梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ 宙組公演 ミュージカル・プレイ『カルト・ワイン』

 

宮村裕美です

 

本日から、7月7日(木)まで

梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて

公演がおこなわれます

 

宙組公演

ミュージカル・プレイ

『カルト・ワイン』

 

主演を務めるのは、桜木みなとさん。

 

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作・演出は、栗田優香さん。

 

和希そらさん主演の『夢千鳥』が

宝塚バウホールデビュー作の栗田さん。

『夢千鳥』に続いて、2作目も宙組の皆さんとの作品となりました。

 

 

物語の舞台は、21世紀初頭のニューヨーク。

桜木さん演じるシエロ・アスールは

貧しい中米の国、ホンジュラスで育ったマラス(ギャング)です。

殺るか殺られるかの生活から抜け出すために、

瑠風輝さん演じる幼馴染のフリオと共に命懸けの旅に出ます。

メキシコを経由して、たどり着いたのはアメリカ。

 

そこで出会ったのは、寿つかささん演じる

一つ星レストランを営むカルロスと、その娘

春乃さくらさん演じるアマンダ。

留依蒔世さん演じる元マラスの実業家、チャポや

五峰亜季さん演じる大手オークション会社の重役ミラたち。

 

自分の価値を見出すべく、新しい人生へ足を踏み出し始めるシエロ。

彼は、なぜワインの偽造に手を染め、

どのようにして業界を揺るがすワイン詐欺師となり得たのか…。

 

 

物語の幕開きはオークショニア役の

風色日向さんが登場され、

ワインについてのお話から

「オークションスタート!」という元気な声から始まります。

 

軽快な音楽が流れ、瑠風さんや留依さんたちが

スーツ姿で踊る中、白にストライプのスーツを

かっこよく着こなした桜木みなとさんが登場します。

 

情熱的な熱い想いを秘めた目元に、

爽やかだけれども

どこかビターな雰囲気も潜んでいる笑顔に

ドキッとし、すでにその笑顔に自然と惹きこまれます。

 

出演者の皆さんによるダンスの後は、

オークションの場面へと移ります。

ワインのオークションが行われている中、

秋奈るいさん演じる

FBI捜査官のトミー・ケスラと

瑞稀みうささんと真白悠希さん演じる

警備員たちが会場へと入っていきます。

そこでシエロは捕まり、裁判にかけられることに。

 

のちにこの場面へと戻ってくるのですが、

ここから場面はガラッと変わり

舞台はホンジュラスへ。

 

ここから、シエロ・アスールが

カミロ・ブランコと名乗り、

ワイン業界を騒がす詐欺師となるまでの道のりが描かれます。

 

先ほどまで、余裕の笑みと上品な立ち振る舞いで

白のスーツを着こなしていた

カミロ・ブランコから、

ホンジュラスのマラス

シエロ・アスールの

桜木さんが登場するのですが、

まるで別人のようなその変わりように本当に驚きました。

 

ただ見た目が違うのではなく、

まとう雰囲気からは厳しい生活をしている現状や

笑っていても目の奥は笑っておらず、

かなり尖っている人物であることが容易にわかります。

 

しかし、のちにワインの偽造を行い

詐欺師となるシエロですが、

実は極悪人ではなく優しい心の持ち主です。

たとえば、困っている人は助けようとしますし、

幼馴染のフリオの妹、モニカの

治療費のためにチャポの元で働いたり、

直接誰かを手に掛けるようなことはしません。

 

元々舌が敏感だったシエロは

ソムリエとして駆け出しのアマンダの協力もあり、

ワインの魅力に引き込まれていきます。

そして、そこで安物のワインに調味料を入れ、

偽造ワインを作り出すことを思い付くのですが

フリオと相談しながら

偽造ワインを作り出すシエロは

とても楽しそうで、その過程は

見ているこちらもついワクワクするほど

どんな味わいになのかな?と、楽しくなります。

 

その様子を見ていて感じるのは、

ワインとシエロの出会いは

これまで自分の価値や可能性が

見いだせなかったシエロが、

自分なりのやりがいを感じた瞬間だったようにも見えます。

 

そうして、偽造ワインを

作り出すようになったシエロは

チャポの元でスーツを仕立ててもらい、

カミロ・ブランコとしてワイン通たちに交じり

オークション会場でワインを競り落とします。

 

オークションに

参加するようになってからのシエロは、

まさに元々上流階級で育ってきた

お金持ちのような余裕や落ち着きがあり、

周りの女性たちが自然と惹きつけられるのも納得です。

 

上品な振る舞いや優雅な笑顔

華やかなスーツも

見事に着こなし爽やかなのですが、

そこには、これまでの血の気の多い

シエロとしての鋭い眼差しが潜み

柔らかに笑う時とのギャップも魅力的でした。

 

作・演出の栗田さんが、桜木さんの笑顔に対して

笑顔だけで千の感情を表現できるのでは?と

思われたことをプログラムに書かれていますが、

まさに今回の作品では

桜木さんの魅せる様々な笑顔のレパートリーに

思わず心を奪われます。

 

是非とも、シエロ・アスールであり

カミロ・ブランコでもある

桜木さんの笑顔や表情にご注目いただき

ご観劇いただければと思います。

 

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シエロの幼馴染 フリオを演じるのは、瑠風輝さん。

自分の可能性や価値を見出そうと

どんどん突き進むシエロに対して、

フリオは着実に努力を積み重ねて

真っ直ぐ生きる真面目な人物です。

 

春乃さくらさん演じる

アマンダに一目惚れをするのですが、

その時の表情がとても可愛らしく、

それ以来ずっとアマンダを

大切に想っているのが分かるからこそ、

アマンダの「あなたを傷つけたくなかったの」

という言葉が余計にささります。

 

ただ、この真面目なところだけを見ると、

やはり女性はダメだと分かっていても

悪い男性に惹かれるのか…と感じますが、

私が是非ともご注目いただきたいのは

ホンジュラスの場面。

 

クラブの女を演じる楓姫るるさんが

瑠風さんフリオの腕や肩に手を回し

全力でアピールするも、フリオは

全く相手にせずスルーします。

 

爽やかにあしらう瑠風さんフリオの

かっこよさはもちろん、

可愛らしい様子で話しかける

とびきりキュートな楓姫さん

お二人のやりとりが印象に残っています。

 

また、フリオはシエロのことを

常に心配しているのですが、時には

そんなことなどお構いなしなシエロ

という構図が何度か見られますが

この二人の関係性も、シエロがフリオのことを

信頼しているからというのが分かりますよね。

 

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駆け出しのソムリエ

アマンダを演じるのは、春乃さくらさん。

 

とても可愛らしいお声で、

柔らかで優しい雰囲気がとても魅力的でした。

ワイングラスを持つ手が非常に美しく、

ワインを心から愛していることが

細やかな言動から伝わってきます。

 

シエロにワインを教える姿や

妹の面倒を見ている様子からは、

本人は甘やかされて育ったと言いますが

しっかりとした芯の強さも感じますし、

きちんと自分を持っている女性だからこそ

シエロに惹かれたのも理解できます。

 

 

元マラスの実業家 チャポを演じるのは、留依蒔世さん。

現在は実業家ですが、元マラスの人だけあって

この人に背いたら殺られる…

命はないという怖さを感じました。

 

決して声を荒げたりせず

堂々と落ち着いているにも関わらず、

絶対的な圧を感じるのは、さすが留依さんだからこそ。

その背中はいつも以上に広く、大きく感じました。

 

そんな、めちゃくちゃ怖いボスの部下たちが

それぞれ個性があってチャーミングなのですが

特に心を奪われたのは、ミゲルを演じる真白悠希さん。

 

アイスコーヒーを大切に持っているところから

すでにいい仕事をしているなと

気になる存在だったのですが、

皆さんに是非とも楽しんでいただきたいのは

カミロ(シエロ)のお迎えに行く場面。

 

運転手としてカミロ(シエロ)を

迎えに行くのですが

周りの人を上手く騙すことができ

ハイテンションなカミロに対して、

グランピー(不機嫌)なミゲル。

 

悪ふざけしたシエロが、ジャケットを

クリーニングに出しておいてと言ったり、

後ろからからかったりと

ちょっかいを出すのですが、

遊びたいシエロと、これまでボスに

可愛がられていたのは自分なのに!

自分より後に入ってきたのに偉そうに!と、

プンプンなミゲルの温度差が

可愛らしくて印象的です。

 

桜木さん、素で楽しんでいないですか?という

全力の笑顔と、もう!と

怒り爆発な真白さんミゲルの不機嫌な表情は、

いつ思い出しても笑いがこみ上げます。

 

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主要キャストの皆さん以外にも、

とーっても優しく愛に溢れるフリオの父

松風輝さん演じるディエゴや、

豆の缶詰をばらまいてしまう

澄風なぎさん演じる屋台の店長など、

出演者の皆さん一人一人が魅力的で

何度でも観劇したいと思える公演でした。

 

また、今回の公演ですが

セットや音楽にもとても工夫を感じました。

 

ナンバーはもちろん

バックミュージックも含め

とにかく音楽がオシャレで

耳馴染みがよく心地よい作品でした。

 

セットもそれほど

大掛かりなものではないはずなのに、

オークションの場面は

やはりワクワクしましたし

たくさんのワインが並ぶセラーの様子など、

見ている人の集中力が途切れない

物語にすーっと自然と集中できるポイントが

たくさんある舞台だなと感じました。

 

 

そして、最後にはフィナーレがあるのですが、

そこでの皆さんのはじける笑顔も魅力的でした。

 

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ワインが好きな方は、きっと

ワインが飲みたくなると思いますし

この熱い夏にぴったりな、

おしゃれで楽しい作品となっています!

 

梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて

上演中の宙組公演

ミュージカル・プレイ

『カルト・ワイン』は、7月7日(木)までの上演です。

 

千秋楽 7月7日の15時30分公演は、

ライブ配信もおこなわれます。

 

詳しくは、宝塚歌劇公式ホームページをご確認ください。