川柳の時間
4月10日 「川柳の時間」夕凪子先生とパーソナリティの山崎彫科でお届けしました。
以下、番組内でご紹介できなかったお作品の抜粋と講評です。
スニーカーの底突っついて春踊る 林かずき
頭を出しかけているたけのこ。たんぽぽ。踏めば春だよと柔らかく押し返す。
足の裏から感じる春もあるのですね。
花の宴まるくまあるく縁になり 玉山智子
花の下の宴。花弁がよりそうようにまるく座ればまるい縁になってゆく。
そしてだんだんさくら色に染まってゆく。宴、縁と丸の円。みんな、さくらマジック。
フィナーレは春の軽さを連れてくる カッシュママ
辛いこと。悲しいこと。耐えること。四季の中では春が一番柔らかく受け流せるのかもしれません。
気温のせいか。穏やかな風のせいか。冬を耐え抜いた自信からなのか。軽やかに舞うさくらのように。
去る者は去って八重桜の見事 徳道かづみ
あっと季節が巡りもう八重桜の季。もっちりとみっしりとかたまって咲いて今を謳歌している。
ジタバタしても、しなくても、八重桜は八重に咲き、物事はなるようになる。
雨上がり桜小紋のアスファルト 猫又(夏梅堂)
春の嵐に散ったさくらの花弁がびっしりと道を埋める。まるで小紋の模様だという。
無理ばかり押し付けている地球に今日はふわりと一緒かけてあげましょう。
水跳ねる過日の私語のそこかしこ 高良俊礼
小石を投げたかのように跳ねる水。跳ねて波紋が生まれ、キラキラと春の陽が煌めく。私の中の思いが煌めく。
彫科さんの今月の句
最後の日部屋の広さを思い出す
公園でまた逢える日を待つ桜