宝塚大劇場花組公演ミュージカル浪漫 『はいからさんが通る』

樽井美帆です

 

花組公演 ミュージカル浪漫 『はいからさんが通る』が、

宝塚大劇場で7月17日(金)~9月5日(土) まで、

東京宝塚劇場で10月9日(金)~11月15日(日)まで上演されました。

 

宝塚大劇場公演は、当初3月13日(金)に初日を迎える予定でしたが、

新型コロナウィルス感染拡大防止のため、4カ月あまり公演が中止に。

7月17日(金)に初日を迎えたものの、出演者・関係者13人が新型コロナウィルスに感染し、

8月2日(日)から休演。

9月3日(木)に再開し、5日(土)に千秋楽を迎えました。

 

オーケストラボックス内での密集状態を避けるため、音楽は録音に。

銀橋を使った演出が取りやめられ、新人公演も中止となりました。

また、東京公演では、A日程・B日程に分けて出演者を減らすという対応もとられました。

 

このような状況の中で迎えた、花組新トップコンビ柚香光さん・華優希さんの

大劇場お披露目公演です。

 

ミュージカル浪漫『はいからさんが通る』
原作/大和 和紀「はいからさんが通る」(講談社KCDXデザート)
(c)大和 和紀/講談社
脚本・演出/小柳 奈穂子  

 

1975年から1977年に「週刊少女フレンド」で連載された

大和和紀さん原作の「はいからさんが通る」は、大正浪漫華やかなりし東京を舞台に、

眉目秀麗で笑い上戸な陸軍少尉・伊集院忍と、はいからさんと呼ばれる快活な女学生・花村紅緒が

繰り広げる波乱万丈の恋物語。

宝塚歌劇では2017年にシアター・ドラマシティと日本青年館において、

柚香光さんと華優希さんを中心とした花組で上演されました。

大人気となった公演が、花組新トップコンビ柚香光さんと華優希さんのお披露目公演として再演。

再演にあたり、フィナーレナンバーが新たに追加されました。

 

130日ぶりの公演再開に対する感謝の気持ちを伝える高翔みず希組長のごあいさつに続き、

柚香光さんトップ初開演アナウンス。

これだけでもうすでに感動です!

溌剌とした声の中に決意を感じるアナウンスでした。

 

出演者が次々に歌いついでいく、可愛く楽しい振付のプロローグが印象に残っています。

音楽は録音でしたが、演奏されている方のあたたかい気持ちが伝わってきました。

 

『はいからさんが通る』1

 

まばゆい柚香光さん演じる伊集院忍少尉がカーキ色の軍服で登場!

みんなに囲まれて幸せそうでした。

 

柚香光さんの見上げる視線が本当に美しい

そして、360度どこから見ても完璧に美しい方ですね!

酔っぱらった紅緒を優しく見守る眼差しもステキでした

 

麗しい姿、余裕のある振る舞い、言葉の語尾のあたたかさ、

髪を振り乱して戦う姿、たくさんのトキメキをいただきました

 

華優希さんが演じたのは、はいからさんと呼ばれる女学生・花村紅緒。 

かわいい袴姿ですごいスピードで自転車に乗っていらっしゃいましたね

華優希さんの声と可愛い仕草に元気をいただきました。

表情豊かな華優希さん。

ふくれっ面・怒った顔が特に魅力的だと私は思いました。

可愛く怒れるってすごいですよね!

 

『はいからさんが通る』2

 

トップコンビが演じる伊集院忍・花村紅緒。

お姫様だっこあり、おんぶあり、壁ドンあり、また後ろから抱きしめるシーンあり、

少尉が優しく見つめる瞳や絶妙な距離感などなど、

どれほどキュンキュンしたことでしょう

 

紅緒が少尉に惹かれていく過程がとても丁寧に描かれており、

客席の私たちも少尉のことが大好きになっていきました。

 

『はいからさんが通る』3

 

魅力的なキャラクターがたくさん登場するのもこの作品の魅力のひとつ。

 

『はいからさんが通る』4

 

紅緒と同じ女学校に通う華族のお嬢様・北小路環を演じたのは、音くり寿さん。

紅緒の幼馴染、歌舞伎の女形役者藤枝蘭丸は、聖乃あすかさん。

お二人とも華優希さんと同期の100期生、お芝居の息ぴったりでした。

 

女中頭の如月は、鞠花ゆめさん。

おすべらかしのような髪型に黒い洋装というスタイル。

漫画らしい動きや、怒り気味に『フンッ!』という姿がかわらしくもありました。

 

伊集院伯爵夫人は、専科の美穂圭子さん。

ステキなお声と可愛い品の良さにほっこり。

 

芸者・花乃屋吉次、朝月希和さん。

美しい中にもカッコよさが備わり、気持ちよかったです。

 

女嫌いの編集長・青江冬星は、瀬戸かずやさん。 

ロングヘアとハンカチがトレードマークで爽やかな面白さ。

紅緒を思っての潔い引き際は、とてもカッコよく感動的で、

相手を思って行動する姿に、冬星の幸せを祈らないではいられませんでした。

 

車引き・牛五郎、飛龍つかささん。

献身的だけどなぜか面白い。

豊かな表情とお芝居に、たくさん笑わせていただきました。

 

男同士の友情も見どころの一つでしたよね。

少尉の部下・鬼島森吾軍曹。

柚香光さんと同期生の水美舞斗さんが初演に続いて演じられました。

ダイナミックな振る舞いと、荒々しい話し方、

そんな見た目とは裏腹に、あたたかい心。

環さんが惹かれるのも納得ですね!

 

フィナーレは、男役群舞が黒燕尾の『浪漫バージョン』と、

軍服の『大正バージョン』の2パターン。

 

忍と紅緒の結婚式をイメージしたデュエットダンスは、

甘いソプラノサックスの調べに乗せて。

白い衣装も最高

幸せいっぱいの笑顔あふれるひとときでした。

客席のみなさんのマスクの下のお顔も、あまりの微笑ましさに

緩んでいたのではないでしょうか?

 

エトワールは音くり寿さん。

ピンクのドレスでレースのパラソルをさして。

 

役の衣装でのパレード。

階段おりの方は、その役のシンボルとなる小道具を持ってという珍しいパレードで、

華優希さんは竹刀、柚香光さんは、初めて紅緒にプレゼントした黄色い花のブーケでした。

水美舞斗さんは階段おりもキレッキレッでした

 

柚香さんは、ゴールドの軍服で羽根を背負って登場。

トップスターとして初めて背負われた羽根は白で、ゴールドの雉ばねがついていました。

 

『はいからさんが通る』5

 

青空と満開の桜、色が美しいリアルな映像が多く使われていました。

本当は、桜の季節に上演される作品だったんですよね

 

ハチャメチャな場面も品よく演じられる宝塚歌劇、

あらためて清く正しく美しくの世界を実感しました。

 

ストップモーションやエコー、ジャンプなど、

漫画が原作ならではの演出でくすりと笑える場面もたくさん。

 

大正ロマン漂うステキなドレスもたくさん楽しめました。

着物、ドレス、踊り、ダンスと、様々な着こなしと芸を、

一つの舞台で表現できるのは、タカラジェンヌだからこそなのだと

あらためて素晴らしさを実感しました。

 

不安や我慢が続き、あたりまえの生活がどれほどありがたかったかを

再認識するこのようなご時世だから、人の優しさが身に染みる

そして優しさの大切さを再認識した心温まる公演でした。