4月23日 川柳の時間

4月23日たからづか8丁目35番地 「川柳の時間」

本日もお聴きいただきありがとうございました。鑑賞担当茉莉亜まりがパーソナリティとお送りしました。

茉莉亜まりのきょうの一句は
生きて去る騒ぐことでもない櫻
でした。

9:40頃~10:00までの放送はYouTube宝塚公式チャンネルに1週間程度アーカイブが残ります。チャンネル登録をしてお楽しみください。

10:00頃のフリートークコーナーでも川柳をご紹介しています。なお、フリートーク部分のYouTube配信、アーカイブはありません。

あしからずご了承ください。

以下、番組内でご紹介できなかったお作品、先月までに届いていたお作品の抜粋と講評です。

花一輪くれし吾子への読み聞かせ

猫又夏梅堂

野の花を摘んではちいさな手でさしだす吾子へと日々に読み本を選んでは読み聞かせる。吾子の愛おしさと、心身ともにすこやかなれとの願いと。
けじめなどつけずに掴む蕗の薹川端日出夫蕗の薹は地面からのたしかな春の便り。けじめなどつけないと決めてあいまいを受け入れる。けじめをつけることがいいことでないこともあるから、と春風が頬をなでる。

スローモーション私であるというリアル

一橋悠実

倍速3倍速で動く世の中。バーチャルもたけなわ。私は私であるそのことを、自身のリアルをスローモーションで死守する。

幾重にも躓きの跡越えた跡

山口ちい子

躓く。蹲る。やがて立ち上がる。再び歩き出す。歩き続ける。気付くと越えている。幾重にも幾重にも跡を重ねて歩き続ける。

凍ってた時間が解けて流れる

夜涼閑

動かない時間。冷え切った時間。ふと流れたのは月あかりが届いたからか、星がひとつ流れたからか。解ければあすへと時間が流れはじめる。

採光を白木蓮のその訳を

高良俊礼

光のもと光へと咲く白木蓮。花は訳など問わず咲く。「その訳を」と問う人へとただたしかにか香るのみ。

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名刺半分の大きさの豆本川柳集『月のおと』『花のこゑ』(海文舎・1,500円)を刊行しました。お手許にお招きいただけますと幸いです。お声かけください。
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