たからづかブリーズサンデー「川柳の時間」ブログ版

毎週第1・第2の日曜日の9時台にお送りしています・・・

「川柳の時間」

今週、ご紹介した投句とお時間の関係でご紹介できなかった句を紹介する

「川柳の時間」ブログ版です。

今回の担当選者は、茉莉亜まりさんです。

今週もたくさんの投句をいただきまして、ありがとうございます。

 

前田邦子さん

「あなたからいただきました笑い皺」

 

 多舵洋さん

「自販機に礼を言われて黙ってる」

「路地裏を選ぶ迷子になりにいく」

 

 城水めぐみさん

いつもお世話になります。

「やっと目を覚ます地球はまだ青い」

 

 背馬さん

「夢にまで見たのにあっけなく帰る」

「活躍を願うことしかできぬ餅」

「充血し膿も出てくる健康体」

「傘壊す程の風吹く家の中」

 

 一橋悠実さん

「恋の基本でしょうか山桃をかじる」

「足しても足しても足してもハラペコなスマホ」

「おっきいミミズのおはなしするよはじめるよ」

 

 芍薬さん

「夏雲に絡め捕られる羞恥心」

 

 猫又さん

「振り向けば塩の柱の純白さ」

「溶け落ちて再結晶化した心」

「怖ず怖ずと探る神との妥協点」

 

 徳道かづみさん

「治らない浮気性ですかすみ草」

「向こう傷ばかり増えゆくFカップ」

「梅雨本番抽象論はやめようよ」

 

涼閑さん

「薄もやに幻遠い龍の国」

「雨の日はおれもおまえも皮フ呼吸」

「光降る宇宙の深みに棲む魚」

「目瞑れば圏外という名の孤独」

 

 恵庭弘さん

「家具屋姫お父さんには勝ったけど」

「七夕は北海道は8月に」

「海浜に敷設の石でヤケドした」

「この夏はレナウン娘もう来ない」

「人肌は魚にとってヤケドなる」

 

 入り江わにさん

「病院は哀し病児の願い事」

「彦星が牛車洗って今日は雨」

「ハマニガナ花つつましく根は深い」

 

 赤片亜美 (あかびら あみ)さん

「実を口に入れてその後羽ばたけず」

 

 芦沢潤さん

「よく降りた駅舎も同じ 歳を取る」

「石畳 心を繋ぎ歩く道」

「ゆらりララ この感覚がきっと恋」

 

 川端日出夫さん

「7月の汗の色だけ許される」

「紫陽花を一人占めするかたつむり」

 

 

今月の気になる作品

芦沢潤さん

「石畳 心を繋ぎ歩く道」

=歴史さえ感る趣のある道を歩くのですね。

 一字アケにゆっくりとした時間の流れがあります。

 心の繋がりが実感できるなら、それは無敵かもしれません。

 

 猫又さん

「怖ず怖ずと探る神との妥協点」

=神の出方やいかに、と探るのですね。

 「怖ず怖ず」を繰り返すと、そのうちに神の匙加減もわかるかもしれません。

 堂々と自分の内を探るようになれば「怖ず怖ず」は卒業ですが、

 いかんせん、人は人ですので、なかなかにむずかしいですね。

 

川端日出夫さん

「7月の汗の色だけ許される」

=燦燦の陽射しのもと、

 許されるのは懸命の汗、その色だけ。

 最後は自分が自分を許して顔を上げ、

 陽射しの中を堂々と歩いてください。

 

 

みなさん、今週もたくさんの投句、ありがとうございました。

次回は夕凪子さんが担当します。

なお、来月は「8月」がテーマです。

次回の茉莉亜まりさんの登場は、8月2日となります。

8月の香りのする十七音字のドラマをお待ちしております。