元宝塚歌劇団 月組 千海華蘭さん【2023年】
樽井美帆です
宝塚歌劇の夢と情報をお届けする『レビュー・ステイション』
2023年6月10日(土)は、スペシャルゲストデイをお届けしました!
お迎えしたのは、
元宝塚歌劇団 月組 千海 華蘭さん
この日は、『レビュー・ステイション』放送1000回という記念すべき日でした✨
1000回にふさわしいスペシャルゲスト千海華蘭さん!
『レビュー・ステイション』がスタートした2004年4月に宝塚音楽学校に入学され、
芸名に千という漢字をお持ちの千海さんにご縁を感じずにはいられませんでした。
お祝いのお花に彩られたスタジオからお送りしました。
スタジオ前には千海さんのファンのみなさんが大勢かけつけてくだり、
またラジオをお聴きのみなさんからはメッセージもたくさんお送りいただきました。
ありがとうございます。
2006年「NEVER SAY GOODBYE」で初舞台を踏まれた92期生。
月組の男役として17年間活躍され、2023年4月30日、
『応天の門』-若き日の菅原道真の事-・『Deep Sea -海神たちのカルナバル-』
東京宝塚劇場公演千秋楽をもって宝塚歌劇団を卒業されました。
退団されてから1ヶ月と10日という、まだまだホヤホヤ状態でご出演くださいました。
小学校2年生の時から宝塚歌劇をご覧になっていた千海さんは、
宝塚音楽学校入学が決まった時、同期生と築いていく絆にドキドキワクワクされたそうです。
入学後、新たな環境の中で学校生活を送られていた千海さんは、
ある日体調を崩されてしまいました。
その時、千海さんを介抱されたのが鳳月杏さん!
お互いまだ幼いため介抱の仕方が分からない中、鳳月さんは千海さんを抱え
長い足で膝枕をし、水を差し出されたそうです。
が・・・
差し出されたのは2リットルのペットボトル!
少しずつごくごく飲むという状態ではなく、ブワァッーとお水が口の中へ!
まだ入学してから間もなくで仲良くなる前だったので突っ込むこともできず、
ありがとうと感謝を伝えられた千海さん。
ですが時が経った今でも、千海さんと鳳月さんの爆笑鉄板ネタになっているそうです🤣
千海さんとは、放送1000回記念!1000(いちまるまるまる)トークを
繰り広げました。
放送日だった2023年6月10日の1000日前となる2020年9月14日。
コロナ禍で公演が止まっていた宝塚歌劇が再始動し、
千海さんは、11日後に初日を迎える
『WELCOME TO TAKARAZUKA -雪と月と花と-』・『ピガール狂騒曲』のお稽古中でした。
『ピガール狂騒曲』で千海さんが演じられたのはロートレック。
酔っぱらったお芝居が見事で、舞台に出てこられるだけでお酒の匂いが漂ってきそうな
ロートレックでしたが、実は千海さんはとてもお酒に弱く酔ったことがなかったそうです。
でもロートレックを演じるにあたり酔った感覚を知らないでは演じられないと、
お酒を買い込みお家で一人でお酒を飲んでみられたのですが、
やはり酔うまで飲むことができず眠くなってしまいあえなく失敗。
そこで酔っぱらいのお芝居研究作戦変更!
YouTubeで志村けんさんのコントなどをたくさん見て、どうしたら酔っぱらいに見えるのか、
志村けんさんのお芝居のどういうところを見て酔っぱらいだと自分が判断しているのか
などを研究されました。
そして、呂律が回っていないようでちゃんとしゃべってるなどという
色々と大切なことを志村けんさんから学ばれたそうです。
千海さんのロートレック、きっと視点が定まっていないんだろうなと感じましたし、
見事な千鳥足でしたよね😄
ロートレックの衣装デザインは、千海さんが尊敬する有村淳さん。
ダボッとしている衣装でありながらも、貴族の子息なので品は失わずという感じで
着こなしていらっしゃったそうです。
そして、特徴的なめがね!
時代も考慮し、鼻当ての部分が金具でできているもの、なおかつ自分に似合うものを探し、
千海さんご自身がご用意されました。
靴も品がありながらもちょっと履き崩しているような風合いのものをご自身で探し、
有村淳さんに相談の上身につけていらっしゃったそうです。
思い出のセリフとして番組で披露してくださったのは、
『桜嵐記』で演じられたジンベエのセリフでした。
おじさんなんだけれども少年のように向かっていけるかということが、
千海さんの中でポイントだったそうです。
この人に惚れた!付いていきたい!という喜びにあふれたジンベエさんの
キラキラした瞳の輝きが忘れられませんね。
作・演出の上田久美子さんの思い描くジンベエに近づくため、
模索しもがきながらお稽古をされた千海さん。
やってもやってもなかなかOKをいただけない日々が続きます。
どうしたらジンベエになることができるのかを自分なりに積み重ねていっていたある日、
突然上田さんは何も言われなくなったそうです。
不安になった千海さんは上田さんの元へ。
上田さんは「大丈夫です。」とおっしゃったそうです。
気になることがあればいつも生徒のみなさんに伝えらえる妥協のない上田さんが、
何もおっしゃらなくなったことは不安でもあったけれども、
自分の中でジンベエという役が出来上がったのかなと思う瞬間でもあったそうです。
毎日毎回人に何かを伝えることは本当に根気がいることにもにも関わらず、
最後まで続けてくださった上田先生への感謝の思いもお聞かせくださいました。
新しい課題が見つかり、深く自分と向き合うことができた作品でしたと千海さん。
演じることは楽しいな、あらためて宝塚が大好きだなと思えた
今の自分を作る上でなくてはならない役でしたとおっしゃっていました。
この『桜嵐記』で退団された珠城りょうさんと千海さんは、
絆の深い役を何度も演じてこられました。
ジンベエの楠木正行への思いは、千海さんが珠城さんに抱いている感情や
昔から切磋琢磨して作品を作り上げてきた絆があったので
不安なく表現することができたそうです。
退団公演『応天の門』で、17年間の男役生活集大成として千海さんが演じられたのは、
なんと13歳の幼い清和帝。
眉毛をハの字にして懸命に帝であろうとする姿に感動しましたよね。
漫画を読まれた時に千海さんもハの字眉が印象的だったため、
舞台メイクの段階からハの字眉にした方がいいのかなと考えていらっしゃったそうですが、
メイク監修のCHIHARUさんから、普通に描いていても気持ちが入ったらハの字眉になるから
大丈夫だよとアドバイスを受け、メイクでは細工をされなかったそうです。
千海華蘭さんと1000の関わりを少しご紹介させていただきます。
2008年から2009年にかけて上演された源氏物語千年紀頌『夢の浮橋』。
この公演で千海さんは大劇場公演で初めて役がつきました。
ヒロインの弟・小君を演じられ、当時のトップスター瀬奈じゅんさんともお芝居をされました。
瀬奈さんの肩に触れるお芝居では、いつも手がブルブル震えていたそうです。
2016年、ロック・ミュージカル『NOBUNAGA<信長> -下天の夢-』で
千海さんが演じられたのは、イエズス会の宣(せん)教師オルガンティノ。
作・演出の大野 拓史さんからは、可愛らしい天使のような「乙メン(おとめん)」で演じてほしい
というリクエストがあったそうです😍
2014年、プチ・ミュージカル・プレイ『明日への指針 -センチュリー号の航海日誌-』では、
スキンヘッドのベルンハルト役。
龍真咲さんと愛希れいかさんが舞台に二人きりになり心の距離が近づくという胸キュンな場面で、
千海さんはコッソリ写真を撮りながら前を通過するお芝居をされました。
ハケ際で帽子を落としスキンヘッドをあらわにするという決まりがあり、
毎回どういう感じでスキンヘッドをお目見えさせたらいいかを考えていらっしゃったそうです。
初めてのアドリブ場面。
作・演出の石田昌也さんからは、3パターンくらいローテーションすればいいよと
言われていましたが、関西人としての血が騒いだ千海さんは、
お稽古から1つとして同じものを披露せずにできるかという自分への挑戦を課され、
そればかりを考えていらっしゃったそうです🤣
若々しい青年、お髭をたくわえた楽しい酒場の主人、酔っ払いの画家ロートレック、
神父様、幼い帝、忠誠を尽くす役、私たちの涙腺を崩壊させる役などなど。
そしてショーでは、さっきまでのお芝居と同じ人物だとは思えないほどの
キラキラオーラで魅了してくださった、まさに七変化スター、
学年不詳スターさんでいらっしゃった千海華蘭さん。
お洋服もヘアメイクも洗練された本当にステキな千海華蘭さん。
明るい笑顔と宝塚歌劇への愛で、『レビュー・ステイション』1000回目の放送を
彩ってくださいました。
千海華蘭さん、ご出演くださいまして本当にありがとうございます!
YouTubeライブのアーカイブはこちらです!
✨2023年6月10日『 レビュー・ステイション』(千海華蘭さん)✨
なお、千海華蘭さんがご出演くださるにあたり、
株式会社いづみや本舗様より
「ベルサイユのばら炭酸せんべい」をご提供いただきました。
ありがとうございます。