宝塚大劇場雪組公演 ミュージカル『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』
樽井美帆です
雪組公演
ミュージカル『ONCE UPON A TIME IN AMERICA(ワンス アポン ア タイム イン アメリカ)』が、
宝塚大劇場で2020年1月1日(水)〜2月3日(月) まで上演されました。
2020年の幕開きを飾るお正月公演でしたね。
東京宝塚劇場では、2月21日(金)~ 3月22日(日) まで上演されました。
(新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、一部公演中止)
ミュージカル『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』
脚本・演出/小池 修一郎
1984年に公開された、セルジオ・レオーネ監督によるギャング映画の世界初ミュージカル化。
凄まじい勢いで変貌を遂げる20世紀のアメリカ社会を背景に、
主人公の少年期、青年期、初老期という3つの時間軸を交差させる緻密な構成、
サスペンス的な要素も織り交ぜたドラマティックな展開が熱狂的ファンを生んだ傑作です。
数多くのミュージカル作品を生み出してきた小池修一郎さんが脚本・演出を手掛けられました。
ニューヨークの貧民街で暮らす移民の少年達が、ギャングとして成りあがって行く過程で育む
友情と絆、恋を中心に、その後の悲劇的顛末までをノスタルジックな情感で描き上げる作品です。
プログラムに掲載されたLESLIE KEEさん撮影の
タキシード姿の小池修一郎さんのお写真がとてもステキでした
舞台の中央に階段が浮かび上がり、夜の摩天楼が輝きます。
階段には、黒のソフト帽をかぶり、グレーのロングコートをまとった
ヌードルス、望海風斗さん。
影のある歌声がカッコよかったです!
そこへ、彩風咲奈さん演じるマックスを中心としたスーツ姿のギャンスターたちが合流してダンス。
銀橋と花道いっぱいにズラリと並んだギャングスターたち。
好みのギャングを探された方も多かったのではないでしょうか?
場面が変わり、1985年、ファット・モーのダイナー。
ヌードルスと奏乃はるとさん演じるファット・モーが25年振りに再会します。
この公演の見どころは、望海風斗さんが少年期、青年期、初老期を
すべてお一人で演じるところ。
この場面のヌードルスは、白髪交じりの初老期。
髪やあごをよく触るのが特徴的だと感じました。
とても自然な仕草でした。
初老期の望海風斗さんがカッコよくて、リアル。
声もとても心地よかったです。
少年期、皇帝と皇后になるという夢を語り合う二人。
デボラを演じた真彩希帆さんのキラキラの歌声、
そしてカデンツァが見事でした。
望海風斗さんの無邪気な笑顔がかわいかったですね!
この公演で退団された舞咲りんさんは、
バレエを一生懸命頑張る少女たちを見守るシュタイン先生を演じられました。
愛情あふれる歌声が印象に残っています。
ショースターとなったデボラ。
驚くような衣装と華やかなセット!
おめでたいお正月公演にピッタリでしたね。
彩風咲奈さん演じるマックスが経営する華やかな潜り酒場『クラブ・インフェルノ』
ショーガールたちの中心に立つのは、マックスの恋人キャロル。
演じたのは、朝美絢さん。
見事なブロンド美女!
美しくキュート、力強いけどセクシーな歌声でした。
7年余りの刑期を終えたヌードルスとデボラは再会。
にぎやかな舞台セットに黒い幕が下り、暗い銀橋に二人きり。
スポットライトが二人を静かに優しく照らします。
銀橋に浮かび上がる二人がとても美しかったです。
とても静かな中、再会を喜び合う二人のせつない歌声が響き感動的。
友・恋・夢の狭間で葛藤する姿に胸が苦しくなりました。
悪事に手を染めながらも、愛する人に対しては純粋で純情な心を持ち続けている、
それが伝わってくる望海風斗さんの表情と歌声にドキドキしました。
望海風斗さんの、珍しいスーツの早変わりも見どころの一つでしたね!
ロング・アイランドにあるホテルのレストランを貸し切ったヌードルス。
デボラただ一人のために大金を投じてすべてを準備。
一夜だけの宮廷で、皇帝と皇后のごとく二人は心を寄せ合い踊ります。
全身全霊でデボラへの深い愛を表現するヌードルス。
しかし、彼を愛しながらもショービジネスの頂点を目指し、ハリウッドへ発つことを決めた
デボラの意志は固く、ヌードルスの思いは届くことはなかった・・・
真っ赤な薔薇とレザーのソファー、悲しみに打ちひしがれるヌードルス。
悲しいけれど美しい、望海風斗さんの背中にまたまた泣かされてしまいました。
悲しみにも耐え、強く清く、夢に真っすぐに向かう真彩希帆さんのデボラも
とてもステキでした。
車椅子のキャロルの横にしゃがむ壮年期のヌードルス。
しゃがみ方や立ち方が、若い時と違い思い通りにいかない様子で
とてもリアルでしたし、キャロルに聞かせたアカペラの歌声も
望海風斗さんが演じられたヌードルスならではだと思いました。
一本立てのミュージカルですが、フィナーレとパレードがありました。
女役を演じた朝美絢さんは男役で登場。
赤いベルベット調の変わり燕尾の望海風斗さんが、
同じ生地のスリットが入った大人っぽいドレスをまとった娘役さんと踊っていると、
ゴールドのジャケットを羽織ったフィナーレの紳士たちが思い思いに
大階段に座ってカッコよくスタンバイ。
爽やかな夜空のようなネイビーの美しい衣装のトップコンビの
デュエットダンス。
ヌードルスとデボラの夢が叶ったようなひとときでしたね!
エトワールは、舞咲りんさん。
様々な役を演じてこられた舞咲りんさんの、表情豊かな歌声が劇場に響き渡りました。
大きな白い羽根を背負って大階段を下りてこられた望海風斗さんの衣装は、
豪華で大ぶりなキラキラ輝く飾りがついた白のジャケット。
清潔感いっぱいに着こなしていらっしゃいました。