元宝塚歌劇団 月組 楓ゆきさん
樽井美帆です
宝塚歌劇の夢と情報をお届けする『レビュー・ステイション』
8月20日(土)は、スペシャルゲストデイをお届けしました!
お迎えしたのは、
元宝塚歌劇団 月組 楓 ゆきさん
2009年、『Amour それは…』で初舞台を踏まれた95期生です。
2021年8月15日、『桜嵐記』・『Dream Chaser』東京公演千秋楽をもって退団されました。
8月15日に退団1周年を迎えられ、また宝塚大劇場では月組公演『グレート・ギャツビー』上演中という
奇跡のようなタイミングでご出演くださいました。
楓ゆきさんは、近くに月組を感じますとおっしゃっていました。
オープニングナンバーとして楓さんが選んでくださったのは、2017年の月組公演『カルーセル輪舞曲』でした。
曲がかかると楓さんは、キラキラの笑顔で「珠城さん💗」
珠城さんの後ろ姿を追いかけていた光景がリアルに蘇りましたと幸せそうにおっしゃっていました。
退団公演が行われていた2021年8月は、コロナ禍のピーク。
無事に駆け抜けられるのだろうか、もう少しもう少しと、気を抜かずに頑張ろうと意識を高め、
奇跡的に休演者もなく完走することができ幸せだったなとあらためて感じていらっしゃるそうです。
また、観劇が叶わない大変な状況の中でファンのみなさんが寄せてくださった思いは色んな形で届き、
不安になる瞬間もありましたがみなさんのお気持ちが力になり強くなれましたと、
感謝の気持ちを新たにされていました。
楓ゆきさんといえば笑顔!
とても柔らかな陽だまりのような優しい笑顔が本当に美しい方です✨
楓さんのお人柄がそのまま表れていますね。
笑顔を心がけていましたので、少しでも癒しや幸せを感じていただけていなのならば、
本当にうれしいですとおっしゃっていました。
退団後、月組の公演を観に行かれた楓さん。
課題に向かって頑張る下級生の姿を見て、気持ちや状況が分かるので、一人一人に気持ちが入ってしまい、
観たいところがたくさんあって気持ちが忙しかったそうです。
輝かしい時間を協力し合い、命を燃やしながら舞台に立つ姿を観て、
刺激になりまた誇らしい気持ちになりましたとお話しされていました。
同期生の月組トップスター月城かなとさんの姿もとても誇らしく大きな感動が押し寄せ、
その日の夜はグッタリ!
どれほど全身全霊でご覧になったのかが伝わってきますね。
『BADDY-悪党は月からやって来る-』は、月組生誰もが刺激的な日々を送った公演だそうです。
集合日に台本を手にし開いた瞬間「ん???これは???」となられたと😲
いつものレビューしか知らないみなさんは、面白そうでもあるけれども怖さもある・・・
そんなスタートだったと振り返っていらっしゃいました。
上田久美子さんの求めていらっしゃるものに近づく作業は、とても大変だったそうです。
怒りのロケットは、楓さんはじめ95期のみなさんが長の期でまとめなければいけない立場にありました。
ラインダンスで笑わないことなんて今までなかったという衝撃!
怒りのボルテージが最大限まで上がらなければ作品が成立しないという重要な場面であるラインダンス。
振りも激しく、怒るというエネルギーがこんなにしんどいんだと感じる日々。
出番前は、気合を入れる力士のように足や体をパンパン叩いて、「行くよ!行くよ!みんな!」と
声を掛け合っていらっしゃったそうです。
身体がガチガチになり大変な日々だったそうですが、みなさんにご好評いただき私の財産になっていますと幸せそうにお話しされていました。
退団公演、『桜嵐記』・『Dream Chaser』。
『桜嵐記』で楓ゆきさんが演じられたのは、阿野廉子(あの れんし)。
後醍醐天皇(一樹 千尋さん)の側室、そして後村上天皇(暁 千星さん)の母です。
かなり挑戦で難しい役だったとおっしゃっていました。
作・演出の上田久美子さんにとっても、阿野廉子役を自分に任せることは大きな挑戦だったのではないかと楓さん。
作品の一部としてしっかり生きたいという意気込みで取り組まれたそうです。
ですが、最初は手も足も出ず、これまでの経験やスキルでは分かりえないことが出てきてしまい、
最後まで勉強になりましたと振り返る楓さんがしたこととは・・・
その時代に生きたその人物になる、演じるではなく、「なる」ということでした。
演じるということは自分と役が二人いる、でも楓さんは「私は阿野廉子なんだ」という風になりたかったそうです。
現代を生きている自分の行動・言動ではなく、南北朝の厳しい時代に生き、その立場を担った阿野廉子だからこその
言動や行動、また心情や感性を理解するために、時代背景を資料や時代劇で勉強。
魂に入れ込みたいという思いだったそうです。
楓ゆきさんの丸い愛らしい瞳、そして笑顔を封印した阿野廉子でしたよね。
初めて『桜嵐記』を観た時、阿野廉子を演じているのが楓ゆきさんだと気づかなかった方も多いのではないでしょうか?
実際、多くの方からそのお声が楓さんの元に届いたそうです。
退団公演なのに認識していただけなかった~😢と思いながら、内心「よしっ!」と思っていた楓さん。
出番前は舞台袖で「私は楓ゆきではなく阿野廉子」と集中して出ていかれていたそうです。
『桜嵐記』では、楠木正行と弁内侍に二人きりの最後の時間を作ってあげたり、後村上天皇の背中を押したり、
ラストシーンでみなさんが静止している中言葉を発したりと、緊張感ある場面で重要な役割を果たした阿野廉子。
阿野廉子は、冷静で思慮深く考えて行動に移すタイプの女性であると感じた楓さんは、
表情で突発的な表現をするタイプではないと思い、どれだけ中身を濃く作れるかだと考えられたそうです。
怒り一つにしても、その場限りの怒りではなく、立場や状況など蓄積があっての怒りで、だからこそ声を荒げたという経緯を大切に。
正行と弁内侍を引き合わせたのは、男性には分からない女としての気持ちを持っていたからこその計らいだったのでは。
そんな風に繊細に役作りをなさったそうです。
『桜嵐記』の舞台では、何度も桜が舞いました。
入団以来、宝塚おとめの好きな花に桜をあげられた楓さん。
舞台で見る桜の花は、本当に美しかったそうです🌸
ご出身地である茨城県日立市のお花が桜ということもあり、桜が大好きな楓さん。
出来上がったばかりの『桜嵐記』のポスターを見た瞬間、「私この作品すごく好き」と心惹かれたそうです。
ラストシーンで、袖に入っていく珠城りょうさんを舞台上から見送る時の散り桜が、幻想的でもあり、
色んな人の色んな気持ちをのせた桜でもあり、儚く散っていく人のようでもあり、
時代に翻弄された人々のようでもあり、淡い恋心や様々な思いなど、色んなものに感じられたのだそうです。
あの光景は忘れませんとおっしゃっていました。
客席から見ても美しかった桜、舞台上のみなさんも色々な思いでご覧になっていたんですね。
『桜嵐記』は、上田久美子さんの宝塚歌劇団での最後の作品となりました。
楓さんは、上田さんが一人一人にかけられる言葉や配役を見て、一人一人を見てくださっているんだなと
上田さんの公演に携わるたびに感謝の気持ちがあふれたそうです。
『Dream Chaser』での珠城りょうさん・美園さくらさんトップコンビのデュエットダンスが大好きで、
毎日花道からご覧になり、退団されてからも古澤巌さんの『愛しみのワルツ』をずっと聴いていらっしゃったそうです。
また、生命の讃歌という場面で、珠城りょうさんの右腕に抱かれた楓さん。
ものすごく幸せだったそうです💕
同じグループの方と珠城さんの迎え方を、今日はちょっと驚かせてみようなどと相談されていたと
楽しそうにお話しをされていました。
歌いながら音にも合わせながら大変なはずなのに、すべてを受け止めてくださる珠城さんにただただ感激されたそうです。
それで、毎公演みなさんの表情が違っていたんですね。
下級生時代、楓ゆきさんの転機となった珠城りょうさんからの言葉もご紹介くださいました。
丸顔で丸い目、ステキな笑顔がとても印象的な楓さんですが、
「たん(楓さんの愛称)はすごく幸せそうに見える。それは娘役さんとしてタカラジェンヌとしてとってもいいことだけど、
稽古場でその役をやれることが楽しい、頑張ります、幸せですというふうに見えてしまう。
もっと頑張りたい、色んな役が演じられるようになりたい、認められたいという気持ちは、
自主稽古を見ている上級生には伝わるかもしれないけれど、お稽古場でしか見ていただけない
先生方やプロデューサーにも自分の強い気持ちが伝わった方がいいよ。」
悔しい気持ちをお稽古場であまり見せることができなかった楓さん。
珠城りょうさんからのアドバイスで、もっと伝える努力をしようと思われたそうです。
退団のご挨拶をするためにスタンバイしている時に見た横からの大階段。
それを見た時、初心を思い出された楓さん。
宝塚歌劇との出会いはTCAスペシャルのビデオ。
そのビデオの中で、大階段を歌い踊りながら下りてくるスターさんを見てステキと思った自分。
私、今憧れの大階段に立てているんだ、夢を叶えることができたんだなとあらためて実感することができたそうです。
憧れの場所に自分が立てている奇跡と感謝が込み上げ、そのままご挨拶へ。
みなさんに「届け~届け~」という一心でのご挨拶。
客席のみなさん、ライブ配信を見ていらっしゃるみなさん、すべてのみなさんへ向けてお話しされたそうです。
あの元気な「みなさ~ん!」という呼びかけには、そんなお気持ちが込められていたんですね。
退団後は、名和株式会社さんとのコラボ企画でレオタードのデザインやバレエ用品のデザインをされています。
レオタードはお稽古場でのモチベーションを上げたり、役に挑むための大切なアイテムだったという楓さん。
ご自身が経験された悩みや感じていたコンプレックスをいかして、
また着てみたいと思っていたレオタードをデザインされています。
出来上がっていく過程など、ものづくりがとても楽しいとおっしゃっていました。
宝塚大劇場へ通じる花のみち沿いにあります宝塚花のみちセルカ1番館1Fアンジェリーナさんにも
楓ゆきさんがデザインされた商品が置かれています。
ご観劇前後にぜひご覧くださいね。
ご自身のお考えやお気持ちを、とても美しい言葉で優しく伝えてくださる楓ゆきさん。
聡明であたたかいお人柄💛
ご出演くださいまして本当にありがとうございます!
なお、楓ゆきさんがご出演くださるにあたり、
株式会社ジュエリーカミネ様より
『FEILER ベルサイユのばらハンカチベルサイユローズⅢ』
株式会社 いづみや本舗様より
「ベルサイユのばら炭酸せんべい」
Coffee & Dining Raggedy様より
「お食事券」
カフェ モチャ様より
「お食事券」
Gelateria Rintocco様より
「ジェラート」
をご提供いただきました。
ありがとうございます。
株式会社ジュエリーカミネ ONLINE SHOP
http://www.jewelry-kamineshop.co.jp/
株式会社 いづみや本舗
ベルサイユのばら炭酸せんべいオンラインショップ
Coffee & Dining Raggedy(ラガディ)
https://www.instagram.com/raggedy.takarazuka/
カフェ モチャ
https://www.instagram.com/cafemocha0915/
Gelateria Rintocco(ジェラテリア リントッコ)オンラインストア