月組トップスター月城かなとさん宝塚大劇場ラストデイ

樽井美帆です

 

5月12日(日)、月組公演

ミュージカル・ロマン『Eternal Voice 消え残る想い』

レビュー・アニバーサリー『Grande TAKARAZUKA 110!』

の千秋楽をもって、月組トップスター月城かなとさんが宝塚大劇場を卒業されました。

この日の宝塚の街は、雨が降ったりやんだりのお天気でした。

 

今回も2021年のコロナ禍で退団された元雪組トップスター望海風斗さん以降の

宝塚大劇場ラストデイとおおむね同様の形となりました。

車に乗って大劇場を後にする姿を見送る大劇場前でのパレードは、今回も行われませんでした。

 

ついにきてしまった月組公演千秋楽、この日を迎えたみなさんの様々な思いとともに、

月城かなとさん最後の宝塚大劇場公演の舞台の幕が上がりました。

 

映画館でライブ中継をご覧になった方、ご自宅などでライブ配信をご覧になった方、

今回も多くの方が退団公演を見守られたのではないでしょうか。

 

取材は今回も、サヨナラショーを大劇場3階エスプリホールにて

モニターを見るという形で行われました。

モニターでの取材は、ショー『Grande TAKARAZUKA 110!』の終盤

「My Best Friend」からでした。

退団されるトップコンビ月城かなとさん・海乃美月さんを囲んで歌う場面です。

 

My Best Friend 仲間たちに幸せだったと伝えたい

My Best Friend いつも支え合ってきたから

みんなとすごした日々を忘れはしない

 

月組のみなさんの思いが画面を通しても十分過ぎるほど伝わってきました。

歌声も心も一つになっていることを感じますが、そんな中でも一人一人がしっかり立っている、

個々の力を感じ、これが月城さんが作ってこられた月組なんだなと思いました。

 

月城さんと海乃さんの二人を残してみんなが去り、最後のデュエットダンスが始まります。

場面のタイトルは「愛の喜び」。

目を閉じ、これまで過ごしてきた時をかみしめ愛おしむお二人。

キラキラ輝く美しい水色の衣装のお二人は、どこまでも尊かったです。

 

パレードでは、この日が同期生全員で一緒に舞台に立つ最後の日となる

110期初舞台生のみなさんが、全身を使って精一杯表現される成長した姿を見せていました。

 

月城かなとさんが、声量たっぷりに思いをこめてパレードで歌いあげる

「さよならのかわりにありがとう」という歌詞とともに、公演の幕がおりました。

 

梨花ますみ組長が緞帳前に出てこられ、公演が完走できたことへの感謝と、

これから4つのグループに分かれて組廻りをする110期生にエールを送られました。

 

続いて、月城かなとさんの初舞台からこれまでの舞台姿が緞帳に映し出される中、

梨花組長が月城さんからのメッセージを読まれました。

 

大きな瞳と愛らしいえくぼが、だんだん凛々しくなっていかれる月城さんでした。

 

一部ご紹介すると・・・

 

『若き日の唄は忘れじ』

日本物が大好きになり、所作・殺陣のお稽古に夢中で挑みました。

 

『Shall we ダンス?』

初めての新人公演主演。

舞台がどれほどの方の支えの上に成り立っているか、あらためて実感しました。

 

『心中・恋の大和路』

与平としての気持ちが心からわき上がってきました。

もっともっとお芝居が上手になりたいと、自分の目標が見えた気がしました。

 

『一夢庵風流記 前田慶次』

自分の気持ちを言葉にする難しさを感じました。

そんな時、手を差し伸べてくださったのは、壮一帆さん、そして梨花ますみさんでした。

 

『星逢一夜』

その日のすべてを舞台に捧げ、それを毎日繰り返す。

早霧せいなさんからたくさんのことを学びました。

 

『銀二貫』

作品の中でお客様に感謝を伝えるセリフがありました。

口下手な私に谷先生がくださったプレゼントだと思っています。

 

『THE LAST PARTY』

舞台に漂うピンと張りつめたような静寂。

小人数で作り上げる濃密な時間でした。

 

『ピガール狂騒曲』

シャルルと見上げた星降る夜空は、切なく美しかったです。

 

『川霧の橋』

人々のあたたかい繋がりを描いた作品でした。

月組がこれから長屋のような組になればと思いました。

 

大劇場トップお披露目公演『今夜、ロマンス劇場で』・『FULL SWING!』

初日の幕が開く瞬間、あふれてきたのはプレッシャーではなく感謝の思いでした。

 

『グレート・ギャツビー』

あしたはもっと早く走ろう、そうすればある晴れた朝に。

原作のこの言葉は、今も私を支えてくれています。

 

今まで歩んできた道をどれだけの方が支え導いてくださったか。

一人の人間としてこんなにも多くのことを学べた感謝を胸に、

晴れやかに大階段をおりたいと思います。

 

月城さんが雪組時代にも、組長として一緒に舞台に立っていらっしゃった梨花ますみさんが、

月城さんの思い出をお話しされました。

 

雪組の下級生時代、舞台映えする端正な顔立ちで、華がある子だなと思ったのが『JIN』の時でした。

セリフもしっかりしていて、何かやろうとする芝居心があり、もっと成長してほしくて声をかけると、

舞台でみせる堂々とした態度とは違って、私のことは・・・という感じで

隠れてしまうような下級生でした。

その後、少しずつ芝居・ショーでも目立つところに出るようになって、

与えられるものが大きくなり責任感も出てきたころに月組への組替えが決まり、

当時雪組の組長だった私は、やっとここまで育ってくれたのに月組に・・・

とショックな気持ちがありました。

その時、「芸名が月城で、月に城を構えているからだよっ」と言ったことを今でも覚えています。

今の姿は私が想像していた以上で、トップとして月組のみんなを引っ張っていってくれる姿は、

私も本当にうれしく誇らしく思います。

 

月城さんは、雪組から月組に組替えになった時、そして今回の退団の時と、

2度にわたり梨花ますみ組長に見送ってもらうんですね。

 

そして、清々しいまでに迷いのない月城さんのあたたかい思いとともに、

『月城かなとサヨナラショー』の幕が上がりました。

 

2022年『グレート・ギャツビー』より「朝日の昇る前に」からスタート。

「誓い!」という少年時代のギャツビーのセリフで幕が上がりました。

幕が上がると、スポットライトに浮かぶギャツビー月城さんの背中。

振り返って一人で歌います。

暗い舞台でスポットライトに照らされた月城さんが、豊かな声量で情感たっぷりに歌声を響かせます。

自在に歌声を操る月城さん。

ギャツビーの思いが切々と伝わってきました。

衣装は、光沢感がありキラキラしたネイビーの燕尾服。

最後にスッとズボンのポケットに手を入れるさりげない仕草が、とてもかっこよかったです。

 

続いて、2021年『川霧の橋』より「川霧の橋」。

お光を思うセリフから。

愛する人を思う切ない歌声でした。

 

2021年『ダル・レークの恋』より「まことの愛」。

「もう一度君の心を教えてほしい・・・」と、またまた愛する人を思う歌。

 

ここまで3曲とも、海乃美月さん演じる愛しい人を思う歌でしたね。

 

4曲目で、思い続けた愛する海乃美月さん登場です。

月城さんとお揃いのネイビーのドレスで登場された海乃さん。

銀橋で、大劇場お披露目公演『今夜、ロマンス劇場で』より「今夜、ロマンス劇場」をデュエット。

手を取り合って幸せそうに歌い終わります。

 

海乃さん一人残りソロで、2023年『DEATH TAKES A HOLIDAY』より

「How Will Know?」を歌います。

力強くも可憐でよく響く歌声。

海乃さんの歌は聞いていると、いつの間にか自分のことのように感情移入してしまう魅力があって

惹きつけられますね。

 

続いて、黒いコートを羽織り白いマフラーをかけた月城さんが、

2022年『ブラック・ジャック 危険な賭け』より「かわらぬ思い」を歌います。

鳳月杏さん・風間柚乃さん・礼華はるさん・彩海せらさんが、月城さんの思いをダンスで表現します。

曲のイントロやアウトロで、歌っていないけれども曲を体現する月城さんもステキ😍

 

かわっては、月城さんとともに退団される5名、

麗泉里さん・空城ゆうさん・彩音星凪さん・一星慧さん・まのあ澪さんが、

2022年『Rain on Neptune』より「Compass of Your Heart」を銀橋で歌います。

男役さんはラベンダー色の変わり燕尾、娘役さんはパープルのドレス。

新たな道への希望を歌います。

これまで歩んできた道があるからこそ、勇気を出して歩みだす5人にピッタリのナンバーでしたね。

 

2022年『FULL SWING!』より「Shooting the Moon」。

月城さんを中心とした男役さんによるナンバーです。

ゴールドのトレンチコートに黒いハットの月城さん。

シルバーのトレンチコート姿の男役さんが加わわります。

 

続いて同じく『FULL SWING!』より「FULL SWING!」。

海乃美月さんを中心に、ゴールドの衣装の月組生が歌い踊ります。

カッコよく品よく美しく、センターで月組を率いる海乃さんが輝いていました✨

そして、客席のみなさんの裏打ち手拍子がお見事でした!

 

そのまま曲は、2023年『Deep Sea-海神たちのカルナバル-』より

「Deep Sea-海神たちのカルナバル-」へ。

センターで歌い踊る海乃さんへ、月組のみなさんからの「ついていきます!」という

信頼が伝わってきます。

 

ふたたび退団者によるナンバー。

今度は、鳳月杏さんが加わります。

2023年『万華鏡百景色』より「万華鏡百景色」。

白燕尾・白ドレスで歌います。

 

続いて、2022年『Rain on Neptune』より「Rain」。

客席にペンライトが優しく揺れる中、月城さん・海乃さんを中心に、月組生全員が歌います。

少し高めで優しく軽やかな歌声。

コーラスも力強く響きます。

月組のみなさんの衣装は白。

月城さんと海乃さんはアイボリー。

海乃さんのドレスはワンショルダーのようなデザインで、

胸元とウエスト部分がドレープ調になっていてとてもステキでした。

 

月組のみなさんが去り、舞台には月城さんと海乃さん二人だけ。

2023年『DEATH TAKES A HOLIDAY』より「Alone Here With You」。

この公演について月城さんは、

心震える音楽に彩られた美しい美しい舞台でした。

出演できたこと本当に幸せですとメッセージに書いていらっしゃいました。

 

「Alone Here With You」あなたと二人なら・・・

熱唱するお二人は、歌い終わると少し離れた位置からお互い見つめ合います。

少しずつ近づき、最後は熱く長いキス!

そのまま幕が下りるという斬新な終わり方でした。

 

退団ご挨拶の準備の間、梨花組長が退団者の紹介とメッセージを読み上げ、

一人ずつにあたたかいコメントをされます。

月城さん以外の退団者6名のメッセージが紹介されました。

緞帳には初舞台からこれまでを振り返る映像が。

印象に残っている公演や、これまで宝塚で過ごしてきた日々、感謝の思いなどがつづられていました。

 

トップ娘役・海乃美月さんのメッセージには、出会った役からたくさんの生き方、

物事への向き合い方を学び、月城さんからは一人では絶対生み出すことのできないものの

大切さを教えていただきましたと、すべての出会いとご縁に感謝が込められていました。

 

梨花組長は海乃さんについて、宝塚の娘役としての品格があり、

トップ娘役として稽古場からいつもキレイにしてきくれる。

清楚で物静かさの中にもちゃんと芯がありますとコメントされました。

 

「すみれの花咲くころ」のピアノ演奏に合わせて、

緑の袴・黒紋付姿で退団者が一人ずつ大階段を下りてご挨拶。

 

まのあ澪さん・一星慧さん・彩音星凪さん・空城ゆうさん・麗泉里さん。

 

下級生から順番に、これまでの思い出や感謝の気持ちを、自ら選んだ言葉にのせて伝えます。

 

麗泉里さんへの同期生からのお花は、星組の暁千星さんから。

元月組の暁さんの登場に、舞台上もちょっと特別な雰囲気が漂っていたような気がしました。

 

海乃美月さんは、梨花組長から「うみちゃーん」と呼ばれ、「はい!」と明るく返事をし、

「すみれの花咲く頃」の前歌からのピアノ伴奏で大階段を下りてこられました。

命の限り続く道を進んだ先に何かがある、その何かを知りたくて走り続けた宝塚人生。

待っていたのは、こんなにもあたたかくて幸せにあふれる空間でしたと

込み上げる思いで、涙で瞳をうるうるさせながらのご挨拶。

一緒に作品を作ってきた月組のみなさん、愛しい同期生、尊敬する月城さん、

大好きな家族、お客様、すべてのみなさんに14年間の感謝の気持ちを込めたご挨拶でした。

 

そして、いよいよ月城かなとさんです。

梨花組長の「せーの」の掛け声で、「れいこさーん」と月組全員で呼びかけると

「はい」と凛々しく返事をされた月城さん。

 

すみれの花咲く頃のオーケストラ演奏に合わせて、宝塚大劇場最後の大階段を下りてこられました。

袴か黒燕尾か、どんな衣装で下りてこられているのか目を凝らしていると・・・

黒燕尾姿の月城さんが大階段に立たれました。

燕尾服なのに武士のような凛々しさも感じる月城さん。

 

組からと同期生のお花が渡されます。

まず組からのお花を、月城さんからバトンを受け継ぐ鳳月杏さんから受け取られました。

かなり長めに月城さんに耳打ちをする鳳月さん。

笑顔で聞く月城さん。

この時何を話されたかについて月城さんは、

終演後の記者会見で「秘密です。」とおっしゃっていました。

 

同期生からのお花は、星組トップスター礼真琴さんが渡されました。

黒いパンツスーツに月組カラーの黄色いシャツをあわせて登場された礼さん。

トップスター同士としてではなく、95期生の同期生同士のお顔で、

何やら微笑み合うお二人に見えました。

その微笑ましい姿に客席からは笑い声も起きていましたね。

 

礼さんからかけられた言葉についても、終演後の記者会見で

「ちょっと秘密でお願いします、すみません」と笑っていらっしゃいました。

 

月城さんは、赤い薔薇の花束を持って退団のご挨拶をされました。

 

幼い頃の私は、恥ずかしがりやでいつも母の後ろに隠れているような子どもでした。

それでもなぜか胸にわき上がる熱い思いを表現したくて、

人生で初めて勇気を出して宝塚を志しました。

今、私が心のままに大きな声で歌い、踊り、お芝居ができるのは、

まぎれもなく月組のみなさんと、そしてお客様のおかげでございます。

みなさまの側で豊かにしていただいたこの心を精一杯使い、東京公演の最後の瞬間まで、

清く正しく美しくそして朗らかに、つとめてまいりたいと思います。

みなさま、本日まで本当にありがとうございました。

 

キッパリと宣言するかのようなご挨拶でした。

 

そして、全員で「すみれの花咲く頃」を合唱して幕が下りました。

 

この最後の曲には、「TAKARAZUKA FOREVER」を選ばれる方が多いのですが、

月城さんは「すみれの花咲く頃」でした。

ちなみに、前回「すみれの花咲く頃」を選ばれたのは、2016年の星組トップスター北翔海莉さん。

そのほかのみなさんは「TAKARAZUKA FOREVER」。

珍しいのでは、2016年に月組トップスター龍真咲さんが「タカラジェンヌに栄光あれ」を選ばれています。

 

月城さんは黒燕尾姿なのですが、まるで観音様のような重厚な微笑みで、

劇場をあたたかく包んでいらっしゃいました。

 

月組のみなさんの白い衣装、月城さんの黒燕尾と赤い花束、そのバランスがとても美しい風景でした。

 

カーテンコールは、緞帳の前に登場されたものも含めると6回。

 

4回目の時に一人で舞台に出てこられた月城さんは、込み上げるものが声に表れていました。

「こうして今一人で舞台に立つと、私一人では何もできないんだなと痛感しております。

みんながいるからしゃべりたい言葉がでてきて、みんながいるから伝えたい思いがあふれてくるんだなと、

今心から思っております。」とお話しされました。

 

5回目の時には、舞台の最後列に走って出てくる初舞台生に目を向けて、

「揃ったかしらね?」と思いやっていらっしゃいました。

 

最後の6回目は、月城さんと海乃さんお二人で緞帳前へ出てこられました。

海乃さんは、「あっという間に終わってしまったんですけれども、

お客様があたたかく迎えてくださって、本当に幸せな千秋楽を迎えることができました。」

 

月城さんは、「今日は一日舞台の神様がそばにいてくださったような一日でした。

本当に幸せに過ごさせていただきました。

二人でここから色んな景色を見たこと、その感謝の気持ちを忘れずに

東京公演も精一杯つとめてまいりたいと思います。

みなさま、本日まで宝塚大劇場で、わたくし月城かなとと海乃美月のコンビを、

あたたく見守ってくださいまして本当にありがとうございました。」

と感謝を伝えられました。

 

先に舞台袖に入ってしまった海乃さんを、おいでおいでと手招きし呼び戻して、

お二人で一礼し笑顔で舞台をあとにされました。

 

終演後には記者会見が行われました。

舞台を終えられたばかりの月城さんは、舞台化粧、黒燕尾姿で会場に入ってこられました。

 

とても朗らかに笑顔いっぱいで登場された月城さん。

凛々しさの中に、あたたかさと包容力、そして上品な空気をまとっていらっしゃいました。

月城さんは襟足が美しくて、私はそこにも男役の色気を感じます🤩

 

月城かなとラストデイ4

 

「先ほど無事に千秋楽を終えることができました。

最後の感謝の気持ちを色々とみなさまに心のままをお伝えできたらいいなと思います。」

と冒頭にご挨拶をされた月城さんは、親しみを持って質問に答えてくださいました。

 

 

★最後の大階段の衣装に黒燕尾を選んだ理由

まだ東京公演がございますので、まだトップとして、男役として、

芸名ではない自分に戻るにはまだ早いかなと思い、宝塚大劇場では燕尾服を選ばせていただきました。

羽山紀代美先生が常々、飾りなしの黒燕尾が一番男役がステキに見えるといつもおっしゃっていて、

その思いを自分も体現したくて今回は飾りなしの燕尾を選ばせていただきました。

 

『Grande TAKARAZUKA 110!』の黒燕尾の場面は、

昨年亡くなられた羽山紀代美さんへのオマージュのような意味合いがあるそうです。

 

月城かなとラストデイ1

 

 

★最後の大階段を下りた時に見えた景色と気持ち

私より前に大階段をおりた退団者全員が、名前を呼ばれて清々しい顔でおりていく姿を、

かげ段から見守っていました。

自分が階段をおりて見た景色よりも、返事をして舞台に出ていった下級生の横顔を

すごくよく覚えています。

みんなすごく清々しく晴れやかな顔をしていたので、

それに力をもらって自分も階段をおりることができました。

 

 

★思いがあふれそうになった瞬間はありましたか?

涙はこらえて、それよりも感謝の気持ちを伝えたくて、

自分の感謝の気持ちがきちんと言葉にのってお客様や組のみんなに伝わればいいなと思って

今日はご挨拶させていただきました。

少し泣きそうになってしまった時もあったんですけど、

それでもやっぱり感謝の気持ちを伝えたいという思いの方が大きかったですね。

 

月城かなとラストデイ3

 

 

★鳳月杏さんをはじめこれからトップスターになるみなさんへの思い

何か私が偉そうにお伝えできることというのは特にないと思うのですが、

先日宝塚歌劇の殿堂に行かせていただく機会がありました。

本当にたくさんの方々が今まで宝塚を作ってこられたんだな、それがつながって今があるんだな、

その一員に自分がいることがとても誇らしくうれしく思いました。

これからもずっと宝塚がみなさまに愛され、新しいトップスターが生まれてつながれていく、

それが宝塚のとてもあたたかく素晴らしいところだなと思います。

退団する今、自分がその一員になれたことをとてもうれしく思うので、

同じように幸せに過ごしてほしいなと思います。

 

 

私は次の2つを質問をさせていただきました。

★今日のサヨナラショーは、月城さんのステキなセリフも聞かせていただくなど、

とても内容の濃いサヨナラショーでしたが、選曲や構成には、

月城さんのどんな思いが込められていましたか?

 

一番に思いついたのは、退団者のみんなに「Compass of Your Heart」が

とてもいいんじゃないかと思いました。

歌詞がとてもステキな曲ですし。

 

「うふふ」と、退団者のみなさんへの愛があふれるとても優しい笑顔の月城さん😊

 

自分の曲というよりもそれをまず退団者のみんなに歌わせてあげたいなということと・・・

 

ここからなんとなく照れる月城さん。

みなさんちょっと想像しながらお読みくださいね。

 

あとまあ最後は、今回は二人で終えられたらいいなというのは私の中で希望でして。

全員でだったり一人で終わることが多いと思うんですけれども、

今まで一緒にやってきてくれた相手役・海乃美月のサヨナラショーでもあるので、

やっぱり自分一人ではなくて二人で。

私の中で、一番二人の思い出深い瞬間だったあの曲を選ばせていただきました。

 

あまりにも予想を上回るステキなお答えに、私は「ウヒョッ😍」と変な声が出てしまいました。

ゆっくり考えながら答えてくださった月城さん。

抑えきれない照れが見えたように感じました😍

 

月城かなとラストデイ2

 

 

★今日卒業された宝塚大劇場は月城さんにとってどんな場所でしょうか?

あたたかい大きさ、包んでくれるような大きさがある劇場だなと思います。

初舞台の初日の日に、幕が開いて見たのも大劇場での景色でしたし、

ずっとこの劇場で色んな思いをして色んな経験をして、育てていただいた、

本当に大きく包んでくれるような劇場だなと思います。

 

 

★ファンのみなさんへのメッセージ

みなさまのお顔を見て、込み上げる瞬間がたくさんありました。

私を見つけてここまで応援してくださいまして、本当にありがとうございます。

みなさまへの感謝の気持ちを、東京公演の舞台で精一杯お返しできるように、

月組のみんなと頑張ってまいりたいと思いますので、

泣くのはまだ我慢して、東京の千秋楽まで笑顔で頑張りたいと思います。

ありがとうございました。

 

月城かなとラストデイ5

 

あたたかい笑顔を残し、報道陣からの大きな拍手に送られ、月城さんは会場をあとにされました。

 

ミュージカル・ロマン『Eternal Voice 消え残る想い』

レビュー・アニバーサリー『Grande TAKARAZUKA 110!』は、

東京宝塚劇場にて6月1日(土)から上演され、千秋楽7月7日(日)、七夕の日に、

月組トップスター月城かなとさんは、宝塚歌劇団を卒業されます。