たからづかブリーズサンデー「川柳の時間」ブログ版

毎月、お楽しみいただきまして、ありがとうございます。

毎週第1・第2の日曜日の9時台にお送りしています・・・

「川柳の時間」

今週、ご紹介した投句とお時間の関係でご紹介できなかった句を

講評とともに紹介する「川柳の時間」ブログ版です。

講評は、夕凪子さんです。

 

 

まずは、番組内で紹介した句を紹介いたします。

 

城水めぐみさん

「耳を折りたたんで夜の幕を引く」

 

猫又さん

「虫の音がりりりと漏れる胸の穴」 

 

みくさん

「へび作るあしたこの子に食べられる」

 

英輔さん

「砂浜であそんでいたらぬれちゃった」

 

サーシャさん

「笛を吹くだんだん嘘が遠くなる」

 

千加子さん

「納骨日読経のような蝉時雨」

 

紀子さん

「原爆忌何年経ても怒ります」

 

まりこさん

「控えめに幸せ告げるサンゴ玉」

 

一橋悠実さん

「さよならさよならさよなら秋にしてあげる」

「待ち合わせしようとノートの裏側で」

 

ひでこさん

「秋雨前線とぐろまいてる梨の皮」

 

小林康浩さん

「廃線の駅には鳥の時刻表」

 

徳道かづみさん

「白線の外があたしの領土です」

 

芍薬さん

「バス停で夏の少女を折り畳む」

 

涅槃girlさん

「虹色になるまで試すリトマス紙」

 

多舵洋さん

「愛情を試すリップの色変える」

 

 

ここからは、番組でご紹介でできなかった句を講評とともに紹介

いたします。

 

徳道かづみさん

「決意する蝉の死骸を踏みつけて」

・・・蝉の殻をクシャと踏んで、何を決意したのでしょうか。

   もう戻らない夏を忘れるささやかな行為。

   大丈夫!!

   前に進める!

「あたしきっと愛を知らないかたつむり」

・・・自分の殻に閉じこもっているのではないかと案じるなかれ。

   誰も「愛」なんて知っていないのだから。

   それでも「平気な顔」で生きている。

 

芍薬さん

「はじめから嘘をついてたタンバリン」

・・・賑やかな人だと思わせて、実はそうではなかった。

   本当なんて誰にも見せないところ、タンバリンだけではない。

 

 ひでこさん

「風鈴をかすめる風が肩を抱く」

 ・・・あるか、なしかの風を感じる風鈴のように敏感になっている様子が見えます。

   少しずつ秋の気配が増してゆきます。

 

小林康浩さん

「くらげにも忘れられない夏がある」

・・・めくるめくるような夏の思い出が私にもある・・・

   と、くらげ。

   ふわふわと浮くしか能のないくらげになってしまったけれど・・・

「善い人を続けるために要るお金」

・・・お金があれば、善い人でいられるこの世。

   そのために今日も自分の持ち時間を切り売りしている。

   ああ・・・

 

猫又さん

「誰よりも自分に疎まれ夕間暮れ」

・・・自分を嫌な奴だと思う時のさびしさ。

   秋のせいかもしれません。

   やがて乗越えられますよ。

   中入りが気になりましたが、

   疎まれ、夕間暮れの「れ」のリフレインが、

   効果的に「淋しさ」を表しています。

「君からの手紙はいつも箇条書き」

・・・事務的な便りに「君」のぬくもりをさがす。

   メールが中心の昨今。

   お手紙を書いてくださる事は、

   すなわち特別な人として見ている証拠。

   御安心召され!

 

一橋悠実さん

「シャンプーのポンプが怒る」

・・・夏の間、酷使されたシャンプー。

   ここにきて、疲れがピークになったようです。

   片仮名と漢字の配分が、夏から秋に移ったようにもとれました。

 

 

みなさん、今週もたくさんの投句、

ありがとうございました。

 

なお、来月は「10月」がテーマです。

10月の香りのする十七音字のドラマをお待ちしております。

 

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