宝塚バウホール 星組公演 ミュージカル・ロマン 『マノン』

 

宮村裕美です

 

宝塚バウホールにて現在、上演中

 

星組公演

ミュージカル・ロマン『マノン』

 

 

この公演は、フランスの小説家

アベ・プレヴォーの

「マノン・レスコー」をもとに、

物語の舞台を19世紀スペインに移して

ミュージカル化した作品。

 

2001年に花組の

瀬奈じゅんさん主演で上演され、

今回が20年ぶりの再演となります。

 

 

作・演出は中村暁さん。

 

主演を務めるのは、愛月ひかるさん。

 

 

この公演は宝塚バウホール、

そしてKAAT神奈川芸術劇場でも行われます。

 

物語は、セビリヤの名門貴族、

青年ロドリゴが、情熱的で自由奔放な

マノンと出会うことで、

マノンなしでは生きられず、愛を求め、

周りをも巻き込んでいくというお話。

 

物語の最初、プロローグは

愛月さんが一人で登場し、

赤いライトに照らされる中

情熱的なフラメンコを踊られます。

 

そこに、出演者の皆さんも登場され、

熱く激しく踊ります。

舞台がスペインということで

ここからぐっと物語に引き込まれていきます。

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

愛月さんが演じるのは、名門貴族で

エリートコースを選べた青年、ロドリゴ。

 

プロローグ後に登場する時の衣装、

鮮やかな水色のジャケットに黄色のスカーフ。

その姿は爽やかで品に溢れ、

まさに貴族のお坊ちゃまそのもの。

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

どんな時も、何があっても、ただひたすらに

真っ直ぐにマノンを愛する姿が非常に魅力的で、

その真っ直ぐなお芝居からは、

家族や友人、周りに何を言われても揺るがない、

マノンに対する強く深い愛が伝わってきます。

 

自分がボロボロになろうとも、

マノンを求め、マノンを助けに行く姿…

物語の結末は悲しいものではありますが、

これだけ愛に生きられることは

幸せだろうなと感じられる、

愛月さんの熱のこもった演技に引き込まれました。

 

マノンを演じる有沙さんに向ける

愛月さんロドリゴの全ての言動、

優しい目線や強く抱きしめる姿・

どんなときも守ろうと自分が前に立つ姿など、

どの言動もマノンへの愛が原動力だと感じられ、

一度でいいからこんなに愛されたい!と、

見ていてついつい思ってしまいますよね

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

 

自由奔放に生きる

マノンを演じるのは、有沙瞳さん。

 

ロドリゴに見せる可愛らしい少女の微笑み、

フェルナンドにアクセサリーをプレゼントされ

無邪気にはしゃぐ姿、

マノンを囲おうとする

アルフォンゾ侯爵に接する色っぽい姿、

 

どれも取り繕ったり作られたものではなく

自然とその男性ごとに見せる

様々な表情、自由な姿は、

気づかぬ間に好きに、虜になってしまいます。

 

私も自由奔放な有沙さんマノンに

振り回されたい…と、つい思ってしまいました(笑)

 

しかし、そんなマノンもロドリゴの

一途な愛を知ることで、最後は互いの想いを確かめ合う二人。

 

ロドリゴのことを苦しめてきたものの、

本当はマノンもロドリゴを狂おしいほど愛していました。

「あなたと一緒にいて幸せだった」と

ロドリゴの腕の中で微笑む姿は、

まさにロドリゴが愛したマノンの姿なのだろうなぁと、感じました。

 

 

愛月さんとのお芝居はもちろん

有沙さんが、輝咲玲央さんフェルナンド・

朝水りょうさんアルフォンゾ侯爵と、

それぞれの男性の前では

また表情や感情が異なった

様々なマノンの顔を見ることができ、

相手ごとに魅力が変わる有沙さんのお芝居が素敵でした

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

 

ロドリゴの友人

ミゲルを演じるのは、綺城ひか理さん。

 

ロドリゴがマノンと駆け落ちし、

いなくなった後も

マドリードの街へ探しに行くなど

ロドリゴを大切に思うからこそ、

マノンとの別れを選ぶよう促します。

 

友人を大切に思うも、ロドリゴ自身に

その思いが届かないのが苦しいところ。

綺城さんミゲルのお芝居からは、

心から友を思いやる温かな気持ち

だからこそ、互いの気持ちが通じ合えない

悲しさやもどかしさ、

ミゲルの優しさが痛いほど伝わってきました

 

初演ではなかった、ミゲル一人で歌う場面では、

友への強い気持ちが素敵な歌声で表現されていました。

 

 

 

マノンの兄

レスコーを演じるのは、天飛華音さん。

 

マノンが貴族の青年と一緒になったことを知り、

お金をせびりにあらわれる嫌な兄…

かと思いきや、どうしても

マノンに会いたい!

マノンを助け出したい!という

ロドリゴに協力をする、妹のことを想う兄。

 

お芝居に合わせて様々に変わる表情が魅力的で、

同期の水乃ゆりさん演じる、恋人のエレーナとの

やり取りがどれも可愛らしかったです

 

 

ロドリゴを取り巻く人物たち

この公演で退団されます、桃堂純さん演じる

ロドリゴの兄、ホアンなど、

どの役の方も素敵でしたが

特に印象に残ったのは、ロドリゴの母

オリベイラ夫人を演じる、紫月音寧さん。

 

マノンと駆け落ちをして、父親たちに

家に連れ戻された時に、父にひどくられたロドリゴ。

父からの言葉、そしてマノンに会えない現実に

落ち込むロドリゴを、

とても心配そうに見つめていた姿が印象的でした。

 

二幕では、修道院にいる

ロドリゴに会いに行きます。

会った時の第一声

「ロドリゴ、元気にしていますか?」

ロドリゴと名前を呼びかける声に

優しさと愛が溢れ、息子のことを

心から大切に思っていることが伝わってきます。

 

 

どこまでも深い愛情で、ずっとロドリゴを

これまで見守ってきたのだろうなと、

母の深い愛を感じる紫月さんのお芝居に

思わずウルウルしてしまいました。

 

 

この公演、お芝居後にはフィナーレが

あるのですが、なんと愛月さんが主演された

小劇場でフィナーレが付くのは今回が初めてだそうです!

 

まずは、真っ赤な衣装の綺城さんが登場され、

真っ赤なドレスの娘役皆さんと踊られます。

 

先ほどまで優しいミゲルを演じていた

綺城さんですが、この場面では、

バチバチに熱い視線を

客席に向ける姿がかっこよく、

このギャップにときめいた方も多いのではないでしょうか

 

続いて、フリルの付いた

真っ白のシャツの愛月さんが登場され、

全身黒い衣装の男役、皆さんと群舞です。

ゆったりとした衣装だからこそ、

腕を高く上げたり、広げた際に

より振り付けが美しく見え、迫力がありました。

 

クラシカルな振り付けだからこそ、

踊る皆さんの宝塚らしい美しさに目を奪われます。

 

 

最後はデュエットダンス。

舞台奥から真っ白のドレス姿の有沙さんが登場されます。

 

激しく踊るデュエットダンスというよりは、

お芝居の延長のような、優雅で優しく美しく

温かな空間が広がります。

 

お二人が手を取り合い、見つめあう姿は、

まるでロドリゴとマノンが

気持ちを通じ合わせているかのようでした。

 

微笑みあう姿は幸せに溢れ、

お芝居で悲しい気持ちになってしまった方も

優しい気持ちなれるデュエットダンスです

 

ちなみに、なんと

このデュエットダンスの振り付け、

初演の瀬奈じゅんさんと彩乃かなみさんの時と

全く同じ振り付けだそうです。

 

 

愛月さんといえば、

華やかで豊かな表現のできる

愛月さんだからこそ演じられる、

個性の強いキャラクターを演じる機会が

これまで多かったと思います。

 

そんな、様々な役を演じてこられた

愛月さんが改めて演じる、王道の宝塚作品。

 

爽やかで麗しい貴族の青年。

しかし、マノンに出会ってからは、愛にすべてを捧げる道へ。

 

マノンのことになると

自分の気持ちが抑えきれず

情熱的な部分が強くなりますが、

それもマノンへの強く深い愛情だからこそ。

 

役の心情と共に

表情や雰囲気が変わっていく様子にも、

これまで愛月さんが他の役や公演で

培ってこられたところから、

魅力的にロドリゴを演じていました

 

また、ショーなどでも

よく組んでいる印象のあった

愛月さんと有沙さんのお二人。

とてもお似合いのお二人で、

二人が惹かれあうのも納得の麗しさでした。

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

 

現在、宝塚バウホールにて上演中

星組公演 ミュージカル・ロマン『マノン』は、

7月12日(月)までの上演です。