宝塚大劇場星組公演『めぐり会いは再び next generation-真夜中の依頼人-』・『Gran Cantante!!』
樽井美帆です
星組公演
ミュージカル・エトワール『めぐり会いは再び next generation-真夜中の依頼人-』
レビュー・エスパーニャ『Gran Cantante(グラン カンタンテ)!!』
が、宝塚大劇場にて4月23日(土)から5月30日(月)まで上演されましたが、
公演関係者から新型コロナウイルスの感染が確認されたため、
4月30日から5月19日の公演は中止となりました。
5月10日に予定されていた新人公演も中止となりました。
6月18日(土)から7月24日(日)までの東京宝塚劇場公演は、予定どおり全公演上演されました。
宝塚大劇場公演は、第108期生の初舞台公演でした。
開演に先立ち、美稀千種組長のアナウンスに続いて第108期生の口上が行われました。
本来ですと、公演期間中順番に一人3~4回口上を行いますが、公演中止期間があったため、
1回きりの口上となった生徒さんもいらっしゃいました。
第108期生38名のみなさんは、やわらかく明るい響きで宝塚歌劇団団歌を歌われました。
コロナ禍での2年間の音楽学校生活は、苦労が多かったと思いますが、
溌剌とした心のこもった口上からは、無事に舞台に立てた喜びが伝わってきました。
ミュージカル・エトワール『めぐり会いは再び next generation-真夜中の依頼人-』
作・演出/小柳 奈穂子
2011年に柚希礼音さんを中心とした星組で上演された『めぐり会いは再び』、
翌年続演された『めぐり会いは再び 2nd ~Star Bride~』に続く第3弾として上演されました。
第2弾で礼真琴さんが演じた伯爵家の次男ルーチェを主人公に、
ガールフレンドのアンジェリークとの気持ちのすれ違いから生まれる騒動を愛らしく描いた作品です。
第2弾では、もうすぐ15歳だったルーチェは24歳の青年に成長しました。
何か楽しいことがおこりそうな礼真琴さんの開演アナウンスからスタート。
回想シーンから物語ははじまります。
17年前のオルゴン伯爵邸。
ルーチェの母親が天国へ旅立とうとしています。
回想シーンのかわいい子役、シルヴィア・綾音美蘭さん、ルーチェ・和波煌さんを見ながら、
懐かしい夢咲ねねさんと当時の礼真琴さんを思い出していると、とても可愛らしくメルヘンチックな
礼真琴さん&舞空瞳さんが登場✨
続いて元気のいい音楽にのって、登場人物が次々に登場💖
衣装にレースやフリルなどがふんだんに使われていて、メルヘンチックで華やかでしたね。
第1弾・第2弾をご覧になっていた方にとっては、あの世界が進化して帰ってきた!と、
とても懐かしかったのではないでしょうか?
礼真琴さんが演じたのは、オルゴン伯爵の末の息子ルーチェ。
現在は大学時代の同級生レグルスの探偵事務所を手伝っています。
あの可愛いルーチェがしっかり大人になっていたことに感動!
でも、衣装にも遊び心があって、笑顔もかわいいし、間違いなく弟だなという雰囲気をまとっていました。
口止めするために骨付きのお肉を口に押し込まれ羽交い締めにされるなど、
みんなに愛され振り回されるルーチェがとても可愛かったです。
花婿選びの審査では、腹筋・腕立て・スクワットに挑戦。
筋トレもタカラジェンヌがするとダンスのように美しくなりますね!
この公演で退団された天寿光希さんは、オルゴン家の執事ユリウスという初演からの同じ役でご出演。
自分に自信を失くし、舞台上手で壁に頭をぶつけたり体操座りをして悩むルーチェの頭を
よしよしと撫でてあげたりハンカチ渡してあげたり。
寄り添って愛いっぱいにルーチェをなぐさめるユリウス。
まるで礼真琴さんと天寿光希さんのこれまでの関係が描かれているようにも感じられました。
感動に浸っていると舞台下手では、同じくこの公演で退団された音波みのりさん演じるレオニードが
舞空瞳さん演じるアンジェリークを励ましています。
音波みのりさんの優しくあたたかい雰囲気、清楚に可愛らしく光り輝く佇まい、
様々な経験を積んできた人生の先輩としての頼もしさが加わり、本当に素敵なレオニードでした。
音波みのりさんのドレス姿や立ち姿、上品で優しい美しさはいつも見とれるばかりでした。
このあたたかく感動的なお芝居が一度に舞台上で繰り広げられる場面。
どちらをどのタイミングで観るか、一体どうしたらいいのか真剣に悩んでしまいました😅
舞空瞳さんが演じたのは、ルーチェのガールフレンド。
ローウェル公爵の娘アンジェリーク。
どの衣装もまさにプリンセス💎
舞空瞳さんの前髪があるヘアスタイルも新鮮。
礼真琴さん演じるルーチェより気が強くてしっかり者のお転婆プリンセスっぷりも可愛かったです。
プンプン怒る表情は、ずっと見ていたいくらい愛らしかったです😍
瀬央 ゆりあさんが演じられたのは、ルーチェの大学時代の同級生レグルス。
礼真琴さんとは同期生なので、とても自然な関係に感じられましたね。
瀬央ゆりあさんは、目力だけではなく、フェイスラインがキリリとますますかっこよくなられているように感じました🥰
ショーでも本当に瀬央ゆりあさんなのかなと思ってしまうくらい演じられるキャラクターの幅を
広げていらっしゃるように私は思いました。
ソファーでルーチェと二人で毛布にくるまったり、ちょっと言い争ったり、
顔を見合わせて子どものようにイーッとしてみたり。
とにかく可愛い、そしてお互いを思いあうルーチェとレグルスでしたね。
ルーチェの大学時代の同級生で女優をめざしているティア・シモニーを演じた美しい有沙瞳さんとレグルスが、
ラストシーンで二人で手でハートを作っているところも見逃せないポイントでした。
宰相オンブルの息子ロナンを演じられた極美慎さん。
とてもかっこいいのになぞの動きが多くとても面白い。
本人にそのつもりはないところがまた面白い。
素敵なコメディの悪役でしたね。
詩ちづるさんと稀惺かずとさんが演じられた双子のポルックスとカストル。
105期生の同期生同士で息ピッタリ。
泣き方、パンの食べ方、走り方がまさに子どもで、かわいいくてほっこりしました。
続編という新しい可能性を見せていただいた公演でした。
レビュー・エスパーニャ『Gran Cantante!!』
作・演出/藤井 大介
スペイン語で「素晴らしい歌い手」を意味する『Gran Cantante!!』。
スペインの伝統的な祭りをテーマに、スペインにまつわる名曲の数々と魅惑的なスパニッシュダンスで綴るレビュー作品でした。
かわいいお芝居から熱いオレオレ、オラオラのショー!
主題歌にもオレオレ・オラオラという歌詞が入っていました。
礼真琴さんが歌でダンスでどんどん客席をひっぱり、体感温度がどんどん上がっていくショーでした。
開演前から赤く染まった舞台に期待が高まります。
手に小さい太鼓やタンバリンを持った、白い衣装のかわいい三人の道化が銀橋に登場。
美稀千種さん・大輝真琴さん・華雪りらさんです。
華雪りらさんはこの公演で退団。
白いお花を基調とした花冠を付けていらっしゃってとってもかわいかったです。
1月のサン・セバスティアンの太鼓のパレードからショーはスタート。
大階段に黒いハットをかぶったカーニバルの王RAY・礼真琴さん。
オープニングから大階段が登場!
祭りの始まりを讃え高らかに歌うと大階段を覆っていた黒い布が取り払われます。
帽子をかっこよく飛ばし、礼真琴さんの『オーレ』の合図で大階段から次々に星組のみなさんが登場。
ワクワクするショーの始まりでした。
続いては2月、春の訪れ。
白とパープルが裏表になったいマントを手に男役さんが登場。
カーニバルの歌手カンタンテたちが歌い継ぎ、踊り手バイラリーナたちが歓喜に満ち踊ります。
裾にフリルが多くあしらわれボリュームたっぷりのドレスがゴージャス。
スペインの1月から行われるお祭りが順に繰り広げられれていきます。
男役さんはもちろんですが、娘役さんも舞空瞳さんを筆頭にかっこよかったです。
4月、セビーリャの春祭り。
ヒヒーンという鳴き声が聞こえ、お馬さんが登場。
青い衣装のかっこいいお馬さんたち。
中央は、タテガミがステキな瀬央ゆりあさん。
振付に馬っぽさがありましたね🐎
そこへ有沙瞳さんを中心にオレンジ色の衣装、髪は緑色の人参娘たちが現れます。
見た目はユニークですが、ダンスは激しいアパッシュダンスでした。
セットがとてもかわいいメリーゴーランドでした。
5月、コルドバのパティオ祭り。
フラメンコダンサーのジュリオ・礼真琴さんがソロで激しく踊ったあと仲間が絡み、
究極の美女ボニータ・舞空瞳さんが登場し、二人の激しいスパニッシュデュエット。
舞空瞳さんは、スリットが入った白いドレス。
キュッ、キッとした視線がかっこいい!
6月、華やかな花火が夜空に上がり、サン・ファンの火祭りが始まり、
宝塚歌劇のスペインを題材にした作品より、数々の名曲が新しいアレンジで歌い継がれます。
極美慎さん、『情熱のバルセロナ』から「青春を駆ける」
専科の美穂圭子さん、『誰がために鐘は鳴る』から「スペインの想い出」
礼真琴さん、『去りゆきし君がために』から「炎の妖精」
天寿光希さん、『去りゆきし君がために』から「別れのフラメンコ」
天寿光希さんの退団が重なりました。
輝咲玲央さん・紫りらさん『バレンシアの熱い花』から「情熱の嵐」
天華えまさん、有沙瞳さん、小桜ほのかさん
続いて、綺城ひか理さん、音波みのりさん
『バレンシアの熱い花』から「バレンシアの熱い花」
瀬央ゆりあさん、『哀しみのコルドバ』より「コルドバの光と影」
スペインを題材にした宝塚歌劇の作品、たくさんありますね!
舞空瞳さんが赤いダルマ衣装で登場!
とてもゴージャスで迫力があり見とれてしまいました💙
銀橋と舞台にズラリと並んだ星組のみなさんが主題歌を熱く歌い最高の盛り上がりに!
その熱さの中、礼真琴さん・舞空瞳さん・瀬央ゆりあさんの3人だけが残ってパフォーマンス。
あまりのカッコよさに客席から送られる手拍子も熱い熱い!
天寿光希さん歌声で、8月のマラガの闘牛祭りの場面。
恋人の無事を祈る音波みのりさんが美しかったです。
赤い衣装のマタドール礼真琴さんに向かってくる野獣のごとく現れた牛トロ、瀬央ゆりあさん。
息をするのも忘れて見入った場面でした。
10月、サラゴサのピラール祭り。
舞空瞳さんを中心に黒い衣装で踊る場面。
娘役さんのパンツスタイルがかっこよかったです。
礼真琴さんがオンブラマイフを歌い、星組のみなさんの力強い歌とダンスが繰り広げられます。
第108期生初舞台生ロケットはサフラン祭りがテーマ。
大階段から笑顔満開で登場!
星型になったり様々な楽しいフォーメーションのラインダンス。
ピックアップも多彩でした。
続いて、大階段に6人のシルエットが浮かび上がります。
白いドレスに青い軍服風のジャケットを羽織った舞空瞳さんを中心に、
瀬央ゆりあさん・綺城ひか理さん・天華えまさん・極美慎さん・天飛華音さんが踊ります。
男役群舞では、色んな足の上げ方をされていたことが印象的でした。
トップコンビのデュエットダンスは白い衣装。
動きが早くて力強いダンスでした。
パレードのエトワールは、この公演で退団された天寿光希さん。
初舞台生に囲まれて優しい微笑みで歌われました。
シャンシャンはスペイン扇子。
初舞台生が大階段を埋め尽くし、出演者数も多いのでとても豪華なパレードでした。
限られたスペースの大階段で激しく踊る初舞台生がとても頼もしかったです。
一足早く、宝塚に夏を運んできてくれたような公演でした🌻