川柳の時間

川柳の時間
s-image0

新年あけましておめでとうございます。
元旦、逆瀬川アピアのブースから冬晴れの宝塚の空が見えています。
本年もどうぞよろしくおねがいいたします。

2025年1月1日 の放送は茉莉亜まりがパーソナリティの山崎彫科さんとお届けしました。
「川柳の時間」FM宝塚youtube公式チャンネルに一瞬間程度アーカイブが残ります。
チャンネル登録をしてお楽しみください。

 番組内でお読みできなかった句の抜粋と講評です。

 

延長延長延長 耐えているストーブ   一橋悠実
寒い寒いさむい。まだまだまだ。にんげんの都合で延長延長に耐えているストーブのこと、
そんな風に使われるだれか、なにか。沈黙の悲鳴だったり泣き声だったりがもれている。


打ち切りを告げぬ賀状を仕舞ひ置く   
猫又夏梅同
もういいかな、やめようかな、義理で出してるんだけどなんだかな、
自分からはお仕舞と書くのもなんだかな、と続いてゆく年賀状。


愛しさと祈りにきこゆ除夜の鐘   
みいちゃん
年の終わりを告げる鐘の音。響きのなかに含まれるのをきけばその人のありようが透ける。
あらゆるものへの、生きている世界への愛しさと祈りを聴くこの年の終わり。

 
ため息がもれそうになる寒椿   川端日出夫
寒風に立ち向かうように凛と咲く椿。こらえているため息がついもれそうになることもある。
そこは椿。決してもらさず、凛としたまま朽ち、ある日潔くぽとりと枝を去る。

 
どんな日も過去に振り分けられる今日   高良俊礼
今日を侵食しかねないあれこれを、どんな日をもを過去として振り分けられるのが今日という日。
振り分けることができたなら、あんな日こんな日の荷を下ろしてあらたなる今日へ。