たからづかブリーズサンデー「川柳の時間」ブログ版

毎週第1・第2の日曜日の9時台にお送りしています・・・

「川柳の時間」

今週、ご紹介した投句とお時間の関係でご紹介できなかった句を紹介する

「川柳の時間」ブログ版です。

今回の担当選者は、茉莉亜まりさんです。

今週もたくさんの投句をいただきまして、ありがとうございます。

 

徳道かづみさん

「風に春が混ざって気づく別れ時」

「胸を張るその他大勢ですあたし」

「渡世とや辛さ忘れた唐辛子」

 

朧(ろう)さん

「お隣のおじいちゃんなら半熟です」

 

猫又さん

「契約を破る悪魔の置き土産」

「あげつらう言葉に続く『いい意味で』」

 

砂狐さん

「新月の欠片を呑んで赦される」

 

城水めぐみさん

「だいきらいなあの子の捨てるもの貰う」

 

千春さん

「白魚を閉じこめ夜の桐箪笥」

「抱かれたくて竜がかすかに踊りだす」

 

伊藤正美(いとうまさよし)さん

「恋愛に燃える左房のカカオマス」

「早春の日差しに伸びる君も咲き」

「建国の記念生まれの波に逢う」

 

高良俊礼さん

「自己愛の奈落に凍る海は凪」

 

恵庭弘さん

「雪掻きがなけりゃ北国天国さ!」

「こんなんで オリンピックと はんかくさい!」

「暖房費 国が面倒 みてくれよ!」

 

川端日出夫さん

「鬼よりも怖いコロナに豆を投げ」

「寄せ鍋に掻き集めてる絵空事」 

 

多舵洋さん

「あったかい隙間風ならお入りよ」

 

 

今月の気になる作品

川端日出夫さん

「垂れた目で泣いているのか雪だるま」

=春の気配に涙しているのでしょうか。

 人の寿ぐ春に消えゆくもののかなしみ。

 春とはまわりの華やぎにとり残され、

 なお沈むものを生む季節でもありますね。

 

高良俊礼さん

「異世界を我が半身をいとおしむ」

=半身に異世界を抱えるは宿命。

 共存には痛みを伴うが時に俗界の外にうつくしい光景を見せてくれることがある。

 痛みを手懐けつついとおしんでください。

 

猫又さん

「ごめんねと告げる優しい嘘の意味」

=吐くものの保身のためではない優しい嘘。

 ごめんねとともに。

 こんなとき、ことばは意味をなさない。

 ただごめんねだけが深く伝わりますように。

 

 

 

みなさん、今週もたくさんの投句、ありがとうございました。

次回は夕凪子さんが担当します。

なお、来月は「3月」がテーマです。

次回の茉莉亜まりさんの登場は、3月7日となります。

3月の香りのする十七音字のドラマをお待ちしております。