宝塚バウホール 雪組公演 ロマンス 『ほんものの魔法使』

 

宮村裕美です

 

宝塚バウホールにて現在、上演中

 

雪組公演

ロマンス

『ほんものの魔法使』

 

 

この公演の脚本・演出は木村 信司さん。

プログラムを拝見すると、

長年ファンタジー作品の企画が通らず、

木村さん念願のファンタジー作品だそうです!

 

 

この公演の主演を務めるのは、

朝美絢さん。

 

この公演は宝塚バウホール、

そしてKAAT神奈川芸術劇場でも行われます。

 

朝美さんのこれまでのバウホール主演公演は、

月組時代には、暁千星さんと

それぞれバージョンの異なる、ダブル主演で

『A-EN(エイエン)』

 

そして2018年には『義経妖狐夢幻桜

(よしつねようこむげんざくら)』で

単独初主演を務められました。

主演公演は3年ぶりです。

 

朝美さんが演じられるのは、青年アダム。

優しく・爽やかで温かくて、

朝美さんの持つ柔らかな雰囲気や、

想いを秘めた眼差しが非常に素敵でした。

 

どこへ行くのにも一緒のモプシー。

相棒であるモプシーをよしよしとしたり、

二人で踊る姿もチャーミングです

 

野々花さん演じるジェインを

格子の外に出してあげる時も、

ただ魔法を使って

格子の外にすぐに出すのではなくて、

どうしてそうなったのか、

悪いと思っている?と、

優しくジェインに寄り添い、話しを聞く姿や

周りの人の言葉に耳を傾け、

包み込むような落ち着いたお芝居は

まさに、朝美さんの包容力が活かされた演技だなと、感じました。

 

 

朝美さんの内側からにじみ出る魅力的な人柄が

より役を魅力的に輝かせていました

 

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兄・ピーターの

お手伝いばかりさせられているのですが、

実は世界一の魔術師になりたい

ジェインを演じるのは、野々花ひまりさん。

 

最初は、自分の本当の思いに蓋をしていて、

ジェイン自身も一歩踏み出せませんが、

アダムから様々なことを教えてもらい

自分の本当の気持ちに気が付いたジェインは、

自分の中にある魔法に気づき、輝きだします。

 

お腹がいっぱいになったモプシーを

膝に寝かせ、なでる姿は優しく、

少しずつ自信を持ち、ジェインの表情が

パッと明るくなる姿は、

はじける笑顔がぴったりな

野々花さんだからこその魅力的な姿でした

 

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いつでもどこでもアダムと一緒、

犬のモプシーを演じるのは、縣千さん。

 

嬉しそうな表情も悲しそうな表情も

そして、怒った表情も全力で、

一挙一動全てがまさにわんちゃんで

犬役をこんなにも魅力的に演じられる

縣さんに、前世は犬…?と、何度も思いました。

 

そして、可愛すぎる姿に

縣さんに犬役を任せた木村さんに

感謝の気持ちを全力で送りました。

 

ちなみに、最後に幕が閉まる時の手を振る姿も、

ちゃんとわんこの手をされていて、チャーミングでした。

 

ジェインのことが大好きで、ジェインに

話しかける姿はとーっても可愛らしいのですが、

懐いていない人物、たとえば

千風カレンさん演じる

ジェインの母親・ジョゼフィンには、かなり強く吠えます。

 

自由奔放ながらも、困った時にはアダムを助け

朝美さんと縣さんのコンビ

麗しくてとても素敵でしたね

 

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自分に自信がなく、普段は子どもの前で

手品をしているのは、華世京さん演じるニニアン。

 

魔術師試験の予選会にて、緊張して上手く

手品が披露できず、アダムに助けてもらうも、

気が付けば周りの人から

アダムの手品の仕掛けを見つけるよう言われてしまいます。

 

最終的には立派な魔術師になるのですが、

最初のダメダメっぷりと同じ人ですか?

と言いたくなるほど、その変身ように驚きます。

 

106期生の華世さん。入団2年目にして

華やかなオーラと安定したお芝居・歌声、

これからどう成長していかれるのか、

ますます楽しみですね

 

 

この公演の原作は、アメリカの作家

ポール・ギャリコが1966年に発表した小説。

 

ファンタジー作品ということで、登場人物も

ポップで可愛らしく魅力的なのはもちろん、

セットや小道具、世界観も

ファンタジー作品ならではの

華やかで楽しい空間が広がっており、

見ていてあっという間に時間が過ぎる公演でした。

 

たくさん見どころはありますが、

私が特に印象に残った場面をいくつかご紹介します

 

例えば、魔術師試験の予選会にて

アダムが披露するのは、卵を使った手品。

助手のジェインが「ハンプティ・ダンプティの

なぞなぞ歌」を歌うと、なんと舞台奥には

実際にハンプティ・ダンプティが!

 

他にも、不思議の国のアリスの

トランプの家来や王様など、

チャーミングなキャラクターたちが舞台を彩り

まさに目が足りません!!!

どこを見ても楽しい舞台だなと、感じました。

 

 

他には、アダムとモプシーが

ジェインのお家に招待されます。

 

久城あすさん演じる、

ジェインの父・ロバートから

家の仕掛けについて教えてもらいます。

 

ジェインのお家は、ボタン一つで

全ての設備を制御しており、

アダムが身だしなみコースを押します。

すると、たくさんの人型マシーンが登場

 

そして、爪を切ったり・歯を磨いたりと、

ピカピカになるまで身だしなみを整え、

整え終えた後はみんな帰っていきます。

 

このマシーン役、くるくるの赤毛の娘役

皆さんがそれぞれ様々なマシーンを

担当しているのですが、動きはもちろん

話し方(歌い方)から、何から何まで

本当に機械のようで、とっても可愛らしいです

 

また、アダムとジェインたちは

みんなでピクニックに出掛けます。

卵の手品の仕掛けを盗み聞きしようと、

こっそりと隠れているのは

壮海はるまさん演じます、

ジェインの兄・ピーター。

 

蜂の巣を踏んでしまい、蜂に刺され、

散々な思いをするのですが、

その一連の出来事が歌で表現されるこの場面も、

とっても面白く可愛らしいです。

 

蜂の姿をした娘役皆さんがピーターに怒り、

順番にコテンパンにされるピーター。

可哀想なんですけど

あまりにも潔くやられてしまうので、

ついつい笑いが止まりません。

 

 

物語だけでもこれだけ魅力的な作品ですが、

フィナーレも魅力的いっぱいです。

 

物語の後、一度幕が閉まり、フィナーレで

幕が上がった時に登場されるのは、黒燕尾の朝美さん。

 

かっこよく、その魅力的な姿に

一瞬、時が止まったかと感じるほどです。

 

そのあと、男役皆さんが登場されて群舞、

白とピンクのグラデーションのドレス姿の

娘役皆さんも登場され、華やかに踊ります。

 

男役皆さんを率いて踊る朝美さんを見ていると、

目線の使い方や魅せ方が本当に素敵で、

目を伏せたときの美しさが特に印象的でした。

 

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そして、朝美さんがはけたあと

センターで踊られるのは、縣さん。

 

先ほどまで、あれだけ可愛らしく

モプシーを演じられていたのに、

ダイナミックながらも

1つ1つの振りは丁寧で美しく整ったダンス、

黒燕尾の着こなしや踊っている時の表情など、

男役としての魅力にあふれる縣さんに、

多くの人がときめいたのではないでしょうか?

 

 

デュエットダンスは、真っ白のドレスの

野々花さんが登場され、踊られているところに、

舞台奥から同じく白い衣装の朝美さんが登場。

 

ジャケット部分は、キラキラとした

華やかな装飾がされており、階段を下りて

野々花さんの元へ向かう朝美さんは、

まるで王子様そのもの。

 

プリンスとプリンセスの

デュエットダンスを見ているようでした

 

リフトの後、野々花さんを優しくおろし、

朝美さんと野々花さんが

ぎゅっとハグをするのですが、

ハグの後は、おでことおでこをひっつけ、

二人が微笑みあう姿が眩しすぎるほど素敵でした。

 

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緊急事態宣言中というのもあり、

気分が沈んでしまうような日もある日々の中で、

こんなにも元気をもらえ、見ていて

優しくも強くもなれるポップで温かな作品が、

今この時代に上演されて

本当に良かったなと思える、とても素敵な作品でした。