宝塚ホテル 八千草薫さんの肖像画複製パネル展示 除幕式
樽井美帆です
11月29日(月)、宝塚ホテルにて
『八千草薫さんの肖像画複製パネル展示除幕式』が執り行われました。
除幕式の司会・進行は、宝塚ホテル支配人 憧花ゆりのさんです。
会場を包み込む優しさの中に凛々しさも感じる、
元月組組長 憧花ゆりのさんの司会でした。
八千草薫さんは、1947年に宝塚歌劇団に入団された34期生。
戦後一期生として宝塚歌劇団入団されました。
可憐な娘役スターとして活躍され、1951年には在団中に東宝映画と契約。
1954年、花組から演劇専科に移籍。
1955年、日本とイタリアが合作で映画化した
プッチーニ作のオペラ『蝶々夫人』のヒロインに抜擢されました。
1957年に宝塚歌劇団を退団後も、女優として数多くの映画・ドラマ・舞台にご出演。
清楚で可憐、上品な八千草薫さんの姿、みなさん鮮明に記憶されているのではないでしょうか。
2019年10月、88歳でお亡くなりになりました。
2014年には、宝塚歌劇の殿堂入りを果たされています。
今回、宝塚ホテルに常設展示されることになった八千草薫さんの肖像画複製パネルは、
小磯良平画伯が描いたもの。
宝塚ホテルに象徴的に飾られている、宝塚大劇場で実際に使われていた緞帳『騎士の門出』。
その『騎士の門出』の原画を描かれたのも小磯画伯です。
2020年、移転開業した宝塚ホテルでは、旧館にあった小磯画伯の描いた緞帳を
美しくクリーニングし、ホテルロビーに掲げています。
今回、八千草薫さんの肖像画複製パネルは、その緞帳のすぐ近くに飾られることになりました。
展示作品は、小磯画伯が1956年に描いた油彩画『婦人像』のうち、
和装姿の八千草さんを描いた複製パネルです。
八千草さんは、1955年上映の日本とイタリアの合作映画『蝶々夫人』で、
日本人女性の象徴としてヒロインを演じました。
小磯画伯は、この八千草さんに感銘を受け、当時の週刊紙の表紙モデルとして、
和装姿の清楚な八千草さんを描きました。
司会の憧花ゆりのさんは、展示に至った経緯を次のように説明されました。
古典的な西洋画家の技法を得て、丹精な人物画を描いた小磯画伯。
清く正しく美しくの教えを受け継ぐ宝塚歌劇団。
そして、社交の場として西洋文化を広めるさきがけとなった宝塚ホテル。
三者に共通するのは、モダンな感覚、気品あふれるスタイルです。
この3つのハーモニーが、宝塚ホテルの新しい象徴として、
宿泊されるお客様や宝塚大劇場にご来場されるお客様の夢の続きとなって響き合うことを願い、
本日この日が実現いたしました。
除幕式には、雪組トップスター 彩風咲奈さんと雪組トップ娘役 朝月希和さんが参加されました。
彩風咲奈さんのあまりのカッコよさに、思わず『ヒィッ』と声を上げそうになりました
ギリギリ耐えましたが、足が床から10㎝くらい浮いていたと思います
朝月希和さんは、落ち着いたブラウンの髪をとても上品でステキなアップスタイルに。
しっとりした美しさがまぶしかったです
彩風咲奈さんのスーツには、上品なチェック柄が入っていました。
朝月希和さんは、パッと見た感じはグレーに見えるワンピースなのですが、
よく見ると細かいチェックが入っていました。
お二人で衣装を合わせられたのでしょうか
終始穏やかな微笑みを浮かべていらっしゃった彩風咲奈さんと朝月希和さん。
登壇者は、
山﨑晴恵宝塚市長
ご親族代表として小磯画伯の曾孫 澤村春菜さん
神戸市立小磯記念美術館 館長 岡泰正さん
八千草薫さんの所属事務所代表 原田純一さん
宝塚歌劇団 理事長 木場健之さん
雪組トップスター 彩風咲奈さん
雪組トップ娘役 朝月希和さん
憧花ゆりのさんの「どうぞ!」を合図に華やかなファンファーレが響き渡り、
登壇者が一斉にリボンを引くと肖像画複製パネルがお披露目されました。
除幕式終了後、登壇者のみなさまにお話しを伺うことができました。
なお、彩風咲奈さん・朝月希和さんは囲み取材には参加されていません。
★小磯良平画伯が描かれた八千草薫さんの肖像画複製パネルが展示されることになった感想
【八千草薫さんの所属事務所代表 原田純一さん】
八千草が亡くなりまして2年が経ちました。
みなさまのご尽力でこのようなことを企画していただきまして、
たぶん八千草も天国で恥ずかしいようなうれしいような微妙な笑みを浮かべていると思います。
たぶん喜んでいると思いますのでありがたく思います。
【ご親族代表 小磯画伯の曾孫 澤村春菜さん】
小磯が描いた緞帳の近くに八千草薫氏の肖像画複製パネルが展示されて、
すごく素敵な空間になっていると思います。
小磯はとても物静かで恥ずかしがり屋だったと聞いておりますけれども、
小磯もきっと恥ずかしがりながら喜んでいることだと思います。
【神戸市立小磯記念美術館 館長 岡泰正さん】
小磯良平は、コスチュームを描くということに興味を持っていました。
戦前でも、宝塚歌劇のコスチュームを借りてきてモデルに着装させて描くということがありました。
宝塚大劇場の『騎士の門出』という緞帳とあわせて小磯の世界が、
戦前から古典的で西洋的でノーブルな空間の中で飾られることになり、
非常にふさわしい空間を得て、小磯良平が喜んでいることは間違いないと思います。
八千草薫さんの純粋さを見事に的確に捉えて、清楚さというものがそのまま捉えられている作品ですので、
ぜひ見ていただきたいと思っております。
逗子のアトリエで、お互い忙しい合間をぬって描いたと聞いております。
小磯画伯は、もう少し手を入れて仕上げるつもりだったが、最終的にはそこまでいかなかった。
仕上げたかったけれども仕上げられなかったのかもしれない。
完成作ではないけれども、小磯画伯はずっとアトリエに置いていたそうです。
本人は、完成しきってサインも入れたかったという気持ちがあるかもしれませんが、
小磯画伯が非常に気に入っていて、未完成だからこその味わいと気品がある作品だと思います。
【山﨑晴恵宝塚市長】
この絵の中には、八千草薫さんの美しさ・気品・清楚さすべてが
小磯さんの独特のタッチで描かれていると思います。
当時、この絵は人気ナンバーワンだったそうです。
この絵の価値というものは、永遠だと思います。
その絵がこの宝塚ホテルに飾られて、日本中から多くの方がこの絵をご覧になるために、
宝塚にお越しくださればと期待しております。
【宝塚歌劇団 理事長 木場健之さん】
小磯先生の描かれた肖像画とともに八千草薫さんの現役時代、
そして退団後の映画・テレビ等々でのご活躍の模様をしのばせる様々な展示品がございます。
それを拝見してあらためて八千草さんが貫かれた清く正しく美しい生涯のお姿、
その生き様を感じとって今強く感銘を受けているところでございます。
宝塚歌劇の殿堂でも八千草さんのコーナーがございますので、
そちらもあわせてご覧いただければと思います。
八千草さんの在団期間は8年くらいで、その後の映画・テレビの世界のご活躍の方が長いので、
八千草さんが宝塚歌劇出身だと思っていらっしゃらない方も多いと思いますが、
これを機に宝塚歌劇団の大先輩だったということをあらためて認識いただけたらと思っております。
★山﨑晴宝塚恵市長からみなさまへのメッセージ
宝塚市といえば、宝塚歌劇と言われるほどです。
宝塚大劇場の隣の宝塚ホテルに、素晴らしい絵がこの度飾られることとなりました。
この絵を見る価値は十分あると思いますので、日本中・世界中から
みなさまこの絵を見に宝塚市にお越しいただければと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
肖像画複製パネルは、宝塚ホテル1階ロビーに常設展示されますが、
2022年1月31日(月)までは、八千草薫さんの写真や縁の品もあわせて展示されています