「市立病院の得した気分!」-たからづかタウンガイド-

皆さんお元気ですか?

玉井順子です!

 

「市立病院の得した気分!」今回は

「尿路結石センター、3年の進化」をテーマに

泌尿器科部長 兼 尿路結石センター長

福井浩二先生にオンラインでお話しをお聞きしました。

 

tomimage_67179777

  

・尿路結石とは?

腎臓で作られた尿が通る道(腎臓·尿管膀胱·尿道等)で結石が出来る病気。

その中でも腎結石と尿管結石で全体の9割を占めているそうです。

 

・症状は?

結石のほとんどが腎臓で作られるそうで、その時点では無症状ですが、尿管に落ち込むと細くなっているところがあり、そこに引っ掛かると激痛が起こるそうです。

 

·小さい方が痛い?

実は尿路結石は小さい方が痛いとのこと。

小さいと尿管の中を動きやすく、ぜん動運動で石を押し出そうとするので、動きやすい小さい石の方が痛いそうです。

結石はほとんどは尿管に落ちるのですが中には腎臓に留まっているものもあり、そのまま大きく成長することもあるそうです。

大きくなるほど取り出す事が大変になったり、感染症の危険も出てくるとのこと。

ただ、腎臓の中のままだと無症状なので発見しにくいので検診などが大切だそうです。

 

 

·発症しやすい年代や男女差は?

尿路結石は1965年から2005年の40年間で約3倍に増えてその後は横ばいだそうです。

原因は、おそらく食生活の欧米化やCTなど診断の進化、そして高齢化などがあげられるとのことです。

もっとも多い年代は男性で50代、女性は60代で、生涯において発症する割合は男性は7人に1人、女性は15人に1人で男性の方が倍以上多いそうです。

ただ、若い人も結構罹患しているので、どの年代も気をつけた方が良いようです。

 

 

·原因と思われるものは?

食事の欧米化などの生活習慣が関係していると言われていますが、季節の変動にも影響して、夏などは特に水分が減ってしまうと結石が出来やすいそうです。

水分はとても影響するので、水分をしっかり取ることは大切だそうです。

 

 

·再発は考えられますか?

実は尿路結石は再発しやすい病気の様で5年で半数くらいの人が再発するそうです。

最初に発症する前と同じ生活習慣を続けていると再発しやすいので見直す事が大事とのことです。

 

 

·治療方法は?

尿酸結石やシスチン結石など、数は少ないですが薬で溶かすことが出来るタイプもあるそうですし、小さい石は自然排出が望めるので薬物で促すこともあるようですが、主な治療方法は手術とのことです。

 

《手術について》

①ESWL(体外衝撃波砕石術)

身体の外から衝撃波を当てて砕く方法砕いた破片はその後、尿と一緒に体外に排出されます。

入院することも麻酔もしないので身体への負担が少なく、日帰りで受けられるとのこと。

 

体力のある若い人や忙しい人などにとっては特に有難いかも知れません。

 

 

②TUL(経尿道的尿管砕石術)

今、最も多く行われている手術だそうです。

細い内視鏡を尿道から通しレーザーで割って回収する方法です。

回収するので石が残らないという特徴があります。

画像もクリアで石が残っていないかどうかも良く分かるそうです。

麻酔と入院は必要とのことです。

 

③ECIRS(内視鏡併用腎内手術)

一度で取り出す事が出来ない大きな石を一回で回収出来る手術だそうです。

背中から腎臓へ穴を開けて、その穴と尿道からの二方向で治療出来るとのこと。

従来のTULなどの手術方法だけだと、何度か入院·手術を繰り返す必要があったのですが、この方法だと1度で治療出来るそうです。

 

また以前に比べるとトンネルも細くなってきて出血などのリスクも下がって来ているそうです。

 

 

どの手術を選択するかは、結石の大きさや固さ、患者さんの状況(例えば体調や仕事など生活状況)など、色々な要因を鑑みて決まるそうです。

 

 

·尿路結石センターについて!

過去に尿路結石の治療方法などについて、衝撃や影響を受けた経験があったこと。

先生の印象として、宝塚市は尿路結石の患者さんが多いと感じたこと。

またレーザー機器の導入など機材も充実し、多くの手術を手掛ける様になり、経験値も増えて来たので専門のセンターとして、宝塚市立病院の尿路結石センターは、2021年4月に福井先生によって立ち上げられました

 

最新の診断·治療·生活栄養指導を専門的に行ったり、結石が出来やすい因子の検査などで再発防止に力を入れているとのこと。

医師·看護師·管理栄養士·薬剤師·診療放射線技師·臨床検査技師が協力し症例を振り返り、新しい取り組みをおこなったり、患者さん一人一人に合わせた包括的な治療プランを提供されています。

 

再発予防には食生活などの改善も大切なので管理栄養士さんの力も大きいのではないかなぁ?と思いますね?

 

またデュアルエナジーCTが導入されていて、尿路結石とそれ以外をCTを撮るだけで判別出来るそうです。

 

最新機器や皆さんの協力で患者さん一人一人に再発予防も含めた最適な包括的プランを提供されているんだなぁ?と改めて思いました。

 

 

·再発予防も含めて日頃気をつけることは?

食生活など生活習慣を見直すこと。

また水分補給はとても大切だそうで、1日2L以上を目標に、とのこと。

水分は、清涼飲料水など甘味·糖が含まれているもの、コーヒーや紅茶なども注意が必要だそうです。

麦茶とか、「水」が一番のようですね?

 

水分不足以外でもシュウサンが多いと結石が出来やすいとのことで、ほうれん草ならちりめんじゃこ、タケノコにはわかめ、紅茶ならミルクなどカルシウムと一緒に摂取すると抑えられるそうです。

 

尿路結石だけではありませんが、食事を始めとした生活習慣はとても大事なんですね?

 

これからの季節、熱中症もですが尿路結石予防にも水分補給は大切な様です。

 

そして、気になることがあれば、かかりつけ医にご相談下さい、とのことですので、何かちょっとした異変や不安を感じたらまずはかかりつけ医に相談、また無症状の場合も考えて、検診も大切かも知れませんね!