宝塚バウホール 宙組公演 大正浪漫抒情劇『夢千鳥』

 

宮村裕美です

 

宝塚バウホールにて、

4月22日(木)に初日を迎えました

 

宙組公演

大正浪漫抒情劇『夢千鳥』

 

残念ながら、4月26日(月)以降の公演は

中止となってしまいました。

 

しかし、5月8日(土)19:00に

無観客で収録した公演映像を配信する

ディレイ配信が決定しました

 

 

 

この公演の主演を務めるのは、

和希そらさん。

 

和希さんは、2018年の

『ハッスル メイツ!』以来、

2度目の宝塚バウホール公演の主演となります。

 

前回の『ハッスル メイツ!』は、

宙組20周年の軌跡をショー形式で振り返りながら

未来へと繋いでいく作品だったため、

バウホールでのお芝居の主演公演は初めてとなります。

 

また、今回ヒロインを務めます

天彩峰里さんは、『ハッスル メイツ!』でも

主要なメンバーとして

和希さんとご一緒していて、

再び素敵なお二人の並びが見られるのを

楽しみにしていた方も多いのではないでしょうか。

 

 

この公演の作・演出は、栗田優香さん。

栗田さんの宝塚バウホールデビュー作品となります。

 

 

 

物語は、美人画で有名な画家

竹久夢二さんの人生が主軸となります。

 

和希そらさん演じる映画監督・白澤優二郎は、

天彩峰里さん演じます、女優の赤羽礼奈と

事実上の婚姻関係にありながら、

新作を撮るたびに主演女優と浮名を流し

世間を騒がせています。

 

そんな白澤が手掛ける次回作は、

大正浪漫を代表する画家

竹久夢二の人生を描いた物語。

幼い頃から運命の女性を探し続けた

夢二もまた、色恋沙汰の絶えない男でした。

唯一の正妻、他万希

病弱な箱入り娘、彦乃

理想のモデル、お葉

白澤は、夢二と彼の人生を彩った

三人の女性の物語を紡ぎ始めます。

 

主演の和希さんは、映画監督の白澤優二郎と

大正浪漫を代表する画家の竹久夢二、

二役演じられます。

 

また、ヒロインの天彩さんも

映画女優の赤羽礼奈と

夢二の元妻である他万喜を演じており、

この他にも、凛城きらさん・留依蒔世さん・

亜音有星さんは二役演じられます。

 

映画を撮影している現在・昭和と

夢二の人生をたどる大正時代

二つの時代を行き来するのですが、

白澤監督が映画を撮りながらも

夢二の人生に触れ、共に歩み、

どんな人物なのかを知りながらも

自分と重ねていくと思うのですが、

見ている私たちも同じように

夢二の人生をなぞらえている気分になります。

 

そして、この作品はタイトルに‟千鳥”、

ポスターにも色とりどりの羽が

和希さんの周りを舞っていて、

鳥が物語のカギとなります。

セットには鳥かごが登場するのはもちろん、

‟鳥”が小道具でも登場しますが、鳥役が存在します。

 

幸せの象徴とされている「青い鳥」

数々の女性を愛し、愛されてきたであろう竹久夢二の人生。

愛とは一体どういうものなのでしょうか。

 

和希さんがそれぞれの女性に向ける

表情や態度を見事に演じ分けており、

その自然さに本当に引き込まれました。

 

和希さんの演じる竹久夢二は、

ただ魅力的な人物像というわけではなく、

例えば自分の絵が認められないことに

苛立ちを覚えるところや、

努力や才能を理解してくれない

妻にあたるところなど、

人として脆い部分を持っています。

 

しかし、完璧な人間ではなく、人として

未熟な部分も持ち合わせていたからこそ、

夢二を取り巻く女性たちは

夢二に惹かれ・愛してしまったのではないかなと感じました。

 

また、夢二だけでなく白澤優二郎も、

凛城きらさん演じるバーのマスター・藤岡に

「じろちゃんは甘えている」

と、言われてしまうのですが、

きっとナチュラルに甘えるのが

上手な人物なのだろうなぁと。

 

そんな未完成の魅力や儚さ・美しさを

魅力的に演じ、表現できるのも

和希さんだからこそだと強く感じました。

 

 

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そして、夢二の人生を彩った

代表的な3人の女性を演じられました、

天彩さん・山吹さん・水音さんも

本当にそれぞれ異なる美しさ・魅力を秘め、とても素敵でした。

 

天彩さんが演じた他万喜。

夢二がデザインした小間物を売る

港屋から登場する時の青い着物は、

美しさにより爽やかさを増し

まさに夢二のミューズであるのも納得の美しい妻。

 

しかしそこから、夢二への愛が

誰よりも強いことを表すかのように

天彩さんの美しさも強さを増し、

気が付けばその愛と美は

狂気を含み尖っていきます。

 

気が付けば、夢二が愛する彦乃のご両親に

「どうか彦乃さんを、私の夫の妻に下さい」

と頭を下げに行く始末。

この場面、最初の港屋の場面と同じ

青い着物を着ていますが、

その目は夢二に対する強い愛を秘め、

覚悟を持った強い意志を感じ

まとう雰囲気がまるで別人です。

 

また、黒を基調とし、袖や帯は

赤を取り入れた着物姿は、

夢二だけでなく、その姿を見た人は

誰もが吸い寄せられそうなほど美しすぎて

もやは狂気的にも感じるほどの

色気と美しさをまとっています。

 

真っ黒の日本髪に真っ赤な口紅が

白い肌をより白く美しく見せ、

まさに美女そのもの。

 

美しさと色気に強さがあり、

落ち着いた声やいで立ちはもちろん、

目で伝えるとはこういうことなのかと

目元からかなり強いパワーを放っていました。

 

 

純粋で可愛らしく、とにかく華奢で

思わず守りたくなる彦乃を演じられたのは、

山吹ひばりさん。

 

これまで、ご両親に大切に育ててもらった彦乃。

ドキドキしながら自分の絵を

夢二に見せに行った際、

緊張していたはずなのに

気が付けば夢二の魅力を流暢に話します。

 

等身大のお喋りな女学生という姿を

つい披露してしまうのですが、

まさにその姿に微笑んでしまう

フレッシュな可愛らしさがあります。

 

しかし、ただ可愛いだけではなく

彦乃が夢二を慕う気持ち、想う気持ちは

強く真っ直ぐひたむきです。

そんな、可愛らしさの中に

健気な強い意志があったからこそ、

夢二はただただ彦乃を愛し

守ろうとしたのかなと、感じました。

 

 

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美しさと可愛らしさ

どこか小悪魔っぽさも秘めた

色気と華やかさが印象的だったのは、

モデルのお葉を演じました、水音志保さん。

 

明るく・美しくて、なおかつ自分の

可愛らしさや魅力も知っているこんな女性、

現代でも好きな男性は多いのではないかな

と感じさせる、陽の雰囲気が魅力的でした。

 

しかし、そんな明るくて美しいお葉ですが、

女性というのはやはり鋭い感性を持っています。

夢二が自分をモデルに

絵を描いているはずなのに、

どことなく、自分に気持ちが向いていないのを

感じ取ってしまいます。

 

そして、最終的には医師との結婚を選び、

夢二の元を去るのですが、その際にも

優しく結婚の話を受け止める夢二に

「それだけ?怒らないの?悲しくないの?

相手が誰だか聞かないの?」と、強く言い放ちます。

この姿、何だか共感できる

という方も多いのではないでしょうか。

 

 

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和希さん演じる夢二を取り巻く

女性たち、娘役皆さんそれぞれ本当に素敵でした。

 

 

そして、この公演はお芝居後にフィナーレがあります

 

まずは、真っ白なシャツに

黒がポイントで使用された白いベスト姿の

留依蒔世さんが登場され、かっこよく踊られます。

その両隣で真っ赤なドレスで

可憐に踊るのは、水音志保さん・花宮沙羅さん。

 

そして、大きな鳥かごを見立てたセットと共に、

赤いドレスの娘役皆さんに囲まれた

和希さんが華やかに登場されます。

 

多くの娘役の中心で踊る和希さんは、

まさに‟キラキラ”というよりも

‟ギラギラ”という言葉が似合うほど、

衣装の輝きに負けない

強い輝きを放っていました。

そして、その場にいる娘役皆さんと

それぞれ順番に華麗に踊る姿は、

様々な女性に夢中になりながらも

同じく様々な女性を夢中にさせてきた夢二そのもの。

 

 

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空気がガラッと変わり、

舞台奥から登場するのは

真っ白なドレスの天彩さん。

 

男役の皆さんが羽扇を持ち

天彩さんと踊った後には、

天彩さんと同じく真っ白の衣装の和希さんが登場。

 

デュエットダンスを見ていると、

足を上げるタイミングや手の高さなど

本当に息ピッタリで、目を合わせて

微笑むお二人の空間には幸せが溢れていました

 

そして、ラインダンス。

まるで鳥のように、黒い羽を

頭にも背中(腰)にも付けており、

センターで踊る亜音有星さんの

ダイナミックなダンスに目を奪われました。

バウホール公演のお芝居で

ラインダンスまであることは、とても貴重ですよね。

 

 

黒燕尾の和希さんが舞台奥から登場され、

男役皆さんの群舞。

 

クラシカルな振り付けで、

和希さんのキレのあるダンスが

魅力的なのはもちろん、

一つ一つの振りが

細部まで丁寧に踊られており、

目を伏せたときの表情や顔の角度まで

見事に美しいです

 

そしてなんと!

再びデュエットダンスです!

 

 

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この時の天彩さんの衣装は、

上は白く、裾にかけて青いグラデーションで

まさにその姿は優雅に飛ぶ青い鳥。

 

お二人が美しく舞う中、歌われるのは

宙組副組長・美風舞良さん。

この公演にて宙組を卒業される美風さん。

(5月11日付で花組へ異動、7月5日付で花組副組長に就任)

 

非常に素敵な歌声で、より優しく温かな空気で

会場全体を包み込んでいました。

 

 

今回の作品は、愛を中心に物語が進むので、

決して明るく楽しいというよりも、

大人な作品で、また見る方によって

感じ方や視点、誰に共感するのかというところも

違ってくる作品かなと思うのですが、

女性たちによって見せる顔が異なり

細やかな表情の作り方や接し方など、

和希さんの魅力がつまった作品だと感じました。

 

 

5月8日(土)19:00から

「タカラヅカ・オン・デマンド」にて

無観客で収録した公演映像を配信する

ディレイ配信が実施されます。

 

詳しくは、宝塚歌劇公式ホームページでご確認ください。