とは、何か。』
色々な勇気があることを教えられるそんな舞台でした。
メガファンタジー『JAGUAR BEAT-ジャガービート-』
作・演出/齋藤 吉正
半人半獣のJAGUAR・礼真琴さんを主人公に、その生命と愛を軸に展開する
ストーリー仕立てのショー作品。
齋藤吉正さんといえばの出演者紹介の映像に合わせて、礼真琴さんによる
コンサートのようなのりの開演アナウンス!
大劇場公演ではとても珍しいタイプの開演アナウンスでしたね。
ブラックパピヨンの首領マーリン・暁千星さんが黒い衣装登場し、
宇宙を旅する幻の鳥クリスタルバード・舞空瞳さんの片翼をもいでしまうところからスタート。
舞空瞳さんのクリスタルバードは白い衣装で、とにかくキレイでかわいい✨
礼真琴さんのJAGUARは、ガオーポーズというジャガーポーズがカッコよく、
ジャンプ力がすごい!
曲の中にはガオーという鳴き声も聞こえていましたね。
メイクもブルーが基調となっていてワイルドで素敵でした💕
美しいクリスタルバードに恋をしたJAGUARは、彼女を追いかけるが逃げられてしまいます。
JAGUARは心惹きつけられたクリスタルバードを探す旅にでます。
バファロー・瀬央ゆりあさんは赤い衣装。
熱い瀬央ゆりあさんに赤がお似合いですね。
暁千星さんは、月組時代はキラキラな男役さんという印象が私はあったのですが、
星組生となられてからはギラギラ要素も加わり、さらに濃くカッコよくなられたなと思いました。
ジャングルにある妖しくも賑やかなクラブ。
バファロー瀬央ゆりあさんは、銀橋から客席に目線をバチバチ送りながら登場💘
前から見るとオールバックに見えるのですが、後ろから見ると長髪。
部分的に入っている赤髪がおしゃれでセクシー💖
レディ・クリスタの舞空瞳さんとのゲーム対決が楽しかったです。
JAGUAR・礼真琴さんが迷い込んだロボットサーカス団の綱渡りの少女マシーンガール
詩ちづるさん。
ピンクの衣装を着た華奢な詩ちづるさんは、本当にお人形のよう。
ロボットのようなユニークな振付のダンス。
まばたきをせず大きな目を開いたまま舞台に横たわる詩ちづるさんは、
まさしくロボットのようでした😲
様々な場面にピンク色の衣装と赤みがかった髪で登場する小桜ほのかさん。
透明感あふれる存在感。
宝石のような瞳をキラキラ輝かせながら美しい歌声を響かせていらっしゃいました。
バファロー・瀬央ゆりあさん、青の神・綺城ひか理さん、黒の神・暁千星さん、
赤の神・天華えまさん、白の神・極美慎さん、衣装が色分けされた5人による場面は、
齋藤吉正さんといえば・・・戦隊モノ・・・
ギラギラしたカッコイイみなさんの魅力が炸裂していました💙
黒い衣装で白い羽根を手にみなさんが群舞を披露される中、大階段が舞台に下りてきます。
大階段のセッティング見せる演出はワクワクしますよね!
羽根を持って飛び出してくる暁千星さんのソロダンス。
その姿を見てふと初舞台のラインダンスを思い出しました。
98期生のラインダンスは、みなさんが一列になり銀橋を渡って花道に消えたら、
暁千星さんが一人花道に飛び出してクルリとターンしてポーズ決めました。
黄色い星型のライトに照らされて。
黄色が組カラーの月組から星組に組替えとなることは運命だったのでしょうか⭐
天国で再会したJAGUAR・礼真琴さんとクリスタルバード・舞空瞳さんによるデュエットダンス。
情感たっぷり幸せいっぱいの時間でした。
紫の衣装に黄色い羽根があしらわれた衣装の極美慎さんが、ミス・スネークたちと歌い踊る場面。
極美慎さんの元気で輝く笑顔と大階段に並ぶ娘役さんの美しいフォーメーションが印象的でした。
瀬央ゆりあさんが黒い衣装、娘役さんが白い衣装で大階段に登場。
みなさんの衣装や頭に巻いている布はジャガー柄です。
歌い踊っていると、大階段に男役さんがスタンバイ。
中央には礼真琴さん。
エレキギターの音が響き渡り男役群舞へと展開します。
ゴールドの衣装の舞空瞳さんと娘役さんが加わり最後の群舞へ。
舞空瞳さんのジャガーポーズがかわいすぎました💕✨
舞空瞳さんの歌で、礼真琴さん・瀬央ゆりあさん・暁千星さんが、ギラギラカッコよく踊ります!
足を高く蹴り上げる振付がとてもカッコイイ、色気たっぷりな競演でした。
トップコンビのデュエットダンスでは、セットもギラギラ輝き、
舞台の前方にセットされたライトもクルクル回転していました。
パレードでエトワールをつとめられたのは都優奈さん。
美しい歌声を響かせていらっしゃいました。
パレードでコーラスを担当するWトリオ。
舞台の上手・下手に3名ずついらっしゃって、男役2名・娘役4名が
つとめることが多いと思いますが、今回は珍しく男役6名が担当されました。
礼真琴さんの羽根は雉羽根もキラキラ✨
衣装もキラキラ✨
幕が下りて終演かと思いきや、映像で礼真琴さんが登場!
See you againとお見送りしてくださいました🤩
ファンタジーの世界、ギラギラした場面、群舞も多く楽しくノンストップなショーでした🐆