宝塚バウホール 花組公演 バウ・ミュージカル 『PRINCE OF ROSES-王冠に導かれし男-』

 

宮村裕美です

 

現在、宝塚バウホールにて上演中

 

バウ・ミュージカル

『PRINCE OF ROSES

-王冠に導かれし男-』

 

 

この公演は、作・演出を担当された

竹田悠一郎さんの宝塚バウホールデビュー作品です。

 

主演は、宝塚バウホール初主演となる

100期生の聖乃あすかさん。

 

なんと、演出家の竹田さんも

聖乃さんと同じく、

宝塚歌劇100周年の時に入団されました。

 

 

物語は、イングランド史における

ランカスター家(赤薔薇)とヨーク家(白薔薇)が

二分して権力闘争をおこなった、

薔薇戦争から展開していきます。

 

 

聖乃あすかさん演じるヘンリー・テューダーは、

国王に謁見します。

彼は居合わせた全ての者に、彼こそ

王冠を戴くべき男だと予感させるも、

エドワード4世が国王に返り咲き

亡命を余儀なくされます。

 

高翔みず希さん演じます

ヘンリー・テューダーの叔父

ジャスパーの言葉に促され、

ヘンリー・テューダーは海を越えて

隣国、ブルターニュへ渡ります。

 

ブルターニュでは、様々な目的を持つ人物が

ヘンリー・テューダーを取り巻いています。

国と国の駆け引きや政権をめぐる策謀など、

孤独の中でもがきながらも

自らの進むべき道を模索し続けます。

 

ヘンリー・テューダーは、薔薇戦争で

最終的に勝利し、テューダー朝を開き、

のちにヘンリー7世として国を治めるのですが

これまで謎に包まれた人物とされてきた

ヘンリー7世にスポットを当てた物語です。

 

 

薔薇戦争が舞台であり、タイトルにも

「ROSES」バラが入っている通り

セットもバラの模様が彫られており、

その薔薇の部分は、赤や白に光り

場面ごとの演出をよりドラマティックにしていました。

 

また、今回どの衣装も豪華で華やかなものが多かったです。

 

 

争いをおこなうことなく

王の座に就けるかと思いきや、

亡命や戦い

数々の困難を乗り越え、勝利を掴む

ヘンリー・テューダーを演じられるのは、

聖乃あすかさん。

 

 

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プログラムにて、竹田さんが

ヘンリー・テューダーと聖乃さんに

重なるものがあると

仰っているところがあるのですが、

物語を見終わると

その意味がよくわかりました。

 

ストーリーの冒頭から

凛々しく気高く美しいのですが、

自分を取り巻く人々との関係や

戦いを経て、少しずつ

より強く成長していく役は、

公演ごとにさらに成長されていく

聖乃さんのタカラジェンヌとしての

これからの歩みと重なると思いました。

 

マントやコートなど

裾の長い衣装が多かったのですが、

長いマントを翻して戦う姿、踊る姿は

非常に美しくかっこよかったです。

ただ強いのではなく、強さを囲む優しさ

人としての誠実さには、聖乃さんの

魅力的な人柄が反映されているようでした

 

 

花組バウホール公演写真4

 

 

ヘンリー・テューダーの前に

突然現れる謎の女性、

イザベルを演じるのは、星空美咲さん。

 

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登場された時から、パッと目を引く

美しさと可憐さを兼ね備えていて、

どの場面でも本当に華やかで目を奪われました

 

物語の中で、賢い女性だと

説明されるセリフがあるのですが、

ヘンリー・テューダーを助けるため

懸命に力を尽くすその姿や

ヘンリーが戻ってくるまで辛抱強く待つ姿など

ただ可憐なだけではなく、

信じる強い心を持っているからこそ

よりその美しさが輝いているのだろうと感じました。

 

 

ヘンリーと対立する

グロスター公を演じるのは、優波慧さん。

 

グロスター公は、敵・味方関係なく

身内の命を奪ってでも、王の座を手に入れる!

と、どこまでも悪い男です。

 

しかし、いざ王冠を手にしたものの

幸せを手に入れることはできませんでした。

 

王の座を手にするまでは、自信に満ち

自分の道を突き進みますが、2幕からは

心の不安定な部分や情緒も描かれるため、

舞台では様々な表現が必要となりますが、

優波さんが見事に演じられていました。

 

花組バウホール公演写真2

 

ランカスターの騎士、

ヘンリー・スタッフォードを

演じられるのは、希波らいとさん。

 

ランカスター家の人物でありながらも、

ヨーク家のエリザベス・ウッドウィルに

育てられてきたというのもあり、

周りの人を信じられず育った

ヘンリー・スタッフォード。

 

しかし、ヘンリー・テューダーと

出会うことで、自分の思いが固まっていき、

のちにはヘンリー・テューダーを

大切な場面で助けてくれる一人です。

 

不安定な感情から徐々に確立され、

自分の強い意志で行動をおこす演技が素敵でした。

 

 

グロスター公の妻、アン・ネヴィルを

演じられるのは、美羽愛さん。

 

感情を表さず、強い意志をもって

生きる人物の一人ですが、

自分の思いを秘めているものの

抑えた芝居が、美しさの中に

より気高さを感じ、魅力的でした。

 

 

 

皆さん素敵な作品でしたが、

今回の公演で特に私が注目をしたのは

トマス・スタンリーを演じられる、

一之瀬 航季さん。

 

ヘンリー・テューダーの母、

春妃うららさん演じる

マーガレット・ボーフォートとの場面や、

優波さん演じるグロスター公との場面も多く

この人は誰の味方なのか?

どちらの家側の人か読めず

悪い人にも見えるのですが、

実はヘンリー・テューダーこそ

王の座にふさわしいと思っている人物の一人です。

 

感情の読み取りづらさや、

人間関係が複雑に交差する中で

うまく立ち回るお芝居が非常に印象的でした。

 

 

 

お芝居後のフィナーレも赤い衣装や照明、

男役の燕尾服のポケットには

一輪の真っ赤な薔薇がささり

娘役の髪にはバラの髪飾りが付き、

情熱的な赤が広がる、ドラマティックな雰囲気に包まれていました。

 

 

デュエットダンスでは、

聖乃さんと星空さん、優波さんと美羽さんの

2組のカップルが踊る

ダブルデュエットダンスがおこなわれます。

 

そのあと、最後には舞台に

聖乃さんだけが残るのですが、

そこで披露されるのは全身を使った

エネルギッシュでダイナミックなダンス!

 

美しい表情のまま、激しく一人で踊る姿には

お客様皆さんが思わず集中してしまうであろう

強いオーラを感じました。

 

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今回、専科からは万里柚美さんが

出演されているのはもちろん、

花組組長の高翔みず希さん

副組長の冴月瑠那さんをはじめ、

多くの上級生が落ち着きのある姿で

舞台を引っ張ってくださっています。

 

主演の聖乃さんをはじめ、若手の皆さんが

全力で舞台にまっすぐと向き合う姿が

より素敵に見るのは、

上級生の皆さんが包容力と安定感で

舞台を支えてくださっているからこそだと感じました。

 

主演の聖乃さんの熱いエネルギーはもちろん、

周りの皆さんの

聖乃さんのバウホール初主演公演を

支えよう、盛り立てようという

多くの優しさ・熱量を感じる、魅力的な舞台でした

 

 

現在、宝塚バウホールにて上演中、

花組公演 バウ・ミュージカル

『PRINCE OF ROSES-

王冠に導かれし男-』は、

2月7日(日)までの上演です。