たからづかブリーズサンデー「川柳の時間」ブログ版

毎週第1・第2の日曜日の9時台にお送りしています・・・

「川柳の時間」

今週、ご紹介した投句とお時間の関係でご紹介できなかった句を紹介する

「川柳の時間」ブログ版です。

講評は、茉莉亜まりさんです。

 

徳道かづみさん

「酒場から酒場へ泳ぐ回遊魚」

・・・一句として鑑賞すれば、楽しいお酒であちこちという風景もありですが、

   かづみさんは連作にようにお寄せ下さいました。

「世間では極道娘なのあたし」

「午前二時酔うて呟く『お母さん』」

・・・これら3句を連作のように寄せて下さいました。

   人生という荷を背負って帰るに帰れず、

   回遊する、かなし気な背中が透けてきます。

   極道娘として、生きる娘が真夜中呟く「お母さん」。

   回遊しても酔い切れないままの背中はふるえています。

 

城水めぐみさん

「不都合を隠すつもりの首飾り」

・・・不都合を隠すため、完全無欠に着飾る。

   女は時にこうしてやわらかな自分を守ります。

   化粧をし、髪を整え、洋服を選んだら、

   これで大丈夫、とキメの首飾りを。

 

前田邦子さん

「地図拡げオモチャのバスで旅に出る」

・・・大きく拡げた地図。

   旅の手段は、というと・・・

   豪華客船でも、

   飛行機のファーストクラスでもなく、

   オモチャのバス!

   拡げた地図の上でだけの旅!!

   せめて心だけは自由自在に解き放ってくださいね。

 

中川浩さん

「ヒト科ヒトごくりと動く喉仏」

・・・「ヒト科ヒト」という

   突き放した乾いた上五から中七、下五で、

   一気に「人間」が立ち上がります。

   「喉仏が動く」は、生きている証!

   動く限りを人間として、やっていきましょう!!

   みなさんも!

 

 

みなさん、今週もたくさんの投句、ありがとうございました。

次回は夕凪子さんが担当します。

 

なお、来月は「8月」がテーマです。

次回の茉莉亜まりさんの登場は、8月5日となります。

8月の香りのする十七音字のドラマをお待ちしております。

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