宙組トップスター朝夏まなと 宝塚大劇場ラストデイ

樽井美帆です

 

2017年9月25日(月)、宙組トップスター朝夏まなとさんが、

宝塚大劇場を卒業されました。

 

宙の太陽朝夏まなとさんのパワーか、この日は汗ばむくらいの陽気でした。

 

私は、レヴューロマン『クラシカル ビジュー』から取材させていただきました。

 

「かけがえのない今この時を忘れない」とアメジストの男女が集い、

クラシカルビジュー(王冠を戴く者)朝夏まなとさんを中心に歌い上げる

『Amethyst(継がれる輝き)』では、胸が痛くなるほど素晴らしいコーラスでした。

 

シンプルな黒燕尾姿の朝夏まなとさんが、セットが何もない広い舞台で一人で踊る

『Bijou(美宙)』では、朝夏さんが神々しくのびやかに舞われました。

 

客席のみなさんが息をするのを忘れるくらい舞台に集中されていることが伝わってきました。

 

ホルストの「木星」で、黒燕尾の男役さんが朝夏まなとさんを中心に踊る場面は、

一糸乱れぬものすごい気迫のダンス!

 

黒燕尾・白いドレスの組子と眼差しを交わしながら踊る場面では、

客席からすすり泣く声が聞こえてきました。

一人で銀橋へ向かう朝夏さんを、真風涼帆さんは名残惜しそうに、優しい表情で、

尊敬の眼差しで見送っていらっしゃいました。

 

パレードでは白い衣装に白い羽根を背負って、キラッキラの笑顔で朝夏まなとさんは大階段を下り、

大きな拍手が送られ『クラシカル ビジュー』の幕が下りました。

 

寿つかさ組長が緞帳前に登場し、朝夏まなとさんの経歴を朝夏まなとさんのコメントをはさみながら紹介。

緞帳に初舞台からの映像が映し出されます。

2002年星組公演『プラハの春』で初舞台。

ピンクの衣装、頭にも羽飾りをつけて元気に踊る姿が映し出されました。

 

同年、花組に配属。同年『エリザベート』に出演。

「病人がいるんだ」という初ゼリフ。

その一言がなかなか言えず、お芝居の難しさを早くも知りました。

 

2005年『くらわんか』では、徳べえと貧乏神の二役に挑戦。

大量の歌とセリフに戸惑いつつも、舞台に生きられることが本当に楽しかったです。

 

同年『マラケシュ紅の墓標』、新人公演で初主演。

主演だと聞いた時は頭が真っ白に。

周りのみなさんに助けていただきながら何とか舞台に立つことができました。

 

2008年バウワークショップ『蒼いくちずけ』ドラキュラ伯爵役で主演。

毎日主演をするということがどれほどエネルギーを必要とするかを知り、

真ん中に立つ責任の重さを実感しました。

 

2012年宙組に組替え。

男役像について模索していた時期だったので、新たな転機になるかなと。

組になじめるかどうか不安でしたが、二日とかかりませんでした。

ここで客席からは笑いが・・・

 

2013年『風と共に去りぬ』役代わりでスカーレット・オハラに挑戦。

172センチの私にまさかスカーレットが来るとは。

でも、彼女の激しい人生を舞台で演じるのは本当に楽しく、

男役女役関係なくお芝居は心なのだと痛感しました。

 

2014年シアタードラマシティ公演『翼ある人々~ブラームスとクララ・シューマン』

ヨハネス・ブラームス役で主演。

上田久美子先生が、自分でも知らなかった新たな部分を引き出してくださいました。

この作品・役は私の大きな財産です。

 

2015年梅田芸術劇場公演『TOP HAT』で宙組トップスターに就任。

不安もありましたが、そんな感情におぼれている暇がないくらいお稽古すべきことが多くて、

幕が開いてからはお客さまのあたたかい拍手や笑顔に包まれ心から幸せを感じました。

 

振り返ると様々な色の役をさせていただきました。

そのひとつひとつが高い壁でしたが、宙組のみんなと一緒に乗り越えられてこられたことが

私の人生となり、自信となりました。

今日まで頑張ってこられました。

今、こんなにも充実した気持ちで退団できることに心から感謝しております。

私を応援してくださったみなさま、本当にありがとうございました。

 

最後は、宝塚おとめの写真。

写真の表情から、まあくんからまあ様への変化を感じることができました。

 

大きな瞳でみんなをあたたかくみつめ、長い手足、大きな愛でみんなを包んでくれたまあくん、

どんな時も不安や失敗を恐れず前へ前へ進む姿に組子は励まされ勇気づけられてきました。

宙の太陽朝夏まなとの明るい笑顔、魂の輝きはいつまでもみなさまの心に生き続けることと思います。

私たちもまあくんの舞台にかける熱い思いを受け継ぎ、その日までともに進んでいきます。

 

 

いよいよサヨナラショーの開幕です。

 

朝夏まなとさん新人公演初主演『マラケシュ・紅の墓標』のプロローグで使われていた「砂のマグレブ」

という曲とともに緞帳があがると、舞台中央のセリの上に朝夏まなとさんの姿。

ゴールドとターコイズブルーの衣装、肩にかかるくらいの髪、『王家に捧ぐ歌』ラダメスの扮装をされています。

曲は、朝夏まなとさんの宝塚大劇場お披露目公演『王家に捧ぐ歌』より「エジプトは領地を広げている」に変わります。

舞台から銀橋へ移動しながら、よく響く声で生き生きと堂々と希望いっぱいに歌い上げます。

 

ラダメスの衣装について、終演後の記者会見でこんなエピソードを話してくださいました。

最近サヨナラショーで扮装をあまりやらないから、稲葉先生がせっかくだからやってみたらと言ってくださって、

ぜひやりたいですと言いました。

あのラダメスの衣装は、博多座でしか着ていない衣装なので、大劇場でお披露目できてよかったです。

 

愛月ひかるさんが、退団する娘役4名 瀬音リサさん・彩花まりさん・涼華まやさん・伶美うららさんと銀橋で歌い踊ります。

愛月さんはグリーンとゴールドの衣装、娘役さんはゴールドのドレス、頭にピンクの羽飾り。

 

続いて暗闇の中聞こえてきたのは、和太鼓の勇ましい音。

パッと照明がつくと、赤い法被を着た朝夏まなとさんと組子のみなさん。

まさかあのシーンがまた見れるの!という感激で、客席からは「キャー!」という歓声が。

『VIVA!FEASTA!』の中の名場面「YOSAKOIソーラン」です!

「どっこいしょ~!どっこいしょ~!ソーラン!ソーラン!」客席のお客様も一緒に掛け声と手拍子。

朝夏さんは本公演と同じように客席降り。

後方のお客様にも笑顔で手を振って「キャー!」「ヒュー!」という歓声が飛んでいました。

「どっこいしょ~!どっこいしょ~!ソーラン宙組!」とってもカッコよく思いっきり盛り上がりました。

 

真風涼帆さんが15人の男役・女役と銀橋に残って、引き続き「YOSAKOIソーラン」を歌い踊ります。

勇ましく本当に素敵でした。

 

勇ましいステージの後は一転、優雅な『TOP HAT』の世界。

黒燕尾で登場した朝夏さんが「Cheek to Cheek」を歌い、

ピンク・ブルー・パープルのドレスを着た瀬音リサさん・彩花まりさん・涼華まやさんと一緒に踊ります。

 

3人の娘役さんがはけ、スモークがたかれる中一人舞台でスポットライトを浴びて歌う朝夏さん。

舞台後ろの幕が上がると、シルバーのドレス姿の伶美うららさん。

『翼ある人びと』の世界です。

二人の美しいデュエットダンス。

セットは何もありません。

広い空間をいっぱいに使って、星空の中見つめあいながら踊る清々しく美しいデュエットダンスでした。

 

茶色のロングコートをはおった真風涼帆さんが「ダニエルかばん」と言ってスーツケースを持って登場。

『メランコリック・ジゴロ』より「幸せの夢」を二人で銀橋で歌います。

コミカルな動きも息ぴったり。

 

「北白川先生!こんなところにいらしたんですか!」と登場したのは、

『王妃の館』で北白川右京先生の秘書をつとめていた早見さん(純矢ちとせさん)。

「これ、頼まれていたお水です。」とストローがさされたコップを朝夏さんへ。

美味しそうにお水を飲む朝夏さんをしり目に「あなたは?」とすかさず真風さんに聞く早見さん。

「楽しみにしているぞ、余の小説」と急にルイ14世モードになる真風さん。

堂々と花道を去っていかれました。

 

団体行動は苦手なんだとツアーに戻ることを拒否した北白川先生は

銀橋を渡りながら「セ・パリ!セ・ラ・ヴィ!」を歌います。

 

歌い終わると雰囲気は一転。

『エリザベート-愛と死の輪舞-』の世界。

トート閣下として「最後のダンス」を声を自在に操って歌いあげられました。

 

ステージには大階段が登場。

白いドレス姿の瀬音リサさん・彩花まりさん・涼華まやさん・伶美うららさんが

『HOT EYES!!』より『Loving EYES!!』を歌います。

徐々に組子が舞台へ。男役は黒燕尾、娘役は白いドレス。

やがて全員での歌へ。

 

歌い終わると大階段の上に朝夏さんの姿が。

ゴールドの変わり燕尾姿。

アシンメトリーのデザインでジャケットの左側が長いデザインになっていました。

美しい刺繍とスパンコールがほどこされています。

ゴールドのスターブーツがお似合いでした。

組子に迎えられて大階段を下りながら『Shakespeare~空に満つるは、尽きせぬ言の葉~』より

「Will in the World」を歌います。

客席には、白とパープルのペンライトの光が輝いています。

全員による合唱となり、朝夏さんは舞台と花道にずらりと並んだ組子一人一人を

愛おしそうにみつめていらっしゃいました。

宙組の素晴らしいコーラスが響く中、トキメキと笑いと涙に包まれ、

舞台と客席が一つになったサヨナラショーの幕が下りました。

 

朝夏まなとさんが宝塚大劇場最後の大階段を下り、退団の挨拶をされます。

寿つかさ組長に「まあくん」と呼ばれ、「はい」と凛々しく返事をした朝夏さんは

オーケストラが奏でる「すみれの花咲く頃」に迎えられ黒燕尾姿で大階段を下りてこられました。

 

組からのお花を真風涼帆さんから、同期生からのお花は星組トップスター紅ゆずるさんから送られました。

 

紅さんから言葉を送られ大きくうなずいていらっしゃいましたが、どんな言葉を送られたかはナイショだそうです。

 

組からのお花と同期生からのお花が合わさってできたのは、赤いバラの花束。

 

宝塚の世界に生きることができて本当に幸せでした。

たくさんの人に出会い、たくさんのことを学び、舞台人として人として成長させていただきました。

進化し続けたい、常にそう思っていましたが、時には前を向けない時期もありました。

ですが、そんな時でも誰かが必ず手を差しのべてくださいました。

いい舞台を作るために情熱を持っている方たちがいるから、助けてくれる愛する仲間がいるから今の私がいるのだと心からそう思います。

そして、そんな私を応援し客席からいつもあたたかく見守ってくださるみなさま、

ありきたりな言葉しか見つけられないのがもどかしいですが、

この言葉にすべてをこめて本当にありがとうざいました。

 

あたたかい手拍子の中、全員で「TAKARAZUKA FOREVER」を合唱し、幕がおりました。

 

アンコールは6回。

4回目にはスタンディングオベーションに。

 

5回目には、みなさまからいただいた愛へのお返しにと投げキッス!

キャ~!ヒャ~!という黄色い歓声に包まれました。

6回目は、舞台袖から一人で登場。

みなさんのことを愛してます!キャー!

投げキッス!

宙組最高!本当にありがとうございました!

愛してます!またね~!

 

投げキッスは、ある方からやったらとアドバイスがあったそうですよ。

 

終演後には記者会見が行われました。

大きな瞳をキラキラさせて、よろしくお願いしますと一礼し会場に入ってこられました。

 

ひとつひとつ丁寧に言葉を選んでまっすぐにお話しされたのが印象的でした。

 

朝夏まなとラストデイ1

 

★最後の衣装に黒燕尾を選んだ理由と、大階段から最後に見た景色について

 

男役というものに意識が芽生えたのが黒燕尾のダンスを継承したいという思いだったので、

やはり最後は黒燕尾で大階段をおりたいと思ってこの衣装にしました。

最後に大階段から見た風景は、すごく研ぎ澄まされた、でもあたたかい空気が感じられる光景でした。

清々しい気持ちでした。

 

 

★赤いバラを選んだ理由は?

 

黒燕尾にすると決めた時に、私が下級生のころか宝塚に入る前かに、

男役の方が黒燕尾に赤いバラを持って卒業される写真を見たんです。

それを見て、なんてカッコイイんだと思って、自分が主演という立場に立たせていただいてからは、

辞める時は黒燕尾に赤いバラで辞めたいなと思っていました。

 

 

★客席と舞台、劇場が一つになったサヨナラショーでしたが、

 どのような気持ちでプログラムを考えましたか?

 

自分の思い入れのある作品と宙組時代で構成したいなと思っていて、

演出の稲葉先生とご相談させていただきながら自分のやりたい場面やりたい曲で構成していただきました。

やはり『ソーラン宙組』ははずせないだろうと思いまして、思いっきりやりました。

 

 

★お客様も一緒になって掛け声をかけていらっしゃいましたが聞こえましたか?

 

もちろんです!

ガンガン聞こえました!

笑顔で盛り上がってくださっているみなさんがよく見えました。

楽しい雰囲気で終われるのってすごくステキだなと思っていたのでよかったです。

 

 

★今日一日で涙が込み上げた瞬間は?

 

ちょこちょこはありましたが、相対的にみんながとってもにこやかで元気でいてくれたので、

それにつられて元気に過ごせました。

いい意味でみんなが支えてくれているのが伝わってきて、とっても幸せな一日でした。

みんなが笑顔で今日を迎えられたことが幸せです。

 

 

★朝夏さんからご覧になって今の宙組は?

 

すごくモチベーションが高くて、一人一人が舞台が大好きで、

自分が何かをやりたいという思いがすごくあるなと思います。

それが集まってますますいい組になっていったらいいなと思っています。

 

 

★宝塚大劇場への思い

 

全国ツアーで初めて宝塚を観て、初めて宝塚大劇場へ来た時に規模も違うし

あまりの豪華さにビックリして、その舞台に自分が立てて、みなさまのおかげで無事に卒業できました。

日本にたくさん劇場はありますが、これだけあたたかい劇場というのは宝塚の素晴らしさだと思います。

スタッフのみなさん、オーケストラのみなさんと一緒に作っているホームグランドなので、この劇場に立ててよかったなと思います。

 

朝夏まなとラストデイ2

 

★ファンみなさんへのメッセージ

 

私がいたらない時もずっと支えてくださり、新しくファンになってくださったみなさまも、

本当に舞台を愛してくださって、自分の一番の励みになっているので、感謝の気持ちでいっぱいです。

 

朝夏まなとラストデイ4

 

手形を初めて見て「うわぁ~!すご~い!初めて見た~!」と大きな瞳で手形を笑顔で見つめていて、可愛いまあくんでした。

 

朝夏まなとラストデイ3

 

みなさま、本当にありがとうございました。

拍手に送られて、出口でも美しくお辞儀をされて退出された。

 

この日、退団されたみなさんのパレードです。

伶美うららさん

朝夏まなとラストデイ5(伶美うらら)

涼華まやさん

朝夏まなとラストデイ6(涼華まや)

彩花まりさん

朝夏まなとラストデイ7(彩花まり)

瀬音リサさん

朝夏まなとラストデイ8(瀬音リサ)

 

そして、いよいよ朝夏まなとさんが6000人のファンが見守る中、

大きな瞳にあたたかい笑顔で、緑の袴・黒紋付で

胡蝶蘭で飾られた白いアーチを通ってファンのもとへ歩いてこられました。

手には白バラのブーケを。

キャー・ヒュー・フォーというスゴイ歓声!

 

朝夏まなとラストデイ12

 

 

「宙の太陽まあさま大好き」という横断幕とファンのみなさんの拍手と笑顔に迎えられました。

 

朝夏まなとラストデイ11

 

大きな瞳でファンのみなさんを優しくあたたかく見つめながら、手を振って一歩一歩大切にゆっくりゆっくり歩いてこられました。

 

千秋楽おめでとうございます!

広い宇宙で出会えた運命の人、それはもちろんまあさま。

銀河より大きい愛と幸せをありがとう!

強くて優しい宙の太陽まあさま大好き~!

 

ピッタリそろった大きな声!

 

朝夏まなとラストデイ13

 

ありがとうございます。

無事に宝塚大劇場を卒業できてよかったですと感謝の気持ちを伝えられました。

 

朝夏まなとラストデイ10

 

午後7時20分、三日月が輝くなか、朝夏まなとさんは白い車に乗って宝塚大劇場を後にされました。

 

朝夏まなとラストデイ9