たからづかブリーズサンデー「川柳の時間」ブログ版

毎週第1・第2の日曜日の9時台にお送りしています・・・

「川柳の時間」

今週、ご紹介した投句とお時間の関係でご紹介できなかった句を紹介する

「川柳の時間」ブログ版です。

講評は、茉莉亜まりさんです。

 

今週もたくさんの投句をいただきまして、ありがとうございます。

 

城水めぐみさん

「自画像の瞳をわざと塗り残す」

・・・自画像は、人は目で決まります。

   自分が覚束なくて残したのか。

   あるいは、自分がなにものであるかを悟られないように

   と、いう故意かもしれませんね。

 

徳道かづみさん

「迷子札夢を探しているのです」

・・・礼を首から下げて、子供のように迷っているかづみさん。

   夢はコレ・・・

   と言えないままの彷徨い。

   いつか終わりが来たら、迷子礼。

   引きちぎってください!

「風の音ラブソングなら聞き飽きた」

・・・風に紛れての捨てゼリフ。

   「カッコイイ」と思いつつ、

   本当は渾身のラブソングを待っているのかもしれませんね。

   唯一無二、かづみさんのためだけに歌われる。

「脱皮するあたし あたしであるために」

 

前田邦子さん

「月光のように見つめてくれる犬」

・・・やわらかくやさしい月明かり。

   そう、犬のまなざしには微塵の悪意もなく、

   ただ人への愛だけ。。。

 

門前喜康様

「わたくしは涙は拭かず風まかせ」

・・・涙は風に乾かしてもらう。

   拭く暇があるなら、流したまま

   前へ前への気風のよさ。

   「わたくしは」をたとえば「天高し」とすると、

   さらにいい風が吹くかもしれません。

 

芍薬様

「人生の要所要所にいる京都」

・・・ここという時には、京都を訪れて京都に「居る」。

   京都はそんな大切な場なのですね。

   「要る」としても同じ。

   あるいは、人生の要所には京都が居る

   と擬人化した「京都」と読むことができますね。

 

黒田俊さん

「十月の風『好きです』と言う糸電話」

・・・さらりとやさしい風。

   そっと伝える「好き」。

   ぴんと張った糸が、心のふるえのように

   風に揺れていますね。。。  

「捨てられぬ夢と一緒の渡る橋」

・・・橋の上から捨てれば、楽かもしれない。 

   けれど、夢は夢。

   携えて橋を一本、また一本と、

   渡って行ってください。

「神輿担(か)ぐ若者も減り過疎の町」

「秋空にたなびくシャツは応援旗」

「スコップひとつぽつり残っている砂場」

 

背馬さん

「星空を守るしかない清掃員」

・・・星空を守っているのは、

   あの清掃員さんだったのですね。

   感謝です!

   いつまでも守っていてください!

   みんなの星空を。。。

「秋空がヨドバシカメラの上にある」

「空蝉も亡骸も消す」

 

 

みなさん、今週もたくさんの投句、ありがとうございました。

次回は夕凪子さんが担当します。

 

なお、来月は「11月」がテーマです。

次回の茉莉亜まりさんの登場は、11月4日となります。

11月の香りのする十七音字のドラマをお待ちしております。