花組トップ娘役 仙名彩世さん退団会見

安來茉美です。

10月16日(火)花組トップ娘役・仙名彩世さんが、祝祭喜歌劇『CASANOVA』(宝塚大劇場:2019年2月8日~3月11日、東京宝塚劇場:2019年3月29日~4月28日)をもって退団されることを発表し、記者会見が行われました。

仙名さんは2008年3月 宝塚音楽学校をご卒業、94期生として宝塚歌劇団に首席入団されました。

2008年3月『ME AND MY GIRL』で初舞台を踏まれたのち、花組に配属され、2017年3月『仮面のロマネスク』『EXCITER!!2017』で花組トップ娘役に就任。

大劇場公演では2017年6~7月 『邪馬台国の風』が新トップお披露目公演となりました。

 

当日は小川理事長、仙名彩世さんのお二人がいらっしゃいました。

 

まずは小川理事長からご挨拶がありました。

仙名さんb

小川理事長

「ご紹介の通り、仙名は来年の『CASANOVA』で宝塚歌劇団を卒業させていただきます。仙名はご存知の通り、花組の娘役トップとして『邪馬台国の風』でデビューしたのですが、やはり私の中では『ポーの一族』での伯爵夫人の役、それからこの間のやっぱり『メサイア』の流雨(ルウ)の役。なんというか娘役としての凛としたところですね。やっぱり経験もあるんですけど、凛とした芝居はやっぱり観ていると凄かったなぁと。彼女の経験を発揮してくれて、100周年以降これだけお客様に来ていただいているところの、娘役としての役を担ってくれたと思っております。

まだまだ来年の一本ものの『CASANOVA』―大作が控えていますので、彼女の集大成を応援していただきたいと思っております。」

 

そして仙名さんからもご挨拶がありました。

仙名彩世さん

「本日はお忙しい中お集まりいただきありがとうございます。今まで、トップ娘役を務めてこられた方々のこういった会見をテレビや色々なメディアで拝見いたしておりましたので、今自分がこの場にいるということが不思議な感覚でもありますが、よろしくお願いいたします。」

 

 

その後は取材の時間が設けられました。

まずは退団を考えられた時期と、そこに至るまでの気持ちの変化について語られました。

「私は研究科9年目でトップ娘役に就任させていただきました。卒業の時期というものに関しては、やはり就任時からずっと意識はしておりましたので、特にこの時に何か大きなきっかけがあったという訳ではありませんが、ずっとじわじわと心の中では、そのように動いていっておりましたので、自分が納得できる時に今来ているのかなというのが今の気持ちです。」

―この役を経てというきっかけはありましたか?

「今まで本当に宝塚歌劇団に入らせていただいてから今までいろんな役に出会って成長させていただきましたので、この役が、というものよりも本当に全てが私の中では大切でありますし、全てが今の私を作ってくれたと思っております」

 

退団を決意されてから、花組トップの明日海りおさん、そして組の皆さんにはどのように伝えられたのでしょうか?

「もちろん明日海さんにもご相談させていただいておりましたし、お伝えした時に、『ゆきちゃんが自分で決めたことなら』と大きなお心で、私の気持ちを受け止めて下さったのでとても感謝しておりますし、その時に、集大成として一緒に良い舞台を創っていきましょうというお言葉もいただきまして…はい。」

―その時期はいつ頃ですか?

「『ポーの一族』の公演の時ですね。組の皆様には、東京公演の千秋楽の前の日にお時間いただいてお伝えいたしまして、その時に上級生の方々からは今までよく頑張ったねというお言葉をいただいて、やはりずっと組配属された時から花組で育ってきましたので、皆さんずっと変わらずに見守ってくださって、気にかけて本当にいつも声をかけてくださったので、そのお言葉が嬉しくて、下級生の子たちからも伝えたあとに色々お話ししたんですけど、最後まで学べることは全て学ばせていただきますという言葉をいただいたので、それが凄く嬉しいなぁと思いましたし、頼もしいと思いました。最後まで私が出来る限りのことは伝えたいなと強く思いました」

仙名さんc

首席で入団されてからのタカラヅカ人生。振り返ってみての思いとは…

「そうですね…卒業という事を決めてから、あらためて全てを振り返ったという感じがいたします。本当にやっている時はいつも必死ですので、前の事を振り返っている余裕がなかったといいますか、今あらためて振り返ってみるとなんて素晴らしいところなんだろうっていうのは‥‥一人ひとりが自分自身に向き合って常に前進しようと、一歩でも進もうという姿を、その姿を見て私も頑張ろうと思いましたし、やはり自分の心の中の動きはいろいろありましたけれども、全てが必要なことだったと思います。」

―心の中の動きとは?

「もちろん嬉しいことも、これからはこういう事がやりたいという希望も、そして今の自分はこれでいいのかなと不安に思ったりとか、いろんな気持ちがありましたが、それを味わうことで人として成長していけるんだなということを…」

―就任された時に辞めることを考えていらっしゃったということでしたが、ご自身の中で何か到達点になるものはありましたか?

「そうですね。ここですという目標や時期を決めていたという訳ではなくて。ただ自分の心がこの宝塚に来て、十分やったと思えるのが一番ですが、ここにいて自分が、ここで存在して、どれだけ沢山の方に支えられて、そして愛していただいたかということを感じることがどんどん増えて行ったんですね。なので、そういった方々の思いを感じて、そして自分の心が本当に動いたので、本当にじわじわと自分の中に思いが生まれたというか…」

 

様々な役を演じてこられた仙名さん、これまでの経験値をどのようにトップ娘役としての生き方に繋げてこられたのでしょう?自分自身へのルール、大事にしていたことは何だったのでしょうか?

「ルール…特にそのルールというものはありませんけれども、下級生の頃からいろいろな個性的な役もさせていただきましたし、もちろんヒロインという経験は少なかったかもしれませんが、それを負い目に感じるということはしないようにしようということはありましたね、自分の中では。自分の人生は自分でしか経験できないことなので、その全てを糧にして、自分なりの娘役像というものを創っていきたいというのは下級生の頃からずっとその思いは変わらずにありましたので、もちろん娘役として、役者としてまっすぐでいたいというところは。」

―仙名さんに憧れる、背中を見て育った後輩たちに向けて伝えたい思いとは?

「どれだけ宝塚というものが素晴らしいかということですね。どれだけ娘役でいることがどれだけ幸せなことかというものを。やはり当たり前ではなくて。」

―常にそういう思いを確認している?

そうですね、やはり忘れない、常に自分が娘役であること、そしてここに居させていただけることというのは、どれだけ自分にとって幸せなことかというのを実感するタイミングっていうのが要所要所で来ると思うんですけれども、やはり常にそれを持っておくということが大事だと思うんですね。どんな時でも今自分がここにいるっていうことがどれだけのことかっていうのを忘れないっていうのを伝えたいなと…もちろん娘役さんもそうですけれど、男役さんも一緒で、男役さんがいるから娘役がいるっていうのは、常に私の中では男役さんへの感謝も忘れない。」

 

そして仙名さんの同期には月組トップスターの珠城りょうさんがいらっしゃいます。珠城さんには何かお伝えになったのでしょうか?

そうですね。珠城には直接会って伝えることは出来なかったんですけれども、なるべく同期はやはり、ずっと音楽学校から一緒に切磋琢磨してきた大切な仲間ですので、出来れば会って直接話をしたいという気持ちがありましたので、会える子たちには直接会って目を見て思いを伝えて。

そして珠城には会えなかったので、電話で伝えました。その時に、『今まで本当によく頑張ったね、お疲れ様!』という言葉をもらったのと…昨年のタカラヅカスペシャルで初めて舞台上で一緒に踊らせていただいて、それが私の中では凄く嬉しかった…!やはり男役さんと娘役のトップの時期が一緒になるっていうことはなかなかないことなのではないかなと思いますので、このタイミングが奇跡のようで私は幸せに思いましたし、珠城がいるから私も頑張ろうと思うようになったので、本当に珠城には感謝の気持ちです。」

仙名さんd

 

仙名彩世さんは、宝塚大劇場で2019年2月8日~3月11日、そして東京宝塚劇場で2019年3月29日~4月28日上演の祝祭喜歌劇『CASANOVA』千秋楽をもって退団されます。

楽曲には、世界で活躍するフランスの著名なクリエーター、ドーヴ・アチアさんが全楽曲提供されることも発表されました。

ちなみにこの日の仙名さんは「自分らしい、好きな服を着ようと思って…」という思いから選ばれた純白のワンピース。

レースが施された上品なデザインは、仙名さんにとてもよくお似合いで、着こなしにもトップ娘役の凛とした気品が感じられました

仙名さん

仙名彩世さんが今後出演される作品は

●2018年11月30日(金)~12月9日(日)<舞浜アンフィシアター>

スペシャルステージ『Delight Holiday』作・演出/稲葉太地

●2018年12月21日(金)~12月22日(土)<梅田芸術劇場メインホール>

『タカラヅカスペシャル2018 Say! Hey! Show Up!!』

●2019年2月8日(金)~3月11日(月)<宝塚大劇場>

祝祭喜歌劇『CASANOVA』作・演出/生田大和

●2019年3月17日(日)~3月18日(月)<宝塚ホテル>

仙名彩世ミュージック・サロン『Sen‐se』構成・演出/中村一徳

●2019年3月29日(金)~4月28日(日)<東京宝塚劇場>

祝祭喜歌劇『CASANOVA』作・演出/生田大和