花組トップ娘役 華優希 退団記者会見
樽井美帆です
2020年11月17日(火)、花組トップ娘役 華優希さんの退団記者会見が行われました。
11月16日(月)に飛び込んできた華優希さんの退団ニュース。
前日の15日(日)に、東京宝塚劇場で『はいからさんが通る』の千秋楽を迎えたばかり。
劇場で、ライブ中継・ライブ配信で、伊集院少尉と紅緒さんの幸せいっぱいな姿を
胸に刻んだ翌日の発表。
また、柚香光さん・華優希さんトップコンビのお披露目公演を大変な状況の中で乗り越えたばかり。
これからもお二人の麗しい舞台を観ることができる楽しみで胸がいっぱいだった中での退団発表に、
ショックを受けられた方、驚かれた方も多かったのではないでしょうか。
退団発表の翌日11月17日(火)、宝塚大劇場3階エスプリホールにて
会見は行われました。
通常、トップ娘役の退団会見は歌劇団内の会議室にて行われるのですが、
コロナ禍の会見ということで、密にならない広い会場で行われました。
会見に出席されたのは、宝塚歌劇団理事長 小川友次さん、そして華優希さんです。
花組カラーのピンク色のネクタイを締めた小川理事長に続いて会場に入ってこられた
華優希さんは、清潔感あふれるオフホワイトのワンピース。
花びらを重ね合わせたような可憐なお袖と、左の首元のリボンが印象的なデザインでした。
花村紅緒さんのトレードマークもリボンということで、
つい一昨日まで紅緒さんを演じていた華優希さんにとてもよくお似合いでした。
靴は白の華奢なヒールを合わせていらっしゃいました。
ヘアスタイルは、前髪もすべて上げてアップスタイル。
とても美しいおでこでした
一昨日まで、とんだおきゃんな紅緒さんだったとは思えないほど、カスミソウのような清楚さ。
陽だまりのような微笑みと佇まい。
ヴィーナスのような神々しさ、モンシロチョウのような軽やかさ、子ウサギのような可愛らしさでした。
小川理事長が特に印象に残っているのは、『ポーの一族』のメリーベルだそうです。
コロナ禍で1カ月休演せざるを得ない状況の中、よく耐えて柚香光さんとともに
舞台に立たれた華優希さんへ、頭の下がる思いですと感謝の気持ちをお話しになりました。
そして、退団の日までまだまだ頑張ってほしいですと今後の舞台への期待も。
理事長の方を向いてうなずきながら聞いていらっしゃった華優希さん。
その横顔の美しさ
タカラジェンヌのみなさんは、360度どこから見ても美しいですね!
華優希さんは会見冒頭で、次のようにごあいさつされました。
こんなにも未熟な私を、いつもあたたかく見守り応援してくださったみなさまには、
本当に感謝の気持ちでいっぱいでございます。
この立場に就任させていただいてから、本当にたくさんの経験をさせていただきました。
こんなにも愛にあふれた世界にいさせていただける幸せをとても強く感じさせていただきました。
みなさまからいただきましたたくさんのあたたかい思いを、よりよい舞台としてお返しできるように、
これからも卒業する最後の日まで精進を重ねてまいりたいと思いますので、
どうかよろしくお願いいたします。
いつも謙虚な姿勢の華優希さん。
その姿勢は、あふれる清潔感と毎公演見せてくださるフレッシュな魅力に
つながっているのかもしれませんね。
★どんな経緯で、いつ頃卒業を決められたのでしょうか?
トップ娘役に就任をさせていただくというお話しは、
本当に私には光栄過ぎるとても喜びの大きいものでした。
それと同時に責任のある立場をいただいたからには、
卒業させていただく時期も考えなければならないなということを
その時にまず思いました。
明日海りおさんと柚香光さんという本当に素晴らしいお二人の相手役をつとめさせていただき、
私にはもったいのないほどたくさんの幸せをいただいてしまったなと思い、
このタイミングで卒業させていただこうと決めさせていただきました。
具体的に考えだしたのは『DANCE OLYMPIA』のお稽古の時期だったそうです。
2020年1月7日(火)から1月22日(水)の公演でしたので、
2019年の年末あたりから考えれらたということですね。
★柚香光さん、花組のみなさんへの卒業報告について
柚香さんには、『はいからさんが通る』のお稽古が始まった時にお話しをさせていただきました。
はじめにお話しをさせていただいた時から、私の話や思いを本当にお優しく
最後まで聞いてくださり、最後まで一緒に頑張っていこうと、
これからさらに今まで以上に濃い時間を過ごして濃い学びをしていきましょう
というふうにお言葉をいただきました。
花組のみなさまには、先日の東京の千秋楽の数日前にお話しをさせていただきました。
すごく驚いたとお声をかけてくださる方が多かったです。
今このような状況なので、楽屋でも組の方とはあまり密にお話しはできず、
公演中も組のみなさまとたくさんお話しをする機会はなかったのですが、
あたたかい言葉をかけてくださいました。
本当に至らないことばっかりだったと思うのですが、私の未熟な取り組みに、
そんなところまで見ていてくださったんだなと、
あらためて組のみなさまのあたたかいお気持ちを知り、
さらに感謝の気持ちがふくらみました。
長い公演中止期間、やはり心は揺らいだそうです。
寂しいという気持ちも生まれたそうですが、大好きな宝塚の世界のために
自分にできる精一杯で全うし、決めさせていただいた時期で
やはり卒業をさせていただこうと思われたそうです。
私からは次の2つの質問をさせていただきました。
★華優希さんは、純真な子役から漫画から抜け出てきたような役まで、
幅広い役を演じてこられました。
清らかに真っ直ぐ役に向き合っていらっしゃる印象の華優希さんですが、
特に印象に残っている役は何ですか?
下級生の頃から、どの作品もいただいたどの役もすべてに思い入れがあり、
一つ一つの役に、一つ一つの場面に自分なりに精一杯向き合ってきましたが、
やはり先日まで公演をさせていただいていた『はいからさんが通る』の花村紅緒は、
自分にとってすごく長い期間させていただいたからというだけではなく、
この期間を一緒に乗り越えてくれたように思います。
3年前の初演で出会わせていただいてから、またこうして大劇場で再演をさせていただくまでの期間も
ずっと紅緒さんという人に私自身に励まされてきたなと思いますので、
一生忘れられない役で作品になったなと感じております。
2017年に紅緒さんと出会った華優希さん。
私たちも華さんの演じられた紅緒さんを一生忘れないと思います。
★100周年の年にトップに就任された明日海りおさん、花組100年目のトップスター柚香光さん、
お二人の相手役をつとめられたのが100期生の華優希さん、
ということで100がたくさん並びますが、
お二人は華さんにとってどんな存在の方でしょうか?
明日海りおさんは、私が花組に配属となる前から花組のトップスターさんでいらっしゃって、
はじめに相手役をつとめさせていただくというお話しを伺った時には本当に信じられませんでした。
私にとっては偉大過ぎる存在の方だったんですけれども、
こんなに未熟な私に対しても相手役としてお側においてくださり、
私自身の心、やりたいことを尊重してくださるそのお優しさの中で、
本当に幸せにそして光栄に舞台に立たせていただいたなと思います。
柚香光さんは、下級生の時から本当にお世話になってきました。
私の弱さも長所も短所もすべてを含めてすべてを受け入れて、その上で導いてくださる方で、
本当に感謝をしてもしきれません。
舞台に対しても人に対しても、全ての物事に対して本当に愛情の深い方だなということを、
お隣にいさせていただいて感じております。
こんなに素晴らしい方と舞台にご一緒できる時間は本当に幸せです。
組子のみなさまにお話しさせていただいた時にも、一番近くで見守っていてくださって、
いつも私以上に私のことを理解してくださっていて、一番近くで見守り導いてくださる存在です。
私が質問で、「100がたくさん並びますが」と私が言ったところで
「なるほど~」とささやかれた華優希さん。
とっても可愛いお声でした
大切に言葉を選び、懸命に気持ちを表現しようとされる華優希さん。
その瞳は真っすぐで美しく、時に潤んでいるように見えました。
会見の時には、まだ次期花組トップ娘役が同期の星風まどかさんであることは
発表されていませんでしたが、星風まどかさんには退団について
直接会って伝えたいと思い、『はいからさんが通る』の東京公演に向かう前に、
最後に会えるタイミングで伝えられたそうです。
星風まどかさんは「とにかく寂しい」と何度もおっしゃったとのことでした。
星風まどかさんとは、初舞台後の宙組の組廻りでも一緒に舞台に立たれ華優希さん。
星風まどかさんについては、同期の一番前を走っているような存在とも。
下級生の時から走り続けて、辛さも苦労も全く見せずに、どんな時も明るく前を向いていて、
彼女を心から尊敬しておりますとお話しされていました。
質疑応答の後は写真撮影が行われます。
マイクに添える手も美しかった華優希さんですが、立ちポーズの際の手も美しいかったです!
娘役さんの手の表現力にはいつもうっとりしてしまいます。
本当に清く正しく美しい娘役、華優希さん。
写真のリクエストにも、一人一人に対してとても礼儀正しく真摯に対応されていました。
目の前の舞台に誠心誠意取り組みたいという気持ちでおりますと、
凛とした瞳でおっしゃった華優希さん。
緊急事態宣言ならびに自治体からのイベントの開催制限および施設の使用制限が発出されたため、
宝塚大劇場での退団公演が4月26日(月)~5月10日(月)まで中止となってしまいました。
5月10日(月)の千秋楽は、宝塚大劇場で無観客公演を行ライブ中継・ライブ配信が実施されます。
5月17日(月)・18日(火)に宝塚ホテルで行われる
ミュージック・サロン『華詩集』は、新型コロナウイルスの感染拡大状況に鑑み、
スペシャルライブとして開催され、ライブ配信も行われます。
5月28日(金)から7月4日(日)まで東京宝塚劇場にて上演されます
ドラマ・ヒストリ『アウグストゥス-尊厳ある者-』
パッショネイト・ファンタジー『Cool Beast!!』
千秋楽をもって、華優希さんは宝塚歌劇団を卒業されます。