2023年 宝塚音楽学校 すみれ募金

樽井美帆です

 

5月21日(日)、57回目の「宝塚音楽学校すみれ募金」が実施されました。

 

コロナ禍で実施が見送られていましたので、

2019年に106期生と107期生が参加して実施されて以来、

4年ぶりの実施となりました。

 

これまでは、宝塚大劇場正面ゲートから大劇場入り口までの屋外スペースで行われていましたが、

今回は気候や安全面を考慮し、宝塚大劇場の建物入口から改札口までの大劇場ロビーにて、

室内で行われました。

 

私は長年すみれ募金を取材してきましたが、

毎年この時期は「すみれ募金焼け」をするほどの厳しい暑さ😓💦

大阪の予想最高気温が32℃の年もありましたし、

大勢の人が詰めかけその熱気も相まって熱中症が心配でしたので、

室内での実施は少しホッとしました。

 

今回は時間的にも、大劇場での11時公演が開演してからスタートし、

募金活動時間も例年より短かったので、余裕をもってすみれ募金が行われる環境になるかと

思っていたのですが、とんでもない!!

タカラジェンヌの卵である生徒のみなさんを一目見ようと多くの方が来場されました。

 

2023すみれ募金(110・111)1

 

今回、募金活動に参加したのは、

4月に入学したばかりの111期予科生(40名)と110期本科生(39名)。 

 

予科生は11時20分から50分まで、本科生は11時50分から12時20分と、

それぞれ30分間ずつ募金への協力を呼びかけました。

 

宝塚音楽学校の生徒のみなさんは、色とりどりの華やかな着物にお揃いの緑の袴姿。

男役は、紫・青・水色などの寒色系が多く、大ぶりなお花柄が人気のように感じました。

娘役は、赤・ピンクなどの暖色系が人気で、こちらは小ぶりなお花や手まり柄が

人気のように見えました。

年々、黒ベースのカッコよく華やかな着物も増えてきたようにも思いました。

 

ヘアスタイルは、男役さんは予科生・本科生ともにリーゼント。

本科生の娘役さんは前髪をきっちり上げて、キリッと美しいおだんごヘアに太い緑のリボン。

予科生の娘役さんは、肩の長さの髪の下半分をおろし、上部をスカーレットのように結び、

細い緑のリボンを付けていました。

以前ご出演くださった元タカラジェンヌのお話しによると、リボンは生徒さんの手作りだそうです🎀

 

予定時間ピッタリにまずは予科生がかわいく爽やかに登場。

会場からは「わぁ、来た~!」・「かわいい~!」・「いたいた~!」などの歓声が響き渡ります。

そんな中、生徒のみなさんはそれぞれの持ち場につきます。

 

2023すみれ募金(110・111)2

 

以前は6人もしくは7人ひとグループとなり、6つのグループに分かれて

募金を呼びかけていましたが、今回は10人または9人ずつ、4つのグループに分かれていました。

 

『おはようございます。よろしくお願いします。』

という元気なご挨拶をして募金活動スタート。

 

2023すみれ募金(110・111)3

 

例年、生徒のみなさんが

『がんと闘う子どもたちのため、ご支援ご協力をお願いします。』

『当たり前の生活を諦めることのないようにご協力をお願いします。』

と募金を呼びかける良い声の掛け声があちこちでこだまするのですが、

今回は募金をされる方が一列に並んで一方通行でスムーズに進めるようロープが張られ、

スタッフの方が誘導されていましたので、呼び掛けるタイミングがなく

掛け声を耳にすることは少なかったです。

その分、募金をされた方々への『ありがとうございました。』という感謝の言葉が

たくさん聞こえました。

 

タカラジェンヌに不可欠である、思いを伝える力と清らかな瞳、そして明るい笑顔で

募金活動に取り組まれていました。

 

2023すみれ募金(110・111)5

 

生徒のみなさんの前には長机が置かれていて、いつもは首から下げている募金箱や、

手にもっている花の種を入れるためのカゴが置かれていました。

 

2023すみれ募金(110・111)4

 

募金をすると生徒さんからビオラの種やチャイルド・ケモ・ハウスの案内が手渡されます。

 

2023すみれ募金(110・111)152023すみれ募金(110・111)16

 

ビオラの花言葉は『誠実』

 

2023すみれ募金(110・111)17

 

生徒のみなさんのご家族、友人、知人もかけつけ、あたたかく見守っていらっしゃいました。

 

2023すみれ募金(110・111)6

 

時間になると予科生から本科生へバトンタッチ。

登場した本科生は歩き方も凛々しく美しく、笑顔にも余裕が感じられました。

 

『ありがとうございました。』とご挨拶・一礼をして、予科生から本科生に入れ替わり。

スムーズな場面転換のような動きでした。

 

2023すみれ募金(110・111)7

 

なんとか生徒のみなさんを写真に収めようと頑張る来場者のみなさん。

募金をされる方から『頑張ってね!』と声をかけられ『ありがとうございます。』

とこたえる生徒のみなさん。

 

2023すみれ募金(110・111)8

2023すみれ募金(110・111)92023すみれ募金(110・111)102023すみれ募金(110・111)11

2023すみれ募金(110・111)122023すみれ募金(110・111)13

 

 

終了時間となり『ありがとうございました。』とご挨拶・一礼する本科生のみなさんに、

会場からはあたたかい拍手が送られました。

 

宝塚音楽学校の生徒のみなさんが退場された後も、来場者の方は頬を紅潮させて余韻にひたりながら

写真をチェックしてり、感想をお話しされていました。

 

募金活動終了後、本科生代表生徒4名のみなさんにお話しを伺いました。

 

2023すみれ募金(110・111)14

 

お話しを伺ったのは、左から

西東京市出身 工藤すず奈(くどう・すずな)さん 

東京都中央区出身 溝口薫子(みぞぐち・かおるこ)さん

東京都文京区出身 御子柴凛々子(みこしば・りりこ)さん

山口県山口市出身 田良結芽(たら・ゆめ)さん

 

 

『本日は、すみれ募金ありがとうございました。』

という元気なご挨拶からインタビューはスタートしました。

コロナ禍に音楽学校に入学されたため、取材を受けることが初めてということで

緊張気味のみなさんではありましたが、真っ直ぐな瞳で自分の言葉で

しっかり気持ちや思いをお話ししてくださいました。

 

 

★久しぶりに実施されたすみれ募金を終えた感想

 

工藤すず奈さん

憧れの行事の一つであるすみれ募金に参加することができ、

光栄に思う気持ちとこのような機会をいただけて大変感謝いたしております。

 

身長172㎝の工藤さんは、包容力のある凛とした魅力のあふれる男役になりたいです。

憧れは元花組の大浦みずきさんだそうです。

立っているだけで光が出てくるような魅力がとても好きだとおっしゃっていました。

 

溝口薫子さん

たくさんの方に足をお運びいただき、大変うれしく思っております。

日常が戻りつつある中、募金をしてくださった方々や

本日のためにご尽力くださった方々に感謝申し上げます。

 

溝口さんの目標は、品のある華やかな娘役になること。

憧れは愛希れいかさんだそうです。

 

御子柴凛々子さん

新型コロナウイルスの影響で開催されていなかったすみれ募金を、

今年は開催することができてうれしい気持ちとともに、

来てくださったみなさまや開催に向けて準備してくださった方々に感謝の気持ちでいっぱいです。

 

透明感のある優しい歌声を持った娘役になりたいという御子柴さんの憧れは真彩希帆さん。

 

田良結芽さん

新型コロナウイルスの影響で様々な行事が中止となり、

本日こうしてお客様を間近で見ることができ、大変胸が熱くなりました。

 

お客様の心に残るキラキラ笑顔の舞台人になりたいですという田良さんの憧れは音くり寿さん。

 

 

★どんな思いで募金活動をされましたか?

 

工藤すず奈さん

チャイルド・ケモ・ハウス支援活動を必要としている方に、

募金をしてくださった方々や私たちの思いが少しでも強く伝わればと思い参加させていただきました。

 

溝口薫子さん

病気の子どもたちのお役に立てたらという思いでさせていただきました。

少しでもチャイルド・ケモ・ハウスの活動がみなさまに知っていただけたらうれしいです。

 

御子柴凛々子さん

日々、癌とたたかう子どもたち、そしてそのご家族が私たちと変わりない日常生活を

送れることを願って参加させていただきました。

 

田良結芽さん

普段は直接あまりお役に立てることがない私たちではございますが、

このすみれ募金を通してチャイルド・ケモ・ハウスで癌とたたかう子どもたちが

少しでも普段の生活に戻れるようにという思いで参加させていただきました。

 

 

★病気とたたかう子どもたちへのメッセージ

 

工藤すず奈さん

遠く離れている場所で、あまり関わることのできない私たちですが、

このような活動をとおしてみなさまに何かお役に立てればなと思っております。

 

溝口薫子さん

今回、このように募金活動をさせていただき、みなさまのお役に少しでも立てたら

という思いでさせていただきました。

みなさまが少しでも早く元気に明るい生活を送れることを心より願っております。

 

御子柴凛々子さん

微力ではありますが、今回集まった募金で、みなさまが笑顔で暮らせる生活を

送れることを願っております。

 

田良結芽さん

今回、間接的ではありますが、みなさまの生活がよりよくなることを願って

参加させていただきました。

 

 

★来場されたみなさんからどんなお声がけがあり、

それに対してどんな思いをもたれましたか?

 

工藤すず奈さん

私たちに対して、頑張ってね応援してるよというお声をいただき、

今までは直接お客様に会うことができない日々が続いておりましたが、

今回直接目を合わせてお客様とコミュニケーションをとることができて、

大変素晴らしいことだなとあらためて実感いたしました。

 

溝口薫子さん

本日、たくさんの方々より、頑張ってください応援しておりますなどの

あたたかい言葉をいただき、大変胸が熱くなりました。

このお言葉を胸に、これからも一日一日を大切に芸事に取り組んでまいりたいと思います。

 

御子柴凛々子さん

これまであまりお客様とお会いしたことがなかったので、

今回直接間近でお会いすることができて、頑張ってねといったあたたかい言葉をいただき、

私たちも元気をいただきました。

 

田良結芽さん

今回、間近でお客様から、頑張ってね、初舞台楽しみにしているよなどのお声がけをいただき、

私たちはもっと精進してまいらなければならないという自覚が生まれました。

 

 

★すみれ募金が4年ぶりに実施され、徐々に日常が戻っていく中、

どんな思いで音楽学校卒業までの日々を過ごしていきたいですか?

 

工藤すず奈さん

昨年までは、ところどころ制限された生活が続いておりましたが、

今回このようにすみれ募金に参加することができて、本当にうれしく思っておりますし、

このような状況になったからこそもっと私たちは努力して

立派な舞台人を目指していきたいなというふうに思っております。

 

溝口薫子さん

このような機会をいただくことができ、本当に心から感謝しております。

この経験を活かしてこれからも同期一同精進してまいりたいと思っております。

 

御子柴凛々子さん

今まで当たり前にできていたことが、新型コロナウイルスの影響でできなくなってしまい、

でも今回は開催することができて本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

もっともっとひたむきに芸事に励んでいきたいと思っております。

 

田良結芽さん

新型コロナウイルスの影響で開催されなかった年の上級生の方々の思いもくみ、

私たちはさらに精進してまいりたいというふうに思いました。

 

 

晴れやかな笑顔を絶やさず一生懸命答えてくださった4名のみなさんでした。

 

 

この日集まった募金総額は1,342,252円。

 

募金はすべて『公益財団法人チャイルド・ケモ・サポート基金』に寄付され、

小児がんをはじめとした医療的ケアが必要な子ども達が家族とともに、

家のような環境で治療を受けることができる日本初の施設

『チャイルド・ケモ・ハウス』の運営に活用されます。