宝塚大劇場雪組公演『Lilacの夢路』-ドロイゼン家の誇り-・『ジュエル・ド・パリ!!』-パリの宝石たち-

樽井美帆です

 

雪組公演

ミュージカル・ロマン『Lilacの夢路』-ドロイゼン家の誇り-

ファッシネイト・レビュー『ジュエル・ド・パリ!!』-パリの宝石たち-

が、宝塚大劇場にて4月22日(土)から5月28日(月)まで上演されました。

東京宝塚劇場では6月17日(土)から7月16日(日)まで上演されています。

 

雪組新トップコンビ、彩風咲奈さん・夢白あやさんの大劇場お披露目公演。

また、宝塚大劇場公演は第109期初舞台生のお披露目公演でした。

 

この公演から、宝塚大劇場の営業体制が変更となりました。

移行期間のため初日は土曜日となりましたが、

千秋楽が日曜日、休演日が月曜日、新人公演が木曜日となりました。

みなさんはもうこの体制に慣れましたか?

 

開演に先立って、第109期生の口上が行われました。

奏乃はると組長のアナウンスに続いて、黒紋付に緑の袴姿で登場。

口上に「小林一三先生生誕150年」という言葉が入れ込まれていたことが印象的でした。

一言一言丁寧に、初舞台の喜びあふれる口上でした。

 

109期生口上

 

 

ミュージカル・ロマン『Lilacの夢路』-ドロイゼン家の誇り-
作・演出・振付/謝 珠栄

 

イギリス産業革命の影響を受けて目まぐるしく変化する19世紀初頭のドイツ。

プロイセン王国のユンカー(騎士領所有の貴族)であり、

今も尚騎士道の精神を受け継ぐドロイゼン家の長兄ハインドリヒが、

鉄道産業の設立こそ、ドイツ諸邦の発展と統一に繋がると信じ、

弟たちと力を合わせ様々な問題を乗り越え、夢の実現を成し遂げていく姿、

そして音楽家志望の令嬢エリーゼとの恋を描く作品。

 

ドロイゼン家のお屋敷は、大きな窓が印象的な美しいお屋敷。

チェロも置かれています。

そんな美しいお屋敷で育った兄弟も美しい✨

長男ハインドリヒ・彩風咲奈さん、次男フランツ・朝美絢さん、三男ゲオルグ・和希そらさんが

銀橋に出てくると、美しすぎてまぶしくて直視できないほどの輝きでした。

 

品の良い衣装、美しい照明、ユニークな形のセット。

そして、様々な状況や心情を表現するダンス場面。

謝珠栄さんが描く優しく柔らかい世界が広がりました。

 

暗闇に広がるグリーンやブルーの幻想的な光。

花道のセットもライトでキラキラ光ったり赤く染まったり。

印象的なシルバーのチューリップのつぼみのようなセットが、

製鉄所の場面では赤い照明が当てられ、形を変えて溶解炉に。

雪も照明で表現されていました。

 

『Lilacの夢路』2

 

彩風咲奈さんは、ドロイゼン家の長男ハインドリヒ。

弟たちから「兄上」と呼ばれる彩風さんが新鮮でした。

ハインドリヒの優しく、まさにいい人という人柄が、彩風さんの柔らかな笑みからにじみ出ていました。

いつも当たり前に自分の周りにいてくれている弟たちの本当の気持ちに気づかないところも、

人を疑うことを知らないからこそ、本心を聞いて驚いてしまうハインドリヒの素直さ。

弟たちや女性に振り回される彩風さんからも、ドロイゼン家の長男として育てられた責任感と

育ちの良さが漂い、微笑ましかったです。

 

夢白あやさんは、職業音楽家を目指す女性エリーゼ。

どの場面も、舞台に登場される瞬間がとても美しく品がある夢白さん。

衣装の着こなしも品があり、メルヘンチックな衣装がとてもよく似合いでした。

美しい声が心の美しいエリーゼにピッタリでしたね。

 

今回の公演が大劇場お披露目となった雪組新トップコンビ彩風咲奈さん・夢白あやさん。

幻想的なゆるくカーブした階段のセットに並んで夢を語る二人の姿と雰囲気は、

とてもロマンチック。

手をつなぐトップコンビは、幸せそうにお互いを大切に見つめ合っていて、

観ていてとても幸せな気持ちになりました。

 

『Lilacの夢路』1

 

ドロイゼン家の次男フランツは朝美絢さん。

5人組戦隊シリーズの青レンジャー的な、みんなとはちょっと違う角度から物事を見ていますよという

雰囲気がとてもカッコよかったです。

朝美さんが厳しい顔つきで、熱い気持ちを歌われる姿に引き込まれました。

 

ドロイゼン家の三男ゲオルグ、和希そらさん。

宝塚歌劇では珍しいい緑色の軍服。

弟ならではの可愛い目。

兄が二人、弟が二人、兄も弟もいる三男ならではの立ち居振る舞いにキュン。

お兄さんたちにとっては可愛い弟であり、弟たちにとっては頼もしいお兄さんであるゲオルグ。

そんな魅力的な和希さんのゲオルグは、キレッキレッのダンスでも魅了してくださいました。

 

縣千さんは、エリーゼの友人で鉄職人のアントン。

くりくりヘアが可愛いアントン。

ギラギラした役ではなく、少年っぽい可愛い縣千さんは新鮮ですね。

彩風さんに「弟」と言われた時のうれしそうな表情が、喜びにに満ち溢れていて、

マスクの下で思わず笑顔になってしまいました。

 

『Lilacの夢路』3

 

美穂圭子さん・妃華ゆきのさん・希良々うみさん・有栖妃華さん・音彩唯さん、

5人の夢人の美しい歌声が響き渡ると、劇場がとても幻想的な空間となりました。

 

 

ファッシネイト・レビュー『ジュエル・ド・パリ!!』-パリの宝石たち-
作・演出/藤井 大介

 

パリの名所を、宝石のような煌めきを放つ雪組のみなさんとともにめぐる

華やかなパリの夢が詰まったレビュー作品。

 

ミラーボールとコーラスが客席を輝かせると、白い服を着た絵描きが、絵筆やパレットを手に銀橋に登場。

理想の女性を思って高らかに歌います。

ルノワール・朝美絢さん、ロートレック・和希そらさん、ユトリロ・諏訪さきさん、モネ・眞ノ宮るいさん、

ピカソ・縣千さん、ゴーギャン・咲城けいさん、モディリアーニ・華世京さん。

 

紺色の布で覆われた大階段の中央に、キラキラの美女・彩風咲奈さん。

「私を描いてほしい」と歌います。

大きな被り物にドレスのような衣装、まるでセットと一体化したかのような彩風さんにビックリ!

くぎ付けになっていると、大階段を覆っていた布が衣装ごと引き抜かれて、

彩風さんは黒燕尾姿に!

美女は究極の美男子となり、大階段もゴールドに輝きます✨

 

彩風咲奈さんに呼び込まれて、第109期初舞台生がミモザをイメージした黄色い衣装で大階段に登場。

「モン・パリ」にのせてラインダンスを披露。

一人一人順番に見せていくポーズ、アクロバティックな振付、みんなで一つのフォーメーションを作るなど

同期生が一致団結したラインダンスでした。

 

109期生ラインダンス

 

裾にファーが付いていて、両手を広げるととてもきれいなシルエットのドレス姿の夢白あやさんが、

黒燕尾にシルクハット・白いマフラー姿の男役さんに囲まれて登場する場面。

トップ娘役に就任された夢白さんのお披露目をお祝いするかのような盛大なパレードでは、

シャンソン風の主題歌が歌い継がれました。

 

『ジュエル・ド・パリ!!』1

 

彩風咲奈さん・夢白あやさん新トップコンビが、銀橋で歌う「愛の讃歌」の歌詞が、

お二人の今日からの未来とお互いへの愛を歌う姿とピッタリ重なりとても感動的でした。

 

青いスーツに白い帽子姿のシャガール朝美絢さん率いる芸術家たちが、

モデルたちと激しいダンスナンバーを繰り広げる場面はとても楽しく、

舞台のあちらこちらでスゴ技ダンスやポーズが披露されていました。

 

エジプト風の音楽に乗せてクレオパトラのような和希そらさんがせり上がり。

ゴールドの衣装の和希さんが、奏乃はるとさんの素晴らしい歌声にのせて、

縣千さんを中心とした男役さんと踊ります。

女役で踊る和希さんのクールでセクシーな視線が魅力的でした。

早いキレキレの動きがとにかく美しいダンスでした。

 

ノートルダム大聖堂で清らかな美しい歌声を響かせたのは、聖母マリア・有栖妃華さん。

コーラスの娘役さんの歌声もとても清らかで、まさに天使が舞い降りてくるようでした。

 

ラテンにアレンジされた「すみれの花咲く頃」など有名なシャンソンを歌うラテンメドレーでは、

ギラギラでフリフリな熱いラテンの衣装。

清楚なイメージのすみれが、熱く咲き誇る場面でした。

 

『ジュエル・ド・パリ!!』2

 

革命をテーマに情熱的に踊るバスティーユの場面。

レボリューションという役名の縣千さんを中心とした男役さんがオラオラなダンスを踊ります。

縣千さんのエネルギーがみなぎった前髪がステキでした!

 

美穂圭子さんが人生の憂いをドラマティックに歌い上げる場面では、この公演で退団される

白峰ゆりさん・星加梨杏さん・日和春磨さん・真友月れあさん

涼花美雨さん・天咲礼愛さん・菜乃葉みとさんが踊ります。

7人それぞれの人生が表現された場面でした。

 

裏地がグリーンの黄色の衣装、ピンクのショートブーツ、まるでフランス人形のような

夢白あやさんがせり上がりで登場。

お芝居でも舞台に登場される瞬間がとても美しかった夢白さん。

ショーでも華やかに美しく登場されました。

 

大階段が様々な色で輝きながらゆっくりと舞台に設置されます。

私は、大階段が設置される様子や格納される様子を見せていただける演出が好きです💕

トップコンビを中心とした盛大なカンカンは、舞台と客席が一つになって盛り上がりましたね!

 

新トップコンビ大劇場お披露目公演でのデュエットダンスは赤い衣装で。

 

エトワールは音彩唯さん。

初エトワールです✨

透明感のある美しい歌声でパレードの始まりを告げられました。

 

パレードで彩風咲奈さん・夢白あやさん・朝美絢さんが背負われたのは、

ホワホワしていて縁取りされてる新しいタイプの羽根のように見えました。

羽根も毎公演進化してますよね!

白い羽根の周りが水色に縁取りされているのが朝美絢さん、

白い羽根の周りがピンクに縁取りされているのが夢白あやさん、

彩風咲奈さんは、白い羽根の周りの下半分がブルーで上半分がピンクで縁取りされていました。

パステルカラーのトリコロールカラーですね。

 

彩風咲奈さんの衣装には、ものすごい数の宝石がビッシリ付いてます💎✨

これから公演をご覧になる方は、ぜひオペラグラスでご覧くださいね👓

 

大階段には初舞台生が並び、ひときわ華やかなパレードでした。

 

名曲の数々、驚きの演出、美しいセット、そして美しい雪組のみなさんとともに、

楽しくパリの名所を巡りました🎵