雪組新人公演 『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』
宮村裕美です
1月21日(火)、宝塚大劇場では
雪組新人公演
ミュージカル
『ONCE UPON A TIME IN AMERICA
(ワンス アポン ア タイム イン アメリカ)』
がおこなわれました。
今回、主演を務められたのは、
99期の諏訪 さき(すわ・さき)さん。
ヒロインを務められたのは、
102期の潤 花(じゅん・はな)さん。
諏訪さんは99期ということで、
最後の新人公演にて初主演を掴まれました
カットされた場面もあるとはいえ、
この作品ではトップスター
望海風斗さん演じるヌードルスの役は
少年期~青年期~壮年期までが描かれているため、
見た目の変化はもちろん、
心の変化といった
繊細な演じ分けも必要な役どころですが、
まとう雰囲気やセリフなどで
見事に演じ分けをされていました。
また、難しい曲や声量がいるナンバーも
多くある今回の公演ですが、
どの曲も素敵に歌い上げられ
改めて今まで努力を積み重ねてこられた、
諏訪さんの魅力が
ふんだんにつまった新人公演だったように感じます!
ヒロインを演じた潤さんは、
トップ娘役 真彩希帆さんの役を演じられるのが
今回で3度目となります。
私が特に素敵だったなぁと思ったのは、
ヌードルスのことを想っている。けれど、
自分の夢を追い、はっきりとした意思を持ち、
進み続ける強い女性像が、
美しさの中にかっこよさが見え、魅力的でした。
今回の新人公演で
特に素敵だったなぁと感じた
主演コンビのシーンは、1幕ラストのシーンです。
望海さんのヌードルスも、真彩さんデボラに対して
好きの気持ちが溢れていますが、
諏訪さん演じるヌードルスが
潤さんデボラに好きだと伝える時の表情も、
好きだという気持ちでいっぱいでした。
見た目は大人なのに、
どこからか少年さも感じられ、
かっこいいのに幼さが
垣間見られる姿からは、デボラへの
まっすぐな強い気持ちが感じ取れました。
ちなみに、諏訪さんヌードルスは
望海さんよりも豪快にバラを掴み、
まき散らした後に、
手のひらから花びらを数枚こぼしていて、
この細やかな演技も素敵でした
続いて、主要キャストからご紹介いたします。
〇マックス
101期 縣 千(あがた・せん)さん
まるで彩風さん?
そっくりのメイクで暗黒街の若き顔
本役・彩風咲奈さんの
マックスを務めたのは、縣千さん。
今回は、アイメイクが本役・彩風さんと同じく
スモーキーな落ち着いた色で、眉毛もキリッと
非常に凛々しく、イケメンなマックスでした。
そして、新人公演を見られた方は
きっと印象に残っていると思います。
銀橋で、マックスが
キャロルの頬をぶってからのキスシーン。
嫌がるキャロルをぐっと引き寄せ、
強引に熱くキスする姿が非常に男らしく、
ドキッとされた方も多かったのでないでしょうか?
〇ジミー
102期 彩海 せら(あやみ・せら)さん
本役・彩凪翔さん同様、
労働者にしては顔がよすぎるのでは?と、
思わずにはいられなかったジミーを
演じられたのは、彩海せらさん。
可愛らしい顔立ちをされている彩海さんですが、
実は裏の顔を持つジミーを
非常に素敵に演じられていました。
特に、マックスを助けた後、
権力を持ったものの自分の手は汚さず、
市民にはいい人の顔をするという
壮年期の場面では、
縣さんマックスへ対する
高圧的な態度と一変、明らかに裏があるのに、
それでも誠実な雰囲気があり、
何も知らないと信じてしまうと
感じさせる魅力的な悪い人でした。
〇キャロル
99期 彩 みちる(いろどり・みちる)さん
キュートという言葉がぴったりだったのは、
本役・朝美絢さんの
キャロルを演じた彩みちるさん。
彩さんのキャロルは、
小悪魔のような可愛らしさがありました。
ヌードルスにマックスを止めてほしいと
お願いする場面では、朝美さんのキャロル同様
マックスのことを本当に愛し、
心配していて、非常に健気でした。
縣さんとの並びも麗しく、素敵でした。
〇ファット・モー
101期 望月 篤乃(もちづき・あつの)さん
冒頭では、語り部のように
セリフで物語を進めてくれたのは、
本役・組長 奏乃はるとさんの
ファット・モーを演じた望月篤乃さん。
本公演でも、映像と共に物語を進めてくれる
ファット・モーですが、新人公演ではさらに
物語を進める大切な役割を担い、
セリフも多く大変だったと思いますが、
非常に素敵なファット・モーでした。
インフェルノでシャンパンの被り物をする場面では、
本役の奏乃さん同様、とても可愛い
ファット・モーが見られました。
ここからは、素敵な皆さんの中で、
特に印象に残った方をご紹介します!
〇エヴァ
100期 希良々 うみ(きらら・うみ)さん
ハバナの明るい音楽が似合う
陽の可愛さに溢れていたのは、
本役・彩みちるさんの
エヴァを演じた希良々うみさん。
ピンクの衣装が似合い、ヌードルスに
「デボラってだれ?さっき私のこと
デボラって呼んでいたけど?」と言う姿も
ちょっぴり茶目っ気があり、
可愛らしかったです。
〇ベティ
102期 有栖 妃華(ありす・ひめか)さん
本役・星南のぞみさん同様
可愛いそのものだったのは、
ベティを演じた有栖妃華さん。
たばこを吸い、サムへ向けて
わざと煙を吹きかけ、笑う姿は
色っぽさと共に可愛さがあり、素敵でした。
終演後に、主演コンビ
諏訪さきさん・潤花さんにお話をお伺いすると、
諏訪さんからは、
『あんなに泣くつもりはなかったのですが、
挨拶の時はホッとしたのと拍手が温かくて・・・。
今まで生きてきた中で
一番の経験をさせていただけたなと思います。
客席からの愛をたくさん感じて
公演をすることができて、
本当に幸せな時間でした。』
との感想が。
感想を話すときから、諏訪さん・潤さん
お二人とも目でアイコンタクトを取りつつ
お話しをされていて、諏訪さんが感想を話しながら、
あたたかな客席を思い出すとまた泣きそうですと、
少しウルウルとされる姿を、
優しいほほえみで見つめる潤さん。
そして、感想を一生懸命話す潤さんを
あたたかな表情で見守る諏訪さんと、
とても信頼しあいながら
新人公演を務められたのだなと感じる、
二人の素敵な空気が流れていました
新人公演長の期、
99期の諏訪さんが主演というのもあり、
皆さんがそれぞれ役を深め、
魅力的に演じられた、
今回も素敵な新人公演でした
東京宝塚劇場での新人公演は、
3月5日(木)です。