月組トップスター 珠城 りょうさん 退団会見

 

宮村 裕美です

 

3月16日(月)、月組トップスター

珠城りょうさんの退団が発表されました。

 

皆さん、非常に驚かれたのではないでしょうか?

 

退団が発表された翌日、3月17日(火)に

退団会見がおこなわれましたので、

その時の模様をお届けします!

 

まるで新郎のような、

真っ白のジャケットとパンツスタイルで

退団会見に臨まれた珠城さん。

 

登場された時から、すでに目はかなり赤く、

ウルウルとされていました

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

宝塚歌劇団、小川友次理事長からは、

 

彼女は月組で若くしてトップになりました。

今でも鮮烈に覚えているのが

大劇場トップお披露目公演の『グランドホテル』です

珠城の本当に真っ直ぐな性格で、

作品に真摯に向かい合ってくれました。

 

その後も小池先生の『All for One』。

また『エリザベート』。

大作だったので、彼女自身

大変なプレッシャーがあったと思いますが、

正面からぶつかり、組を牽引してくれ、

頭が下がる思いです。」

 

このようにお話されました。

 

そして、小川理事長のお話を聞きながら、

また瞳をウルウルとされていた珠城さん。

 

会見冒頭のご挨拶では、

 

私は、下級生の頃から新人公演の主演などを

早く務めさせていただいたので、

今日も下級生の頃から

取材してくださった皆さんが

多くいらっしゃると思います。

今日は最後まで温かく見守り、

お付き合いいただけたらと思います。

 

と、取材陣にも

優しい言葉を掛けてくださいました。

 

珠城さんから、

柔らかで優しく温かなオーラを感じるのは、

素敵な気遣いを

自然とできるからこそだろうなぁと感じました。

 

 

ここからは、会見で珠城さんに

お答えいただいた質問をお送りします。

 

 

【退団を決めた瞬間やきっかけ】

 

理事長のお言葉を聞いているときに

思い出したことがたくさんありました。

 

退団を決めたのは『夢現無双』の時です。

 

理由は、『無限夢双』で少し変わりましたが、

組の体制が新たに変わり、

今まで自分が耐えて背負ってきたものを、

そろそろここまでと決めて、

少しずつ下ろしていってもいいのかなって

思えるようになったということ。

 

今の大劇場のお稽古が新体制2作目となります。

今の体制になり、

下級生に伝えていきたいことは

たくさんあります。

自分が早く退団を発表することによって、

これから組を担っていくであろう子たちが

「これからは、自分たちが引っ張って

背負っていかなければならないんだ」

という気持ちを持ち、

さらに今以上に

次のステップに踏み出して欲しい

という思いも込めて、決断しました。

 

 

退団の経緯を説明する際、

「涙もろいので、今日は最初から

ハンカチ持参で来ました」

とお話される姿が、

珠城さんらしいなと感じました。

 

 

【組の皆さんには、

どのような形で退団を伝えたのか?】

 

組の皆には、昨日のお稽古前に伝えました。

望海さんと一緒で、

組のみんなの顔を見たらもう…。(涙を流す)

色んな思いが込み上げてきて、

自分も先に泣いてしまいました。

 

本当に、月組の皆には

とても感謝しています。

 

また、上級生の方には、

初舞台から本当にお世話になっています。

私は月組しか知らないのですが、

月組で初舞台を踏んで、

こうして月組でトップという

立場に就くことができて、

今も変わらず支えてくれる方たちがいて、

本当に幸せだなって、今非常に感じています。

 

トップスターは孤独ってよく言うと思います。

それはもちろん、トップだから

一人で抱えなくてはいけないことや、

背負っていかなければならないことが

たくさんあるので、

当たり前だと思っていました。

 

卒業する時には45ヶ月になりますが、

これまでの期間、月組の皆さんは

私に寄り添おうと、

一緒に戦おうとしてくれました。

そのため、私は孤独を

感じたことはありません。

 

本当に、組の皆に

“ありがとう”伝えたいです。

そして、残りの約11ヶ月、

今のタイミングで

発表することができたので、

組の皆にも感謝の思いを伝えながら、

いい作品を最後まで一緒に

作っていきたいなと思いました。

 

“月組の皆にはとても感謝しています”

と話された直後、

“こんなに泣く予定じゃなかった”と、

ハンカチで目をぬぐう珠城さんからは、

月組の皆さんへ対する強い愛情を感じました

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

 

【退団を伝えた際の

組の皆さんの様子は?】

 

昨日伝えた時には、

発表の時期が突然だったので

皆すごい固まっちゃって、

静かに涙を流してくれました。

後から色んな子が

声を掛けてきてくれて、

とても愛おしく感じました。

 

昨日も皆に伝えたのですが、自分が本当に

“何かを得たい・掴みたい”と思ったことは、

120%の努力と100%の強い意志、

そして60%ぐらいの勇気があれば、

できる・できないに関わらず、

きっと近づいてくると思います。

 

最初に色んなことを

自分はここまでと決めないで、

頑張っていってほしいなと思います。

私から、もし学びたいと

思ってくれることがあれば、

勇気を出して声を掛けてきて欲しい

ということを伝えました。

 

私は強い意志を持って

ここまでやってきたので、

自分の意志の強さが

大事だと思い、伝えました。

皆が「今後、月組をこういう組にしていきたい」

という強い意志を持って、そこに向かって

120%努力していってくれれば、

きっと大きな花が咲くんじゃないかなと思います。

 

 

【男役13年、これまでの

時間はどのような長さか?】

 

今振り返ってみると、

あっという間だなぁという気がします。

大変なことも本当にたくさんありましたが、

研究科2年の時に、初めて新人公演で

霧矢さんのお役をいただいた時が

私の人生の始まりだったと思います。

 

そこから本当に

色んなものを与えていただいて、

一生懸命頑張ってきました。

色んなことを耐えてきて大変でしたが、

でも必ず、傍で手を差し伸べてくださる方が

たくさんいらっしゃいました

だからこそ

ここまでやってこられたと思います。

 

男役13年というのは、もっと長くいたら

違う景色が見えたかもしれません。

また、男役としてもっと色んなものを

お見せできたかもしれない、

自分もできたかもしれない

ということは、あるかもしれません。

 

しかし、自分としてはその期間に

とても凝縮した、密度の濃い時間を

過ごさせていただきました。

その分色んな経験もさせていただけたので、

全く悔いはないです。

 

 

【下級生の段階で、

トップになった思いは?】

 

(記者から、

「“天海祐希さんに次ぐ”という

表現の重みはどのような重みでしたか?」

という言葉から、天海さんのお名前が出ました)

 

そのようなお言葉(天海さんに次ぐ)を

いただいた時に、私と天海さんは

比べものにならないですし、

「本当に天海さんに対して

失礼だからやめてくれ~!」

と思っていました。

 

私が持っているものは

今ここにあるものしかない。

私は私だから、

自分にできる精一杯の努力をおこなう。

真摯に舞台に向き合っていくことで

時間は掛かっても、多くのお客様や

宝塚を愛してくださる皆さんに、

認めていただけたらいいのではないかな、

と思い、全力でガムシャラに

ただひたすら向き合って、

走り続けてまいりました。

 

 

【トップスターになってからの成長は?】

 

男役として舞台人として、

本当に色んな経験をさせていただいて

“人間として豊かになったのではないかな”

と思います。

 

幸せなこと以上に、辛いことや

苦しいこと・悲しいことも

たくさんありましたが、きっとそれは

この先の人生を生きていくうえでも、

ここで乗り越えてきたことは、

自分にとって大きかったはずです。

 

色んな人の色んな思いを

受けたことによって、常に

人の気持ちに寄り添うことができました。

 

真ん中にいる子達だけではなく、

舞台の端にいる1人でも

取りこぼしたくないという思いに繋がり、

より組のみんなが愛おしく思えました。

 

(トップスターになってからの時間は)

とても意味のある時間だったと思います。

内面的に成長させていただきました。

 

 

【初舞台の思い出】

 

初観劇が月組で、

そのあともずっと月組ファンだったので、

月組で初舞台を踏めると聞いた時は

本当に嬉しかったです。

 

初舞台のお稽古に入っても

「はっ!あの、おとめで見ていた〇〇さん!」

「映像で見ていた〇〇さんが踊って…

数メートル先にいる!」

毎日が夢のようで、

すごくドキドキしていました。

 

同期生全員で出させていただいた

ロケットも思い出深いですし、

ランベスウォークに初舞台生全員、

2階の客席降りで出させていただき、

それも今思うと、とても貴重な経験だったなと思います。

 

また、その時に本舞台で踊っていらっしゃる

上級生の方たちが、2階にいる私たちに

すごく目線を送って下さいました。

「なんて温かい空間なんだろう。

すごく幸せだな」と思ったことを、

すぐに思い出せるぐらい、幸せな思い出です。

 

 

また、続けてロケットの大変さについて

記者から質問が出ると、

「いや~、きついですね!」と

笑顔で答えてくださり、

「がむしゃらになってお稽古していたので、

ハードでしたが、全てが充実していました。」

と、楽しそうに初舞台を振り返り、

お話してくださいました

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

 

【思い出の作品や場面は?】

 

『グランドホテル』です。

実際にトミーさんに、

最後の回転扉で出てくるところを

演出していただいた時の、

あの空気感は今でも忘れられません。

本当に鳥肌が立ちました。

 

他には、『All for One
~ダルタニアンと太陽王~ 』や

『BADDY(バッディ)-悪党(ヤツ)は

月からやって来る-』など、

素敵な作品に恵まれました。

 

そして、前回

『赤と黒』の再演をさせていただきました。

宝塚らしい作品が、少し久しぶりだったので、

宝塚の素晴らしさ・世界観の美しさを感じました。

 

また、柴田先生・寺田先生、

諸先輩方への敬意と、

「自分は宝塚の男役が好きで

ここに入ったんだな」ということを、

改めて作品を通して実感することができ、

『赤と黒』とジュリアンに出会えたことが

幸せだったなと今、本当に心から思います。

 

この質問の際、記者から

「“一番の”思い出の作品は?」と聞かれ、

「本当に選べないのですが、

1つじゃないとダメですか?」と聞く

珠城さんがとってもチャーミングでした

 

そして、たくさん思い出の作品・場面を

挙げてくださいました

 

 

レビュー・ステイションからは、

様々な海外ミュージカルに

挑戦された珠城さんへ

このような質問をさせていただきました

 

【数多く海外ミュージカルに出演され、

どのような影響を受けたか?】

 

今まで、様々なミュージカル作品に

挑戦させていただきましたが、

作られた国やテーマによって

全く異なった色があるのだなぁと感じました。

 

同じ国で作られていても、

テイストが違うものが

こんなにあるのかということも、

様々な作品を通して学びました。

 

音楽を通して芝居を表現することや、

感情を豊かに表現することは、

ミュージカルを通して

たくさん学ばせていただいたことです。

 

 

そして、宝塚らしい華やかな衣装はもちろん、

シンプルなシャツやニットも似合う珠城さんに

「作りこまれたというよりは、ナチュラルさも

珠城さんの魅力の1つだと思うのですが・・・」

と、レビュー・ステイションから

もう1つ質問をさせていただきました

 

【どのような男役を目指してきたか?】

 

下級生の頃から、とにかく

男らしい男役になりたい・

包容力がある男役になりたい

と思い、やってきました。

 

様々な作品を通して、お客様が舞台を見て、

夢を見ていただくことはもちろん、

舞台を下りても

「あぁこういう人がもしかしたら

現実にもいるかもしれない」と、

夢を日常でも、余韻に浸って

生活していただけたらいいなと。

舞台はもちろんですが、

普段の“珠城りょう”としての

男役の居方も考えました。

 

役を演じるというより、

“役として生きる”ということを

常にテーマにして

芝居に取り組んできましたので、

そのようなところから

ナチュラルさというのが

自然と出ていたのかもしれないです。

 

 

 

【男役完成形は?今はどの辺り?】

 

下級生の時にも思っていましたが、

シンプルな衣装で

ストンと入れるかどうかで

男役度は変わると思います。

 

下級生の頃に上級生の方から、

“大きな・豪華な衣装ほどごまかしが利くけど、

シンプルな衣装ほど内面や、男役として

完成していないと、舞台に立つことが

成立しないから難しいんだよ”

ということを教えていただきました。

 

まだまだ最後まで成長し続けて

卒業していきたいと思っていますので、

今、完成しているわけではないと思います。

 

前回の『赤と黒』のフィナーレナンバーで、

黒燕尾で少しだけ1人で

踊らせていただく瞬間がありました。

その時に、この空間を

埋めれるようになっている気がして、

1人でそこに立たされることに

不安がありませんでした。

それは、4年近い年月で

少しでも男役として

自分が成長したことなのかなぁと、

舞台に立ったときに感じました。

 

 

【退団後の予定は?】

 

まだ何も決まっていません。

今はとにかく最後まで男役を追及して、

宝塚の男役を存分に楽しみ、

きちんと次の代に

引き継いでいけますように

ということしか考えていないです。

 

 

【結婚の予定は?】

 

ありません。月組のみんなにも

“今日絶対に(結婚についての)

その質問があると思うので、

面白い返ししてきてください!”

って言われましたが、今のが限界です(笑)

 

この質問が出ると、珠城さんは

ご自身の手を見つめながら

“あ~…見えないな~・・・”

 

と、茶目っ気たっぷりに

お答えくださいました

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

 

【ファンの皆さんへ】

 

今、このような状況で、2月の頭に

名古屋公演に送り出してもらってから、

ファンの皆には直接会えていません。

自分の退団どうこうではなくて、

皆がどうしているかなということを

ずっと気にしながら、お稽古していました。

 

私がトップになってから、トップになる前から

応援してくださっていた方は、もちろんですが、

この数年トップになってからは

本当に山あり谷ありでした。

 

色んなことがありましたが、

ファンの皆さんがいてくださらなかったら、

ここまで頑張ってこられなかったです。

 

この場をお借りして言わせていただくなら、

本当にどんなに辛い時も、

一緒に耐えて闘ってくれた

ファンクラブの代表・スタッフ、

付いてきてくれたファンの皆。

その存在全てがなかったら、

今、私はここにいられていません。

皆が色んなことを分かったうえで、

守ろうとしてくれたことがすごく嬉しくて。

だからこそ私は強くいられました。

そして、いつも笑顔で

舞台に立つことができました。

今はこのようなご時世ですが、

私の退団のニュースを暗い話だと

受け取ってほしくはありません。

 

私は、次のステージに進む

大きな1歩を踏み出したと思い、

これからも明るく前向きに踏み出し、

まっすぐ歩いていきたいと思います。

最後まで付いてきてくださったら

嬉しいなと思いますし、本当に

心からありがとうと伝えたいです。

退団する日までよろしくお願いします。

また、会える日を楽しみにしています。

 

 

 

 退団会見冒頭から

ウルウルとされていましたが、

その中でも月組の皆さんについて、

そして、ファンの皆さんについての

お話になるたび、

涙を流されていた珠城さん。

 

支えてくださった周りの人を大切に想い、

心から感謝していることが、

とても伝わり、温かい気持ちになりました

 

 

月組トップコンビ

珠城りょうさん・美園さくらさんは、

 

ロマン・トラジック

『桜嵐記(おうらんき)』

 

スーパー・ファンタジー

『Dream Chaser』

この公演にて、宝塚歌劇団をご卒業されます。

 

(退団公演につきましては、

退団会見をおこなわれました

3月17日時点での情報となります)

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA