たからづかブリーズサンデー「川柳の時間」ブログ版

 

毎週第1・第2の日曜日の9時台にお送りしています・・・

「川柳の時間」

今週、ご紹介した投句とお時間の関係でご紹介できなかった句を紹介する

「川柳の時間」ブログ版です。

講評は、茉莉亜まりさんです。

 

今週もたくさんの投句をいただきまして、ありがとうございます。

まずは番組の中で紹介した句を掲載します。

 

背馬さん

「裏付けのあるしっかりとした背骨」

 

一橋悠実さん

「浅い海きっと許してくれている」

「深い海きっと諦めたのだろう」

 

芍薬さん

「ふるさとの出汁で卵を煮れば雲」

 

芦沢潤さん(初投句)

「雪月花 宙(そら)には星が舞っている」

 

猫又さん

「渡れたね荷物は置いて猫になる」

 

徳道かづみさん

「まっとうな犬は尾を振るお手をする」

 

のんびりあんさん

「外れない般若にクスリユビあてる」

 

城水めぐみさん

「詩人ではない右側がよく渇く」

 

多舵洋さん

「三日月の端に善悪かけておく」

 

前田邦子さん

「生きていけ鬼の野太い声がする」 

 

 

ここからは、番組内で紹介できなかった句を紹介します。

背馬さん

「冬日入る窓辺にずっと人おらず」

・・・冬日はうすく、低いので、深く窓から入ります。

   居てほしい人がいない窓辺。

   見上げる人の視線まで感じられる映画のワンシーンのようです。

「跨いでも跨いでもあるガードレール」

・・・行く手に次々と現れてくるガードレール。

   それでも跨げる高さであれば、跨いで、また跨いで・・・

   時に這いつくばって潜るのもあり。

   越えましょう!

   そして、行けるところでまで行きましょう!!

 

一橋悠実さん

「追わないと決めたのですよ寒椿」

・・・冬の空気を割ってぽとりと落ちる椿。

   きっぱりと決めるにはこの上ない花ですね。

   地面で朽ちる花を置き去りに春へ向かいましょう!

「優しさをウラにするのが父の癖」

 ・・・オモテは母に任せ、父はウラにしがち。。。

   無器用な父の優しさをわかっている娘は、

   表裏をちゃんと心得た「オトナ」になったということでしょうか。

 

徳道かづみさん

「幸せが待つ約束はない旅だ」

・・・幸せは待っていないかもしれない。

   なにが起こるかもわからない。

   それでも旅がつづけば、光が射すこともある。

   約束のない旅へとわたしたちは生まれたのですね。。。

 

多舵洋さん

「秒針に残り時間を刻まれる」

・・・ち、ち、ち、ち、と秒針は残酷。

   追い詰められつつも、

   どこかで悠久に流れる時を感じていられるといいですね!

   打倒、秒針!

「傷疼き飛行機雲の空青く」

・・・空の青を裂くように飛行機雲。

   疼きに青がしみるけれど、そこに溜まることのない雲のように、

   傷にも永遠はない。

   そうであってほしいですね・・・

 

 

みなさん、今週もたくさんの投句、ありがとうございました。

次回は夕凪子さんが担当します。

なお、来月は「3月」がテーマです。

次回の茉莉亜まりさんの登場は、3月8日となります。

3月の香りのする十七音字のドラマをお待ちしております。

dav