たからづかブリーズサンデー「川柳の時間」ブログ版

毎月、お楽しみいただきまして、ありがとうございます。

毎週第1・第2の日曜日の9時台にお送りしています・・・

「川柳の時間」

今週、ご紹介した投句とお時間の関係でご紹介できなかった句を

講評とともに紹介する「川柳の時間」ブログ版です。

講評は、夕凪子さんです。

 

 

まずは、番組内で紹介した句を紹介いたします。

 

城水めぐみさん

「白い布ひらひら樂になれました」

 

猫又さん

「唇に金管熱き甲子園」 

 

みくさん

「花火ドン明日は太陽取りにいく」

 

英輔さん

「ミニトマトぎゅっとにぎって花火ドン」

 

サーシャさん

「不揃いのトマト明日も天気かな」

 

千加子さん

「憧れの芝生も犬ももういらず」

 

紀子さん

「カラリカラリ中で特賞ころがった」

 

広子さん

「庭の芝はげて二人も倦怠期」

 

まりこさん

「梅雨明けのように最期を話題にす」

 

一橋悠実さん

「クーラーの部屋から生まれだす無音」

 

背馬さん

「満ちてゆく途中の月だから安心」

 

ひでこさん

「パプリカのピクルスぷかり夏の恋」

 

 

ここからは、番組でご紹介でできなかった句を講評とともに紹介

いたします。

 

徳道かづみさん

「錆びついた心を投げる 明日は晴」

・・・錆びないように明日も明後日も晴れ。

   お天気まで味方です。

   頑張れますね。

「ここからは踏み入れさせぬ地雷原」

・・・十数年前、カンボジアに行きました。

   至るところに地雷があって、まだゲリラが出没して。

   原生林に飲み込まれそうなアンコールワットの勇姿。

   観光客も踏み込ませない厳しい姿でした。

   そんなことを思わせる強い意志を感じられました。

「言えなくて喋れないから書くのです」

・・・川柳家は無口な人が多いです。

   話すかわりに書き残すのでしょうね。

   このままでは、当たり前すぎます。

   下五に具象を持っていきましょう!

   「言えなくて喋らないから 夏の蝉」

「白芙蓉裏表ある人でした」

・・・楚々として、もの静かで優しそうで・・・

   実体は・・・。

   あっ、こんな女人!

   いる、いる!!

「正論へぶつけ続ける「それでもさ」」

・・・正論にたじたじとなりながら、

   それでもくり返す「それでもさ」。

   負けをいずれは認めなければならないのに。

   「それでもさ」の「さ」が、負けず嫌いを強調しています。

 

 

ひでこさん

「おでん解禁猛暑を返り討ちにする」

 ・・・冬の鍋料金の定番「おでん」

   この暑さの中で煮ているのです。

   よく冷まして、味を染ませて。

   もう猛暑いなんて負けません!

 

背馬さん

「日が暮れて太陽街に落ちてゆく」

・・・太陽が落ちること、すなわち日暮で当たり前すぎました。

   「太陽が街に落ちる」と見た、背馬さんの「眼」を生かしましょう。

   「太陽はゆっくり街に落ちてゆく」

 

猫又さん

「ご利用は計画的に このキスも」

・・・計画的に利用しなければいけないものの内に、

   「キス」も入れておきましょう。

   と、面白い!

   無闇に使わず、効果的な使用が出来たらいいのだが・・・

   はてはて。。。

 

一橋悠実さん

「ラムネしゅわっ魔が差したのは内緒です」

・・・普段では考えられないような悪念が出てくるのは、

   ラムネのせい。

   私は全く悪くない。

   こんな風に自由なのも川柳です。

   「しゅわっ」の平仮名表記が、

   ラムネの泡のやさしさを思わせてもいい

「こんな日があってもいいじゃないか蚊よ」

・・・「こんな日」と読者にお座布団をあずけ、

   それぞれの「日」を考えさせる句です。

   夕暮れに蚊にさされながら、長いこと立ち続ける。

   悠実さんが、私には見えました。

 

 

みなさん、今週もたくさんの投句、

ありがとうございました。

 

なお、来月は「9月」がテーマです。

9月の香りのする十七音字のドラマをお待ちしております。

 

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