月組新人公演「グランドホテル」感激日記
姿 美保子です
1月17日(火)夕方6時から大劇場で行われ月組新人公演感激日記をお送りします。
この日私は宝塚歌劇ファンなら一度はしてみたい(?)という、本公演・新人公演連続観劇に挑戦しました。
先ずは午後1時から始まった「グランドホテル」本公演。
「グランドホテル」は昨年末に行われた通し舞台稽古以来の観劇となります。
「違う!」「いい!」「スゴイ!」頭の中での感嘆符の乱打は「「カルーセル輪舞曲」になっても止まりません。
「楽しい」「ウン、ウン」・・・・
お客さんが入ると舞台に命が吹き込まれるんですね。本当に。
4時。公演が終わって夢見心地なままフラフラと向かった先は「和食・くすのき」
胸は感激でいっぱいになったけどお腹は・・
そう、この後のために美味しいものでパワーをつけておかねば!というわけなのですが、
実のところ私は毎公演ごとに供される「公演特別メニュー 幕の内「すみれ」」が大のお気に入りなのです。
季節の食材のほか、公演中の組のトップコンビの出身地で食される食材や料理、調理方法が
くすのき風にアレンジして盛り込まれているというワクワクな幕の内。皆さんもいかがですか。
一例を挙げますと、小鉢の「ひろうす」と「わらび醤油漬け」は珠城りょうさんの出身地である愛知県で、
「うの華」と「めかぶ」は愛希れいかさんの出身地である福井県で、それぞれ有名な食材や料理なんだそうです。
全部おいしくいただきました。
食後にコーヒーも追加してゆっくりと時間を過ごせばあっという間に5時半に。
さあ、第2ラウンド・新人公演に向けて出発です。
客席には立ち見のお客さんもいっぱい。
開演間近には月組の上級生たちも入場してきました。
「グランドホテル」のざわめきが聞こえてきます。
新人公演初主演・夢奈 瑠音さんの開演あいさつに拍手が沸き起こり、
新人公演は開幕しました。
始めに中央奥の回転扉から入ってきたのは
フェリックス・フォン・ガイゲルン男爵、夢奈 瑠音さん(ゆめな・るね/96期)です。
本役の珠城りょうさんより身長にして4センチ低く細身なのですがその分妖しい色気を感じさせる若い男爵です。
男爵に続いて回転扉から次々と登場人物たちが入ってきます。
出演者は46人(本公演は月組生74名、専科生2名)と少なくはなっていますが、
ステージはほぼ本公演通りに進みました(新人公演担当:竹田 悠一郎)
ベルリンの有名なホテル「グランドホテル」には人々がやってきては、去っていきます。
皆それぞれの人生を抱えて。
このミュージカルはそんなグランドホテルで起きた1日半の出来事を描いた作品です。
主人公はグランドホテルに長期滞在していて実は多額の借金を抱えている男爵。
男爵を演じた夢奈さんはプロローグの主題歌を始めたくさんのナンバーを歌われましたが良く通る歌声が印象的でした。
男爵と恋に落ちる伝説的なバレリーナ、
エリザヴェッタ・グルーシンスカヤを演じた海乃 美月(うみの・みつき)/97期/本役:愛希れいか)さんは
とても雰囲気がありました。今まで演じたことのない役ということですが、とても役に合っていたと思います。
男爵と二人のデュエットシーンはドラマチックに盛り上がりました。
重病を患い余命をグランドホテルで過ごしたいとやってきた
オットーは風間 柚乃さん(かざま・ゆの/100期/本役:美弥るりか)。
ウエーブした髪がいつも伏し目がちに俯いている額にかかり、
オットーの絶望や悲しみが表情や全身からも伝わってきました。(でもきれいなんです)
セリフ運びや歌い方は本役に近い様に感じましたが自分らしさもあり好感が持てました。
上記3人に比べるとハツラツとしていてちょっと危なっかしい感じもする若い女性も登場してきます。
ハリウッドの映画スターになることを夢見ている
フリーのタイピスト・フラムシェン(本役:早乙女わかば/海乃 美月)です。
新人公演では101期生の結愛(ゆい)かれんさんが演じました。
ミニのドレスや金髪が良く似合い大変チャーミングなフラムシェン。
甘い声で囁くようにしゃべるのですがセリフはしっかりと聞きとれます。
コケティッシュな身のこなしはマリリン・モンローのようでもあり、
全身を使ってテンポよく歌い踊るチャールストンもとても魅力的でした。(客席からも拍手が)
フラムシェンとは反対に黒ずくめの服でグルーシンスカヤに影のように寄り添っている
忠実な付き人ラファエラ(本役:暁 千星/朝美 絢)は蓮つかささん(97期)が演じました。
いつもながらに丁寧な役作りと歌で、女役としても美しく自然でした。
他にも気になった出演者として書き留めた人が何と12人も!プラス迫力の大コーラス!
書ききれないのが残念です。
主演をした夢奈さんは終演後の囲み取材で
「技術の面だけではなくてとても感情の深いところも必要なお芝居ですが
そこが課題なので自己採点は65点ぐらいかなと思います」
と自身に厳しい評価をされました。
けれど新公の最上級生として全体の評価は?と聞かれると
「皆集中してお稽古に取り組めたと思いますのでまだまだもちろん課題はありますが90点かなと思います」
と胸を張って答えていらっしゃいました。
本公演に引けをとらないほどすばらしい新人公演だったと私も感激しています。
ちなみに海乃さんの自己採点はもっと厳しく
「お芝居は本当に夢奈さんのお力がありまして自分が役として生きていたなという実感はあるんですけれども、
その半面役に入りすぎた故にできなかった技術面が多くて、
今回の公演は50点もいかないかなと思っております」ということでした。
今回新人公演最後の学年で初主演を果たした夢奈さんは
「お客様の観て下さる熱とか反応を受けながらのお芝居や歌ということをさせていただいて
お稽古場とはまた違う感情を持たせていただくことができましたので、自分の中での大きな財産になりました」
公演を終えた感想をこのように話されました。
この日、午後1時から始まった私のダブル観劇は、囲み取材の終わった午後8時で終了。
良い舞台をみせて頂きましたので疲れるどころか幸せな気持ちで家路につくことができました。
それにしても「WEST SIDE STORY」「ガイズ&ドールズ」「ME AND MY GIRL」
「1789-バスティーユの恋人たちー」などなど
月組は海外ミュージカルを上演する機会が本当に多い組ですよね
その伝統が今もそして若い新人公演メンバーにも脈々として受け継がれているのっていいなあ
そんな感想を持った一日でした。
1月20日(金)午後2時~【レビュー・ステイション】でお耳にかかりましょう
チャオ