たからづかブリーズサンデー「川柳の時間」ブログ版
「川柳の時間」
今週、ご紹介した投句とお時間の関係でご紹介できなかった句を紹介する
「川柳の時間」ブログ版です。
今回の担当選者は、茉莉亜まりさんです。
今週もたくさんの投句をいただきまして、ありがとうございます。
投稿作品
朧(ろう)さん
「オプションで背面跳びをする桜」
砂狐さん
「中指をツクシにしたら会いに行く」
恵庭弘さん
「こんなんでオリンピックが出来るのか?」
「今年は花見は早くなりそう」
「ランドセルそこいらじゅうにワラワラと」
川端日出夫さん
「ハレの日に桜のシャワー浴びてみる」
「菜の花が蝶の群れさえ誘いだす」
「抜き取るとしかめ面するよもぎ草」
猫又さん
「清明の光と風とそして夢」
「文明を捨てて文化を守る街」
「易しさを優しさとする人の憂き」
涼閑さん
「水の星地球のみずは涙です」
「まだ地球は青かったんだガガーリン」
「春の雨星の光に変える窓」
「たんぽぽが風になびいてぽぽぽぽぽ」
徳道かづみさん
「最後まで役に立たないドラえもん」
「緑茶ハイ良くも悪くもなかった日」
福村まことさん
「焼け跡の蛇口広げるパズル癖」
「密会の椅子取りあった停留所」
「お笑いをバケツリレーで組み立てる」
「先導のラクダに月を食べられる」
高良俊礼さん
「春の詩が来し方を指す皆狂え」
千春さん
「君を見る桜にすらも嫉妬して」
「春の雨それでも生きていたかった」
今月の気になる作品
お読みしなかった句への講評
福村まことさん
「関西のサイズで是非を問う木馬」
=「せやろ?」
「せや」
「ほなそんなとこで」。
そんなサイズで是非を問う木馬。
自分が揺れていることに気付いていないのだろう。
高良俊礼さん
「繚乱の花のどこかで死に触れる」
=花はいつも死を含んで咲いている。
春。
繚乱の花にあふれる生は、
そこに死をも見る者の目によりうつくしく映るだろう。
徳道かづみさん
「きなこ餅ふつうに好きでいたい人」
=きなこ、砂糖、塩少々。
やわらかくてほんのりぬくく、一瞬しょっぱくてほどよく甘い。
ふつうに好き、はお互いのためだけど、
そこを加減できないのが「好き」の正体だったり。
みなさん、今週もたくさんの投句、ありがとうございました。
次回は夕凪子さんが担当します。
なお、来月は「5月」がテーマです。
次回の茉莉亜まりさんの登場は、5月2日となります。
5月の香りのする十七音字のドラマをお待ちしております。