たからづかブリーズサンデー「川柳の時間」ブログ版

毎週第1・第2の日曜日の9時台にお送りしています・・・

「川柳の時間」

今回の担当選者は、夕凪子さんです。

今週もたくさんの投句をいただきまして、ありがとうございます。

 

かずきさん

「世界地図ローマとパリに散った菊」

「イガと皮 渋皮むけてヒトとなる」

「雨四日竿に吊られた柿二つ」

 

冬子さん

「戸惑いの十一月をひと煮立ち」

「真っ直ぐな千歳飴にもある弱み」

「紅葉の赤さは秋のプレッシャー」

 

入り江わにさん

「文化の日勤労感謝の地味な月」

「霜月に秋の名残りの枯れひと葉」

 

川端日出夫さん

「反対と叫んでばかりです大阪市」

「仰向けの菊人形が持つ野望」

 

涼閑さん

「大空に広げた腕にひつじ雲」

「シーソーに落ちたドングリ秋の音」

「秋夜更けガラスの器が火を宿す」

「造花だと気づかず水やりして朝陽」

 

恵庭弘さん

「世の中は義理人情で動いている」

「アデランス プラインドメイク UDパレット」

「恵庭市の盲導犬第1号ステラ逝く」

「皆さんは盲導犬の犬の余生知る?」

「日本は金のかけ方間違っている!」

「皆さんは予約ツイート使ってる?」

「優しくされると 優しくできる!」

「我々は この時代で 生きるしか」

「誰の為に 何をするんだ!」

「何をして 何をしないか 考えろ!」

 

徳道かづみさん

「わたしには見える海です荒れてます」

「幸せが待つ約束はない旅だ」

 

福村まことさん

「字余りに水溶性の羞恥心」

「勲章の裏に出口のない迷路」

「発情の軋み白夜に開く花」

「弾け飛ぶポップコーンの免罪符」

 

猫又さん

「いけずやわぁ姉三六角すかんたこ」

「スイーツに飾るミントのような嘘」

 

芍薬さん

「店員の指紋とおでん持ち帰る」

 

砂孤(さこ)さん

「カレーには甘く炒めた夕焼けを」

 

ハイジ63さん

「一日を日めくり破り終わらせる」      

「日めくりの薄さに沁みる隙間風」

「日めくりを優しく破る年の末」

 

英柳(える)さん

「切れた糸縁も所縁も魚の影」

「飲まぬのに残る酔街空っ風」

 

弘子さん

「ソーシャルディスタンス客席は市松模様」 

 

ミサヲさん

「朝蜘蛛と矢守と同居夫の留守」     

 

千加子さん

「新米の香酷暑の事は忘れ去り」     

 

文子さん

「金木犀 迷路の中にいる二人」      

 

城水めぐみさん

「擬態した森で私という証」

 

月波与生

「不審火のたびにこちらを見る烏」

「水涸れの川を一本持たされる」

「この歌はおなじところで間違える」

 

高良俊礼さん

「物体の私を解いてゆく時雨」  

「分けられて苦しい水が群れを成す」

 

 

今月の気になる作品

猫又さん

「何回も篩いに掛けて残す愛」

=大切にしたい「愛」ですね!

 不純物を取り除くものに節とは古くて新しい。

 ロマンいっぱいの句です。

 

福村まことさん

「抜け道に漂流続く黄信号」

=どこまでも続く黄信号に危機感が伝わります。

 どうぞ無事に抜け出せますように。 

 

川端日出夫さん

「焼き芋にまとわりついた甘い密」

=芋そのものが甘いのではない

 と発想がユニークです。

 甘いドレスかストールかをまとって、

 焼き芋のおいしい季がきました。

 

徳道かづみさん

「ポストからポストへ愛は無言なり」

=以心伝心。

 愛はいつも無言です。

 ポストからポストへとつながっている。

 さぁ、また手紙を書こうと思う秋の夜長。

 

 

みなさん、今週もたくさんの投句、ありがとうございました。

次回は茉莉亜まりさんが担当します。

なお、来月は「12月」がテーマです。

次回の夕凪子さんの登場は、12月13日となります。

12月の香りのする十七音字のドラマをお待ちしております。