花組バウホール公演「アイラブアインシュタイン」 感激日記

姿 美保子です

 

今日、9月15日は中秋の名月。

ここ宝塚の街は 日中時折日も差す薄曇りの天気でした。

夜間は晴れそうなので お月見を楽しめるかもしれません。

今日、観られなかったとしても

明晩は晴れそうですから

16日の金曜日【レビュー・ステイション】をお聴きいただいた後は 

ゆっくりと満月を愛でて下さいませ。

 

16日は

花組バウホール公演

サイエンス・フィクションラブ・ストーリー

「アイラブアインシュタイン」

感激日記をお送りする予定です。

 

「アイラブアインシュタイン」は

~自分の心で考えていますか?~

そんな問いを投げかけられたような舞台でした。

城妃 美伶さんのまっすぐな目が心に残っています。

 

このお話は私たちの暮らしの裏側で進行しているもう一つの人間世界のお話です。

時代は20世紀中頃ですが、

そこでの人々の暮らしにはアンドロイドが欠かせない存在となっているのです。

アルバート博士(瀬戸かずや)が発明し、

フェルディナント(冴月 瑠那)が社長を務める制作会社が量産しているアンドロイドは、

誠実でおだやかな性質を持ち、

人々の日々の暮らしを助けながら町に溶け込んでいました。

とはいってもその世界は決してメタリックな近未来の世界ではなく、

人々の服装は 私たちの世界で言えば20世紀初頭の頃のような優雅なファッションで、

紳士はハットを、淑女はロングドレスを身にまとっています。(衣装:加藤 真美)

一見すると人間とアンドロイドが共存し、

皆が笑顔を見せている理想的な世界にも見えますが、

人間たちは機械(アンドロイド)に対する恐怖や不信を

心のどこかに抱いてもいるようです。

 

舞台の幕が上がり眼に飛び込んできたのが、

清浄な実験室を思わせる青い照明(笠原 俊幸)に浮かびあがる

機械の歯車をデザインした國包 洋子(くにかね・ようこ)さんによる

大胆な装置です。

「サイエンス・フィクションラブストーリー」と銘打たれた舞台の

見事なサイエンス感に作品への期待が高まりました。

 

作・演出の谷 貴矢(たに・たかや)さんはこの作品がバウデビュー作です。

谷さんは、「日々 芝居・歌・踊り・礼節・ビジュアルなどの研究を

積み重ねているタカラジェンヌは研究者である」と

プログラムで語られています。

そんなタカラジェンヌと谷さんとの研究発表の舞台は、

研究者らしく見事に整理された舞台であったと言えるでしょう。

 

先ずプロローグでは アルバート博士以下

主要な人物(亡き妻・ミレーヴァ/ 桜咲 彩花、

彼女の面影を持つアンドロイド・エルザ/ 城妃 美伶 、

博士の親友で科学者・トーマス/ 水美 舞斗)などや、

物語の背景が音楽にのせて華やかに淀みなく紹介されていきます。

登場人物全てが揃うことによって

その後のストーリーに自然に入っていくことができました。

 

さて、アンドロイドを発明したアルバート博士は、

何故か記憶喪失になり、世間から身を隠して

執事・ハンス(天真みちる)やメイド・アンネ(梅咲 衣舞)ら

アンドロイドに囲まれて穏やかな暮らしを送っていました。

そんな博士を何かと気遣う親友のトーマス(水美 舞斗)が、

ある日「もっと感情について知りたい」というアンドロイドの少女・エルザを連れてきます。

驚いたことにエルザは他のアンドロイド達とは違って、

わからないことは「何故?」と尋ね、

美しさや好き嫌いの感情をも理解しているようなのです。

「妻と自分の夢はアンドロイドに感情を持たせることだった」

博士の中で失われた記憶が少しずつ呼び起こされていきます。

 

一方町では不穏な空気が。

ヨーゼフ(英真なおき)が影で操る国家人間主義労働者党が、

アンドロイドを危険視する過激な演説で人々を不安に陥れていたのです。

中心に立つのは総統のヴォルフ(亜連 冬馬)。

幹部のヘルマン(和海しょう)やルドルフ(綺城ひか理)が弁舌巧みに煽りたて、

人心を掌握していきます。

 

そして物語はこの後思いもよらない展開をみせていくのです。

アルバート博士は何故記憶を無くしたのか!

博士の過去に何があったのか!

ヨーゼフの狙いは?

ヴォルフの正体は?

トーマスの秘密は?

・・・・・

1幕後半から2幕にかけて次々と明かされていく真相。

ストーリーの巧みさに引き付けられた舞台でした。

 

とても自然にみんながセリフを発していたり、

下級生に至るまで一度は舞台前面でライトを浴びるなど

舞台の美しさと共に出演者も活かされてる演出。

作品の世界観に見事にマッチした音楽(太田 健)。

歌やダンス(振付:若央りさ, KAORIalive)でテンポよく進行する舞台は

ミュージカルならでは醍醐味を感じさせます。

谷 貴矢さん。

次の作品が楽しみな演出家の誕生です。

 

今回主演を務めたのは入団13年目の瀬戸かずやさん。90期生です。.

2010年「麗しのサブリナ」新人公演で初主演された時には 

スーツの似合う、端正で誠実な男役さんという印象を受けました。

ショーではひと際熱いダンスで客席を魅了する瀬戸さんは、

お芝居においては渋い大人の男から熱血漢まで演じられる

花組きっての「THE男役さん」!!

そして今回は緩急自在なお芝居で主人公ルバート博士を見事に演じられました。

瀬戸さんを中心とした花組バウチームは

最高のパフォーマンスをみせてくれたのではないでしょうか。

 

公演は15日(木)~25日(日)まで

 

感激日記の放送は 16日(金)午後2時~ 17日(土)午後4時~再放送予定

皆さまのご感想もお待ちしています