「市立病院の得した気分!」-たからづかタウンガイド-
皆さんお元気ですか?
玉井順子です!
今回の「市立病院の得した気分!」は放射線治療科 主任医長 兼 放射線治療センター副センター長
新谷尭(しんたに たかし)先生
同じく放射線治療科 主任医長
阿南慎平(あなみ しんぺい)先生に
「最先端の放射線治療を市内でも安心して受けられます」をテーマに、オンラインでお話しをお聞きしました。
·放射線治療について
がん治療の3本柱は手術·薬物療法·放射線治療になります。
その中の放射線治療についてお聞きしました。
·照射の頻度や間隔について
患者さんの症状にもよりますが、例えば 肺がんの場合、転移無しは1週間くらい、リンパ節への転移の場合は、根治を目指して6週間くらい、また症状を和らげるための緩和照射では骨や脳への転移の場合などは1~2週間など病状によって変わるそうです。
·副作用などは?
照射している時に痛みや熱さなどを感じることはないけれど、例えば乳がんでは皮膚炎や脳腫瘍だと頭痛や吐き気、ふらつきなどが照射後に出ることはあるそうです。
ただその様な症状も一時的なもので、多くの場合薬で抑えることが出来るとのことです。
·他の治療方法に比べて··!
手術や薬物療法に比べて副作用が少ない放射線治療は高齢者や合併症などで体力が低下した人でも安全に治療できるとの事です。
実際に90歳代で受けられている患者さんもいらっしゃるそうです。
90歳代は凄いですね?身体への影響が本当に少ないと言うことでしょうね?
·放射線治療に関して向き不向き腫瘍はありますか?
根治治療として放射線治療が向いているがんは、乳がんや肺がん、食道がん、子宮頚がん、前立腺がんなど多数あるそうで、根治治療でとして用いられていないのは胃がんだそうです。緩和治療は行われているそうです。
·放射線治療のメリットとは?
薬物療法だと抗がん剤の種類によって副作用が変わりますが放射線治療は照射部位によって変わります。但し年齢の他にも肺機能、肝臓、心臓など内臓機能が低下していても出来る治療です。
例えば抗がん剤は腎臓の働きが悪いと使いにくいものがあったり、手術も心臓の機能が低下していると難しいそうです。
また身体を切らずに治療出来る事も大きいとのこと。
例えば喉のがんなどは手術をすると声を失う可能性があるけれど、放射線治療だと大丈夫だったり、また副作用が少ない事も大きく、体力が温存出来ますし通院治療が出来るので、患者さんの社会生活が変わらない事はとても大事ではないかなぁ?と思います。
逆にデメリットを上げるとすると、、見方を変えて、回数が多いことかもしれません、とのことです。
まず、放射線治療は毎日受けるそうて、根治治療の場合例えば乳がんの場合は3~4週間ほど、前立腺がんは1ヶ月くらいほどかかるそうです。
·宝塚市立病院の取り組み
2018年にがんセンターを開設し、放射線治療センター、化学療法センター、がん診療支援センターが連携してがん治療を行っています。
放射線治療センターは、放射線治療を専門とする医師の他治療装置を扱う医学物理士、症状や精神的なサポートをするがん放射線療法看護認定看護師など様々な方向から一丸となって治療、サポートされています。
毎日集まってカンファレンスをしながら、それぞれ情報共有も行っているとの事です。
また、病気治療に関すること以外にも費用の問題や生活、社会復帰など様々な不安に関しての相談に関してもがん相談支援センターでサポートしているとの事です。
症状や痛みなど身体への不安、未来への不安、生きていくための様々な不安、精神的な不安など本当に沢山の不安を患者さんやその周りの方たちは抱えていると思います。
それらの不安に向き合って貰えることはとても心強いことではないかなぁ?と思います。
·トモセラピー
宝塚市立病院にはとても心強い最新の放射線治療が可能なトモセラピーがあります。
トモセラピーは、CT装置に似ているそうでCT画像を撮影出来るそうです。
トモセラピーの機能としてはIMRT(強度変調放射線治療)や定位照射(ピンポイント照射)と呼ばれる、根治を目指した高精度治療を目指しています。
·IMRTとは···放射線に強弱をつけて照射する治療法で正常組織に当たる放射線を抑えながら腫瘍には強い放射線を照射出来る方法で複雑な形状や大きな腫瘍に有効だそうです。
·定位照射とは腫瘍に対して通常よりも強い放射線を多方面からピンポイントに当てる技術で特に小さい腫瘍に有効だそうです。
またその他に肺や肝臓など呼吸で動く腫瘍の動きに合わせて照射出来る動体追尾システムも備えていて、高精度で副作用の少ない治療が可能となっています。
その他にもがんの痛みや出血を和らげる緩和治療も行っています。
放射線治療と聞いて「熱いんじゃないかなぁ?、痛いんじゃないかなぁ?」内臓なとへの負担など不安に感じていたこともありましたが、照射中は痛みも熱さも感じず90歳代の方も受けられていると聞いてちょっとびっくりしました。
がん治療の3本柱、手術、薬物療法、そして放射線治療。
がんに立ち向かったり、上手に向き合って共生する患者さんにとっては大きな力になりそうですね!