宝塚大劇場花組公演『MESSIAH−異聞・天草四郎−』・『BEAUTIFUL GARDEN −百花繚乱−』

樽井美帆です

 

現在、宝塚大劇場では花組公演が上演されています。

 

 

ミュージカル『MESSIAH(メサイア) −異聞・天草四郎−』

作・演出/原田諒
 
島原の乱の指導者として多くの伝説を残し、今なお謎多き人物である
天草四郎時貞の姿を、新たな視点で描き出した作品です。
 
今年6月13日、ユネスコにおいて「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の
世界文化遺産への登録が決定しました。
このタイミングでの上演は奇跡的ではないでしょうか。
 
嵐で船が転覆し、天草に流れ着いた倭寇の頭目である夜叉王丸が
天草四郎の正体であるという、原田諒さんの新たな視点で描かれています。
 
明日海りおさん演じる天草四郎は、ポニーテールと赤い衣装が印象的。
熱く勇ましくワイルドな瞳と言葉、そして息遣い。
魂のこもった歌声。
みんなをひきつけるパワーと説得力。
まさに新しいヒーローの誕生です。
 
子どもたちからも人気のあるお兄さん的存在でもあります。
 
可愛い子ども役を演じている娘役さんたちがとても印象的。
純粋さが際立つほど、この物語の美しさに影響するように思いました。
城妃美伶さん・春妃うららさん・音くり寿さん・華優希さん・舞空瞳さんなど、
新人公演でヒロイン経験のある娘役さんたちが演じる子役に注目です。
 
花組『MESSIAH』1
 
夜叉王丸を自分の4人目の子どもとして引き取った専科の一樹千尋さん演じる益田甚兵衛。
小西行長の遺臣である渡辺小左衛門を演じる瀬戸かずやさんと妻の福を演じる桜咲彩花さん。
愛情深い人々に出会って、四郎はみんなの役に立つために生きていきたいと
思うようになっていきます。
 
物語は、柚香光さん演じる南蛮絵師の山田祐庵が、
聖乃あすかさん演じる徳川家綱に、乱の真実を教えてほしいと請われ
話をするという形で始まります。
 
祐庵は、島原の乱でたった一人生き残った人物だったのです。
 
聖乃あすかさんの穏やかで美しいたたずまいの家綱と、
柚香光さんの苦しく悲しく耐え忍ぶ人生を歩んできた祐庵。
対照的な二人が印象的です。
 
このお話しの中で唯一といってもいいほどの悪役が
鳳月杏さん演じる松倉勝家。
 
メイクも表情も、登場時の音楽も絵に描いたような悪役ですが、
それでもカッコイイ鳳月杏さんです。
 
水美舞斗さん演じる松平信綱に心を重ね、
涙された方も多いのではないでしょうか。
 
深い声と、クールな中に温かさを感じる目、
仕事を全うするためとはいえ苦渋の決断を下す時のお芝居に引き込まれました。
 
柚香光さんと水美舞斗さん、緊迫したシーンで同期生同士
二人だけのお芝居も見どころの一つでした。
 
花組『MESSIAH』2
 
仙名彩世さん演じる流雨は、とても清らかで心の美しさが表れていて
心が洗われる存在。
仙名さんの神秘的な声のパワーに魅了されます。
 
演出家原田諒さんの作品といえば、銀橋を使っての比較的長い時間の
トップコンビのお芝居が特徴的ではないでしょうか。
 
今回も明日海りおさんと仙名彩世さんが理想の国や夢について
語り合う美しいシーンがありました。
 
戦いの場面には、大階段が使われ迫力満点。
ダンスの花組らしく勇ましくカッコいい迫力あるダンスシーンで
戦いが表現されています。
 
「はらいそ」を表現したラストシーンはとても美しく、
人々の安らいだ幸せそうな笑顔に客席からはすすり泣く声が聞こえてきました。
 
 
ショー・スペクタキュラー『BEAUTIFUL GARDEN −百花繚乱−』
作・演出/野口幸作
 
名曲と美しいコスチュームで、花にまつわる恋人たちの
愛と夢とロマンを描くショー。
野口幸作さんのショー・スペクタキュラーシリーズ3作目です。
 
涼しげな森を舞う蝶の映像に誘われて、ショーはスタートします。
 
こんな花組が見たかったが詰まっていて、終演後はお腹いっぱいの幸せを
感じることができます。
 
野口幸作さんのショーといえば、トップスターがゴンドラに乗って登場します。
 
今回、明日海りおさんは蝶のゴンドラに乗って登場されました。
 
花組『BEAUTIFUL GARDEN』1
 
ミツバチに扮した水美舞斗さんを中心としたロケットダンスは元気いっぱい!
水美舞斗さんの片手側転も飛び出しました。
 
パリを舞台に傘を手に踊るシーン。
 
花組『BEAUTIFUL GARDEN』2
 
柚香光さんと舞空瞳さんの軽やかなダンスに魅了されました。
まるで傘が花のように開いたり閉じたり、とても楽しい場面です。
天真みちるさんのタンバリンも、明るく楽しく軽やかに響き渡りました。
 
スペインの闘牛士を描いた場面は、鳳月杏さんさんのドラマティックな歌で
展開していきます。
明日海りおさんの闘牛士は、文句なしのカッコよさ。
死のダンサー水美舞斗さんの軸のぶれないダイナミックなダンスは圧巻!
不気味な雰囲気も最高でした。
 
アロハ風の衣装で歌い継ぐのは、TUBEの夏歌!
客席降りもあり大いに盛り上がります。
 
古代ローマ、コロッセオでのグラディエーターを描いたシーン。
ローマの美女に扮した柚香光さんとグラディエーター明日海りおさんのダンスは
幻想的で美しく
 
花組『BEAUTIFUL GARDEN』3
 
仙名彩世さんが8人の男役さんとともに歌い踊る
ガーシュインの「S’wonderful」は、キュートで美しいシーンです。
 
原田諒さんのショー作品といえば、トップスターのこれまでの軌跡を描いた歌。
明日海りおさんが宝塚への憧れを抱いた時から、月組から花組に組替えし
現在に至るまでを曲にした「ETERNAL GARDEN TAKARAZUKA」。
とても美しい曲を明日海りおさんが優しく歌い上げます。
 
大階段での男役群舞は、究極にカッコよく、どこを見ていいか迷ってしまいますね。
 
パレードのエトワールは、今回の公演で退団される天真みちるさんと、
若草萌香さんがつとめられ、大きな拍手が送られていました。
天真みちるさんは、太陽のような明るい笑顔で拍手にこたえていらっしゃいました。
 
今年2018年最後を飾る洋物のショーは、花組の美しい花園を堪能できるショーです!
 
宝塚大劇場花組公演は、8月20日(月)までです。