宙組新人公演 『El Japón(エル ハポン) -イスパニアのサムライ-』

 

宮村裕美です

 

12月3日(火)、宝塚大劇場では

 

宙組新人公演

宝塚ミュージカル・ロマン

『El Japón(エル ハポン) -イスパニアのサムライ-』

がおこなわれました。

 

今回主演を務められたのは、

102期の風色 日向(かぜいろ・ひゅうが)さん。

ヒロインを務められたのは、

102期の花宮 沙羅(はなみや・さら)さん。

 

 写真 2019-12-07

102期、同期コンビのお二人が

主演・ヒロインとなりました

風色さん、花宮さん共に

新人公演 初の主演・ヒロインです。

 

落ち着いた様子で演じられていたお二人ですが、

終演後にお話を伺うと緊張されていたそうで、

風色さんからは

「心臓バクバクでした」とのお話も!

 

 

トップスター・真風涼帆さん演じます、

伊達政宗の家臣、蒲田治道を演じました

主演の風色日向さん。

 

風色さんの治道は、誠実さに溢れ、

優しく愛情深い人なんだろうなぁということが

見ていて伝わってきました。

 

また、殺陣の立ち回りの美しさに加えて、

羽織っている衣装に掛けた時の手の形や

さりげない所作の美しさが非常に素敵でした

 

 

トップ娘役、星風まどかさん演じます、

婚礼前に夫を亡くした未亡人 カタリナを

演じました、ヒロインの花宮沙羅さん。

 

花宮さんというと、甘く可愛らしい声が素敵ですが、

今回は未亡人役というのもあり、

落ち着いた声で、大人の女性を演じられました。

 

治道から剣術を教える代わりに、

自分や周りのために生きていくか

問われた時に、『誓います!』と

返事をした時の表情は非常に凛々しく、

カタリナの心情の変化が分かりやすい

素敵なお芝居でした

 

 

終演後の囲み取材で

花宮さんが今後の課題を聞かれた際、

 

『せっかく同期とやっているので、

セリフのキャッチボールや、歌のデュエットなど、

もっともっと良くなって行けたらなと思います。』

 

この話をする際には、風色さんを見つつ、

二人で目を合わせてお話をしたり、

同期コンビだからこその

リラックスした雰囲気のお二人でした

 

 

続いて、主要キャストから

ご紹介いたします。

 

○アレハンドロ

103期 亜音 有星(あのん・ゆうせい)さん

 

『俺の仲間はこいつらだけさ。

こいつの名はキョロちゃんって言うんだ。

可愛いだろう?』

『おい、キョロキョロするな!』

会場から大きな笑いを起こしていたのは、

本役・芹香斗亜さん、

謎の男 アレハンドロを演じた亜音有星さん。

 

登場時の鮮やかな黄緑色の衣装が非常によく似合い、

芹香さん同様品の良さがお芝居の端々から伺えました。

 

○エリアス

101期 鷹翔 千空(たかと・ちあき)さん

 

どこかダークな一面を

抱えているように感じられた、本役・桜木みなとさん、

エリアスを演じたのは、鷹翔千空さん。

鷹翔さん演じるエリアスは、

真面目さに溢れ、剣と真面目に向き合いすぎて

こじらせたのでは?という印象を受けました。

 

ハットのかぶり方やハットから覗く目線の使い方など、

鷹翔さんの男役としてのこだわりが

些細なところにもふんだんに感じられ、

かっこよかったです。

 

 

ここからは、特に私が素敵だったなぁと

印象に残った皆さんをご紹介していきます!

 

○ドン・フェルディナンド

99 期 希峰 かなた(きほう・かなた)さん

 

お金と権力で何でも手に入れようとする

大農場主、本役は専科の英真なおきさん、

ドン・フェルディナンドを演じたのは

希峰かなたさん。

99期ということで、新人公演長の期ですが、

さすがの芝居力で、誰が見ても

この人は“悪い”というのが分かる、

見た目はもちろん、仕草や表情など徹底的に

全力で悪い人を演じ、素敵でした。

 

 

○西九郎

99期 若翔 りつ(わかと・りつ)さん

 

上級生が参加している?と感じたほど

魅力的だったのは、本役・瑠風輝さん

西九郎を演じました、若翔りつさん。

入団7年目(研7)とは思えない

厚みと深さのあるお芝居で、

主演の風色さん演じる治道を温かく包み込んでいました。

 

今回、新人公演長の期 99期の皆さんが、

物語の節目節目をグッと引き締める、

とても重要かつ素敵な

役割を果たされていたように感じます

 

 

○ニコラ

100期 天彩 峰里(あまいろ・みねり)さん

 

道化姿がとてもキュートだったのは、

本役・綾瀬あきなさんの

道化 ニコラを演じました、天彩峰里さん。

 

今まで見た事のない天彩さんの役でしたが、

道化としての1つ1つの動きや仕草がコミカルで

とても可愛らしかったです。

 

また、他の場面で私の目に留まったのは、

亜音さん演じるアレハンドロが登場し、

酒場で歌うシーンで、踊り子の一人として

黒いドレスに髪をまとめて踊る天彩さんが、

道化の時のキュートさと一遍、

大人っぽく綺麗でした

 

この酒場のシーンでは、本公演同様、

美しく素敵な娘役ばかりで、

目に優しい場面でした

 

 

○ビアンカ

104期 朝木 陽彩(あさぎ・ひいろ)さん

 

道化 セバスティアン役の真白 悠希さんと

共に美声を披露したのは、

本役・瀬戸花まりさん、女官ビアンカを演じた

朝木陽彩さん。

 

朝木さんは、オーシャンズ11の影コーラスが非常に美しく、

素敵な歌声が今回の役では

どう活きるのか楽しみにしていたのですが、

本役の瀬戸花さんと同じく、

場の空気をパッと変える明るさがありました

 

 

○マルガレーテ

103期 夢白 あや(ゆめしろ・あや)さん

 

大人っぽい印象から、新たな一面が見られたのは

本役・副組長・美風舞良さん、

スペイン国王 フェリペ3世の妻、

マルガレーテを演じた、夢白あやさん。

 

眩い光を放つ多くの宝石を身にまとい、はしゃぐ姿は、

貴族の若奥様という雰囲気で、落ち着いたイメージのある

夢白さんの新たな姿が見られました。

最初は控えめに宝石を付けていて、そのあと

さらに多くの宝石を付けて登場するのですが、

宝石たちのキラキラさに負けない

可愛らしさと美しさがありました

 

 

○パメラ

104期 楓姫 るる(ふうき・るる)さん

 

本役は、今回新人公演のヒロインを

演じました花宮沙羅さん、

可愛さと大人っぽさを兼ねていたのは

酒場の踊り子・パメラを演じた、

楓姫るるさん。

 

最初の酒場のシーンでは、

何人かいる踊り子の内の一人として

登場するのですが、パメラとして

その後の酒場のシーンで登場する時と

それぞれ髪型やまとう雰囲気が違い、

役を演じ分けられているのが

見ていてしっかり分かりました。

 

可愛らしい顔立ちをされている楓姫さんですが、

少しのセリフからでも

酒場の踊り子の中では

お姉さん的な立ち位置だということが分かる、

落ち着いた声が魅力的でした。

 

上着を忘れたカタリナを

見つめる表情は、

世話を焼くお姉さんのような優しさが溢れ、

非常に素敵でした

 

 

同期コンビならではの

呼吸の合ったお芝居や距離感が心地よく、

主演コンビお二人の芝居力の高さはもちろん、

 

舞台に立つ出演者の皆さんが

それぞれ役として生きていて、

今回も素敵な新人公演でした

 

東京宝塚劇場での新人公演は、

来年2020年1月23日(木)です。