宝塚大劇場宙組公演『HiGH&LOW-THE PREQUEL-』・『Capricciosa!!』-心のままに-
樽井美帆です
宙組公演
TAKARAZUKA MUSICAL ROMANCE『HiGH&LOW-THE PREQUEL-』
ファッシーノ・モストラーレ『Capricciosa!!』-心のままに-
が、宝塚大劇場にて8月27日(土)から9月26日(月)まで、
東京宝塚劇場では10月15日(土)から11月20日(日)まで上演されました。
TAKARAZUKA MUSICAL ROMANCE『HiGH&LOW-THE PREQUEL-』
原作・著作・構想/HI-AX
脚本・演出/野口 幸作
2015年に連続ドラマとして日本テレビ系列にて初放送された「HiGH&LOW」は、
2020年までにシリーズ5作が放送され、2016年より公開された映画シリーズは作品数にして7作。
音楽・コミック・ゲーム・SNS・テーマパークなどあらゆるメディアを融合させた
「総合エンタテインメント・プロジェクト」となっています。
この壮大なシリーズの作品群の隠された前日譚(THE PREQUEL)を新たに構想、
宝塚歌劇の世界観での舞台化となりました。
守るべき女性・守るべき街との間で葛藤する男たちの愛と闘いの物語。
LDH JAPANと宝塚歌劇団によるコラボとして注目を集めました。
全体を通してまず驚いたのが、出演者のみなさんの立ち方や発声がいつもの宝塚歌劇のお芝居と違うことでした。
そして真風涼帆さんが演じる日本人が、また普通の会話が繰り広げられていくことがとても新鮮でした。
真風涼帆さんによる開演アナウンスは、BGMなしで声のみ。
真風さんのお声を堪能しました。
町の映像が映し出され、真風涼帆さん演じるコブラがせり上がります。
真風さんの足がとにかく長い💗
拳でパンチするとガシャンという音がして映像とリンクするカッコいいオープニング。
黒いスーツ姿のナレーター寿つかささんがSWORDの各チームを紹介するのに合わせて、
大階段から順番に1チームずつ登場してきます。
SWORDの5つのチーム「山王連合会」・「White Rascals」・「RUDE BOYS」・「鬼邪高校」・「達磨一家」、
各チームにはそれぞれイメージカラーがあり、そのイメージカラーの照明が舞台を照らします。
舞台の左右に分かれて待機し、すべてのチームの紹介が終わると全員が銀橋へ。
迫力があって息が止まるほどカッコよかったです💖
喧嘩のシーンも宝塚歌劇の美しさと品を失うことなく描かれていました。
洋物の立ち廻りでもなく、日本物の立ち廻りでもない、宝塚歌劇では珍しい素手の戦い。
キックの足は高くピンと伸び、パンチの腕も美しく伸びていましたね。
真風涼帆さんが演じたのは山王連合会のリーダー・コブラ。
「この町の騎士になるために」と歌う優しくシャイなコブラ。
「なんで?」
「マジか?」
「ちげえよ。」
「元気そうだったじゃねえか。」
「とりあえず帰ろうぜ。」
など、普通の言葉を話す真風さんが新鮮。
潤花さん演じるカナから『キミ』と呼ばれる真風さんも新鮮。
真風さんのそんな立ち位置の役が珍しくてときめいてしまいました💘
だんだんハードルが上がるカナのお願いに「しょうがねえな。」と言いながらも、
どこか照れくさそうでうれしそうなコブラの表情もキュンキュンしました。
✨真風さんの浴衣姿
✨真風さんとわたあめ
こちらは、今年の私の流行語大賞にノミネートしたいと思います。
浴衣姿で戦う真風涼帆さん。
浴衣の裾のはだけ方、髪の乱れ方が本当にが芸術的でした。
真風さん演じるコブラの男気に惚れ惚れしてしまいました😍
潤花さんが演じたのは、コブラの小学校時代の幼馴染カナ。
潤さんの自然なセリフ回しが心地よく、素直な心がダイレクトに伝わってきました。
また、潤さんが発する魅力的な元気さ明るさが、逆にカナの切なさを際立たせていたように思います。
白いチャイナドレス姿がとても美しく、また前髪のあるゆるふわボブヘアもかわいかったですね💛
この舞台では、コブラとカナがそれぞれのチームと関わっていく様子が描かれています。
小学校時代の幼馴染だった二人が久しぶりに再会。
大人になった二人が限られた時間の中で心を通わせ距離を縮めていく中で、ステキな場面がたくさんありました。
「コブラの匂い、いい匂いだったよ。」というカナ。
思わずどんな匂いか想像してしまいませんでしたか?
バイクの二人乗りでは、「キミ、運転荒すぎ。」とコブラに言うカナに「そうか。」と言って
わざとちょっとやんちゃな運転をして「キャー!」と叫ぶカナを背中に感じてうれしそうなコブラ。
自分が前を歩くのではなく、カナの後ろを優しく付いていくコブラ。
カナのやりたいことを叶えるためというコブラの優しさを感じました。
手を出さずに殴られ続けた浴衣姿のコブラを支えるカナ。
広い背中、そして高い背中を支える姿も素敵でした。
山王街のアーケードの上を表現した高さのあるセットは、二人だけの世界を感じました。
芹香斗亜さんは、White RascalsのリーダーROCKY。
「パーティータイム」というセリフがカッコよくて、何度も聞きたくなりました。
隠しきれない品が漂うROCKY。
ステッキをかつぐ腕や赤い手袋の指先、茶色いレンズのサングラスをはずす仕草も美しかったです。
ちょっと怖い顔にするために、眉毛の書き方やアイメイクに工夫を施されているように見えました。
桜木みなとさんは、RUDE BOYSのリーダー・スモーキー。
高音も軽々歌い上げていらっしゃいました。
どうにもならない悲しみを抱えちょっと曇った雰囲気がステキでした。
苺美瑠狂の総長・純子を演じた天彩峰里さん。
ピンク色の特攻服姿にも驚きましたが、声と目力も迫力満点!
眉間にシワを寄せ、応援団のようにのけぞってちょっとドスをきかせた声。
いつもの可憐で美しい発声とは全く違いましたね!
仲間思いで純粋な一面とのバランスが最高でしたね。
達磨一家によるお祭りでの和太鼓演奏も、この舞台の見どころの一つだったのではないでしょうか。
それぞれのチームに守るべきものがある中、共通の守るべきもののためにチームを越えて団結。
大切なことをたくさん教えてもらえる舞台でした。
ラストシーンでは5つのチームが再び勢ぞろい。
オープニングでも十分カッコよかったのですが、1時間半のお芝居を堪能し彼らの心を知ってしまってからの
ラストシーンではカッコよさが倍増でした!
カッコよすぎということってあるんだなと思ってしまいました。
ファッシーノ・モストラーレ『Capricciosa!!』-心のままに-
作・演出/藤井 大介
“Capricciosa”とはイタリア語で“気まぐれ”“勝手気まま”といった意味を持つ言葉。
真風涼帆さん演じる放浪の伊達男カプリチョーザが、イタリア各地を巡る中で遭遇する様々な出来事を綴ったショー作品です。
開演前、舞台の幕には『Capricciosa!!』というタイトルが七色に輝いています。
楽しい音楽に合わせて照明が点滅し、真風涼帆さんの開演アナウンス。
このショーでは、カンツォーネやイタリア歌曲がたくさん使われていました。
舞台も客席も真っ暗になり一気に照明がつくと、舞台と銀橋に芹香斗亜さん率いる伊達男・伊達女たちが
ずらりとポーズを決めています✨
芹香斗亜さんは緑色のスーツ、そのほかの男役さんは赤色のスーツ、娘役さんはシンプルな赤色のドレス。
男役さんは全員サングラスをかけてキザに。
全員がサングラスをかけての登場は珍しいですね!
たくさんのカップルが組んで踊り出します。
さすが愛の国イタリア🇮🇹
甘くちょいワルな芹香さんの歌声が響き渡ります🤩
『妖しすぎるほどに美しい男、恐ろしすぎるほどに香り立つ色気、
ヤツがヤツがやって来る、ヤツが近づいて来る』
どんな危険な人物が来るのかと思っていたら、白のストライプのスーツ、白のソフト帽にサングラス姿の
真風涼帆さん演じるカプリチョーザ登場💕
とても甘く魅了する歌声を響かせます。
足元に横たわる緑色のドレス姿の潤花さん。
後ろ向きなのでお顔は見えませんが、美しい後ろ姿と背中でした。
最後は、真風さんがSalute!🥂
これで衣装の色が、緑・白・赤と3色揃いました。
イタリア国旗の完成🇮🇹
復活祭のスタートです!
曲のテンポも上がり復活祭は歌とダンスで盛り上がっていきます。
音楽指揮の佐々田愛一郎さんもノリノリです😄
新しい恋人を見つけにナポリの町へ飛び出していこうという潤花さんと娘役さんの場面『恋の町ナポリ』。
上半身が黒、スカート部分がレザー調の黄色のタイトなデザインのドレス。
金髪の髪を前髪もスッキリあげて、毛先がカールしたロングヘアを低い位置でまとめた大人っぽい雰囲気の潤さん。
華やかでカッコよかったです。
女性も積極的に恋を楽しむぞという雰囲気の中、芹香斗亜さん率いるイケメン軍団が登場。
高いジャンプを飛んだり躍動的なダンスで魅せます。
13組のカップルが情熱的なダンスナンバーを繰り広げます。
最後の決めポーズが様々で、色々なカップルがいてとても楽しい場面でした。
天彩峰里さんが、黒のベルベット調のドレスではじけてカッコよく歌う歌声が新鮮でした。
続いては水の都ヴェネツィア。
ゴンドリエーレ瑠風輝さんが歌いながらゴンドラをこいでいます。
そのゴンドラに乗っている美女は・・・桜木みなとさん!
真風涼帆さん演じる旅人カプリチョーザが翻弄されます。
翻弄する桜木みなとさんの笑顔✨
真風さんにリフトされてうれしそうな桜木さんに見えたような気がします😊
花の都フィレンツェでは、芸術家たちが美しいモデルたちと登場。
今公演で退団された留依蒔世さんが素晴らしく歌い上げられた『O sole mio』を忘れることはできません。
続いては、カンツォーネメドレーがスタート。
フリルがたくさん使われたボリューミーで華やかな花柄の衣装。
舞台上に花が咲き乱れたようでした🌺
男役さんが花柄の衣装を着ると何とも言えない色気が漂うのはなぜでしょうね🥰
若翔りつさん・朝木陽彩さんが歌う『DIO,COME TI AMO 愛は限りなく』にのせて3組のデュエットダンス。
真風涼帆さん・潤花さん、芹香斗亜さん・天彩峰里さん、桜木みなとさん・水音志保さん、
3組それぞれの愛の表現に魅了されました。
芸術の都ミラノの場面の舞台は、格式高いオペラの殿堂スカラ座。
オペラ歌手桜木みなとさんが「カタリ・カタリ」を高らかに歌い、プリマドンナ春乃さくらさんが美しい歌声を響かせます。
そのオペラを客席で観ているのが貴族の芹香斗亜さんと愛人の潤花さん。
白いドレスの潤さん、美しかったですね~!
オペラを観る潤さんの隣で、芹香さんは何かを感じるのか不安気な表情で、
オペラを観ずに潤さんの横顔を見ています。
不安は的中、そこにカプリチョーザ真風涼帆さんが登場。
カプリチョーザが舞台で激しい恋心を歌うと潤さんと目が合い、二人は一目で恋に落ちます。
客席から二人を不安気に見つめる芹香さんの表情が切ない。
紫色の豪華なマント姿の真風さん。
マントをとった後の衣装も美しくまさに王子様👑
真風さんと潤さんのダンスは、短い恋を慈しむかのような切ないダンス。
二人の間で揺れ動く思いを表現する潤さんもステキでした。
潤さんの背中をそっと押し、芹香さんのもとへ送るカプリチョーザ真風さん。
松風輝さんにコートを着せてもらいソフト帽を手に、恋も終わったしそろそろ帰ろうかなと真風さんが歌います。
旅立ちの日近づいてきた。
仲間と語り合い、色んなことがあったよね。
でも幸せ過ぎたこの旅、今終わりを告げよう。
とても優しい曲でした。
最後は官能の町ローマ。
カプリチョーザ真風涼帆さんのもとへラベンダー色のトレンチコート姿のイタリアーノとイタリアーナたちが集まり
「アリベデルチ・ローマ」を歌います。
ありがとうローマ!
宙組のみなさんが集まって笑顔で歌い踊る中、楽しかった旅に別れを告げます。
宙組生が未来を見つめるかのように斜め上を見つめる中、その背後で真風涼帆さんが一人白く輝く大階段を上って去っていきます。
続いて、黒い衣装の情熱の男・芹香斗亜さんと情熱の女たちが大階段にスタンバイ。
一気に大人のムード。
曲は中森明菜さんの「ミ・アモーレ」
真風涼帆さんを中心とした男役群舞へ。
男役さんは黒燕尾ですが、中のシャツは赤。
シャツの襟をジャケットの外に出してセクシーな着こなし。
真風涼帆さんは、豪華な黒の飾りが施されたえんじ色の変わり燕尾。
トップコンビのデュエットダンスへと続きます。
潤花さんのドレスも真風涼帆さんと同じえんじ色で装飾は黒。
美しく水色に輝く大階段の中ほどからスタートするデュエットダンス。
潤花さんが真風涼帆さんを挑発するような笑顔が可愛いかったですね。
大階段を手をつないで下り、天彩峰里さんが「ミ・アモーレ」を歌う中スピード感のあるダンス。
最後は、「アモーレ」という歌詞を4回繰り返すのですが、天彩さんは全部違う「アモーレ」を表現され、
特に最後の「アモーレ」がステキでした💕
パレードのエトワールは、今公演で退団された留依蒔世さん。
かつて、2016年の全国ツアー公演で瑠風輝さんとエトワールをされたことはありましたが大劇場では初めて。
大階段の真ん中で朗々と歌声を響かされました。
最後の歌詞が「カプリチョーザ愛してる君のすべて、カプリチョーザ~!」だったのですが、
最後のロングトーンが本当に素晴らしかったですね✨👏✨
歌い終わられたあと、素晴らしい笑顔を見せてくださいました!
イタリア国旗の色がデザインされたシャンシャン。
真風涼帆さんが大階段に登場されると、なんと大階段がイタリア国旗に🇮🇹
「ヒュ~!」と楽しく踊りながらイタリアの旅は終わりを迎えました。