花組トップ娘役 星風まどかさん 退団記者会見

 

宮村裕美です

 

現在、東京宝塚劇場にて上演中の花組公演

ミュージカル『アルカンシェル』~パリに架かる虹~をもって、宝塚歌劇団を卒業される星風まどかさん。

 

2023年8月15日(水)花組トップスター柚香光さんと共に、花組トップ娘役星風まどかさんの退団が発表され、退団発表の翌日、8月16日(木)、宝塚大劇場3階エスプリホールにて退団記者会見が行われました。

 

会見に出席されたのは、(記者会見当時の)宝塚歌劇団理事長 木場健之さん、そして星風まどかさんです。

 

この日の星風さんの服装は、花や葉が繊細なレースとしてデザインされた真っ白のワンピース。

首元から肩周りと胸元の少し上ぐらいまではレースのみというのもあり、より肩周りが華奢に見え、普段から十二分にお顔の小さい星風さんですが、首が長く見えることによって、よりお顔が小さく見えました。

 

髪形がきちっとまとまっているというのもあり、おでこがしっかりとでている状態のため、ライトが当たったおでこはつるっと輝いており、会場に現れた星風さんを一目見て、思わず「女神?いや天使?」と思うほど、神々しく光り輝いていました。

 

星風②

 

白いワンピースを選んだ理由として「幼いファン時代から宝塚が大好きだったので、様々なトップスターさんやトップ娘役さんの退団会見を拝見しておりました。今こうしてこのような立場でお言葉にさせていただけるということにも感謝の気持ちでいっぱいですし、その感謝と夢を与え続けてくださった歴代の卒業された皆様へと敬意を込めまして、純白のワンピースにさせていただきたいなと思い、選びました。」と、歴代の先輩方への敬意を述べられました。

 

退団記者会見をおこなうにあたって、柚香さんと何か話し合われましたかという質問が出ました。

すると、非常に嬉しそうな表情で「聞いてくださいますか?」という前置きがあり、ピアスがよく見えるように耳元に手を当て、「柚香さんからこの素敵なピアスをいただきました!絶対にこれを本日、付けさせていただきたいと思っていました。とても今、始まる前から緊張しているのですが、柚香さんが見守ってくださっているような気がして、パワーをいただいております。」と、まるで満開の花が咲いたかのように、パッと瞳を輝かせて微笑む姿からは、柚香さんへ対する真っ直ぐな気持ちが伝わってきました。

 

星風さんは、いつもどんな時でも笑顔でというのがモットーだそうなのですが、柚香さんも同じように心掛けていらっしゃるそうで、「これも良かったら」とピアスをプレゼントしていただいたそうです。

 

会見の冒頭での星風さんからのご挨拶の際には、同日午前中に退団記者会見をおこなった柚香光さんと同じく台風の被害にあわれた方々への気遣いの言葉から始まり、「卒業を決意いたしまして、今感じることは本当に宝塚はたくさんの愛に溢れている場所だなということです。今、体いっぱいで感じているこの愛を感謝の気持ちに込めまして、本日もお話しさせていただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。」とご挨拶されました。

 

星風④

 

柚香さんから卒業の意志を告げられた星風さんは、「柚香さんご自身からお言葉をいただいて、大変嬉しく思いましたし光栄に思いました。わたくし自身としては花組に組替えをさせていただいてから、そのときすでにもう、最後まで柚香さんについていきたいと心に決めておりましたので、(2023年)3月末に柚香さんからご卒業のお話をいただいた時に柚香さんとご一緒させていただきたいとお願いをいたしました。」と、その時のことをお話しくださいました。

 

いつ頃卒業について考えていたのかというと、トップ娘役という立場になった際に、いずれ卒業を…という覚悟を決めて過ごされていたそうです。

そして、組替えを経験し、「いただいた役目を全うしたい」という気持ちが強く芽生えた中で、柚香さんと出会えた幸せを感じ、お稽古の中で一緒に組ませていただいたり、花組100周年という中で宝塚への愛もどんどん大きく芽生えていったところで、このままご一緒したいと思うようになられ、花組へ組替えして間もない頃には、心の中ではすでに柚香さんとどこまでもご一緒にというのを、決められていたそうです。

 

柚香光さんについては、「わたくし自身ファン時代から柚香さんに憧れて、尊敬してきました。大好きな柚香さんのお相手役をさせていただけることをとても光栄に思っていたのですが、実際にお稽古をたくさん組ませていただき、お話しさせていただく上で、温かいお人柄が本当に舞台上でも滲みでているのを感じ、そのお人柄にお力をいただいてきました。初めてお稽古でご一緒した時も「最後まで一緒に頑張ろう」と、良い舞台のために強い真っ直ぐな瞳とお心で引っ張ってくださったことに、本当に感謝し、人としても大尊敬しております。」と答えられました。

 

さらに、「柚香さんは、私だけではなくすべての方に温かく笑顔で接してくださる素敵な方です。そのような素敵な方と最後までご一緒させていただけるということが、本当に光栄なことだなと感じる日々でございます。」と、柚香さんについてのことを話してくださった星風さん。

柚香さんのことについて話す星風さんは、特別柔らかで愛に包まれた優しい表情をされており、柚香さんと素敵な信頼関係を築いてこられたことが、言葉や表情から自然と感じることができます。

 

星風③

 

レビュー・ステイションからは、柚香さんと歩んでこられた日々についてお伺いしました。

「舞台上で役として隣にいさせていただける時間はもちろん、特に『GRAND MIRAGE!』では全場面デュエットダンスをさせていただいており、そのたびに温かさや包容力で柚香さんが全部包み込んでくださいます。毎日のように公演をさせていただいておりますが、一回一回が感謝と幸せでいっぱいです。そのような気持ちにさせていただけるのも、柚香さんのお人柄だと思うので、お稽古期間中に模索しながら稽古ができる日々も私にとっては宝物です。そして、この宝物の成果を大好きなお客様にお届けできることも日々幸せなので、柚香さんにはどこまででも感謝の気持ちを精一杯伝えたいと思います。」と、柚香さんと過ごす時間についてお教えくださいました。

 

また、「どれか一番というのは本当に難しいですが…」と前置きをされた上で、柚香さんと過ごしてきた時間の中で特別幸せな瞬間については、「デュエットダンスをしている瞬間は、柚香さんの温かさと真っ直ぐな瞳が身に沁みて、何事にも代えがたいものです。技術のことはもちろんですが、心一つで踊らせていただけることへ感謝の日々で溢れてくるので、どのデュエットダンスも、そして柚香さんとデュエットダンスをさせていただける瞬間は宝物です。」

 

柚香さんと歩んでこられた日々についてお答えくださる中で、毎公演、一瞬一瞬が幸せだということを伝えてくださる際には、ぱっちりとした星風さんの目がなくなるほど満面の笑みで、その言葉と表情だけで幸せに満ちあふれていることが伝わる、幸せに包まれた星風さんに癒された瞬間でした。

 

そして、柚香さんと星風さんのデュエットダンスがあれほど美しくシンクロしており、夢そのものである空間が広がるのも、柚香さんと星風さんが互いを尊重し、想いあって築き上げた関係性があってのデュエットダンスだと、改めて実感しました。

 

星風①

 

宙組から花組へ組替えされた星風さん。

「宙組生の時は、本当に学年が若かったというのもあり、右も左も分からない状態でした。いただく役に一生懸命向き合いたいと思いながらも、その技術も技量も経験もなく…。そういった中で、真風さんが温かくどこまでも見てくださいました。

また、真風さんだけではなく宙組の皆さんが宙組から専科へ、そして花組へと組替えをする時にも、たくさんの愛と笑顔で送り出してくださったことにも心から感謝しております。」と、宙組についてお話しくださいました。

 

思い出に残っている作品について質問が出ると、「どの作品もとても思い出深く、大切にその時の自分にできることを最大限にと思って務めてまいりましたので、一番と一つには決められないのですが…」と答えられた上で、宙組生として最後の出演作品である『アナスタシア』を挙げられました。

「『アナスタシア』は、宙組の皆様が温かく最後まで導いてくださり、皆様とご一緒できる最後の瞬間まで、幸せを噛みしめながら過ごすことができ、本当に大切な作品です。また、楽曲も非常に素敵でしたし、そういった意味でも日々課題が多かったため、充実した日々を過ごさせていただいた大切な作品です。」

 

もう一つ思い出の作品として挙げられたのは、『The Fascination(ザ ファシネイション)!』。

この公演については、「花組誕生100周年の記念のショー作品となっており、この作品は花組生としての大劇場お披露目公演でした。花組の皆様がほかの組から来たわたくしを温かく、手をギュッと固く結んで、繋いでくださったような、その感覚を今でも鮮明に覚えています。そして、柚香さんをはじめ花組の皆様が温かく迎え入れてくださったこと、花組のファンの皆様や全ての方々に感謝の気持ちでいっぱいになった、とても思い出深い大切な作品です。」と、答えられました。

 

タカラジェンヌとして過ごす時間の中で、その半分以上をトップ娘役として歩んでこられた星風さん。

これまでの宝塚での日々を、「今、入団して10年目の研10になりますが、その半分以上をこの立場(トップ娘役)として歩ませていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。自分としてはひな鳥の頃から本当にいっぱいいっぱいでしたし、いただいた役や責任をその時にできる自分自身の最大限をと思って、一生懸命務めていました。そのため、とても濃く、でも濃い中でどんどん巡っていくものがあり、有難くて宝物のような10年間だったと、今改めて思います。」と、振り返られました。

 

これまで歩んできた娘役人生の中で、得られたものについて、「男役10年とよくいわれますが、娘役も同じだと思います。わたくしは10年間、こうして舞台を務めさせていただき、このような立場になり発見したことは、まだまだ終わりがないんだという気持ちや、もっともっと上を目指していきたいという探求心だと思います。学年が上がり、研1の頃からできることも増えていると思うのですが、それでももっと「あれがしたい」「これがしたい」と思える自由な心や楽しい気持ちと、どこまでも良い舞台をということは、10年間で得られたことかなと思います。」とのお答えをいただきました。

 

そして、下級生の娘役の皆さんへ向けて、「できないことは当たり前だと思います。私自身もできなくて焦ってしまうことがあったのですが、今焦るのではなく、その時できることを全力で、そして舞台を待ってくださっている方々のために、どんな時も美しく笑顔で、芸事に邁進していただきたいなと思います。」と、温かなメッセージもいただきました。

 

どのご質問にも、真摯にお答えくださった星風さん。

柔らかであたたかなお声で、常に笑顔なのですが、時にはふんわりと微笑みながら優しい笑顔、キラキラに目を輝かせた全力の笑顔…など、笑顔の中にもこんなにレパートリーが?と思うほど、どの瞬間も美しく・可愛らしく、自然体でお話しされる姿は愛らしさそのもので、会場全体にも非常に穏やかな時間が流れていたように感じられます。

 

マイクに添えられる手の美しさや、質問を聞いている姿勢・答えている表情と、全てナチュラルにも関わらず、どの角度からどの表情を切り取っても美しさそのものであった星風さん。

宝塚を愛し、そして柚香さんはもちろん、周りの方々へとても感謝していることが伝わってきて、その清らかでまっすぐな心に、胸を打たれました。

 

そして、同日に柚香さんの退団記者会見があったからこそ、柚香さんと星風さんは空気感や雰囲気、波長が似ているという新たな発見がありました。

柚香さんへのお気持ちを話される星風さんは、本当に柚香さんへの溢れる感謝の気持ちが見え、また柚香さん率いる花組の皆さんと過ごせて幸せだということが感じられ、こちらも自然と柔らかな笑顔になり、心が優しくなれる記者会見でした。

 

星風⑤

 

星風まどかさんからファンのみなさんへのメッセージをお届けします。

「本当にこの10年間、どんな時もわたくしを待ち続け・見守り続け、温かく応援してくださったファンの皆様がいらしたから、ここまで笑顔で舞台を務めることができました。

これからも残りの数か月間、皆様への感謝の気持ちを胸に、舞台から感謝の気持ちをお届けできますように心を込めて、一つ一つの課題と向き合い、務めてまいりたいと思いますので、どうぞ最後の日までよろしくお願いいたします。」

 

 

現在、東京宝塚劇場にて上演中の花組公演

ミュージカル『アルカンシェル』~パリに架かる虹~

2024年5月26日(日)、花組トップ娘役 星風まどかさんは宝塚歌劇団を卒業されます。