たからづかブリーズサンデー「川柳の時間」ブログ版

毎月、お楽しみいただきまして、ありがとうございます。

毎週第1・第2の日曜日の9時台にお送りしています・・・

「川柳の時間」

今週、ご紹介した投句とお時間の関係でご紹介できなかった句を

講評とともに紹介する「川柳の時間」ブログ版です。

講評は、夕凪子さんです。

 

 

まずは、番組内で紹介した句を紹介いたします。

 

城水めぐみさん

「絞ったらきれいな音が雫れます」

 

徳道かづみさん

「吸い殻をくの字に折って頷かぬ」

 

猫又さん

「いつか来た黄金の路を踏みしだく」

 

一橋悠実さん

「コスモスに弱い男がまだいます」

 

ひでこさん

「衣擦れの宮殿包む秋の雨」

 

芍薬さん

「文字数を減らして恋をしています」

 

涅槃girlさん

「週末はダンスホールになる八百屋」

 

嘉代子さん

「叩いても蹴っても青い秋の空」

 

紀子さん

「うずろしい まつ毛二本に泣かされる」

 

 

ここからは、番組でご紹介でできなかった句を講評とともに紹介

いたします。

 

徳道かづみさん

「さんま焼く忘れた恋が焦げている」

・・・さんまを焼きながら、忘れた恋を思い出されているのでしょうか。

   忘れたと言いつつ、決して忘れてはいない私の恋。

   ほら!

   さんまが焦げていますよ!! 

「ごめんねが言えずにいつか消えた人」

・・・いつまでも心に残っている人。

   あの時ひとこと・・・

   「ごめんね」と、言えたら。。。

   今の私はどうなっていたのでしょうか。

   少々の悔いと心残りがまだ蠢めく。

 

芍薬さん

「言うことを聞かない指に見せる空」

・・・ピアノやギター。

   パソコンでも思うように指が動かない時があります。

   作者はその指に空を見せると言う。

   一休みしたら、きっとスムーズに運ぶでしょう。

 

小林康浩さん

「握手拒否された右手が夕焼ける」

・・・出した右手に応じてくれなかった相手。

   下五の「夕焼ける」が完敗でないことを暗示して、ちょっと安心!

   たがが握手。

   それにしてもなぁ・・・

   と読者も夕焼ける。

「ゆるキャラの中からかすかなる嗚咽」

・・・人気者のゆるキャラ。

   実は

   「結構きびしい現実を生きている」

   と見る作者の眼のあたたかさがこの句を生んだ。

「一度だけ母を叱った日の小雨」

・・・大好きな母を叱ったことがある。

   その日を忘れない作者。

   今も「小雨」が降り続いているのでしょう。

   思い続けること。

   そのことをきっとお母様は喜ばれていると思います。

   立派な孝行息子です。

 

かづきさん

「ぼんやりは美しいことおぼろ月」

・・・テレビにも「ぼっーと生きてんじゃねよ!」と言われますが、

   実は「美しい」のだと喝破されました。

   日本人は「あいまいさ」を愛でた民族ではありますもの。    

 

猫又さん

「風邪引かぬように奥歯に着せた衣」

・・・奥歯に衣を着せれば、風邪を引かないとの発想が面白いですね。

   慣用句を逆手に取り、一句にされました。

   「奥歯」が効いています!

 

一橋悠実さん

「カシスオレンジ2杯の恋なんていかが」

・・・ちょっと大人でお洒落な恋でしょうか?

   少しだけ背伸びをして、ステキな恋にいたしましょう!!

「ガードレールのそばの猫じゃらしのもろさ」

・・・猫じゃらしも生える場所によって、

   強くも脆くもなるのでしょうね。

   いつも、強くあらねばなんて気負わず、

   自分らしく生きてゆけたらいい・・・

   なんて、近頃は思うようになりました。

 

ひでこさん

「磨いてる自惚れ鏡秋の暮」

・・・秋はオシャレの季節。

   鏡もセンスも磨いて、街に出ましょう!

   「秋の暮」は便利なフレーズで、

   どんな言葉をも「詩」にしてしまいます。

 

千加子さん

「籠盛りの渋柿剥いて秋惜しむ」

・・・干し柿作り。

   案外と手間がかかり、その分「愛」を感じ、

   美味しさも増します。

   「秋惜しむ」がいいですね!

 

文子さん

「供え物すっかり秋の色になる」

・・・秋を何で感じるかで、その人の生活なり、

   心情なりを推し量ることが出来ます。

   「供え物」に栗やコスモスが登場した作者の日常を思います。

 

まりこさん

「平成の恋遠くなる遠くなる」

・・・平成にはじまった恋が「令和」にて終わる。

   すっかり遠くなってしまった恋ですが、

   ここからが本当の恋になってゆくのかも知れません。

   私なんか「昭和の恋」ですから・・・

   「遠くなる」のリフレインが読む者にいろいろなことを思わせます。

 

 

みなさん、今週もたくさんの投句、

ありがとうございました。

 

9月14日に投稿いただいておりました

赤片亜美さん

「別宅に行くならホクロ置いて行け」

もあわせて、この枠で紹介させていただきます。

 

 

ところで、12月1日の日曜日の「川柳の時間」では、

この1年を振り返り、皆様の思いを川柳にしたためていただいたものを

紹介してまいります。

元号が「平成」から「令和」に代替わりした、この1年。

日本列島各地で相次いだ気象災害によって、

多くの方の命が失われるなど甚大な被害をもたらした、この1年。

「京アニ放火事件」に象徴されるように、凄惨な事件も相次いだ、この1年。

様々な出来事が走馬燈のように駆け巡った、この1年。

皆様の「この1年」の思いを十七音字に込めてください。

ふるってご応募ください。

お待ちしております。

 

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