宝塚大劇場宙組公演 『神々の土地』 ~ロマノフたちの黄昏~・『クラシカル ビジュー』

樽井美帆です

 

現在、宝塚大劇場では宙組公演が上演されています。

 

宙組トップスター朝夏まなとさんの退団公演で、

9月25日(月)に千秋楽を迎えます。

 

 

ミュージカル・プレイ

『神々の土地』 ~ロマノフたちの黄昏~
作・演出/上田 久美子
 
ロシア最後の皇帝ニコライ二世の従兄弟ドミトリー・パブロヴィチ・ロマノフを主人公に、
ロシア革命前夜という帝国の黄昏を生きる人々がドラマティックに描かれています。
やがて亡国の民となる高貴な青年の愛と葛藤の物語です。
 
上田久美子さんの作品といえば、自然現象を演出に取り入れられるのが特徴ですよね。
 
今回は雪と雷。
 
開演前の幕には吹雪が描かれています。
 
朝夏まなとさんの低く憂いのある声の開演アナウンスから、
凍てついた大地ロシアでの物語が幕を開けます。
 
トップスター朝夏まなとさんの登場は、開演から約10分後。
トップスターがなかなか登場しないという珍しい演出です。
 
ロングコートをはおり銀橋に登場した朝夏さん演じるドミトリーは、
客席に銃口を向けてバンバン撃ちながら進んでいきます。
 
のちに朝夏さんが仕留めた鹿が登場!
ということは・・・
客席の私たちは鹿だったのですね!
 
セルゲイ大公妃イリナを演じる今公演で退団される伶美うららさんの
美しいドレス姿、美しい背中とデコルテラインにはうっとり
 
美しい朝夏さんと伶美さんが雪原で繰り広げるダンスシーンは、
ずっと見ていたいです。
 
手足の長い朝夏まなとさんの軍服姿は最高にステキ!
 
『レビュー・ステイション』宙組「神々の土地」1
 
ドミトリーの旧友フェリックスを演じる
真風涼帆さんの落ち着いたスーツ姿もステキです!
 
朝夏さん・真風さんのお二人が並ばれた時の美しさ、
お芝居で生み出される独特の空気感がこれで見おさめとなるのは
残念ですね。
 
寿つかささん、今回は女役で皇太后マリアを演じられています。
貫禄と気品にあふれ、すべてのしぐさに説得力があります。
 
凛城きらさんも女役でロシア帝国皇后アレクサンドラです。
信じて守ろうとした、強い母であろうとしたことが
声に表れていたように感じました。
 
星風まどかさんは、ニコライ二世の長女オリガ。
純粋さ元気さが、彼女に定められた運命を一層切なく感じさせました。
 
『レビュー・ステイション』宙組「神々の土地」2
 
お芝居中に2度、大階段が登場します。
とてもステキな演出です。
 
1度目は、ドミトリーが仲間の軍人を率いて登場する際に使用されています。
黒い軍服姿で美しい剣の舞を披露する場面は圧巻ですね!
 
大階段に敷かれている赤い布が、気品を一層際立たせます。
 
2度目は、ラスプーチン暗殺の場面。
 
『レビュー・ステイション』宙組「神々の土地」3
 
同じ赤い布ですが、この場面では不気味な赤に感じます。
 
ラスプーチンを演じているのは愛月ひかるさん。
 
何かにとりつかれたような、普通は見えないものが見えているような
不気味さと迫力!
背中を丸めて迫ってくる姿は、この世のものではないようでした。
また新しい愛月ひかるさんを見た気がします。
 
ラストシーンでは、退団を彷彿させるセリフも。
 
命を落とした人々もみんなが笑顔で登場。
自分の定められた道を正しいと信じ、一生懸命に生きた人々が
笑顔で行き交います。
 
ドミトリーとイリナの大人の恋。
大人の恋がゆえに本心を明かしきらないのですが、
最後は、ドミトリーがイリナにロシア語を教えていた当時を懐かしく振り返り
無邪気な笑顔を見せるほのぼのとした場面でした。
 
 
レヴューロマン
『クラシカル ビジュー』
作・演出/稲葉 太地
 
色とりどりの煌めきを放つ宙組メンバーを、
あまたの宝石になぞらえた場面で構成するレヴュー作品です。
朝夏まなとさんの魅力を、様々な光を放つ宝石に投影し、
その輝きを最大限に味わえるレヴュー。
 
色とりどりの宝石は、宝塚歌劇の5組の組カラーで表現されています。
 
キラキラ輝くシルバーの衣装がまぶしいプロローグ。
朝夏まなとさんは一際輝く衣装に身を包み、宙の太陽として登場!
笑顔も瞳もキラッキラです
 
朝夏まなとさんと真風涼帆さんが青いベルベットの衣装で登場する
『Sapphire(神秘)』
 
あっと驚アクロバティックな振り付けがっ!
 
真風さんが朝夏さんを支え、朝夏さんが真っ逆さまに。
アルファベットのIのようになるんです!
 
歴史に残る振り付けですね。
 
『El Dorado(見果てぬ夢)』では衣装がゴールド。
まぶしいです(笑)
男役さんはターバン姿。
オラオラオラ~!と言いながら銀橋に並んでポーズを決められると
言葉を失うほどカッコいいですよね
 
『Amethyst(継がれる輝き)』では、かけがえのない今この時を忘れないと
アメジストの男女が集い、クラシカルビジュー(王冠を戴く者)
朝夏まなとさんを中心に歌い上げます。
 
『レビュー・ステイション』宙組「クラシカルビジュー」1
 
『Bijou(美宙)』では、シンプルな黒燕尾姿の朝夏まなとさんが
セットが何もない広い舞台で一人で踊ります。
 
渾身のダンス、優雅なダンス
客席が静まり返り舞台に集中します。
 
銀橋では、足を前後に開いて高く飛ぶ
グランジュテという技を披露。
 
素晴らしいダンスシーンです!
 
白いドレスの淑女たちに迎えられ踊り、
続いて大階段から下りてきた黒燕尾の紳士たちと踊ります。
 
最後は、次期宙組トップスター真風涼帆さんと二人で踊り、
真風さんに笑顔で見送られ、朝夏さんは銀橋へ。
 
笑顔で見つめ合う二人の間には固い信頼と尊敬し合う心が見えました。
 
朝夏まなとさんは、9月25日(月)宝塚大劇場を卒業されます。
 
『レビュー・ステイション』宙組「クラシカルビジュー」2