たからづかブリーズサンデー「川柳の時間」ブログ版

毎週第1・第2の日曜日の9時台にお送りしています・・・

「川柳の時間」

今週、ご紹介した投句とお時間の関係でご紹介できなかった句を紹介する

「川柳の時間」ブログ版です。

講評は、茉莉亜まりさんです。

 

今週もたくさんの投句をいただきまして、ありがとうございます。

 

城水めぐみさん

「かくれんぼしてるみんなの同じ顔」

・・・子どもたちの喜々とした顔もあれば、

   大人のかくれんぼは

   「私じゃない」

   「僕じゃない」

   のかくれんぼかもしれません。

   何かから隠れようとする人たち。

   みんな同じ顔をしています。

 

徳道かづみさん

「蜜に蟻集う 正義ちはなんだ」

・・・正義ではなく、甘き安きに流れる蟻。

   声高に一つの正義を叫ぶのも怖いときもあるけれど、

   自分の中にはいつも揺るがぬ正義の軸を持っていたいですね!

「秋晴れに要らない友を整理する」

・・・すこんと秋晴れ。

   年を経るごとに「フクザツカイキ」となる人間関係も、

   この秋空のすっきりに乗じて整理。

   これからの人生、良き友だけに囲まれて。。。

「反抗期この世に舌を突き出して」

・・・大人だって反抗期でいい!

   何にでも従うなんてまっぴら!!

   世に舌を突き出す心って・・・川柳の心に通じます。

   これからもいきましょう!

   舌出したまんま、五・七・五を携えて。。。

 

多陀洋さん

「忘れたい人がいるんだ砂時計」

・・・さらさらと落ちる砂と共に忘れ去れたなら、と思う人。

   それでも、砂の落ち切った途端、

   ぽっかり空洞となって、また時計をひっくり返す・・・

   忘れられない人。

「埋め立てた場所からミスが生えてくる」

・・・埋めて、やれやれと胸をなでおろした。

   “なかったことに”

   と思っていたら、

   「そうはいきませんよ。あなた」

   とミスがにょきっと出現!

   天地はあざむけませんよ、と!

「鳥かごに一枚青い羽根残す」

・・・かごの中で、それなりの幸せだった青い鳥。

   守られて、エサも貰って、温くて・・・

   それでも鳥は、

   「自分の空を生きよう」と、かごを出た。。。

   「幸せだったわ」

   と、羽1枚を置手紙にして。

 

パーソナリティー・岸田久美子

「耳ふさぐふみしめる音カサコソト」

・・・落葉を踏む音ですね。

   川柳では心を詠みますので、どんな気持ちで踏んでいるかが

   詠みこめるといいですね。

   天を仰いで、地面へと読者の視点を移すという展開にして

   「秋天や落葉踏む想い出を踏む」

   などとすると、秋のドラマが仕立てあがります。

 

みなさん、今週もたくさんの投句、ありがとうございました。

次回は夕凪子さんが担当します。

 

なお、来月は「12月」がテーマです。

次回の茉莉亜まりさんの登場は、12月2日となります。

12月の香りのする十七音字のドラマをお待ちしております。