afternoon-VIEW 金曜日 ご当地フードマイスター
■ご当地フードマイスター■
食べることは 生きること」その土地ならではの思いが込められている郷土料理。
その土地ならではの地元めしを生まれた背景や歴史などを交えて紹介しています。
⑰宮崎県 /冷や汁(ひやしる 】(放送日:2024/07/25)
★ひやじるだと思っていたら宮崎県の人びとは「ひやしる」と言うそうです★
■青島にある鬼の洗濯板を見に行ったことがあります。遠くから見ると巨大な洗濯板のような宮崎:鬼の洗濯板。圧巻でした。
これは今から約1500~3000万年前、海面下にあった岩が地質変動によって水面上に現れ、波や海水に浸食されて
現在のような形になったそうです。
青島(あおしま)から南の巾着島(きんちゃくしま)までの約8kmの海岸線に見られ、昭和9年(1934)に国の天然記念物に指定されています。
■洗濯板って今はあまり使うことがないんじゃないかなと思って調べてみたらいろんなメーカーで売ってるんですね!
手のひらサイズのものがあって旅行にも持っていけそうでした!手洗いよりも断然汚れが落ちるということで今の時代も
重宝されているようです。
■冷や汁(ひやしる)は宮崎を代表する郷土料理で、焼いたアジ、イワシなどの近海魚をほぐして、焼き味噌をのばした汁に、豆腐、きゅうり、
青じそ、 ミョウガなど薬味を入れて食べる冷たい汁物料理です。私がこの料理に出会ったのは大学時代。枚方で初めての
一人暮らしをしていたのですが、 1回生の時に放送部の宮崎出身のなお先輩が、おうちでこの冷や汁(ひやしる)を作って食べさせてくれたんです!
先輩がガスレンジについているグリルで味噌を焼いてくれた姿を今も覚えています。美味しそうに焦げ目がついていたなー。
うれしくておいしかったです。
■今でこそ、宮崎県の郷土料理として知られていますが、もともとは全国で食べられていたそうです。発祥は鎌倉時代。
鎌倉時代に書かれた書物『鎌倉管領家(かんれいけ)記録』に「冷汁」の記述が残っています。このような「冷汁」と言われる味噌を
調味料とした料理が僧侶等によって全国に広められ、以後、気候風土が適した地域のみに残りました。
広島では「さつまじる」愛媛県では「伊予さつま」、埼玉県ではうどんと食べる「すったて」 その他、地域によって進化した冷や汁があるので
ぜひ調べてみてくださいね。 それではわたしが、先輩に作ってもらった郷土料理【宮崎県】冷や汁(ひやしる)を作りましょう!
今日は簡単に作れるサバ缶を使った冷や汁のミユカオリジナルレシピを紹介します。いろいろなレシピを参考にして作りました!
■材料:(4人分)>>>
・サバの缶詰(水煮) 1缶(190g) ・白すりごま大さじ4 ・きゅうり1本と半分(150g) ・木綿豆腐1丁 ・しょうが(すりおろす)1かけ分
・大葉6枚くらい ・みょうが1つ・ピーナッツ(フードプロセッサーで砕く) 50g ・梅干し1個 ・かつおぶし少々・みそ大さじ5
・水(冷たいもの) 2カップ・きゅうり塩もみ用の塩 少々・ごはん 適宜
■作りかた>>>
①まずはみそをグリルに入れ焼き目をつける。弱めの火で2~3分。豆腐はキッチンペーパーで重しをして水けをきる。
②その間に野菜などの下ごしらえをする。きゅうりは小口切りにして塩もみ。 大葉は千切り。 みょうがは縦半分に切り、その後千切りにする。
ピーナッツはすり鉢かフードプロセッサーで砕く梅干しは実をとって細かくちぎる。
③ボウルにサバ缶を汁ごと全部入れる。フォークなどでざっくり身をほぐす。焼いた味噌を入れ、3回くらいに分けて水を注ぎ、混ぜ合わせる。
④ベースができたらそこに水けをきった豆腐を手でちぎって入れる。
⑤ベースが完成したら器に盛り、きゅうり・大葉・すりおろしたショウガ ・梅干し・みょうが・砕いたピーナッツ・お好みでかつおぶしを飾って完成。
暑い夏の日は多めに冷や汁を作っておいて冷たいご飯にかけて食べてもよし、そうめんにかけてもいいですね。
全国のお母さん!夏休みはラクしてゆっくり家族の時間を過ごしましょう。
※暑い夏の日は多めに冷や汁を作っておいて冷たいご飯にかけて食べてもよし
そうめんにかけてもいいですね。
⑯【長崎県 /長崎ミルクセーキ 】(放送日:2024/07/19)
★長崎ミルクセーキは飲み物ではありません。★
■長崎というと、さだまさしさんが書いた小説「解夏(げげ)」の舞台になった街です。2002年に刊行され、2004年に大沢たかおさんと
石田ゆり子さん主演で映画にもなりました。視力を失う難病に冒された青年と、彼に無償の愛を捧げる恋人の姿を描いたドラマ。
その映画を観た時からきれいな街だなと思っていました。
■子供がまだ小さい頃に、九州旅行で長崎によりました。
グラバー園では洋装の衣装を借りて写真を撮り、庭で見つけたハート型のタイル。川面に映った橋がメガネのように見える眼鏡橋を横目に
ベビーカーを引っ張り、長崎の坂道を歩きました。中華街ではちゃんぽんも皿うどんも美味しくて、稲佐山からの夜景も夢のように
美しかったです。長崎は坂道と坂道からの景色が本当にきれい!
■【ミルクセーキ】といえば、飲み物をイメージしませんか?長崎ミルクセーキは飲み物ではありません。
大正末期から昭和初期に生まれた長崎市で生まれたアイスデザートなのです。もともとミルクセーキはイギリスの「エッグノッグ」という
卵と牛乳を使ったカクテルから生まれた飲み物。20世紀初頭にアメリカで考案され、その後電気ミキサーの導入により人気が高まりました。
■長崎ミルクセーキは九州で初めてオープンした喫茶店『ツル茶ん(つるちゃん)』が、長崎の夏の猛暑をしのぎやすくする一品をと、砕いた氷を
入れたミルクセーキを作ったのがはじまりといわれています。それが人気になり、その後、市内の数々のお店で提供されるようになりました。
現在は長崎の「食べるミルクセーキ」として全国的に知られる存在となっているそうです。ちなみに長崎市観光大使に任命されたことがある
アイドルユニットMilkShakeは、現在もイベントやコンサートの場で「長崎ミルクセーキ」の魅力を積極的にPRしています。
それでは優しい甘さと安らぎを感じる長崎ミルクセーキのレシピです。
■材料:(2人分)>>>
卵黄 1個分 ・砂糖 大さじ2弱 ・練乳 大さじ1 ・牛乳 100cc
・バニラエッセンス 少々 ・(缶)サクランボ 2個 ・氷 150g
■作りかた>>>
①卵黄、練乳、牛乳、砂糖、バニラエッセンスを容器に入れて、よく混ぜ合わせておく。
②ミキサーに1と氷を入れて、トロッとなるまで細かく砕く。
- ミキサーにかけすぎると氷が溶けてしまうので注意!コツは、氷が残っているところで止める事。
- ミキサーの代わりに、フードプロセッサーwを使用する際は中身が飛び散る恐れがあるので、ご注意ください。
③器に注ぎ、サクランボをのせる。
※レシピ提供元名 : (公社)長崎県栄養士会 ※レシピは地域・家庭によって違いがあります。
■長崎の喫茶店ではミルクセーキは定番のミルク味のほか、抹茶、オレンジ、バナナ、パイン、ココアなど味のバリエーションが
豊富みたいですね。
⑮【神奈川県 / とん漬け】(放送日:2024/07/12)
★お肉に味噌の味が染みていて柔らかくとっても美味しい!★
■肉を食べる文化は明治以降に日本に広まりました。お肉と言えば・・・東日本では豚肉 西日本では牛肉のことを言います。
なぜなのか??文献をひもとくと、この東西の差は江戸時代から続く農耕用動物の違いに重なります。
■1877年(明治10年)の全国調査で、牛の頭数は西日本に集中していること。東日本と九州の南部は圧倒的に馬が多いということが
わかっています。
その後、横浜が開港。外国人が求める牛肉の確保に難儀して、神戸から牛の移送を始め、横浜の外国人に神戸ビーフが高く評価されたことで、
関西では農耕用から食用への牛の利用が広がりました。
■では、農耕用に馬を使っていた東日本はどうなのか。現在でも長野や福島、青森などでは馬肉文化が残っていますが、全体では豚肉が主流。
豚肉は戦争時代に消費が拡大しました。これは戦地に牛肉の缶詰を送ったことで、牛肉不足が深刻になり、特に、関東では牛肉に代わって
安価な豚肉の消費が拡大していきます。農耕用の馬が食用をして広がらなかったのは、馬肉が食用として広がらなかったのは量が取れず
肉質が固いこと。そこで牛よりも狭い土地で早く食肉にでき、牛と違って何でも食べる豚が重宝されました。この食肉としての効率性の良さに
加えて、東京・銀座に開業した洋食店「煉瓦亭」は1899年(明治32年)、初めてポークカツレツを考案。日本人好みのあっさりとした
カツレツが好評に。また、東京でトンカツをご飯に乗せるカツ丼やカツカレーが相次いで登場しました。
■神奈川県「とん漬け」のお話。
この料理は良質な国産豚肉を特製味噌にじっくりと漬け込んだもので、厚木市の名物料理として知られています。この料理のルーツは江戸時代。
当時の武士は牛・豚・イノシシなどの肉を食べることを嫌っていました。ある時、現在の厚木市がある荻野山中藩(おぎのやまなかはん)で
大勢の人が集まり料理が足りなくなってしまい、何の肉かわからないようイノシシの肉に味噌を塗って出したところ大変好評となりました。
これが今のとん漬けの始まりだと言われています。
■材料:(5人分)>>>
・豚肉(豚の厚切り肉)(370g) ・にんにく(1片) ・しょうが(1/2片) ・みりん(大さじ1と1/2) ・しょうゆ(大さじ1)
・味噌(30~40g) ・サラダ油(適量)
■作りかた>>>
①肉は食べやすい大きさに切る
②にんにく、しょうがはすりおろしておく。
③味噌、みりん、しょうゆと②を入れて30分以上漬け込む。
④フライパンを熱しサラダ油をひき、中火で③を焼く。
※【参考レシピ:神奈川県「豚肉のみそ漬け」JAあつぎ女性部協議会】
日常のおかずとして楽しまれるほか、地域の土産品、贈答品としても重宝されています。またとん漬けをアレンジしたヒレカツや,とん漬け
ラーメン,とん漬けをイングリッシュマフィンではさんだ「厚木バーガー」など多くのアイデア料理もうまれているとか。
※お味噌が焦げやすいので、フライパンにクッキングシートかアルミホイルを敷いてそこにサラダ油をたらしてふたをして中火で焦がさないように
気をつけてくださいね。
⑭【石川県 / えびす】(放送日:2024/07/05)
★お菓子か、おかずかわからない、不思議な料理★
■今から20年くらい前、石川県能登半島で見たキリコ祭りは、私が日本の祭りに興味を持ったきっかけになった伝統行事です。
毎年7月に奥能登の各地で行われています。キリコと呼ばれる直方体の形をした巨大な山車がいくつも並び、その灯籠にはあかりが灯されます。
このキリコとは、切子灯籠(きりことうろう)を縮めた呼び名だそうです。
江戸時代から続くと言われる「能登のキリコ祭り」。高さが2メートルくらいの小型キリコから、15メートルを超える超大型のものは
重さ2トンから4トン!私が目にしたのはその祭りの中でも「あばれ祭」というものでその巨大なキリコが川の中に担ぎ込まれ、乱舞するという
衝撃的な祭りでした。むせ返るような熱気に息をのんだことを今でも覚えています。
私がもう一度会いに行きたいと思っている日本の風景のひとつです。
■「えびす」そのおめでたい名前の通り、お正月や祭りの日のお重には欠かせない料理。石川の方々曰く「お菓子か、おかずかわからない、
不思議な料理」だそう。見た目はとき卵の寒天寄せですが、なかにはたっぷりとお砂糖が使われています。
■そのルーツは江戸時代の料理書『江戸料理通』や『料理百珍』の中に記された「玉子寒天」にあるといわれ、当時貴重だった卵と砂糖、
そして日本海で豊富にとれるテングサを使ってごちそうに仕上げた「ハレの料理」です。
また、つるつるした見た目から「べろべろ」や「はやべし」とも呼ばれ、その呼び名は輪島市の郷土菓子「柚餅子(ゆべし)」に
由来があるとされています。
米粉を練って蒸し、手間のかかる柚餅子よりも 簡単に作ることが出来る「えびす」は、早く作れる「早ゆべし」から転じて
「はやべし」とも呼ばれています。
地域によって味付けが異なり、金沢では砂糖と醤油にしょうがのしぼり汁、県南西部、小松・加賀地方では塩と薄口しょうゆ。
仕上がりの色も金沢では薄茶色、小松・加賀地方では透明度の高い仕上がりとなります。
■材料:(5人分)>>>
・卵 1個 ・水 2 1/2カップ ・粉寒天 4g ・砂糖 大さじ2 ・醤油 大さじ1と 1/2 ・塩 少々 ・しょうが 少
■作りかた>>>
①分量の水と粉寒天を鍋に入れ火にかけ、沸騰したら弱火にしてしばらく煮て、砂糖、醤油、極細く千切りにしたしょうがを入れます。
② ①に卵を少しずつ流し入れて、鍋ごとあら熱をとります。
(といた卵をいれた写真です)
③ ある程度冷ましてから型に流して冷やし固め、人数分に切り分けたら完成です。
※レシピ提供元名 : 「青木悦子の新じわもん王國 金澤料理」(著:青木悦子氏) レシピは地域・家庭によって違いがあります。
卵のとき加減や流しこみ方によって切ったときの断面の美しさも変わってきます。石川県ではスーパーマーケットで通年販売されていて、
近年は甘さ控えめに作られお惣菜として提供されることが多いそうですね。
今でも祭りやお祝いの日には欠かせない郷土料理として家庭でも作られています。石川県ハレの日のお料理、ぜひお試しください!
⑬【山口県 / チキンチキンごぼう】(放送日:2024/06/28) ★ネーミングがおもしろいです★
・このメニューはどのようにして生まれたのでしょうか?
山口市や地元の大歳(おおとし)自治振興会によれば、199年ごろに山口市立大歳小学校の栄養教諭が、学校給食のメニューが
マンネリ化していることを憂い、児童の各家庭のオリジナル料理を募集したところ、その時に提供されたレシピの1つが、児童の祖母の
久保田ヤスエさんの考案した「チキンチキンごぼう」だったという。
・料理自体は1980年前後くらいから作っていて、誰かに教わったのか久保田さん自身が発案したのかは定かではないですが、根菜の煮物が
苦手なお孫さんに作ったら好評だったそうですね。学校給食として出すと、子ども達に人気になって、大歳(おおとし)小学校の栄養教諭が
山口市に参考献立として提案。これが他の学校でも採用されるようになり、家庭から街へと口コミで広がっていきました。
そして「山口のソウルフード」とも呼ばれるようになり、飲食店が出来栄えを競う「チキンチキンごぼう選手権」が開催されるまでになりました。
・このユニークな名前ですが、メニュー発案者の久保田ヤスエさん自身は料理名を付けていなかったそうですが、ヤスエさんの息子の奥さんの
直子さんが名称を付けて応募しています。大歳(おおとし)自治振興会によれば、チキンを二度、繰り返すのはレシピを提案した直子の「思いつき」だそうです。
結果として、このネーミングは「リズムがよく、子どもを引きつける」とされています。
※またこのメニューのアレンジレシピとして
★「チキンチキンれんこん」
海上自衛隊岩国航空基地の隊員食堂では、ゴボウを地元伝統野菜の岩国レンコンに換えた「チキンチキンれんこん」を提供しているとのこと。
★「クジラクジラごぼう」
鶏肉をクジラ肉に換えたもの。9月4日の「くじらの日」などに提供される。
★「トントンれんこん」
鶏肉を豚肉に、ゴボウをレンコンに換えたもの。などもあります。
さて、チキンチキンごぼうが生まれた山口県と言えば、家族で周防大島にキャンプに行きました。海がきれいでぼんやり眺めていると
銀色に光った魚がぴょんぴょん飛び跳ねるんですよ。周防大島で食べたジェラートがおいしかったな。そんな周防大島は「瀬戸内のハワイ」と
言われています。これは日本とハワイ王国が明治時代に移民協約を交わし、多くの島民がハワイへ移住したことがきっかけだということです。
■材料:(4人分)>>>
・鶏もも肉(角切り)320g ・ごぼう(3mm厚さ斜め切り)200g
・かたくり粉 大さじ3 ・揚げ油 適量 ・だし汁または水 1/2カップ
・【A】酒 大さじ2 ・【A】砂糖 大さじ1と1/2 ・【A】しょうゆ 大さじ1 【A】みりん 小さじ2
・枝豆 30g
■作りかた>>>
①ごぼうは切って10分ぐらい水にさらし、あくを抜きをしておきます。
②鶏肉とごぼうにかたくり粉をまぶし、160~170℃の油で揚げます。
③鍋にだし汁(または水)と【A】を入れて火にかけてください。
枝豆を加えて軽く煮立ったら②を加えてからめて、完成。
※レシピ提供元名 : 山口市内の栄養教諭
甘辛い味が食欲をそそって、根菜類が苦手なお子さんもご飯をたくさん食べられるんじゃないでしょうか?ぜひお試しください。
⑫【長野県 /にらせんべい 】(放送日:2024/06/21)
★農作業の合間や子ども達のおやつ★
・山に囲まれた北信地域の山間部は、急傾斜の畑が多く、水田はわずかで、お米の代わりに麦が多く栽培されて いました。
また、千曲川(ちくまがわ)流域の平坦地では、水田の裏作として麦が中心に栽培されました。
お米は、自分の家で毎日食べることが出来ないほど貴重だったので、その節約のために、
昔から、小麦を粉にしてつくる料理は「粉もの」と呼ばれており、毎日の食事の大事な役割を果たしてきました。
・その「粉もの」の中でも、粉を水溶きして、その中に刻んだ野菜を入れて焼いたものは「せんべい」や「うす焼き」と呼ばれ、
おこびる(又はおこびれ)と呼ばれる中間食や子どものおやつによくつくられてきたということです。
・おこびる(おこびれ)とは、「小昼(こひる)」が変化したもので、ご飯とご飯の間の中間食のようなものを言います。
畑仕事の労働の間に食べるため腹持ちのよいものがつくられました。
中に入れる季節の野菜は、にらやなす、ねぎなどがありますが、中でも、にらは栽培が簡単で、雪の積もる冬
以外いつでも収穫できることから、どの家でも庭先に植えておき重宝しました。
にらせんべいやうすやきのつくり方も家庭によって少しずつ異なって、粉と野菜と一緒に味噌も混ぜて焼いたり、
焼き上がってから、味噌だれや醤油だれをかけて食べることもあるそう。
・長野県といえば多くの山岳が連なり、夏季に冷涼な気候となる高原が揃う長野県。
避暑地としても選ばれる長野県には、高山植物が咲き誇る「美ケ原(うつくしがはら)高原」や 「千畳敷(せんじょう じき)カール」、
澄んだ水が心地よい「上高地」や「大王(だいおう)ワサビ農場」などが有名ですね。
水が透明で見ているだけで涼しくなる大王ワサビ農場。ここで、食べたわさびソフトクリームはわさびの香りがふんわりして
辛さはなく美味しかったです。すり立てのわさびは全然ツーンと辛くなくて甘みを感じるんですよね。
千畳敷カールはシャトルバスと駒ヶ岳ロープウェイを乗り継いで10年くらい前に行きました。標高2612メートル 。
現在から約2万年前の氷河時代に形成されたカール地形(半円状の窪地)のことで、畳を1,000枚敷いた広さがあることから
「千畳敷カール」と呼ばれているそうです。1月に行ったのですが雪山のダイナミックな迫力!
広かった!いつか夏にも行ってみたいです。
■材料:(2枚分)>>>
・にら 80g ・地粉(薄力粉)200g ・水200ml ・サラダ油 適量
・【調味料A】味噌 40g・【調味料A】砂糖大さじ1
■作りかた>>>
①にらは良く洗い、15mm幅に切る。
②ボウルに地粉と水、にら、調味料Aを入れてしっかり混ぜ合わせる。
(調味料を入れず、出来上がりに砂糖醤油等をつけて食べてもよい)
③フライパンに油を引いて、中火にかけ、2を全面に薄く広げる。
④焼き色がついたらひっくり返し、両面こんがりと焼いて完成。
※生地に調味料を入れない場合は、食べるときに砂糖醤油や、砂糖味噌などお好みでつけて食べる。
レシピ提供元名 : JAグリーン長野女性部
※作ってみての感想
簡単な材料で作ることが出来る「にらせんべい」
子どもたちのちょっとしたおやつにいいですね。
ぜひ皆さんも作ってみてください。
⑪【広島県 /きなこむすび 】(放送日:2024/06/14) ★豊作を願う丸形のおむすび★
・「きなこむすび」は丸型のおむすびに、梅干しや細く切った塩昆布などを入れて、きなこをまぶしたものです。
田植え作業の合間や、作業の終わりを祝う「代みて(しろみて)」の時に、「ばら寿司」「焼きさばのちしゃもみ」などとともに振る舞われた。
※「焼きさばのちしゃもみ」
「ちしゃ」とはレタスのこと。焼いたサバをほぐし、レタスと一緒に甘酸っぱいドレッシングであえて食べるもの。
・なぜ、「きなこむすび」は丸型のおむすびかというと・・・植えつけをした苗が秋に丸々と実るようにという願いを込められているんだとか。
・中国地方一帯では、太鼓や笛を鳴らし、田植え歌を歌いながら、大勢で田植えをする行事があり、「はやし田(はやしだ)」「田ばやし」
などと呼ばれます。
中世の時代から伝わるその行事は、稲作の平穏と豊穣を祈って「田の神」を祭る稲作儀礼であり、同時に苦しい田植え作業に従事する者の
慰労であったり、当時の農村における数少ない娯楽としての要素を持つ一大行事でした。
なかでも広島県の北西にある北広島町(きたひろしまちょう)壬生(みぶ)の「はやし田」は、参加する牛に豪華な花くぐらをつけたり、
太鼓や笛の音に合わせ着飾った早乙女たちが苗を植えたりと、とても華やかであることから「壬生(みぶ)の花田植」と
呼ばれるようになりました。
この行事が行われる際は、今でも「きなこむすび」が振る舞われていて、「さんばい」「さんばい飯」と呼ばれることもあるそう。
※「さんばい」とは、おはやしの指揮者のことや、田の神のこと。
■「壬生(みぶ)の花田植」は毎年6月第一週日曜日に行われます。
・広島と言えば、「広島お好み焼き
薄い生地の上にたっぷりのキャベツともやし、さらにこだわりの中華麺と玉子を重ねた、お好み焼きが定番ですが、昔、広島で
ごはん入りのお好み焼きを食べたことが。
広島市南区にある「ひらの」というお店で食べた「そばライス」というメニュー。キャベツに分厚い豚肉・イカ天・コシがある麺
・にんにくで味付けされたご飯をドーン。
焼いた卵を上にのせてソース・ねぎをかけたら完成。ごはんのおこげもパリパリで大満足のソース飯!! もう一度、会いに行きたい広島の味。
・宮島の厳島神社と原爆ドーム。二つの世界遺産をはじめ、呉や尾道。しまなみ海道やジブリ映画
「崖の上のポニョ」のモデルになった鞆の浦も捨てがたい。
■材料:(作りやすい分量)>>>
・白米1合 ・きなこ50グラム ・砂糖30g(お好みで調節) ・塩 ひとつまみ
■作りかた>>>
①白米を通常の水加減で炊く。
②大きめのお皿にきな粉・砂糖・塩を入れて混ぜておく。
③炊き立ての白ごはんをおひつやボウルに入れて少し冷まし、丸型に握る。
④丸型のおにぎりを②に入れてころがし、全体にまぶす。
完成!
⑩【奈良県 / 茶粥(ちゃがる)】(放送日:2024/06/07)
みなさん!奈良というとどこに行ったことがありますか?中心部は興福寺、春日大社など、
数々の有名社寺が点在する街で、深い日本の歴史や文化に触れることが出来ます。
最近では、興福寺の五重塔が保存修理工事に入るということで塔を覆う建物の工事が始まっていました。
・今日ご紹介する茶粥は、煮だしたほうじ茶の中に火やご飯を入れて炊いたもので、
別名「おかいさん」と言われています。一般的なおかゆはどろっとしている食感のものが多いですが、
茶粥はさらっとしています。
・昭和30年代ごろまでは「大和の朝は茶粥で明ける」と言われたほど、「茶粥」は奈良の代表的な
食事として知られています。
・茶粥の始まりと言われるのが、9世紀初め。奈良・宇陀市(うだし)の仏隆寺(ぶつりゅうじ)で
弘法大師(空海)が唐から茶の種子を持って帰り、日本でお茶の栽培を始めたことに遡ります。
その歴史を元に、現在も奈良で1200年以上にわたり、毎年3月に、東大寺で行われる「お水取り」。
この行事では、行(ぎょう)を勤める練行衆(れんぎょうしゅう)の献立にごぼう(ゴボ)やゲチャという食べ物が
出されます。
この「ゲチャ」とは、米をほうじ茶で煮て汁を取ったもので、茶飯の原点。
また「ゴボ」は茶粥の汁の多いもので、これが茶粥の始まりと言われます。
火加減を調整して茶粥がサラサラになるように作られています。さらに、番茶やほうじ茶などを使って
作るのが主流ですが、家庭やお店によっては緑茶で作ることもあり、違った味が楽しめる点も魅力。
・今では毎朝「茶粥」を炊く家庭はほとんどなくなりましたが、大和の国では夜にごはんを炊く家庭が多く、
冷ごはんをあたたかく食べるため、「茶粥」が一般家庭に広く普及したと考えられています。
腹持ちをよくするため、さつまいもやかぼちゃ、里芋、栗、かき餅などさまざまなものを入れて食べました。
お漬物や奈良漬け、梅干しと一緒に食べても美味しい。
・お粥はどちらかというと西日本で良く食べられていましたが、北前船(きたまえぶね)の往来があったことから、
北陸や東北でも食べられるように。お粥には地方によって様々な特色があります。
近畿では、茶で炊く奈良の「茶粥」、何も入れない京都の「白粥」、泥のように固く炊き上げる
大阪河内の「どろ喰い」などがあります。
・奈良県の一般家庭では晒し木綿の袋「ちゃんぶくろ」にほうじ茶を入れて煮出し、
冷や飯を入れて煮ることが多いそう。前日に炊いた冷やご飯を利用したもので、
これを「入れ茶粥」といいます。一方で、米から炊く茶粥を「揚げ茶粥」といいます。
今日は「揚げ茶粥」の作りかたになります。
■材料:5人分>>>
- 米 2分の1合(1合の半分)
- ほうじ茶 15g
- 水 2カップと2分の1カップ
- 塩 小さじ2分の1
■作りかた>>>
①米を通常の水加減(分量外)で炊く。
②ほうじ茶を煮出す。
③ ②にごはん・塩を入れ、中火で時々かき混ぜながら煮る。好みのかたさになったら完成。
④好みで蒸かしたさつまいもや、焼いたかき餅などを入れて食べる。
香り豊かな茶粥を食べて6月も元気に過ごしましょう!
⑨【香川県 / はげ団子】(放送日:2024/05/31)
★うどん県ならではの郷土料理★
・温暖で雨の少ない香川県の気候は、昔から、麦の栽培に適しています。 稲作との二毛作が盛んで、
農家では自家栽培の麦を使って、うどんを手打ちする食文化も受け継がれてきました。
・6月から8月は麦の穂が実り、収穫期です。香川県では、農繁期を迎えます。 半夏生(はんげしょう)と
呼ばれる7月2日ごろは節目、「半夏までに田植えを 終えないと半夏半つくになる」とされ、
農家は遅れまいと仕事を急ぎます。
また「半夏のはげ上がり」と言われ、降り続いた雨がやみ、梅雨が明ける時期でもあります。
この晴れた日に収穫した小麦粉でつくるだんご「はげ団子」をつくって食べ自然の恵みに感謝しながら
半日ほど疲れを癒すそうです。収穫したての小麦でつくるだんごはつるりとした光沢があり香りも豊か。
つくった「はげ団子」は神仏に供え家族みんなで食べます。
・この「はげ団子」という名前は、半夏(はんげ)に食べることやだんごの表面にあんがまだらにつく様子から
付けられたそうです。現在でも家庭でつくられますが、小麦粉のだんごは硬くなりやすいため米粉で
つくる場合も 増えています。また、あんこだけでなく、きな粉をまぶして作ることもあるそうですね。
学校給食では半夏生に合わせ、白玉だんごにあんをまぶしたものを「はげ団子」として、
取り入れているということです。米粉でも市販のおもちやあんこを使うと簡単にできますね。
■材料:4人分>>>
・小麦粉400g ・水200g ・塩少々
・【あん】小豆100g ・【あん】水適量・【あん】砂糖100g・
【あん】塩小さじ1/2
■作りかた>>>
①あんをつくる。
小豆またはささげは、しぶがあるので、たっぷりの水からゆでて、途中沸騰したら、
しぶ切りするため湯は捨てます。再び、たっぷりの水を加えて柔らかく煮ます。
煮えたら、砂糖を加えてまとまるほどの硬さまで焦がさないように煮つめます。
最後に塩を入れ、甘みをひきたたせます。
②小麦粉を水で練り、耳たぶ程度の硬さの生地をつくる。
お湯を沸かして、沸騰している湯の中へ、木杓子で一口大の大きさのだんご生地をすくって落とします。
浮かび上がればざるにとります。
③ ②の水気を切って、熱いうちに①のあんをまんべんなくまぶします。
あんがまだらにつき、「はげ」だんごとなると出来上がり。
【レシピ提供元名 : 香川県農政水産部農業経営課】
※食べ切れずに固くなってしまった団子は、お皿にラップをして
電子レンジであたためるとやわらかくなって美味しく食べられますよ。
⑧【鳥取県 / 呉和え(ごあえ)】(放送日:2024/05/24)
★宮城県の呉汁に続いての郷土料理★
・「呉和え」は、ゆでた大豆をすり潰した「ご」を衣にして野菜や,きのこ,と和える料理で、
鳥取県の西部地域 日南町(にちなんちょう)に伝わる郷土料理です。
・日南町(にちなんちょう)は、島根県・広島県・岡山県に隣接していて、面積の9割を森林が占める
伯耆(ほうき)地方山間部の町で、県内でも有数の豪雪地帯です。
・「伯耆(ほうき)」とは? 「伯耆」とは、旧国名「伯耆国」のなごりで、現在の鳥取県中西部と
島根県東部の一部を含む地域では今でも多く地名や旧跡が残っています。
その中でも有名なのが「伯耆富士(ほうきふじ)」「伯耆大山(ほうきだいせん)」。
山の名前なのですが、大山は見る方向により様々な山容が楽しめる名山としても有名で、
北側から望む荒々しく切り立つ「北壁」、南側から望む山の背が美しい「南壁」、
そして大山西側から望む均整の取れた山のすがたは、まるで富士山のように見えることから古来より
「伯耆富士」「伯耆大山」と呼ばれて親しまれてきました。
・この伯耆大山が見える伯耆町(ほうきちょう)にはアーティスト福山雅冶さんのカメラの師匠、
植田正冶(うえだ しょうじ)さんの美術館「植田正冶写真美術館」があります。
残念ながら、2000年にお亡くなりましたが、生まれた鳥取県境港市を離れず、山陰の空・地平線・
そして砂丘を背景として、被写体をまるでオブジェのように配置した演出写真を多く残しました。
これらの作品は写真誕生の地フランスで日本語表記そのままにUeda-cho(植田調)という
言葉で広く紹介されています。時代を感じさせないモダンな写真は私も大好きです。
・ゆでた大豆をすり潰した「ご」を衣にして野菜やきのこと和える料理「呉和え」は、
この地方は耕作地帯が極めて狭く、昔は雪が降るまでの短い期間に、造林のための急斜面の山に
火を入れた「焼山」を農耕に使って草木の灰の養分だけで、大根、豆類、そば、
菜種(なたね)などをつくっていたそうです。中でも大豆は、「畑の肉」いわれるほどたんぱく質や
ビタミン、ミネラルを豊富に含むため、貴重な栄養源として重宝されてきました。
・「呉・ご」は、鉢とすりこぎを使って、少し水を加えてすり潰したものです。
鳥取県の伯耆地方日南町では野菜やきのこなどと和えて食べたり、こんにゃくを入れることもあるとか。
法事などの来客を食事でもてなす際につくられていました。お祭りでも食べられることがあるそうです。
■材料:4人分>>>
・なす300g ・枝豆 正味50g ・みょうが小3個
■作りかた>>>(今回は、なすのずんだ和え)
①枝豆はゆでて皮をむき、すり鉢ですり潰して砂糖、味噌、だし汁を加えてよくすり混ぜる。
すり鉢が難しい場合は、フードプロセッサーで!!
②2なすは5cm位のたんざくに切り、さっとゆで、水にさらす。みょうがは千切り。
(なすは焼いてもレンジで加熱してもよい)
③なすの水気をしっかりしぼり、みょうがとともに①の和え衣で和える。
※レシピ提供元名 : 「にちなん邑の味」(日南町)
(レシピは地域・家庭によって違いがあります。)
■日南町では、地元の食文化を伝承するため、地域の食育関係者が中心となって、郷土料理の冊子を
作成しているそうです。また日南町公式Youtubeチャンネルでは
「食育さんのちょっこしクッキング~なすのずんだ和え編~」がアップされています。
こちらもぜひご覧ください。
また、鳥取県日南町では地域の公民館や集会所で郷土料理をつくる体験ができるよう、
講習会を開催しています。 「呉和え」は、冊子にレシピが取り上げられている他、
学校でも給食のメニューとして提供されていて、
若い世代や家庭に郷土料理が伝えられるよう取り組まれています。
⑦【宮城県 / 呉汁】(放送日:2024/05/17)
★給食にもだされる、「くれじる」?じゃなくて「ごじる」です★
・全国各地で作りつがれている郷土料理だそうで、宮城県のほかにも埼玉県・福井県・宮崎県・鹿児島県など
でも食べられています。
■「呉汁」の「呉」って何なのか?
大豆を水に浸し、すりつぶしたものを「呉(ご)」と言うそうで、 呉汁は、その呉をみそ汁に入れたものを
指します。 1年中食べられる郷土料理ですが、大豆の収穫は秋から冬。大豆といろいろな 野菜の入った
呉汁はたっぷり栄養を取ることが出来るひと品。
■何故、宮城県で好んで食べられているのが、「呉汁」なのか。
体が温まることからも、特に寒い季節に食べられる郷土料理として日本各地で昔から親しまれていますが、
宮城県は大豆の栽培面積が北海道についで第2位の産地だそうです。
農家が生産した大豆は、味噌や納豆、豆腐などに加工されてきました。大豆は「畑の肉」と言われ、必須
アミノ酸がバランスよく含まれていて良質なタンパク質を豊富に含んでいます。また小さい粒の中には
ビタミン類やミネラル、イソフラボン、サポニン、食物繊維などの栄養素や機能性成分がぎっしり!古来から
日本人の生活を支えてきた食材なんですね。
・夏場には冷たい「呉汁」を食べることもあるそうです。また枝豆をすりつぶした「青呉汁」もあるそうで、
美味しそうです。 地域によっては乾燥させて挽いた大豆を使うところもあるとか。また最後にお好みで
唐辛子を入れると美味しいんですって。
■材料:4人分>>>
・大豆2分の1カップ
(スーパーで売っている大豆の水煮を使うとお手軽に作れます)
・大根 100g ・にんじん 50g ・ねぎ 1本 ・油揚げ 1枚
・みそ 大さじ3・だし汁 4カップ
■作りかた>>>
①大豆を一晩水にひたす。(大豆の水煮を使ってもよい)。水けをきってまな板の上で粗く刻んですり鉢に移し、
少量の水をくわえてすりつぶす。(フードプロセッサーがある場合は使って)
②大根・にんじんは同じ大きさのいちょう切り。油揚げは細切りにする。
③鍋にだし汁と野菜、油揚げを入れて軟らかく煮る。
④柔らかく野菜が煮えたらみそとすりつぶした大豆を入れる。
煮こぼれに注意しながら2~3分煮て小口切りにしたねぎを入れて完成。
※レシピ参照:「ごっつぉうさん-伝えたい宮城の郷土食」
(みやぎの食を伝える会)※
味噌にすりつぶした大豆にたっぷりお野菜!体が喜ぶ栄養ごはんですね。
⑥【愛媛県 / たこ飯】(放送日:2024/05/10)
★「たこ飯」は、地元の味として、地域の小学校の給食でも提供されているそうです。★
・全国さまざまなエリアがありますが、伊予灘も海底が砂地で、小エビ、カニ、貝類が多く、タコの生育環境として
適しているそうです。その中でも春先に出回る200~400gの小さいたこは「木の芽だこ」と呼ばれ、身が
締まって美味しいとされています。
また、梅雨には栄養分を含んだ水が海に流れ込むため、タコが大きく育ち、この時期のものも独特の歯ざわりが
あると言われています。広島尾道から愛媛の今治をむすぶしまなみ海道へ、サイクリングに行った時、島々に
も、たこ料理のお店を目にしました。
■材料:4人分>>>
・お米 3カップ ・昆布 5センチ角
・調味料>
醤油 大さじ3 / みりん 大さじ2分の1 / 酒 大さじ2分の1
・具材>
たこ 200g / 人参20g/ ごぼう20g/ 油揚げ(千油揚げ)2分の1枚 みかんの皮 適量 / もみのり 適量
■作りかた>>>
①お米は炊く30分前にざるにあげておく。
②ゆでだこは小口切り。人参・ごぼう・油揚げは細切りにする。
③炊飯器にお米と調味料・具材を入れる。3合のお水の量の目盛少し多めに
水を入れ、昆布をのせる。
④スイッチを入れて炊き上げる。炊き上がったらさっくりと混ぜ、器に盛り、
みかんの皮のみじん切り、もみのりをのせて完成。
・愛媛の郷土料理として家庭でもよく食べられている「たこ飯」ですが、各地で駅弁としても、たこ飯が販売
されていて親しまれていますよね。愛媛県のほか香川県、広島県、岡山県、兵庫県など瀬戸内海周辺の島、
愛知県や茨城県でも食べられています。生ダコを使うと赤飯のようなきれいな色に仕上がります。お好みで
木の芽や青のりをあしらっても美味しくいただけますよ。駅弁としてたこ飯が販売されていて親しまれていますよね。
私は生姜の千切りを入れて炊きこんでみました!さっぱりとして美味しかったです。
ぜひみなさんもお試しください。
⑤【山形県 / だし】(放送日:2024/05/03)
★夏の定番?野菜の香りにご飯が進む郷土料理★
- 「だし」という名前の由来は、さまざま。
お出汁のようにほかの食材を引き立てる事から「だし」となった説や、包丁で野菜を細かく
切り“出す”ことから「だし」となった説、また、野菜を刻んで味付けしただけで手早く食卓に“出す”ことから
「だし」となったなど、諸説あるそうです。
「だし」のレシピは“100軒の家があれば100種類の味”があるといわれていて、非常に多彩なのが面白いです。
・「だし」は野菜を生のまま手軽に食べられる夏の山形県の定番料理。
山々に囲まれ夏は、高温多湿で非常に暑さが厳しい村山地域を中心に食べられてきた。といわれていて、
現在でも地元の人々の生活に、定着している一品。
暑さで食欲がなくなる時期に、きゅうりや、なすなど水分を多く含む夏野菜と
青じそや、みょうがなどの香味野菜を刻んで和え、味付けしたのが「だし」。
昔から、農繁期のスピード料理としても親しまれてきたそうです。
■材料:作りやすい分量>>>
・なす2分の1 ・きゅうり1本 ・しょうが ひとかけ ・みょうが1個
・大葉4~5枚
・がごめ昆布 2~3グラム(なければ、とろろ昆布や塩昆布で代用)
*(味付け)
・醤油 大さじ3 ・みりん 小さじ2 ・酢 大さじ2分の1
・砂糖 小さじ1
■作りかた>>>
①なす・きゅうり・しょうが・大葉を刻む.
5~6ミリ角切り 生姜は辛みが出やすいので2~3ミリ角切り
なすはアクが出るので水にさらす(2~3分)
②(醤油大さじ3、みりん小さじ2、酢大さじ1/2、砂糖小さじ1)ボウルに合わせる
③水にさらしていたなすをざる上げして、しっかりと水気を切ってからボウルに戻します。そこに先ほどボウルで
混ぜ合わせた、合わせ調味料から大さじ1/2を抜いて加え、軽く混ぜ合わせ、底ににたまる薄まった
調味料を捨てる。 ※こうすると多少日持ちがよくなるのと水っぽさを防ぐ。(共洗い)
④共洗いして汁気を捨てたなすを他の野菜と混ぜ合わせ、残った調味料すべてと、がごめ昆布を加えます。
(昆布は細切りや粉状のものであればそのまま加えて。大きければハサミで細かく切って加えても)。
あとは箸で全体を混ぜ合わせ、冷蔵庫で1時間以上味をなじませます。
食べる前に一度よく混ぜたら出来上がり!
冷蔵での日持ちは【3~4日ほどが目安】
まずはごはんに、他にも豆腐や麺料理、納豆とあわせたり、いろいろと活用してみてください。
④【福岡県 / えびざっこ】(放送日:2024/04/26)
★豊かな恵みをもたらしてくれる豊前海(ぶぜんかい)。
主に、豊前エリア(福岡県東半部)の郷土料理★
・豊前海(ぶぜんかい)。この海は福岡県東部沿岸から大分県北部沿岸にかけて広がる周防灘(すおうなだ)に
位置する内海性の海域で、海底は砂または泥。
潮の満ちひきが大きく、沿岸には広大な干潟が広がり、小型底びき網漁や、小型定置網漁が主な漁業方法と
なっていて、カレイ類などの魚類や、エビ類・ワタリガニ類などの甲殻類が多く水揚げされるそうです。
シバエビによく似た皮の柔らかい小型のエビも、豊前海では多く水揚げされるそうです。
紹介する「えびざっこ」に使われる「エビ」は、特定の種類ではなく、アカエビ、サルエビ、トラエビなど
数種類の小型のエビを使用し、地元では「ざっこ」とも呼ばれ、漁で獲れる雑多な小型エビの総称として
呼ばれています。たくさんとれる小型エビを新鮮な状態で、さっと調理しいただく漁師のごちそうです。
・「えびざっこ」の歴史ですが はっきりとした記述を見つけることはできませんでした。 ただ、味付けに
使われているのが主に醤油と砂糖なので、醤油や砂糖伝来以降なのでしょうか?それとも意外と歴史は
浅いかも。 九州の醤油と言えば「甘い」食べたことありますか?鎖国時代に砂糖が九州に入ってきたことが、
甘い九州醤油のルーツという説もあるようです。
・「えびざっこ」は数種類のエビからなりますが、5月から10月頃までが旬。とれたて新鮮なものは刺身でも
食べられ、ほんのり甘く美味しいとのこと。皮が柔らかいので、軽く小麦粉を付けてから揚げにしたり、衣を
付けて天ぷらにする事も多いんだそうです。新鮮なエビが手に入れば、簡単に調理できることもあり、家庭の
食卓や、来客者へ郷土の味として出される郷土料理です。
新鮮な小型のエビを頭付きのまま、丸ごと薄い甘醤油でさっと煮て作ります。少し大きめのエビはまるごと使う場合は、頭部と尾にある尖った部分を
丁寧に取り除いたり、頭や殻をとってしまうと口当たりがよくなります。残った煮汁にゆでたそうめんを入れ、ひと煮立ちしていただくと、
エビの旨味が移り美味しい。
■材料:2人分>>>
・地エビ 300グラム ・酒 40ml ・醤油 20ml ・砂糖 20グラム
・お好みでそうめん 100グラム
■作りかた>>>
①エビは2、3回水洗いして、ざるに上げる。
②鍋に酒を入れて強火にかけ、沸騰してから醤油、砂糖を加え、
③ ①)のエビを殻つきのまま入れ強火で煮る。
④殻が赤くなり、身がばちっとはじけたらすぐ皿に盛る。 残りの煮汁でゆでたそうめんをひと煮して食べる。
③【和歌山県 / しらす丼】(放送日:2024/04/19)
★海にも山の幸にも恵まれた【和歌山県】の郷土料理★
- 私の出身地【千葉県】と【和歌山県】は歴史的なつながりがあります。
【千葉県】は醤油づくりが盛んなのですが、実は江戸時代に紀州・和歌山の人から伝わったもの。
太平洋を日本に沿って流れる海流「黒潮」に乗り、千葉にやってきた紀州の人たち。銚子にたどり着いたとき、
「ここで醤油を作れば、利根川を使って江戸にも運べる」と漁業と共に醤油づくりの拠点が出来上がりました。
それ以前の銚子では農業が中心だったそうです。
他にも、【和歌山県】と【千葉県】のつながりを示すのが「地名」
例えば、「勝浦」という地名が和歌山県那智勝浦町と千葉県勝浦市にあります。
他にも、和歌山県の白浜町(しらはまちょう)と千葉県の旧・白浜町
(しらはままち)(現在は南房総市)も同じ地名。
元々は紀州の「勝浦」や「白浜」に住んでいた人々が、千葉県にやってきて、
集落を形成するときに、自分たちの地元の名前を使ったと言われています。
・和歌山県のしらす加工は、江戸幕府が開かれたのと同時期に創業した店舗が
あるほど歴史を持っています。
3月から5月にかけてシラス漁が最盛期を迎え、和歌山市の友ヶ島から、日ノ岬沖までの紀伊水道では、
カタクチイワシやマイワシ、ウルメイワシなどの稚魚が豊富に水揚げされます。
特に、和歌山市加太(かだ)や有田郡湯浅町(ゆあさちょう)は県内有数の
シラス産地で、加太は生シラス、湯浅では釜揚げシラスの生産が盛んです。
県内でシラスの水揚げ量一位を誇る湯浅町では、「バッチ網」と呼ばれる漁法でシラス漁をおこなっています。
これは、網目が1mmほどの細かい袋状の網を二隻の小型船で引っ張り、魚群を囲む方法。
網が男性の下着の股引=和歌山の言葉では「バッチ」に似ていることから、この名前がついたと言われています。
水揚げされた新鮮なシラスは、すぐ近くの工場に運ばれて、湯が煮えたぎる大釜で塩ゆでされます。
ゆであがったシラスは、よしずに広げて天日干しされます。
これをごはんにのせて食べるのが、「しらす丼」。
湯浅町では、地元発祥の湯浅醤油や金山寺味噌をそえて食べることも
多いそうです。また、生の「しらす丼」を提供する店も。
釜揚げシラスは一年中店頭に並びますが、3月下旬から春先にかけてとれるシラスは旬ならではの味を楽しめます。
醤油と味だけのシンプルな味付けもあれば、ポン酢をかけたり梅干しや、金山寺味噌をのせたりすることもあり、
各家庭の味付けをするそうです。薬味はねぎやしその葉。さっぱりとして美味しそうですね!
■材料:4人分>>>
・釜揚げシラス 240g ・ごはん 3合
・醤油 お好みで ・ごま油 お好みで
・梅干し お好みで ・わさび お好みで
・しそ お好みで ・錦糸卵 お好みで
・金山寺味噌 お好みで
■作りかた>>>
①炊き立てごはんをどんぶりに盛る
②釜揚げシラスをのせる
③お好みでトッピング
シラスに準備したトッピングをのせるだけ!
②【岐阜県 / 鶏ちゃん(けいちゃん)】(放送日:2024/04/12)
★下呂市を中心とする南飛騨地方や郡上市を中心とする奥美濃地方の郷土料理★
・この郷土料理の誕生は1950年ごろ、岐阜県の一部の地方で食べられていたジンギスカンをまねて作られた
のが始まり。その後1960年ごろから地元の精肉店や居酒屋が独自に改良し、地域色豊かな鶏ちゃんが、
各地で生まれたそうです。
鶏ちゃんは、各家庭で飼っていたニワトリが卵を産まなくなった後、貴重なタンパク源として食したのが始まりと
伝えられ、当時は、特別な日に味わえるご馳走だったそうです。
名前の由来は、豚のホルモン焼きを「トンチャン(豚ちゃん)」と呼ぶことから「ケイチャン(鶏ちゃん)」と
いわれる説や、混ぜ合わせるという意味の「ちゃん」と「醤(じゃん)」を合わせた「鶏醤(けいじゃん)」から
「鶏ちゃん」になったという説も残っています。
鶏肉が貴重な食材だったころは、大切なお客様があった時や、親戚が集まるお盆やお正月など、特別な日の
料理でした。今では、手に入りやすい食材や調味料で作れる身近な郷土料理として、各家庭や多くの飲食店で
一年中味わうことができる料理。
鶏肉とキャベツやもやし、季節の野菜に特製のたれを絡め、鉄板やジンギスカン鍋などで焼きながら食べます。
味噌味、醤油味、塩味など、地域や家庭、店によって味付けや作り方には違いがあり、それぞれのこだわりの
味を楽しめるのも「鶏ちゃん」の魅力。
■材料 >>>
材料【4人分】
・鶏肉(ひと口大) 200g ・味噌 32g 大さじ1と3分の2 ・酒 6g 小さじ1多めに
・醤油 8g 小さじ1と2分の1 ・にんにく 6g 小さじ1多め
・キャベツ 200g ・にんじん 40g
・ピーマン 20g ・サラダ油 6g 大さじ2分の1
■作りかた>>>
①にんにくはすりおろす。
②鶏肉に「味噌・酒・醤油・おろしにんにく」をもみこみ、下味をつける。
③キャベツはざく切り・にんじんはうすい短冊切り・ピーマンは細切り
④フライパンに油を入れて熱し、鶏肉から炒め、キャベツ・にんじん・ピーマンを入れて火が通ったら完成!!
(参考:レシピ提供元名 : 岐阜県学校栄養士会)
- 作ってみての感想
今回はみそ味のレシピですが、醤油や塩味も美味しそうですね!
にんにくがアクセントのとにかくごはんが進む 食欲ノンストップの郷土料理です。どうぞめしあがれ♪
①【千葉県 / ピーナッツみそ】(放送日:2024/04/05)
★海と山に囲まれた房総半島千葉県の郷土料理★
給食にはこの【ピーナッツみそ】が出てきます。白いご飯にかけて食べるとおいしい!(この食べ方しか知らなかった)
調べてみるとおにぎりの具材にしたり、パンにはさんだり、そのままでも、お酒のあてにも食べられているようです。
千葉県だけで食べられていると思っていたら、お隣の茨城県でも食べられているとの事。(どちらも落花生を栽培している県。)
- 【落花生の生産ランキング】
世界1位中国 2位インド 3位ナイジェリア
日本1位千葉 2位茨城県 が上位
千葉と茨城で国内の90%近くシェアがあり、
特に千葉県は75%から80%をずっとシェアしている!
- 落花生というとそのまま食べるイメージが強いかも? ピーナッツバターや落花生和え、またパッタイやサテーといった 東南アジアの地域での料理によく使用されている。
- なぜ千葉県で落花生の栽培が盛んになったのか?
落花生は、別名「南京豆」とも呼ばれ、日本には江戸時代ごろ伝わったといわれている。日本では、かつて
沖縄県が中国から渡った落花生が最初に生産が盛んになったと言われています。
千葉県の落花生の栽培は明治9年に山武郡南郷町(さんぶぐんなんごうまち)(現・山武市さんむし)の
農家牧野万右エ門(まきのまんうえもん)氏が神奈川県三浦郡中里村から種子を購入して試作したのが
始まりとされている。
その後、千葉県農業試験場において千葉半立(ちばはんだち)という品種ができたことで生産が盛んに
なっていきます。
千葉半立は栽培が比較的容易なこと、収量が高く安定していることなどから、千葉県全域で生産が盛んとなった
背景があります。
また千葉県の温暖な気候が落花生の栽培に適しているということも生産が盛んなことの理由の一つ。
今では千葉半立は千葉県産落花生のなかでも最高品種として知られています。
- 【ピーナッツミソが家庭で作られるようになったのは?】
市場に出回らない規格外の落花生の活用方法として農家の人たちが「落花生味噌(ピーナッツみそ)」を
考案した。落花生の旬はお米と同じ秋ですが落花生には脂肪、たんぱく質などの栄養素が豊富に含まれること
から、今ほど食料が豊富でなかった時代、保存食として重宝され、郷土料理となる。
■材料>>>
むき実生落花生 170g / 砂糖 70g / 味噌 60g / 白ごま 大さじ1 / サラダ油 大さじ1 / みりん 大さじ1
■作りかた>>>
①フライパンにサラダ油 大さじ1を入れ温める。
②落花生をかき回さずフライパンをゆすって 弱火で15分。
③落花生の色が薄い茶色からこい茶色になったらひとつ取り出して食べてみる。中まで火が通っていたら味付け。
④味噌60g 砂糖70g みりん大さじ1をフライパンに入れて和える。
⑤できたら白ごまを振って完成!!!
落花生の食感と甘じょっぱくてご飯とまらない 千葉県の味【ピーナッツみそ】
どうぞめしあがれ♪