役を生き抜いた 大劇場月組新人公演「舞音ーMANON-」

姿 美保子です

12月18日(金)の【レビュー・ステイション】は

大劇場月組新人公演「舞音ーMANON-」感激日記をお送りする予定です。

2015年の大劇場公演振りかえりと併せてお楽しみください。

 

新人公演とは

大劇場で行われる公演は、基本的にその組に所属する全生徒が出演します。

公演によっては専科(どの組にも所属しないスペシャリスト集団)や

他の組からの特別出演もあり、おおよその出演者数は80名前後となります。

大劇場と、東京宝塚劇場の公演中に、それぞれ1回だけ

公演出演者中、入団して7年目以下の生徒だけによる特別公演が上演されます。

それを新人公演といい、大劇場では公演中盤の火曜日、夕方6時から上演されます。

上演作品はその時上演しているミュージカル作品(稀にショーが上演されることもある。

上演時間は1時間35分ぐらい)で

セットも衣装も通常、本公演と同じものが使われます。

新人公演でトップスターやヒロインの役を演ずることは

将来へ向けての大きな一歩と見なされています。

 

大劇場月組新人公演で主演を務めたのは

入団して7年目、95期生の 朝美 絢(あさみ・じゅん)さんです。

神奈川県鎌倉市出身。169センチ

2012年「ロミオとジュリエット」新人公演でマーキューシオを演じ、

鋭利な美しさと歌唱力が注目されました。

昨年は「PUCK」新人公演で初主演を果たし、

人間界に紛れ込んだ純真な妖精・パックを瑞々しく演じ、評判となりました。

本公演でも重要な役どころで活躍をする一方、

今年8月にはバウホール公演「A-EN」アーサーバージョンで主演をしています。

(公演については【レビュー・ステイション】のブログをご覧ください)

 

「舞音」で朝美絢さんが演じたのは

本公演で月組トップスター・龍 真咲(りゅう・まさき)さんが演じているシャルル・ド・アラン

という、フランスの若きエリート海軍将校です。

1929年夏、駐屯地サイゴンの港に到着したところから物語は始まります。

船のデッキ、振り向きざまにライトを浴びる白い軍服姿の朝美シャルルは

輝くばかりの笑顔。

喧騒渦巻くハノイの街で雨にあい、銀橋を渡りながら

Joy Son 作曲「Exotic Rain(異国の雨)」をドラマティックに歌い上げ、

朝美シャルルは観客を一挙に物語の世界に誘い込みました。

 

この作品には「もう一人のシャルル」という、影が登場します。

シャルルの真実の心を表す存在で、運命を導く者でもあり、

おそらく誰の目にも見えず、シャルルだけがその存在に突き動かされています。

物語の冒頭でもこの影は この地でシャルルの心が解き放たれるかのような

予感に心を躍らせているようでした。

本公演では美弥(みや)るりかさんが演じています。

新人公演で「もう一人のシャルル」を演じたのは 

英(はなぶさ)かおとさん。

99期生 岡山県倉敷市出身 172センチ

影の存在なので一切セリフはありません。

身体の動きや表情でシャルルを心のままに誘導するのですが

たいへんメリハリの利いた動きで客席後方でもその意図をくみ取ることができました。

シャルルと影の関係が一つのドラマとなってクライマックスに向かい

シャルルとマノンの物語に余韻を残したように思います。

 

トップ娘役・愛希(まなき)れいかさん演じるヒロイン・マノンは

96期生の 叶羽 時(かのは・とき)さんが演じました。

兵庫県芦屋市出身

今年4月の「1789-バスティーユの恋人たちー」新人公演で

主人公ロナンの恋人オランプ役を演じ、

バウホール公演「A-EN」では

朝美絢さんの元カノでプロムクイーンの座を狙って

とことん朝美カップルのじゃまをするパワフルな女子高生を演じました。

「舞音」の本公演ではダンスで表現する「水の精霊」とマノンの影を演じています。

叶羽さんは、身体にバネを感じさせる動きと表情で

魅惑的なマノンを創り上げました。

 

共演者では

あいかわらずの芝居巧者ぶりでシャルルの親友・クリストフ

(本役:凪七 瑠海/なぎな・るうみ)を誠実に演じた

蓮(れん)つかさ さん

97期生 宮城県大崎市出身 171センチ

 

シャルルの婚約者・カロリーヌ(本役:早乙女わかば)を

総督令嬢らしくマノンと好対照でみせた

美園(みその)さくらさん

99期生 東京都出身

などが印象に残りました。

 

終演後の囲み取材より

 

・新人公演を終えて

朝美 絢「生き抜いたという実感のある新人公演でした」

叶羽 時「舞台ってすごく楽しいんだなって今素直に一番思います」

 

・難しかったところは

朝美「最後幸福感にもっていくための気持ちの整理に苦労しました。

宝塚歌劇のオーソドックスな男役という役でしたので

立ち方ですとか、セリフのしゃべり方というのがすごく勉強になりました」

 

・本役の龍さんからのアドバイスは

朝美「今回歌が難しいので、歌い方など遅くまで教えていただきました。

最後の新人公演なので何をしても大丈夫だから

思いっきりやったらいいよと言っていただきました」

 

・新人公演の長と主演、両方を務めたことは

朝美「私が役に集中できるような環境を同期が創ってくれたので

大変だったと言えば大変だったんですけれど

本当に全部同期が助けてくれて感謝しかありません」

 

・本公演でマノンの影を、新人公演ではマノン本人を演じたことについて

叶羽「本公演のお稽古中は身体の使い方とか色っぽい女性という点で苦労しましたが

新人公演でマノンをさせていただいてからその辺りが解ってきだしたりしましたので

明後日からの本公演では(新人公演の)経験を生かしてがんばりたいと思います」

 

美しさとと実力を兼ね備えた主演コンビを中心に

華やかなオーラを感じさせる暁 千星(あかつき・ちせい)さんなど

月組の今後が楽しみな新人公演でした。

 

そして、今週、月組の大きなニュースが飛び込んできました

12月15日に突然月組トップスター・龍 真咲さんの退団が発表されたのです。

16日に行われた会見で月組への思いを質問しましたところ

龍さんは「今とても組が充実していて幸せです」と答え、

スカイステージでご覧になった方もいらっしゃると思いますが

本当に満面の笑みを浮かべられました。

 

龍さん率いる月組、旬のステージを皆さんもお見逃しなく。

龍 真咲さんは来年9月4日(日)東京宝塚劇場公演で退団されます。

大劇場のラストデイは7月18日(月)

また、7月20日(水)、21日(木)はホテル阪急インターナショナルで

      25日(月)、26日(火)はパレスホテル東京で

ディナーショーが行われます。

 

龍 真咲さんの退団会見のもようは

来年1月に番組で特集する予定です。

お楽しみに