たからづか8丁目35番地(水)「川柳の時間」ブログ版

みなさんこんにちは!

たからづか8丁目35番地・水曜日

パーソナリティーの山崎彫科です。

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「川柳の時間」

8月3日は 茉莉亜 まり さんにお越しいただきました。

たくさんのご投句ありがとうございました。

 

 

8月の茉莉亜まりさんの一句は

 「ふるさとを持たぬ人へと桃を剥く」でした。

 

いただいたご投句の中で、番組内でお読みできなかった川柳の抜粋です。

 

○人造の暑さに唸るかたつむり

           和音

 人間の都合、便利を求めた結果でもある昨今の暑さにかたつむりは唸っている。自然は悲鳴を上げている。巡り巡って当の人間も。

 

○微分して求めた愛の半減期

       猫又夏梅堂

どうして減ってきたのだろう。どこが半減した地点だろう。微分で半減期を割り出してはみたものの「愛とは」「その深さとは」などとさらに考え込むことでしょう。

 

○朝よりの二人夕立遣り過ごす

       カッシュママ

朝からしずかな時間を共にしていた二人。話をしたりしなかったりごはんを食べたりまどろんだり。夕立が過ぎれば、それぞれの人生へと戻るのかもしれません。

 

○月読命(つくよみ)に祈る皆が泣かぬよう

       西尾幸恵

天照大御神の弟神のひとり、夜を統べる月読。記紀でその像は若干異なるが、日々を過ごしてのち、夜を迎えての月への祈りは、しずかな鎮めの祈りであろう。

 

○一人だけ嘘をついてる夜の風

 砂狐

やむにやまれに吐くやさしい嘘なのだろう。罪は一人で負うつもりの、だれかのための嘘が夜の風にそよぐ。

 

○片言の潜在意識蝶となる

         高良俊礼

潜在意識のことばははっきりとしたことを伝えない。そのたしかな気配だけが片言でもれる。完全な意味を伝えないことばは、その化身として蝶となり、自信を離れてゆく。

 

たくさんのご投句をありがとうございました。

  

「川柳の時間」にいただいたご投句の抜粋は、夕凪子、茉莉亜まりも所属する季刊川柳誌「現代川柳」にも掲載させていただいています。

「現代川柳」のバックナンバーを無料見本誌として進呈しています。ご購読、見本誌につきましてはg.senryu@gmail.comまでお問い合わせください。

また、「現代川柳」は7月20日発刊号よりジュンク堂書店三宮店でも販売しています。

「川柳の時間」のでもおなじみの高良俊礼さんと茉莉亜まりさんが、川柳、短歌、詩、エッセイを収録した文芸詩『pico luna』(繊月舎・500円)を発刊されました。お二人のツイッターに情報を掲載してあります。ご興味がおありの方は是非、お手許にどうぞ。

 

 

文芸コーナー『川柳の時間』

毎月第1週は茉莉亜まりさん、

第2週は夕凪子さんをお迎えしてお届けします。

 

 

これからも皆さんからのたくさんのご投句、お待ちしています。

メールアドレス:fm@835.jpに

「 水曜日の川柳コーナー」宛でお送りください。

番組当日朝8:30まで募集しています♪

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加古川の橋の上から見上げた夏空です。

写真:茉莉亜 まり さん