宝塚大劇場星組公演 ミュージカル『ロミオとジュリエット』

樽井美帆です

 

星組公演ミュージカル『ロミオとジュリエット』が、

宝塚大劇場にて2月14日(日)から3月29日(月)まで、

東京宝塚劇場にて4月16日(金)から5月23日(日)まで上演されました。 

 

なお、4月23日に政府による緊急事態宣言ならびに、

これにともなう自治体からのイベントの開催制限

および施設の使用制限が発出されたため、

4月27日(火)から5月10日(月)の公演は中止となりました。

 

中止期間中、5月2日(日)はB日程、そして9日(日)にはA日程の

無観客ライブ配信が行われました。

 

 

ミュージカル 『ロミオとジュリエット』

原作/ウィリアム・シェイクスピア

作/ジェラール・プレスギュルヴィック

潤色・演出/小池 修一郎

演出/稲葉 太地

 

ウィリアム・シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」を、

ジェラール・プレスギュルヴィック氏が新たにミュージカル化。

2010年に星組で日本初上演。

2011年から2013年にかけ、雪組、月組、そして星組と再演を重ね、

今回は8年ぶり5度目の上演となりました。

今回ロミオを演じた星組トップスター礼真琴さんは、

星組で上演された3度の公演すべてに出演されています。

 

2010年、日本初演の星組公演では、入団2年目にして、

宝塚歌劇版オリジナルの「愛」役。

美しいダンスと表現力で注目を集めました。

この公演で「死」を演じたのは、宙組トップスター真風涼帆さんでした。   

 

2013年、ベンヴォーリオを紅ゆずるさんと役替わりで、

そして初演で演じた「愛」を鶴美舞夕さんと役替わりで演じました。

また、新人公演ではロミオ役で初主演を果たしました。

1公演で3役を演じた礼真琴さん。

入団5年目のことです。

 

プログラムで稲葉太地さんは、礼真琴さんを「ロミオとジュリエットの申し子」と

記していらっしゃいます。

 

開演前、舞台上には、ゴールドのアルファベットで『Romeo & Juliette』

と書かれた幕がおりています。

&はピンク色のハートで囲まれており、礼真琴さんの開演アナウンスと同時に

ハートが赤く点滅。

 

取材はA日程バージョンで行われました。

 

ピンク色の柔らかい風合いのドレスを着た愛がセリ上がり踊りだすと、

ロレンス神父を演じる英真なおきさんのナレーションが流れます。

「古今東西・・・」というおなじみのナレーションが聞こえてくると

早くも『ロミオとジュリエット』の世界に胸が高鳴ります。

英真なおきさんは初演以来、ロレンス神父として4度目の出演。

プログラムに、小池修一郎さんが「ロミジュリの守護神」と記されています。

初演から礼真琴さんのことも見守ってきた英真なおきさん。

「お前もいつのまにか立派に成人している」という物語中に出てくる

ロレンス神父からロミオへのセリフが、ロレンス神父とロミオ、

そして英真なおきさんと礼真琴さんお二人の関係と重なります。

 

死は天華えまさん、愛は碧海さりおさんです。

のびやかで美しいダンス。

二人とも男役さんで身長が高いのでリフトも迫力がありました。

 

黒い幕が上がると、そこは憎しみがうずまくヴェローナの街。

青い衣装のモンタギュー家、赤い衣装のキャピュレット家が

激しいダンスで争いを表現します。

愛は悲しそうに、死は不気味な笑顔を浮かべて見つめています。

 

ロミオを演じた礼真琴さん、タンポポの綿毛がよくお似合いでした

とても優しくて育ちが良い、でも仲間とのやんちゃもしっかり楽しむ

みんなに愛される好青年オーラに満ち溢れていました。

 

自由自在に声を操って歌う礼真琴さん。

特に「僕は怖い」の最後の伸ばしは鳥肌が立ちました。

忍び寄る死、見えない何かに怯えて歌う礼真琴さんと

ロミオには見えていないにも関わらず存在感があるという

不思議な感覚になった天華えまさんの死。

お二人のお芝居が共鳴しあった素晴らしい場面でした。

 

舞空瞳さんのジュリエットは、お人形のようなかわいらしさ。 

綺城ひか理さん演じるパリス伯爵が結婚をお申込みに来た時、

バルコニーで本を読むジュリエットがとても可愛かったです。

舞空瞳さん演じるジュリエットは、夢見る少女というだけではなく、

知性もしっかり持ち合わせたしっかり者。

乳母に呼ばれて返事をする時も、これまでのジュリエットにはなかった迫力のお返事!

「すぐ行くってば!」

初めてこのお返事を聞いた時、とても驚いたと同時にクスリと笑ってしまいました。

強くてたくましくてステキですよね

ロミオが一目で魅かれたことに納得です。

 

星組『ロミオとジュリエット』3

 

ロミオは銀橋で、ジュリエットはバルコニーで、

愛が踊る中、まだ出会っていない愛する人を思い歌う場面は

歌も世界観も美しく、高さのあるバルコニーのセットが出てくると、

「ロミジュリが宝塚に帰ってきた!」とワクワクしました。

 

ロミオとジュリエット、二人が初めて仮面舞踏会で出会って、

この人だ!と直感するときの二人が可愛いかったですね~

愛に祝福されて踊る二人が全身で幸せを表現する姿、

幸せいっぱいの表情が輝けば輝くほど、結末を思い切なくなります。

 

ティボルトは愛月ひかるさん。

危ない男ティボルトの色気、触ると切れそう、

でもみんなが寄ってくるカリスマ性とリーダー性を十分に兼ね備えたティボルト。

ずっといとこのジュリエットを愛していて、怖くて思いを打ち明けられない繊細さ。

近くにいる大切な人、だからこそ打ち明けられない思いを抱いている純粋さも感じました。

復讐の手先になんかなりたくなかったと歌うティボルトの

悲しい叫びに胸が締め付けられました。

 

星組『ロミオとジュリエット』1

 

ベンヴォーリオを演じたのは瀬央ゆりあさん。

ベリーショートの金髪が、瀬央ゆりあさんの精悍なお顔立ちを際立たせて

とてもかっこよかったです

「どうやって伝えよう」の歌声に、友を思う気持ちが乗っていて感動的でした。

同期生の礼真琴さんと瀬央ゆりあさんが演じる親友以上、まるで兄弟のような友情に

ほっこりしました。

 

極美慎さんのマーキューシオは、ピンクヘアがお似合い!

表情豊かでかっこいい!

ヴェローナの街の女性がみんなメロメロになっていました!

肩を抱く仕草が自然で、ふと見せる笑顔にもキュン

いつケンカを仕掛けられても準備万端な危ない雰囲気にも惹かれました。

 

ベンヴォーリオとマーキューシオ、二人並んだ時の

やんちゃだけど大人っぽい雰囲気がステキでしたね。

 

パリス伯爵は綺城ひか理さん。

とぼけた表情がとてもかわいいパリス伯爵でした。

ジュリエットに結婚の申し込みに来たにもかかわらず、

ジュリエットの父親からぜひ娘をもらってくださいと言われたら、

びっくりしてちょっと自信なさげになってしまうパリス伯爵。

「えっ!本当に?いいの?」という表情がかわい過ぎました

ジュリエットはパリス伯爵と結婚したら、意外と楽しく幸せになれたかもしれないな、

そう感じてしまう魅力的なパリス伯爵でした。

 

乳母を演じたのは有沙瞳さん。

可愛い中に哀愁が漂い、愛にあふれていて愛嬌もある無敵の乳母でした。

ジュリエットを思って歌う「あの子はあなたを愛している」が、

心に沁みすぎて号泣しました。

気づいたら涙があふれていました。

地声と裏声を巧みに切り替え、素晴らしい歌声で歌い上げられました。

そして、ジュリエットの使いでロミオを探しに行く「綺麗は汚い」の場面では、

ロミオに抱きとめてもらってうれしそうだったり、

ロミオのたくましさを確かめるために腕にぶら下がってみたりと

とてもおちゃめな乳母でした。

 

星組『ロミオとジュリエット』2

 

ロレンス神父の英真なおきさんと乳母の有沙瞳さんが

国外追放となったロミオを励ます歌は厳しくもあたたかく、

ロミオを送り出し、歌い終わったお二人の優しい表情が

心に残っています。

 

ジュリエットの父キャピュレット卿の天寿光希さん。

妻や娘に対し不器用な愛情表現しかできない自分への葛藤が

痛いほど伝わってきました。

キャピュレット夫人は、「夫を一度も愛したことない」

と言っていましたが、かっこよかったですよね!

 

モンタギュー・キャピュレット両家のぶつかり合う愚かさを、

両家の母親が歌います。

モンタギュー夫人は白妙なつさん、キャピュレット夫人は夢妃杏瑠さん。

お二人の歌声は、とても感動的。

両家のことを思い、嘆き悲しむ美しい歌声でした。

 

キャピュレット家の霊廟で、ジュリエットが本当に死んでしまったと思ったロミオが

天国へ旅立ち、そのあとすぐに目覚めて戻ってきたロミオに気づいて

喜びいっぱいに歌うジュリエット。

その後ロミオが死んでしまっていることを理解し悲しむジュリエットの落胆ぶりに、

「お願いロミオ、起きてあげて!」と思わず心の中で叫んでしまいました。

 

星組『ロミオとジュリエット』4

 

永遠の世界へ旅立ったロミオとジュリエット。

スモークの中で幸せそうに踊る二人。

追いかけっこのような振りもあり、とても微笑ましいのですが

スピード感もスゴイ!

 

星組『ロミオとジュリエット』5

 

そんな中、これまでずっと距離があった愛と死が、

少しずつ近づき、最後は重なり一つになるラストは感動的です。

 

『ロミオとジュリエット』の物語は、あともう少しだったのにとか、

運命やタイミングが絶妙にずれてしまい残念な結末になりますが、

今回の星組公演では特にそれを感じたように思います。

 

フィナーレで、白い衣装で銀橋で歌う愛月ひかるさんは、

ミラーボールより輝いていました

 

大階段が青く輝き、赤い衣装の礼真琴さんが「エメ」を歌うと

舞空瞳さんが同じ赤のドレスでセリ上がり。

情熱的なスパニッシュのデュエットダンス!

目が追い付かないほど早い動きのダンス!

大階段も赤く染まり、力強く燃える愛を感じました。

 

エトワールの小桜ほのかさんが、

美しい愛の世界のパレードのはじまりを告げます。

 

宝塚歌劇のパレードは、何度観てもうっとりしますね。

どんな世界も浄化し、笑顔で舞台と客席をつなぐひと時。

 

シャンシャンはハートがデザインされていました。

 

礼真琴さんはモンタギュー家の青・舞空瞳さんはキャピュレット家の赤の羽根。

舞空瞳さんのドレスはショート丈で、とてもキュートでした。